「半端な気持ちはいらねぇ〜♪っと。さーて、今日もバリバリ仕事をこなすか!」
「事務所のドアはここだな。よし、気合いを入れて……!」
「くっ……あっ……!//」
「どう……で、ありますかっ……プロデューサー殿っ……//」
「……ん?この声は……亜季とプロデューサーか?何だかやけに、騒がしいな」
「亜季の……すごいキツい……//」
「まだまだで、ありますよっ……!怠けたカラダを、徹底的に……鍛え直してやるでありますっ……♪//」
「っ……!?」
「それに……さっきから……すごい、当たってる……うあっ……くっ……!//」
「何を……よそ見してるんですかっ……今は「実戦中」ですよ……!私だけに、集中するのであります……//」
「なっ……なななっ……!//」
「はぁはぁ……うあっ……亜季っ……そ、そろそろ……限界……だっ……!//」
「ふふっ……離しませんよっ……♪もっともっと……熱いモノを、見せてもらわないとっ……!//」
「……〜っ……!//」
バンッ!
「「!?」」
「て、ててて、てめえらぁ!あ、ああ、朝から事務所で、何をしてやがるんだあっ!//」
「た、拓海?どうしたんだよ、そんなに慌てて……」
「アァ!?ど、どうしたんだって、こっちのセリフだ!ああ、朝から……こんな場所でなあっ!//」
「どうしたんだって……護身術を、伝授してただけでありますが……?」
「はぁっ!?護身術だあ!?」
「あぁ。さっき、亜季と今、ハマってる、サバゲーの話をしてたんだ」
「それで、サバゲーで使ったことのある護身術を、リアルで体験させてくれるって聞いて、お願いしたんだよ」
「えへんっ!これくらいの護身術なら、朝飯前でありますよっ♪」
「何だ……そうだったのかよ……ったく……てめェってやつは……」
「一体、何をしてると思ったんだ?」
「そ、それは……う、うるせぇ!ただ、騒がしかったから、ちょっと気になってただけだっ!//」
「そうか。でも、亜季。護身術って、あんなに密着するものなのか?」
「……は?」
------------------------------------------------
「えぇ!関節技、抑込技、絞技、護身術の基本スキルであります!」
「そうなのか。かけてもらった技の中には、サバゲーで見たことのない技もあったから、勉強になったよ」
「後ろや正面から、俺の上半身に手を回されて、思いっきり抱きしめられたり……あんな護身術もあるんだな」
「あ、あれらも、身を守るための……大切な護身術でありますっ……//」
「……」
「何だか少し、照れ臭かったけど……でも、一番きつかったのは、関節技だったな。あれは、凄かった……」
「より実戦に近いように、少々、キツめにかけてしまったのでありますが……痛くなかったでありますか?」
「いや、頼んだのは俺だし、気にしないでくれ。むしろ……別の意味で、キツかったかな……」
「……と、言いますと……?」
「かけられてる最中に、俺の顔にすごいグイグイ当たって来たんだ。その……亜季の、柔らかい物がな……//」
「……!」
「あ、あれはワザとではなくて……不可抗力と言いますか……気にしないでくれると、助かります……//」
「そ、そうだよな……亜季は女の子だし……仕方のないことだよな……//」
「「……//」」
「……」
ゲシッ!
「痛てっ!」
「……おい。さっきから何、アタシの目の前でイチャイチャしてやがるんだ……」
「は、はぁっ!?イチャイチャなんかしてねえって!//」
「そ、そうでありますよ!戦場に色恋は、必要ないのでありますっ!//」
「チッ……どの口が抜かしてやがるんだか……それより……いつまで、アタシを放置してやがるんだ……」
「……あっ、そうか……悪い悪い。拓海と、これから収録に行くんだったな。じゃあ、向かうか」
「ふぅ……ったく……朝から、胸くそ悪りぃぜ……」
「……プロデューサー殿には……護身術よりも、乙女心を学んで欲しいのであります……」
------------------------------------------------
「涼、拓海。今日はよろしく」
「あぁ、よろしく頼むよ。プロデューサーサン」
「チッ……何で、アタシが……こんなことを……」
「どうした、拓海。何か不満でもあるのか?」
「大アリだっつーの!何で、アタシが……アタシがっ……」
「……遊園地にまで来て……お化け屋敷に入らなきゃなんねえんだよぉっ!!」
「何でって……収録だから?」
「お化け屋敷に入るだなんて、一言も聞いてねえぞ!いつ言ったんだ!コラァ!」
「言うわけないだろ。サプライズをするのに、今からサプライズをするぞって言われて、喜ぶヤツがいるか?」
「テメッ……!これのどこがサプライズなんだよ!喧嘩売ってんのか!!」
「あれぇ?もしかして、お化け屋敷が怖いのか〜?」
「なっ……!ンなわけねえだろ!アタシは特攻隊長なんだぞっ!ナメんじゃねえ!!」
「なあ、拓海、そこまでにしときなって。そんなに駄々をこねても、しょうがないと思うよ?」
「なっ……!べっ、別に、駄々をこねてなんか……!」
「これはお仕事なんだし、ささっと済ませちゃった方が、気が楽になるんじゃないかい?」
「それは……ふぅ……わかったよ。行けゃいいんだろ、行けゃ」
「おっ、行く気になってくれたか。涼、ありがとうな」
「礼には及ばないよ。それじゃあ行こうか、拓海」
------------------------------------------------
ヒュ~ドロドロ~……
「なかなか凝った作りをしてるな……結構、雰囲気があるじゃん」
「へ、へんっ!こんな子供騙しみてぇな所、ちっとも怖かねえ!!」
「このお化け屋敷、小梅がすごい推してたからね。タダモンじゃないってのはわかるよ」
「どうだか、そんなことより……おい」
「ん?何だよ?」
「何でここに、プロデューサーがいるんだよ!外で、待ってるんじゃなかったのかよっ!」
「しょうがないだろ。出演予定の人が来れなくなって急遽、代理で俺が入れられたんだから」
「だからってなあっ……!」
「まあ、いいじゃないか。それより私服、似合ってるよ」
「そうか?ありがとう、涼」
「ったく……んじゃあ、とっとと行って、済まそうぜ……」
「……た〜く〜み〜ん〜」
「ひゃあっ!?」
「ひゃあっ!だってぇ〜♪たくみんってば、か・わ・い・い・ぞ♪」
「よぉ、里奈。ここの案内をよろしくな」
「はぁっ!?り、里奈!?」
「ちょり〜す♪たくみん♪みんなっ♪今日はよろよろ〜♪」
「どうしてここに、里奈が……!それに何だよ!その格好は!」
「どう?似合う〜?キュートなおばけが、テンションあげあげで、屋敷を案内するぽよ〜♪」
「……なぁ、プロデューサー……まさか、アタシ以外はみんな、打ち合わせ済みだなんて言わねえよな?」
「知らないなあ。なあ、涼」
「うん、知らないねえ」
「くっ……!帰ったら……ぜってぇにシメる……!」
「ではっ♪たくみん御一行を、恐怖と怨嗟が蠢く、未知の怖〜い冥界にご案内しま〜すっ♪」
------------------------------------------------
「やばっ……ただのお化け屋敷だと思って、つい、二つ返事で代理出演を承諾しちゃったけど……」
「……何これ……雰囲気出すぎじゃね……?本当にここ……遊園地の敷地内なの……?」
「ふふっ♪アタシたち、ここから帰れないかもしれないな♪」
「涼……何だか、余裕そうだな……」
「さあ、どうだろうね。拓海はどうだい?」
「……ふ、ふんっ!全然、怖かねえよっ!」
「おっ、そいつは頼もしいねぇ。頼りにしてるぜっ♪」
「ここさ、マジヤバな雰囲気でしょ?激ヤバで超、テンション萎えぽよしちゃうかもだから、注意してね♪」
「……そんなにハイテンションで、ギャル語を話す幽霊なんて……聞いたことがないぞ……」
「あっ、ヤバッ☆……ヒュ〜……ドロドロ〜……う〜ら〜め〜し〜や〜ぁ〜……」
「チッ……!バカことをしてねえで、とっとといくぞ……!ったく……」
ガシッ
「……ひっ……!……な、何だよぉっ……」
「これは……手か?」
「うん、これは死んだ人の手。生きてる人を恨んでいて、道連れにしようとしてるらしいよ?」
「……さらっと、怖いことを言うな……」
「な、何が道連れだ!それになんダァ!よく見たら作りモンだろこれ!びっくりさせやがって!!」
「たくみん頭いい〜♪そうだよっ、たくみんの足を掴んだのは、作りもんだぽよ〜♪」
「……あっさり、認めちまうんだね……」
「あ、でもね?確かに、今のは作り物だけど……」
フッ……
……タマニホンモノガマザッテルカラ……チュウイシテネ……?
「なっ……おい!蝋燭が消えちゃったぞ!」
「じ、冗談はやめろよっ!おいっ!!」
「……」
「……なぁ……里奈ぁ……悪ふざけは、いい加減にしてくれ……」
ポロッ
「っ……!?う、うわあああっ!」
「た、拓海……!?どうしたんだ!?」
「り、里奈の首がっ……」
「おいおい、流石にこれは、やりすぎだよ……っ!?」
「涼も、どうしたんだ?」
「いや……今、首筋に……冷たい感じがしたような……」
「うぅ……薄暗くて前が……よく見えねぇよぉ……」
「と、とりあえず二人とも、先に進もうぜ!何だか、霧も濃くなってきてるし……」
「……そうだね……このまま……進むしかないね……」
「……ううっ」
------------------------------------------------
「くそっ……明かりが無くなったせいか、ますます不気味になってきたぞ……」
「……」
「おい、拓海?大丈夫か……?」
「……クスン……う、うるせぇ……こっちみんなよぉ……スンッ」
「……おいおい……さっきの勢いは、どうしたんだ……?」
「そうだよ?アタシたちは、拓海を頼りにして……」
……エヘヘ……リョウサン……♪
「……ひっ!」
「っ……!?り、涼!急に、大声を出すなって!」
「わ、悪い……だって、今……耳元で誰かが……アタシに囁いてきて……」
……ワタシトアソボウヨ~……コッチダヨォ~……♪
「ひっ……きゃああああああっ!」ギュウッ
「うわっ!?ど、どうしたんだよ!涼っ!」
「こ、今度は、反対側から声がしたんだっ……!」
「とりあえず落ち着け!なっ……?」
キュッ……
「ひっ……!片腕を掴まれた感触が……幽霊か……!?」
「……クスン」
「って……何だ……拓海かよ……」
「……何だって、何だよぅ……あたしだって、少しくらい……こうしてもいいじゃねぇかよぉ……」
「ふぅ……普段の威勢の良さはどこにいったんだ?亜威怒流の特攻隊長さんよ」
「うるせぇぞ……ずべこべ言ってると……あとでシメるぞぉ……クスン」
「ったく……涼も拓海も、どうしちまったんだよ……」
……ネェ……ア~ソ~ボ~……♪
「……ひっ……!もう……いやぁっ……」ギュッ
……オネエサ~ン……アタシモツレテッテ~……♪
「ひいっ!ざけんなよぉっ……!」ギュッ
「お、おいっ……そんなに、密着してくるなって……」
ムニュッ♪
「……二人とも……意外と……じゃなくて!こ、怖いのはわかったから落ち着け!大丈夫だから!なっ!?//」
「……クスン」
「ううっ……スンッ」
「……だめだこりゃ……しょうがない。とりあえず、今は二人を連れて、出口まで向かうか……」
プニプニ……
「くっ……!いろんな意味で……歩きにくいっ……!//」
------------------------------------------------
「……クスン」
「ほら、二人とも。出口だぞ」
「……本当かい?」
「あぁ、涼。こんなに、日差しが眩しいだろ?」
「……終わったのか……?……へ、へんっ!大したことはなかったな!……スンッ」
「涙袋に涙を溜めながら言われても……説得力がないぞ……」
「……みんな……お疲れ様……♪」
「ひっ……!?」
「おっ、小梅。お疲れ様」
「ここのお化け屋敷……凄かったでしょ……?あの子の、お気に入りの場所なんだ……えへへ……♪」
「すごいも何も……本気で、どうにかなってしまいそうなぐらい、凄かったぞ……」
(……もちろん……別の意味でだけど……この二人のせいで……//)
「ふふっ……♪怖がってる涼さん……すごい……かわいかった……♪」
「勘弁してくれよ、小梅……ホラー映画は好きだけど、マジなのは苦手なんだって……」
「お〜い☆みんなぁ〜♪おっつかれちゃ〜ん♪」
「……里奈?」
「たくみん、どうしたの?そんなに涙目になっちゃってさ。らしくないじゃん」
「お、おい!里奈か!?本物の里奈なのかっ!?」
「そうだよ?テンションMAX、キュートさMAXな、いつものLOVEハズカムな里奈ちゃんだよ♪」
「首……首は大丈夫なのか!?怪我はしてねぇのか!?」
「ちょっ……たくみん、大丈夫?テンションサゲサゲで、マジヤバになっちゃった?」
「おい……里奈。あそこまでやるとは、俺も聞いてないぞ」
「エェ〜。だってぇ、簡単にネタバレしたらつまんないジャン♪それに首って……これのことぽよ?」
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「うわあっ!?」
「よく出来てるよね〜、これ♪美術さんに見せてもらった時に、マジで感動しちゃった〜♪」
「お前……よくそれを、平気で持てるな……」
「だって、美術さんたちが一生懸命に作ってくれたもんだし、丁寧に扱わなきゃね♪」
「それに、人様と物は大切にしろって教えてくれたのは、プロデューサーでしょ〜?」
「それは……ぐっ……確かに、その通りだ……」
「……な、何だ……作り物だったのかよ……心配したアタシが、バカみてえじゃねえか……」
「涙目なりょーちゃとたくみん、ちょ〜かわいかった〜♪ね〜、小梅ちゃん♪」
「うん……♪かわいかったぁ……♪」
「な、なぁ……小梅?一つ、聞いていいかい?」
「ん……?涼さん……どうしたの……?」
「小梅ってさ……この遊園地にいつ来たんだ?アタシたちが朝、集合した時に、小梅たちって……いたっけ?」
「ううん……実は、涼さんたちが来る前に、里奈さんと一緒に、少し早めに来たんだ……」
「そうそう♪アタシと小梅ちゃんは一足先に、この遊園地に来たんだよね〜♪」
「何だ、そうだったのか。それならいいんだ」
「ん……?でもよぉ。アタシたちが屋敷に入ったときに、里奈はいたけど、小梅はいなかったよな?」
「えっと……私は、里奈さんの衣装の着付けと、装飾のお手伝いをしに来ただけなので……」
「うんうん♪小梅ちゃんが手伝ってくれたおかげで、アタシをマジコワにしてくれたんだぽよ♪」
「ということは、プロデューサーサンは知ってたのか?小梅のことを」
「あぁ。衣装の着付けに来るってことは、知ってたぞ」
------------------------------------------------
「確か、あの時……あ、そっか!なあ、拓海。屋敷に入って少し経ってから、変な声が聞こえただろ?」
「変な……?あ、あの時か!確かに、首を誰かに触られながら、声が聞こえたような気がしたな」
「あれってさ、小梅と里奈なんじゃないかい?」
「んにゃ……?」
「全く、二人とも人が悪いよ。マジのヤツかと思って、すごいビビっちまったじゃないか」
「ま、待って……私たちは……お屋敷に入ってないよ……?」
「もういいって。番組の趣旨は、わかってるからさ」
「え?イヤ、まじでアタシたちは知らないよ?ね?スタッフさん」
「はい。藤本さんと白坂さんはずっと、裏のテントで、モニターをチェックしてもらっていました」
「えっ……?じゃああの時に、案内してくれた里奈は、誰だったんだ……?」
「あの時は、アタシはいたよ。でも、蝋燭を消して、マネキンとすり替わった以降は知らないよん?」
「だって、その時にテントに戻って、小梅ちゃんとずっとモニターで、たくみんたちを監視してたんだから」
「……えっ?でも確かに、あの時「涼さん」って小梅の声が聞こえたはず……」
「……嘘……だろ……じ、じゃあ……まさか……アタシと涼が、聞いた声って……」
「えへへ……もしかしたら……「生霊」かもしれないね……♪」
「ええっ!?それ、ガチホラーなヤツじゃん!まじウケる〜♪」
「「……」」
「……なぁ、拓海……このことは、聞かなかったことにしよう。アタシたちは何も知らない、いいな?」
「……あぁ……そうだな。アタシは、何も知らねぇ……知らねぇぞ……」
「どうしたんだ?二人とも、何かあったのか?」
「……プロデューサーサン……さっき、お化け屋敷で起きたことは……忘れてくれ……」
「ん?何だよ。あの時の二人、すごいかわいかったじゃないか」
「……シメる。こっちに来い。記憶を無くさせてやるから」
「……アタシも協力するよ……少し、痛いだろうけど……悪く思わないでくれ……」
「ちょっ……急に、物騒すぎだろお前ら!何なんだよ一体!」
「……うふふっ……♪生霊……♪」
------------------------------------------------
「ねぇ〜、夏樹っち〜♪見て見て〜♪」
「ん?おぉ。これが、例の番組か」
「ばっ……!り、里奈!てめえ、何を見せてやがるんだ!!」
(……クスン……う、うるせぇ……こっちみんなよぉ……スンッ)
「〜〜っ!//」
「何だよ、普段とは真逆じゃないかよ。大スクープだな、こりゃ」
「う、うるせえ!ていうか!夏樹だって何だよ!その格好は!」
「ん?これかい?何って……メイド服だが?」
「てめえだって、普段とイメージが真逆だろうが!」
「そうだねぇ。これでも、何回か断ったんだけどな。はい、プロデューサー。コーヒーを淹れたよ」
「おっ、ありがとうな。夏樹」
「夏樹っち、似合うじゃ〜ん♪髪を下ろした姿も、マジカワだし♪」
「やめてくれよ。アタシはあくまで、ロックなアイドルだからな。こういう衣装は似合わんよ」
「……にしては……仕事が終わってるはずなのに、まだ着てるんだな……おめえ……」
「新境地に挑戦するのも、ロックだろ?それにこの際、拓海も着てみるか?特攻服ばかりじゃ、飽きるだろ」
「なっ……き、着ねえよ!特攻隊長が、そんな軟弱な服を着るか!ナメんじゃねえ!//」
「にしても、本当に似合ってるよな。仕事じゃなかったら毎日、夏樹目的でこの喫茶に、通ってしまいそうだ」
「……よしてくれ……それより、コーヒーは淹れたてが美味しいと思うぞ?「いけずな」ご主人様」
「ちょっと〜、夏樹っちばかり見て、ずるいぞぉ。アタシのこの、リナリナメイドもどうぽよ〜?」
「里奈も似合ってるよ。ギャルもいいけど、そのキュートなメイド服もすごいイケてるじゃないか」
「マジ!?ちょ〜嬉しいっ♪……アタシって、アイドルになる前はガテン系でさ、作業着が多かったんだよね」
「出歩くのも基本的に、作業着だったんだ。アイドルになるまで、かわいいものは無縁だと思ってたの」
「だからこそ……こういう、かわいい衣装をたくさん着れるようになって……すごい、嬉しいんだ……♪//」
「俺がスカウトしたんだ、かわいくないわけはないだろ?里奈はもう立派な、キュートなアイドルだよ」
「……んも〜♪プロデューサーってばマジメ〜♪ていうか好感度、超アゲぽよ〜♪」ギューッ
「お、おいっ!急に抱きつくなって!//」
「おっ、大胆だな。最高にロックだぜ」
「……ふぅ。流石に、長時間仕事をすると少し、休息を取りたくなるな。プロデューサー。隣、失礼するよ」
「!?」
「ふふっ……最高の、憩いの場所だ……♪」
------------------------------------------------
「夏樹まで……どうしたんだ?」
「て、てめえらっ!さっきからアタシの目の前で、イチャついてるんじゃねえよ!」
「何さ〜。たくみんだって羨ましいなら、こっちに来ればいいのにぃ〜」
「なっ……べ、別に、羨ましくなんかねえっ!」
「ほら、ここが空いてるぞ?遠慮せずに来いよ」
「だからいかねえって!しつけえぞっ!」
「そうか。それじゃあ……今はこの場所を、譲り受けることにするよ……♪」ギュッ
「な、夏樹っ……!?」
「……うん。たまには、こういうシュチュエーションも……悪くはないな……//」
「にへへ〜……プロデューサーの腕……あったか〜いっ♪//」
「……チッ……あぁっ!胸糞悪りぃっ!おい!プロデューサー!ちょっと面を貸せや!!」
「はぁ!?何で、俺なんだよっ!?」
「うるせぇ!いいから、アタシとタイマンを張れや!」
「わぁお♪たくみんってば、ちょ〜だいた〜ん♪」
「タイマンって……おいおい。そんなに物騒なことを、アイドルの女の子が言うもんじゃないぞ……?」
「うるせぇ!デレデレしてふやけきったてめェを、アタシがしっかりとシメてやるぜ!!」
「拓海は一回こうなると、止まらないからな……どうだい?少し、乗ってあげてくれないか?」
「全く……しょうがないな……で?俺は、何をすればいいんだ?」
「ンなもん決まってるだろ!正々堂々、アタシと腕相撲で勝負だ!」
「……拓海……?俺は男で、拓海は女の子なんだぞ……?わかってるのか……?」
「アァ!?アタシが女だからって見下してんのかぁ!?ナメんじゃねえぞ!」
「そうじゃなくて……あぁもう……わかったよ……やればいいんだろ……?」
「やっと、腹を括ったか!よし!正々堂々とかかって来いや!!」
「ひゅ〜ひゅ〜!やっちゃえ♪やっちゃえ〜♪」
「やれやれ……憩いの場が、決闘の場になってしまったねぇ……」
------------------------------------------------
「さぁ、二人とも〜?準備はいい?」
「あぁ、アタシはいいぞ」
「俺も大丈夫だ」
「それじゃあ……よ〜い……始めっ!!」
「行くぜオラァ!」
「ぐっ……結構……強いなっ……!」
「だろっ!?これが仏恥義理亜威怒流、向井拓海様の実力だぜ!どうだっ!思い知ったか!!」
「確かに、強いぞ……でも……一つ、気づいたことがあるんだが……」
「あぁ?何だよ?」
「……拓海の手って……意外と華奢で、きめ細やかで……小さいんだな……」
「なっ……急に、何を言ってやがるんだよ!あっ!さては、アタシの注意をそらす気だな!卑怯だぞコラ!//」
「そ、そんなつもりで言ってねえよ!ただ、ついそう思ってしまっただけだ!//」
「チッ……!相変わらず、変なことを言いやがって……で、でもよ……」
「……ぷ、プロデューサーの手だって、その……意外と大きくて……温かいんだな……//」
「なっ……!//」
「「……//」」
「……ねぇ、夏樹っちぃ。これってさ……腕相撲、だよね……?」
「……あぁ、そうだな「白熱」した腕相撲だってことは、間違いないと思うぜ?」
「そうだねぇ……あ〜あ、何だかアタシまで、暑くなってきちゃったぽよ〜……」
------------------------------------------------
「……意外と……しぶてえじゃねぇか……!」
「な、なあ……拓海……?そろそろ……やめにしようぜ……?」
「アァ!?アタシの力に怖気付いて、逃げる気なのかぁ!?」
「そうじゃなくて……やばいんだよっ……」
「やばいって……何がだよ……?」
「いや、その……手と手の間が、汗で湿ってきてるっていうか……//」
「はぁっ!?し、湿っ……!な、何を考えてやがるんだよっ!!//」
「しょうがないだろ!ずっと、互いに手を握り合ってたら、嫌でもこうなるわ!!//」
「……チッ……この……変態ヤローがっ……!//」
「だいたい、俺のことを変態変態って言うけど、拓海だって何を考えてたんだよ!」
「いや……それは……な、何も考えてねえよ!このアタシがてめェのことなんて、意識するわけねえだろ!//」
「……あ〜もう!りなぽよ、ギブギブ〜!一抜〜けたっ!」
「ふぅ。何だか、コーヒーが飲みたくなってきたぜ。どうだい里奈?アタシの奢りで、一杯やらないか?」
「え〜マジ!?夏樹っち、オゴってくれるのぉ〜!?」
「あぁ。糖分を取りすぎて「ブラック」コーヒーで、さっぱりしたいんだ。さっそく行こうぜ」
「あっ!アタシもブラックがいい〜♪んぢゃね〜♪バカップルちゃんたちっ♪」
「ったく……だいたいテメーは、色々な女に、鼻の下を伸ばしすぎなんだよっ……!」
「くっ……か、勝手に、決めつけるんじゃねぇ……!」
「嘘こけ!あの時に散々、亜季にデレデレしまくってたじゃねぇか!」
「……っ!あ、あれはだな……!」
(ナマけたカラダを……徹底的に「鍛え直して」やるであります……♪)
ムニッ♪
(……むぐっ!?)
(何を……よそ見してるんですかっ……今は「実戦中」ですよ……!)
(むぐ……うぐぐっ……//)
(……「私だけ」に、集中するのでありますっ……♪//)
ムニュッ♪
「……しょうがないだろ……色々と……//」
------------------------------------------------
「あっ!また、変なことを想像してやがったな!本当に、てめェってヤツは……!」
「だ、だからしょうがないだろ!亜季だって、その……女の子なわけだし……//」
「……何だよ……亜季にばかり、デレデレしやがって……そんなに、アタシには魅力がねぇのかよ……」
「魅力……?いや、拓海だって十分、魅力的な女の子だと思うぞ?」
「……どういうところがだよ……?」
「どういうって……」
「……」
タプンッ♪
「……スタイルとか?//」
「……やっぱり…てめェみたいな変態ヤローは……」
「っ…!?」
「アタシがしっかりと…シメなきゃ……いけねえなあっ!!」」
グイッ
「ぐあっ……!」
「よっしゃ〜!やっりぃ〜!!アタシの勝ちだぜぇ!!」
「くっ……油断してしまった……!」
「さぁて、たっぷりと楽しませてもらおうじゃねぇか……♪」
「はぁ!?負けたら何かあるなんて、聞いてないぞ!?」
「うるせぇ!男がぐちゃぐちゃ抜かすんじゃねぇ!負けは負けだ!潔く、負けを認めろや!!」
「……あの……拓海さん?俺、一体……どうなっちゃうんですかね……?」
「さぁ〜?そいつぁ、あとのお楽しみだ♪……覚悟しろよなっ……♪」
------------------------------------------------
「……」
「あれから急に、拓海の部屋に連れて来られ、座って待ってろって言われたけど……ていうか……」
「……アイドルが堂々と、男を女子寮に連れて行くなんて……色々と、アウトだと思うんだけど……?」
「しかも……拓海のヤツは洗面所に行ったっきり、出て来ないし……まさか……」
(へへへ……ここなら、誰も来ねえな……♪)
(た、拓海……)
(あの時はよくも、アタシを無理やり、お化け屋敷に連れて行ってくれたな……)
(その礼として、プロデューサーをアタシが、立派なゾンビにしてやるぜ……感謝しろよな……♪)
(……プロデューサーさん……ゾンビになるんだ……嬉しいなぁ……♪//)
(まっ、待ってくれ……!)
(安心しろって。ゾンビだから、死なねえ程度にしといてやるよ♪)
(ゾンビっ……ゾンビっ……えへへっ……♪)
(やめ……ぎゃああああああ)
カチャッ
「すみません!それだけは許してくれっ!何でもするから!」
「あん?どうしたんだよ。急に、土下座なんかして……」
「だって、俺のことを……って…拓海っ…!?その格好は……」
「……」
「……前に、拓海が……絶対に着たがらなかった、フリフリのピンクの衣装じゃないか!」
「……で?どうなんだよ……?」
「えっ、どうって……?」
「……似合うのか、似合わねえのか……どっちかって、聞いてるんだよ……//」
「いや、まあ……すごいかわいいと思うぞ?」
「っ……!ほ、本当なのか……!?」
「あぁ、本心から言ってるつもりだよ。でも何で、そんな格好をしてるんだ?」
「……あいつらだけ、ずりぃんだよ……だから、しばらくは……てめェをアタシが独占する……いいな……//」
ギューッ♪
「ちょっ……た、拓海っ!?何だよ……いきなり抱きついてきて……//」
「……わかってねぇな……んじゃあ、てめェの頭の中を……アタシでいっぱいに……してやんなきゃな……//」
ギュムッ♪
「むぐっ……!?……むぐぐっ……!//」
「……へへっ……♪アタシの胸で、窒息させてやるよ……♪この……変態ヤローがっ……♪//
------------------------------------------------
「むぐ……んっ……んんっ〜……!//」
「なぁ、どうだ……?亜季の時より……アタシの方が、ドキドキするだろ……?//」
「……ぷあっ……た、拓海っ……お前は、アイドルなんだぞ?冗談でも、こんなことはやめ……」
「ここまでしてわからねえのか……この……ニブチン野郎ッ!!」
「っ……!」
「アタシ以外の女には、抱きつかれてあんなに、鼻の下の伸ばしてやがったのに……」
「アタシには、こういうことをされても……何も感じねぇのかよぉっ!ああっ!?」
「お前……今日は、何か変だぞ?一体、何があったって言うんだよ……」
「……あいつらだけ、ずりぃぞ……もっと……アタシのことも構えよおっ……クスン」
「ちょっ……おいおい……いつものカッコイイ「亜威怒流」の拓海は、どこに行ってしまったんだ……?」
「わあってるよ……いつもそういう風に、見られてるってことぐらい……でもよ……アタシだってその……」
「……お、女なんだからな……もっと……アタシのことを見てくれても、いいじゃねぇかよ……」
「それは……そうだな……確かに最近、拓海のことをあまり見てあげれてなかったな……悪い……」
「反省……してるのか……?」
「あぁ。これからはもう少し、アイドルたちを公平に見るようにするよ。拓海を含めてさ」
「……ざけんな……これからは他の女じゃなくて、アタシだけを見ろ……いいな……?//」
「……悪い、それは出来ない。俺はあくまで「アイドル」のプロデューサーだ」
「輝いてもらうためにも、公平にアイドルたちを見守らなければな。だから、その要望には答えられない」
「そうか……じゃあ、しょうがねえな……」
「わかってくれたか……よかった。じゃあ、俺は一旦帰る……」
ガバッ!
「……じゃあせめて「今」だけは……アタシをず〜っと、見てもらわなきゃな……♪//」
「ぐうっ!?た、拓海……!?」
「今日はずっと、アタシと一緒にいてもらうぜ……ぜってえに、離さねえからな……覚悟しとけよ……♪//」
------------------------------------------------
「「……//」」
「……あの……拓海さん?」
「何だよ……」
「あれからずっと、ベットに押し倒されたままなんだが……俺は……どうしたらいいんですかね……?」
「……う、うるせぇなあ!アタシもどうしたらいいか、わかんねぇんだよ!!//」
「えっと……俺はもっと……わからないんだが……」
「何だよ……そんなに、アタシと一緒にいるのがイヤなのかよぉ……クスン」
「ふぅ……押し倒したと思ったら、泣き始めたり……忙しいヤツだな……」
「何だよぉ……シメるぞっ……ヒック」
「あ〜はいはい。とりあえず一旦、俺を解放してくれると助かるんだが?」
「……わかった……」
「さてと、解放してもらったことだし……ほら、落ち着くまで手を握ってやるから、少し冷静になれ。なっ?」
「あっ……うん……そうさせてもらう……//」
「やれやれ。拓海も何だかんだ言って、まだまだ女の子だよな。しばらくは、目が離せないぜ……」
「なっ……!てめェ……アタシはもうガキじゃねぇんだ!!ナメんじゃねえぞオラァ!!」
「んじゃあ、手を離した方がいいか?拓海お姉さんよ」
「そ、それは……チッ、わあったよ。とりあえず……しばらくは離すんじゃねえぞ……いいな……//」
「了解。拓海の望み通りにさせてもらうよ」
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「……どうだ?落ち着いたか?」
「あぁ、少しはな……何だよ……いつもは、ヘタレのニブチンのクセに……」
「……今日は……男らしいじゃねえかよ……//」
「ん?何か言ったか?」
「何でもねえよ♪それにしても、プロデューサーの手……結構、温けえんだな……えへへ……♪//」
「おっ、今の笑顔。すごい女の子らしくて、かわいいじゃないか」
「う……うっせえなあ!いちいち、見てんじゃねぇよっ!//」
「あ〜あ。これで拓海がもう少し、文香や美波みたいに、お淑やかだったらよかったのにな〜」
「っ……!またてめェは、他の女のことを……」
「そしたらもっとたくさん、拓海のことをプロデュース出来るのにな。あ〜、残念だ」
「……それ……本当なのか?アタシが変われば、もっとアタシのことを、プロデュースしてくれるのか……?」
「そうだな。せっかく拓海は美人なんだから、アイドルとして色々な可能性があるって、思っただけだよ」
「……じゃあよ……コホン……あ、あの……プロデューサーさんっ」
「ん?」
「アタ……いえ、私……プロデューサーさんと一緒にいると、つい、心が暖かくなるんです……ですので……」
「……これからも……私のことを、ずっと……見守っていただけますか……?」ウルッ
「……」
「……チッ……やっぱり、アタシの柄じゃねぇよな……こんなの……」
「……かわいい」
「あ”……?」
「今の、すごいかわいかったぞ!拓海!!」
「ちょっ……なっ、何だよ急に……!」
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「さっきの拓海……清楚で可憐な、お嬢様って感じでかわいかったぞ!やっぱり、拓海はかわいいなあ!!」
「おいっ!いちいち、連呼するんじゃねぇ!!いいから、わ、忘れやがれっ……!//」
「そうだ!これからは「かわいい」特攻隊長で売るのはどうだ!?斬新でいいんじゃないか!?」
「調子に乗るんじゃねぇ!それ以上言ったら、シメんぞコラ!!」
「あぁ、結構だ。シメられようが、たくみんスマイルでねだられようが、絶対に忘れないぞ」
「てめェ……!いいか!よく聞け!アタシは天上天下、唯我独尊の向井拓海様だ!それ以外の何者でもねえ!」
「……そんな、ピンクのかわいい、フリフリの格好で言われてもねえ……」
「るせぇ!ガワなんかどうだっていいんだよ!アタシはアタシ、唯一無二だぜ!!」
「まあ、俺の心のメモリーに一生、保存しておくけどな。たくみん「お嬢様」♪」
「……どうやら……本気でシメられてえようだな……」
「はいはい。そんなに怖いことばかり言ってると、せっかくのかわいい衣装が台無しだぞ」
「……ちぃと、面貸せや……」
「ははっ、何だよ……むぐっ!?」
「……//」
「……ぷあっ……た、拓海……お前っ……」
「へへっ……♪どうだ……思い知ったか……//」
「……おい……自分が今、何をしたか……わかってるのか……?//」
「あぁ、わあってるよ、ンなこと……それに、アタシは特攻隊長だしな」
「……てめェの変な邪念を、吹き飛ばす勢いで……暴走してやったぜ……♪//」
「あのなあ……お前はアイドルなんだぞ…?こんなことは…」
「おっと、これ以上は言わせねえ。てめェにはもっと、忘れてもらわねえと、いけねえことがあるしな」
「……何だよ?」
「言っただろ?アタシはアタシなんだって。だから今は、他の女は忘れて……アタシのことだけを見ろ……//」
「いや……さっきからこの部屋には、俺と拓海しかいないと思うんだが……?」
「チッ……本当、こんなヘタレでニブチンで、変態ヤローの何処がいいんだろうなあ、アイツらは……」
「アイツら……?」
「何でもねえよ。とりあえず、今日はず〜っと、アタシに付き合ってもらうぜっ♪」
「……それにさ、その……アタシの「初めて」も、アンタにやったんだから……か、覚悟しろよなっ……//」
ギュッ♪
「ちょっ……密着しすぎだって!付き合ってやるから、とりあえず少し離れようぜ……なっ?」
「今度はアタシが、好きにさせてもらう番だぜ♪それとも……もう一回、アタシと「特攻」するか……?//」
「……っ!いいから離せっ!色々とマズイからっ!//」
「ざけんな!亜威怒流の特攻隊長である、このアタシが、てめェのニブチンな精神を、叩きなおしてやるぜ!」
「だから、ぜってぇに離せねえぞ♪これからも、ずっと……いや……「一生」な……♪」