chu chu chu chu chu chu lip ……
「〜♪」
「……ねぇ……」
ハジマリハソット……スkiss kiss kiss……
「〜♪〜♪」
「……ねぇってば!!」
「うわっ!?……し、周子か……?どうしたんだ……?」
「んもう〜、やっと気づいてくれた〜!さっきから話かけてるのに、無視するんだもん〜!」
「あっ、悪い悪い。ちょっと、曲を聞いててな」
「曲……?」
「あぁ。この前、新ユニットを発足して、スタジオでレコーディングをしただろ?」
「その、レコーディングをした、新曲のサンプルが届いたから、聞いてたんだよ」
「あぁ〜、あの時のね。もう届いたんだ」
「どうだ?周子も聞いてみるか?」
「うん、聞く〜。どんな風になってるのか、気になってたしね〜」
「それじゃあ、ほれ。イヤホン」
「ありがと〜……っと……」
ワスレテキテアゲタノヨ、ジブンノカサヲ……
「……」
「どうだ……?いい曲だろう?」
「……うん、よく出来てるね。何だかオトナ〜って、感じがするよ」
「だろ?「LIPPS」は、大人な女性をイメージしたユニットだしな。デビュー曲としては、申し分ないだろう」
「そうだね……ちなみにさ……この曲を聴いて、あたしたちの中で、誰を思い浮かんだ?」
「え?誰って……歌ってるのは、LIPPSのメンバーみんなだろ?」
「そうじゃなくて、あえて挙げるとしたらだよ」
「ん〜……そうだな〜……あえて、挙げるとするなら……奏かな」
------------------------------------------------
「ふ〜ん。どうして?」
「あいつさ、高校生の割に大人びてるし「オトナ」なイメージで考えると、奏が一番かな」
「……そうなんだ〜……ふ〜ん……」
「でも、何で急に、そんなことを聞いたんだ?」
「別にぃ〜。ただ、曲のイメージに誰が似合うのか、聞いただけだよ〜ん」
「そうなのか?でも、俺はあえて奏を挙げただけで、みんなを思い浮かべたぞ?もちろん、周子もだ」
「そらあ、どうもおおきに〜……あほ……」
バタン!
「……っ!?」
「おっはよ〜ん♪シキちゃんだよ〜♪」
「ぼんじゅ〜る♪フレちゃんだよ〜♪」
「あぁ……志希、フレデリカ。おはよ……って、おい!ドアは静かに開けろと、あれ程だな……」
「固いこと、言わない言わない〜。ねね、それより何してるの?」
「ったく……今、お前らの曲を聴いてたところだ」
「曲……?」
「なんか、あたしらの曲が、出来たみたいだよ〜」
「もしかして、LIPPSの……えぇ〜、うそうそ!?もう、出来たのぉ!?」
「あぁ。まだ出回る前の、サンプルだけどな」
「あたし、聴きた〜い♪ねぇ……聴・か・せ・てっ……♪」
「アタシもアタシも〜♪しるぷぷれ〜♪」
「そうか。ほら、こっち来い」
「わ〜いっ♪どんな曲なんだろっ♪ワクワクドキドキ♪」
「じゃあ、あたしはもう聴いたから、あそこのソファーで、雑誌を見てるね〜」
「……んじゃあ、ほれ。イヤホンだ」
「サンキュ〜♪」
「っと……さて、俺はデスクに戻るかね」
「……エ〜、めんど〜じゃ〜ん。このまま、座ってなよ〜♪」
「そうだよそうだよ♪ほらっ、スィットダウン♪」
「は?だって、俺がいたら曲を聴けないだろ?」
「あたしが右耳で、フレちゃんが左耳で聴けばいいじゃん♪」
「いや……それでも、二人の邪魔になっちゃうだろ」
「い〜のい〜の♪キュートで大人気アイドルな、このフレちゃんがいいって言ってるんだから♪」
「それに、神様もここに座ってなさいって言ってるよ〜?確証はないけどね〜♪」
「何だそりゃ……」
「細かいこと、言わないのっ♪ほら、座った座った〜♪んじゃ〜、右耳に……と……はい、フレちゃん♪」
「ありがとう♪それじゃあ、アタシは左耳につけて……と」
「ちょっ……全く……何なんだよ、一体……//」
「……」
------------------------------------------------
「わぁお♪すごい、いい曲だねぇ♪」
「そうか……そりゃ、よかった……」
「んふふ〜♪オ・ト・ナでセクスィーな、曲だね♪」
「あぁ……ユニットのイメージに沿って、作詞作曲をしてもらったからな……それより……」
プニプニ♪
「……さっきから……少し、近いんじゃないんですかね……?//」
「ん〜?気のせいだよ〜♪ね〜、フレちゃん♪」
「うんうん♪気のせい気のせい〜♪」
「そ、そうか……?」
「しかし、いいネェ〜♪この「匂い」〜♪」
「そうだろそうだろ。いい曲……ん?」
「うんうん♪アタシたち好みな、いい匂いだよね〜♪」
「……」クンカクンカ
「……」クンクン
「……って……おい!何だよ匂いって!曲じゃねぇのかよ!//」
「この新曲もすっご〜い、いい曲だよ?完成度の高さにびっくりしてるもん♪でも……」
クンクン
「……プロデューサーの匂いは……もっと、いい匂い……なんちゃって♪//」
「何だよそれっ!比較対象が、明らかにおかしいだろっ!」
「クンカクンカ……ン〜♪男のフェロモンって言うのかな〜、嗅ぐだけで……すごい、ドキドキしちゃう〜……♪//」
「……あ〜……何だか、ア・タ・シ……トリップしちゃいそう〜……//」
「いちいち解説しなくていい!いいから、曲に集中しろっ!」
「えへへ……このままずっと……スンスン……わぁお……♪クセになっちゃう……♪//」
「……」チラッ
「ハスハス……ところでさぁ、プロデューサー。フレちゃんのフレグランスって、どんな感じだった?」
「わぁお♪シキちゃん、うま〜い♪座布団はないけどね〜♪」
「何って……少し甘くて、花っぽい香り……はっ……!」
「……にゅふふ♪プロデューサーも仲間だねぇ……♪」
「ち、ちがっ……これは……その……//」
「何だぁ〜♪プロデューサーも、アタシたちの香りを、嗅いでたんじゃ〜ん♪……えっち……//」
「不可抗力だ!だいたい、お前らが近づいてくるからだろ!」
「ん〜……フレちゃんだけ、ずる〜い……ほらっ、あたしももっと、急接近しちゃう〜♪」
「だからやめ……んぐっ……!」
「にゃはは♪キミも一緒に……トリップしちゃっていいんだよ……?きゃ〜♪恥ずかし〜♪//」ギュッ
「プロデューサーってば、両手に花だねぇ♪アタシたちは、両腕の中にいるけどね〜♪」ギュッ
キャッキャッ♪
「……」ジー
「ぷはっ……お前ら!いい加減にしろっ!周子もいるんだぞ!」
「……別に〜。あたし、何にも見てないよ〜?」
「だってサ♪周子ちゃん、公認だぞ〜♪」
「プロデューサーって、あったか〜い♪」
「……」
------------------------------------------------
「んふっふっ〜♪気持ちよかったぁ〜♪プロデューサーの体温が、だけどね〜♪」
「……プロデューサーのカラダと、フェロモンもたくさん堪能出来て……シキちゃん、大満足……♪//」
「おい!誤解を生むような言い方はやめろ!」
「さて……ハスハスして、プロデューサー分もたくさん摂取出来たことだし、そろそろレッスンに行こうか♪」
「そうだねシキちゃん♪トレーナーさん、怒ると怖いもんね〜♪」
「それじゃあ、アタシたちはレッスンに行ってきま〜す♪お〜ゔぉわ〜♪」
「スィ〜ユゥ〜♪」
バタン!
「ふぅ……何だったんだ、あいつら……あ、そうだ。周子……っ……!?」
「ん〜、どうしたの〜?もう、イチャイチャタイムは終わったん?」
「何だよ!イチャイチャタイムって!……じゃなくて!お、お前……その格好……」
「格好?何かおかしい?」
「何って……そんなに、ふとももを投げ出すように寝転がって……しかも、あともう少しで……その……」
「……パンツが……見えちゃうぞ……//」
「あ〜、大丈夫だって。あたし、短パンだからさ〜」
「そういう問題じゃないだろ……周子は、アイドルなんだからな?」
「それと同時に、お前は女の子だ。そんな調子だと、変なヤツに絡まれる可能性だってあるんだぞ?」
「大丈夫だって〜、プロデューサーさんの前以外で、こんな格好はしないよぉ」
「それとも、何……?そんなにあたしで、ドキドキしちゃったの……?」
「なっ……し、してねぇよ!//」
「嘘つき♪顔が真っ赤だぞ〜♪……スケベ……♪」
「……っ!う、うるせえ!いいから気をつけろっ!お前はアイドルなんだぞ!」
「はいはい♪ところで、話って何なの〜?」
------------------------------------------------
「……ごめん……話が逸れてたな。周子。今度の、ファッション誌の撮影のことなんだが……」
「あぁ、ファッション誌ね〜。どうしたの?」
「クライアントからの要望なんだけど、各自、普通の私服で来て欲しいそうだ」
「そうなんだ。じゃあ、これでいい?」
「それもいいけど……どうせならもう少し、オシャレをしてみないか?」
「ん〜……あたし、基本的に私服には無頓着だからな〜。こういうのしか持ってないよ?」
「そうか……なんか、もったいないなあ」
「え?」
「せっかく、周子は魅力的なアイドルなんだからさ、もっとかわいい私服とか、似合うと思うんだよな〜」
「ふ〜ん……そんなに見たい?……いつもと違うあたしを……」
「ん?あぁ。そりゃ、見てみたいな」
「……それじゃあ……付き合ってよ……」
「付き合うって……どこに?」
「ん〜……ぶてぃっく?あぱれる?」
「何で、疑問形なんだよ……」
「だってあたし、こういうカタカナ語は詳しくないも〜ん」
「……あっ、そういえば……前に、加蓮の荷物持ちで行った所が、ファッション街だったような……」
「ん?どこかに、オススメの場所があるの?」
「あぁ……思い当たる場所が、あるけど……でも、俺じゃない方がいいと思うぞ?」
「どうして?」
「こういうのは、女の子同士の方がいいだろ。この事務所に結構いるじゃん、センス抜群のアイドルがさ」
「確かに、それもええねぇ。でもね、あたしはプロデューサーさんに、選んでもらいたいなあ〜」
「う〜ん……まあ、いろんなアイドルを見てきてるから、俺でも、多少はどうにかなるかもしれんが……」
「……そのかわり……保証は、出来ないからな?」
「わ〜い♪決まりやね♪それじゃあ、いつ行く?」
「ん〜……じゃあ、今夜はどうだ?空いてるか?」
「うん、空いてるよ〜」
「よし、あと少しで仕事が終わるからさ、申し訳ないんだが、先に行って待っててくれるか?」
「うん、いいよっ♪どこで待ち合わせする?」
「そうだな〜……あ、じゃあさ、駅前の広場とかどうだ?ここから結構、近いだろ」
「わかった、広場だね♪じゃあ、シューコちゃんは先に行ってま〜す♪」
「うん、またあとでな」
------------------------------------------------
「……ふぅ……終わった、終わった……」
「え〜っと。待ち合わせ場所は、ここの、駅前の広場だったな」
「……周子はっと……あっ、いた……お〜い、周子〜……ん?」
「ちょっと〜、姉ちゃん一人〜?俺らと遊ぼうよ〜♪」
「……周子?」
「……あたし……待ってる人がいるんで……」
「またまた♪そんな嘘を言っちゃって〜♪俺らと、楽しい所に行こうよぉ〜♪」グイッ
「……ちょっ……離してよっ……!」
「すぐに、楽しくなる所に連れてってやるって♪ほら、遊びにいこうぜ♪なっ♪」
「やっ……いやっ……!」
「……すみません。ちょっと、いいですか?」
「……っ!」
「あぁ?誰、アンタ」
「僕の彼女に何か用でしょうか?」
「……!!」
「えっ……か、彼女……!?」
「……も〜、遅いよぉ〜♪あたし、待っちゃった♪」ギュッ
「ちっ、姉ちゃん……彼氏持ちかよ……」
「うっぜ。他、行こうぜ〜」
「……周子。大丈夫だったか?」
「……うんっ♪大丈夫だよん♪」
「びっくりしたんだぞ?待ち合わせ場所に行ったら、これだし……」
「心配してくれてありがとう♪プロデューサーさん、カッコよかったぞ♪」
「ふう、その調子なら大丈夫そうだな、早速行くか?」
「うん♪行こう行こう♪」
「……なっ?言っただろ?周子は魅力的なんだから、気をつけないとああいう変なのに、絡まれるってさ」
「ふふん……♪もしかしてぇ♪プロデューサーさんも、シューコちゃんの魅力の虜になっちゃった?」
「あのなぁ……俺は、お前が心配で……」
「大丈夫だってぇ。あたし、こういうのは慣れてるからさぁ〜」
「ったく……まあ……何かあったら、いつでも俺に言え」
「……んもう……だから、大丈夫だよ……」
「周子は、俺の大切なアイドルだ。出来る限り、俺が守ってやるから」
「……!」
「だから……一人で、抱え込んだりするなよ……?」
「……うん、ありがとう……ねえ、プロデューサーさん……ちょっと、いいかな……」
ギュッ
「周子……?」
「……怖かったよぉっ……クスン」
「……そうか……少し、休んで行くか……」
------------------------------------------------
「……クスンッ」
「……落ち着いたか?ほら、ハンカチだ。とりあえず、涙を拭けよ」
「……うん……ありがとう……」
「ふぅ……周子はまだまだ、か弱い女の子だな。こんなんじゃ、俺も当分は目が離せないな」
「……」
「ウチの事務所はみんな、手のかかるアイドルばかりで、困っちゃうぜ。本当」
「そう、だね……ねぇ……プロデューサーさん……」
「ん……?」
「……」ウルウル
「……な、何だよ……//」
「……ぷっ……あははっ♪そない、顔を赤こうして……プロデューサーさんってば、かわええなあ〜♪」
「はぁっ……!?」
「あ〜あ♪なんか、いつものプロデューサーさんを見たら、安心しちゃった♪」
「あのな〜……大人をからかうのも、いい加減にしとけって……」
「ふふっ、めんごめんごっ♪でも、別にからかってるつもりはないんよ?」
「普段は鈍いのに、こういう時だけ、颯爽と守ってくれるなんて……ほんま……いけずなんやから……//」
「……まあ……よくわからんけど、周子が元気になってくれて、よかったよ」
「おおきに〜♪ねぇ〜、プロデューサーさん♪」
「なんだ?」
「……さっきの、プロデューサーさん……めっちゃ……カッコよかったえ……♪//」
「ふぅ……はいはい。そりゃ、ど〜も。周子はんに褒めてもろうて、嬉しおすなあ〜」
「んもう……ほんまのことやのに……」
「……あら?プロデューサーと、周子じゃない」
------------------------------------------------
「ん……?おぉ、奏と美嘉か。こんばんは」
「こんばんは、今日も月が綺麗ね」
「あっ……え、えっと……こんばんは……//」
「二人で珍しいじゃないか。これから、どこかに行くのか?」
「えぇ。せっかくのオフなんで、美嘉とショッピングをね」
「こんばんはっ♪奏ちゃん♪美嘉ちゃん♪」
「こ、こんばんは……周子ちゃん……」
「周子もこんばんは。こんな所で奇遇ね。ところで、二人もこれから、どこかにいくの?」
「あぁ。これから、ファッション誌の撮影のための服を、周子と買いに行くんだ」
「服……?」
「あたしってさ、結構、服に無頓着でしょ?だから、プロデューサーさんに選んでもらおうかなと思ってさ♪」
「俺じゃあ、力になれないと思うんだけど、どうしてもって言うから……あっ、そうだ!」
「奏と美嘉に、選んでもらったらいいんじゃないか?二人とも、すごいかわいい服を着てるし」
「あら、嬉しいことを言ってくれるじゃない。じゃあ……美嘉も、プロデューサーに服、選んでもらう……?」
「ふえっ……!?あ、あたしっ……!?//」
「おいおい……周子以上に無頓着な野郎の俺に、カリスマギャルの私服を選べってか?冗談きついぞ」
「そう?せっかく、おめかしをしたのに……残念ね……?」
「……っ!?ちょ……かなっ……!」
「うん?おめかし……?」
「この子ったらね、私より先に、プロデューサーたちを見つけたのよ。しかも、すごい遠くの場所から」
「そしたら、急に手鏡を出して歩きながら、メイクをし始めたの」
「それで、直前になって、リップを塗り直し終えたんだもんね〜♪ねっ、美嘉♪」
「かっ……かなッ……かなッ……!かなぁ〜〜ッ!!//」
「あら?真冬なのに、セミが鳴いてるわね。不思議だわ」
「おぉ……プライベートでも常にプロ意識を持って、身だしなみに目を光らせてるとは……流石は美嘉だな!」
「……っ!と、とーぜんでしょ!?だって、アタシはカリスマギャルなんだからっ!//」
「まぁ、そうね。周子がいいなら、私たちと……やっぱり、やめておきましょう」
------------------------------------------------
「ん?そうか……?」
「えぇ。私たち、これからお茶をしにいくの」
「あなたたちより「ホット」なコーヒーと「甘い」スイーツをいただきにね」
「奏ちゃん……」
「そうなのか……なら、仕方がないな」
「えっ……あっ……そ、そうなの!これから、奏とお茶をしに行くのっ!だから、ごめんねっ……!//」
「……ふふっ♪今回は周子に譲るけど、次は私に付き合ってもらうからね♪荷物持ち、頼むわよ♪」
「ああっ!奏、ずるいっ!アタシだって、その……プロデューサーと一緒に、回りたい所……あるもん……//」
「ははっ、わかったよ。でも、程々に頼むぞ?」
「なんや、プロデューサーさんも、大忙しやねぇ♪」
「んじゃあ、譲ってくれたお礼と言ってはなんだけど、奏ちゃん。ちょっと、耳を貸して〜」
「あら?何かしら?」
「……ゴニョゴニョゴニョ……」
「……っ!?//」
「……んふふっ……♪よかったね♪」
「ん?どうしたの、奏。耳が赤いよ?」
「……何でもないわ。美嘉……それより、そろそろ行きましょう……」
「おっ、そうか。悪いな、邪魔をしちゃって」
「……んじゃ〜、お二人さんっ♪またレッスンで会おうね〜♪さ、行きまひょか♪ダ〜リ〜ンっ♪……えいっ♪」
……チュッ♪
「「!?」」
「おっ……おいっ!?周子っ!?//」
「ちょっ……し、周子……!?あなたっ……今、何をしてっ……//」
「あ、あわ……あわわ……//」
「知らへんなぁ〜♪さっ、ファッション街へGO〜♪」
「は……?って、おいっ!急に引っ張るなっ!」
「ちょっと、周子!待ちなさいっ!まだ、話は終わってないわよ!//」
「こ、こらあっ!今のは何よ!逃げるな〜!//」
「ふふ〜ん♪聞こえまへ〜ん♪」
------------------------------------------------
「周子、これなんかどうだ?」
「うん、ええなぁ〜♪」
「あっ、これもいいんじゃないか?」
「おぉ♪それもええね〜♪」
「……おい。これって、普通は逆じゃないか……?」
「エ〜、気のせいやって♪それに、ダーリンが選んでくれるものなら、何でも気に入っちゃうよ♪」
「おい……さっきから、何だ……その呼び方は……」
「ん〜?ダーリンはダーリンだよ?」
「……いつ……俺は、周子のダーリンになったんだ……?」
「んもう、さっき助けてくれた時に、言うてくれたやん……「僕の彼女に何か用でしょうか」って……♪//」
「あ、あれは、あの変な輩たちを諦めさせるために、言っただけだぞ!?」
「む〜。こういう時は「男に二言はねえ!」って言うところでしょ〜?」
「二言でも三言でもあるわ!いいか!お前はアイドルなんだぞ!」
「……それに……さっきだって、奏と美嘉の前で、俺の頰にあんなことをしやがってっ……!//」
「しゃ〜ないなあ〜……はいはい。健全なアイドルのシューコちゃんは、ダーリンなんていませんよ〜ぅ」
「ったく……」
「んま〜、冗談はさておき。プロデューサーさんが選んでくれた服、試着室で着てみるね♪」
「うん、行って来い」
「……」
「……うむ……この服も……あっ……やっぱり、こっちもいいか……」
「……」
「……大の男が一人で、女物の服を物色してるって……心なしか、周りの目線が少し、冷たいような……」
「……周子……早く来てくれっ……!//」
「……っ!……いっ、痛い……!」
「えっ……し、周子!?」
------------------------------------------------
「いっつ……うぅ、痛いよぉ……助けてっ……プロデューサーさんっ……!」
「……っ!周子っ!おい!大丈夫か!?」
「あっ……プロデューサーさん……ねぇ、お願い……そこのカーテンを閉めてくれる……かな……?」
「ん?あ、あぁ、わかった。これでいいか?」
「うん……ありがとうっ……!」
「なあ、それより大丈夫か?どこか、痛いのか?」
「う、うんっ……少し……ねっ……「ブラ」が、きつくてっ……//」
「……は?……ブ、ブラ……?」
「そうっ、ブラだよん♪」
「えっ……?どこか、具合が悪いんじゃないのか?」
「ん〜?痛いとは言ったけど、特に具合は悪くないよ?」
「うふふ……♪最近、また……成長しちゃったのかな……あたしの胸っ……♪//」
「……ハァ〜……またお前は……何だよ……周子に本気で、何かあったのかと思ったんだぞ……?」
「ふふっ、めんごっ♪どう?あたしってば意外と、演技派かなっ♪」
「ったく……人騒がせな奴め……」
「それよりさぁ……どう?……あたしの下着姿♪こう見えても「結構」ある方だと思うんだけどナ〜♪」
プニッ♪
「なっ……おいっ!何を、押し付けてるんだよっ!//」
「……あたし……いいよ?プロデューサーさんになら、もっと……大胆になってもっ……♪//」
「っ……!?また、俺のことをっ……!お、俺はさっさと、出るからなっ……!//」
「あんっ、いけずぅ……」
「そ〜っと、出るぞ……そ〜っと……」
「お客様?いかがなされましたか?」
「っ……!?」
「あ〜、何でもないです〜。すみませ〜ん」
「そうですか。では引き続き、お楽しみくださいませ♪」
「……」
「……ふふ〜ん♪今出たら、アウトやったね♪……しばらく……この体勢で、待ってた方がいいと思うぞ♪」
「……くっ……!//」
------------------------------------------------
「お買い上げ、ありがとうございました〜♪」
「ふふっ♪どう?似合う〜?」
「うん。年相応の、女の子って感じだぞ」
「えへへ〜♪プリンセスシューコちゃん、誕生♪見たいな〜?」
「そうだな。大切にしてくれよ?」
「ありがとうね♪プロデューサーさん♪ず〜っと、大切にするよっ♪」
「まあでも、いずれはもっといいものを、買ってもらえるかもな」
「ん?それってつまり……あたしが、トップアイドルになったらってこと……?」
「いや、将来、周子に本当に大切な人が出来た時に、その人からもっと、大事な物をもらえるかもってことだ」
「「楽しい思い出」は、物の値段や価値で、決まるもんじゃないだろ?」
「大切な人……」
「だから、今はアイドル生活を楽しめ。まあ、楽な事ばかりじゃないとは思うけどさ」
「周子が立派に旅立つ時まで、裏からバッチリサポートしてやるよ。だから、それまでお互いに頑張ろうぜ」
「……うん……ありがとう……♪ところでさ……新しい服に変わると、知らない世界に来た気分になるねっ♪」
「そうだな、とても新鮮でかわいいぞ」
「……んも〜……プロデューサーさんてば、またそないなことを……ほんま……いけずなんやから……♪//」
「何だよ、事実だろ?」
「……もう、知らな〜いっ♪それよりプロデューサーさん、あたし、おなかすいたーん♪」
「ん?あぁ。そういえば、夕飯を食べてなかったな。せっかくだし、何か食べに行くか」
「わ〜いっ♪行く行く〜♪」
「……あっ、そうだ……そういえば周子。さっき、奏に何を言ったんだ?珍しく、狼狽してたけど…」
「ん〜?大したこといってないよ♪ただ…ユニットの中で「一番」だったって、伝えただけだよ♪」
「一番……?何だそりゃ」
「い〜の♪女の子同士の秘密なんやから♪あまり深く聞いちゃ、あきまへんえ〜♪」
「まぁいいか……でも、あくまでLIPPSは、周子を含めてみんなで一つのユニットだ」
「誰が何で一番だとか、そういうことじゃないと思うぞ?」
「わかってるよ♪それより早く、ご飯にしまひょ〜♪シューコちゃん、お腹ペコペコどすえ〜♪」
「わかってるならいいけどさ。それじゃあ、食べに行こうぜ」
「は〜い♪」
------------------------------------------------
「ほら、周子」
「わぁ〜♪あんがとさ〜ん♪」
「買ってきた俺が、言うのもなんだけどさ……お前……すごいな……」
「ん〜?何が〜?」
「外食したあとに、クレープまで食えるとは……」
「んふふ〜♪美味しい物は別腹だよん♪健康のコツは、少し不健康に生きることなんよ♪気がラクだしねっ♪」
「それとも……こっちの「肉」がついちゃうことが……気になるん……?//」
ムニュッ♪
「……ばっ、ばかっ……!だから、そういうことはやめろって!//」
「あははっ♪本当、かいらしいなあ〜♪プロデューサーさんは♪」
「全く……お前ってヤツは……あの、試着の時だって何だ」
「年頃のアイドルが、あられもない下着姿を晒して……俺じゃなかったら、色々と危ないぞ……?」
「んもう、だから言ってるやん。プロデューサーさんにしか……あんな姿を見せないって……//」
「信頼してくれるのは嬉しいけど……でも、最悪、アイドル人生が狂っちゃう可能性もあるんだからな……?」
「わかってるよ♪でも、だいじょ〜ぶ♪その時はプロデューサーさんに、もらってもらうもんっ♪//」
「はぁっ!?お、俺にっ……!?」
「ねぇ〜、プロデューサーさんって、彼女とかいるん?」
「……俺が、いると思うか?」
「うん♪いないと思う♪」
「ぐっ……そんな、はっきりと……!」
「でも「候補」は、たくさんいるんじゃないの?」
「ははっ。いたら、凸レーションに、俺も混じって歌っちゃうぐらい、ハッピーかもな。なんて」
「……ふ〜ん……プロデューサーさんって、やっぱりプロデューサーさんだねぇ」
「おい!何だよそれ!」
「まあ、そういうところを含めて、あたしは……んじゃ〜……みんなには悪いけど……いいよね……」
「……あっ、プロデューサーさん。顔にさあ……クレープのクリーム、ついてるよ……えいっ♪//」
チュッ……♪
「なっ……しゅ……周子!?」
「えへへ……♪おいしゅうございました〜♪//」
「お前……か、からかうのもいい加減にっ……!//」
「美嘉ちゃんと奏ちゃんの時は半分、悪ふざけだったよ?でも、今のは……」
「……や〜んっ♪これ以上、女の子の口から言わせるな〜♪//」
「あっ、こら!待て!待ちやがれ!//」
------------------------------------------------
「ふふっ……♪あんなに、顔を赤うして……♪ほんまに、プロデューサーさんはかいらしいなぁ♪」
「……みんな……堪忍な……あたし……フライングスタートを、してもうたわ……//」
「でも……負けへんよ。だって……プロデューサーさんは、あたしの……きゃっ!」
「……捕まえたっ!さ〜て、周子〜?俺と、今からアイドルについて、お話しをしようぜ〜?」
「……プロデューサーさんって……やっぱり……男の人、なんやね……♪//」
「そんなに力強く、あたしの手を握って……何だか……すごい、ドキドキしてもうたわ……//」
「は?おい……周子……?」
「……なあ、伝わってるかな……?あたしの鼓動……//」
「鼓動って……一体、何を言ってるんだ……?」
「……あたし、今……こんなに、ドキドキしてるんよ……?……えいっ♪//」
ムニュッ♪
「ちょっ……!?ばっ、バカ!だから、そういうことはやめろって!離れろっ!!//」
「聞こえるでしょ……?あたしの「柔らかい」鼓動が……♪//」
「や、柔らか……し、知るかっ!!//」
「むぅ、いぢわるなんやから……でも、プロデューサーさんの、暖かい鼓動……しっかり、聞こえんで……♪」
「……っ!//」
「ねぇ……このまま……あたしとプロデューサーさんの、このドキドキ……「共有」しようよ……♪//」
「き、共有って……どういうことだよっ!//」
「それは……や〜んっ♪せやから、そういうことは女の子の口から、言わせたらあきまへんって……♪//」
「……しゃ〜ないなあ〜……鈍感なプロデューサーさんには……あたしがしっかりと、わからせないかんね♪」
「……?」
「んふふ……♪じゃあ……あたしと甘いことを……しよっか……♪//」
------------------------------------------------
「どう……?ぷっくりとしたピンクで、すごく艶々して……美味しそうでしょ……?」
「なっ……!お前……まさか……!」
「クレープを食べたあとだから、さらに甘くなってるかも♪だから、直接……味わってみて♪……ねっ……♪//」
「おい!流石に、冗談にも程があるぞっ!//」
「冗談かどうか、確かめさせてあげるよ♪それじゃあ……んっ……」
「ちょっ……ち、近い……!近すぎだって……!//」
「……プロデューサーさん……」
「……や、やめっ……!//」
「……」
ピコンッ
「……んぐっ!?」
「……えへへ……どうだった……?「あたし」の味は……♪//」
「んん……ぷあっ……な、何だこれ……!?」
「甘かったでしょ……?あたしの……や・つ・は・し♪」
「……八つ橋?」
「あははっ♪あたしのバックに、八つ橋を何個かストックしておいたんだ♪どう?美味しかった?」
「お、美味しかったって……//」
「んもう、どうしたの〜?狐に化かされた顔をしちゃって♪」
「もしかしてぇ、この九尾狐の申し子である、キツネシューコちゃんに魅了されちゃった?」
「……」
「雪やこんこん、シューコちゃんもこんこんってね♪あっ、今、あたし上手いことを言ったかも♪」
「……この妖狐め……!ちょっと来い!俺が、イタズラ好きな妖狐を退治してやらなきゃな!!」ギュッ
「あんっ、またそんなに強く引っ張って……プロデューサーさんてばぁ……だいた〜ん♪//」
「いいから来い!きっちり、俺が退治してやる!!」
------------------------------------------------
「ほら、コーヒーだ」
「あっ、あんがとさ〜ん♪う〜ん……やっぱり、事務所が一番落ち着くねぇ〜♪」
「さてと。まずは、何から話そうかな……」
「二人っきりやし……まずは、あたしとプロデューサーさんの「将来」について、話そか……//」
「またお前は……あのな〜……いいか?周子は少し、無防備すぎるんだよ。色々な意味でさ」
「エ〜。そんなんあらへんもんっ」
「い〜や、あるんだ。すぐに思わせぶりなことをするし、言うし……さっきもそれで、怖い思いをしただろ?」
「確かに、あの時は怖かったけど……でも、あれは別に、あの人たちが勝手に寄ってきただけだよ〜?」
「それだけ、周子が魅力的な女の子ってこと。だから、変なことばかりしてるとまた、怖い思いをするんだぞ」
「……言ったやん……あんなこと……プロデューサーさんにしか、せえへんって……」
「それに、プロデューサーさんも、人のことを言えへんと思うで?」
「は……?俺が……?」
「誰にでも優しいし、平気で恥ずかしいをこと言うし、そのくせ、急に男らしくなったりするし……」
「そのせいで、あたしがどれだけ、苦労をしてると思ってるん?」
「よくわからないけど……それって、褒められてるのか……?」
「やっぱり、自覚がないんだ……ほんま、困った人やね〜……しゃ〜ないなあ〜……」
「あのな〜?プロデューサーさんは少し、無防備すぎるんよ。色々な意味で」
「えっ、そんなことはないと思うぞ?」
「い〜や、あるの。すぐに思わせぶりなことをしたり、言ったりして……女の子を惑わして……」
「プロデューサーさんは魅力的なんやから、もう少し、自分が「男の人」やって自覚を持った方がええで〜?」
「うぐっ……!そ、それは……すみません……反省します……」
「……じゃなくて!何でいつの間にか、俺が説教されてるんだよ!!」
「んふっふっ……♪幻術、オウム返しならぬ、シューコ返しを使ってみました♪だって、あたしは妖狐だもん♪」
「全く……でも、本当に気を付けてくれよ?アイドルな以前に、周子は女の子なんだからさ」
「大丈夫やって〜♪危険な目に、あいそうになっても……プロデューサーさんが、守ってくれるもんっ……//」
「俺だって常に、周子といれるわけじゃないし、最終的には、自分の身は自分で守らないといけないんだぞ?」
「……ふ〜ん……じゃあ常に、あたしとプロデューサーさんが、一緒にいれるようにする?」
「えっ……どういうことだ……?」
「ふふっ♪あたしをここまでにした……「責任を」とってよね……♪//」
「……お前はまた、そういうことを言って……おい!いい加減にしろっ!!」
「きゃあん♪プロデューサーさんが、狼になったぁ〜ん♪襲われちゃ〜う♪」
「周子にはあと、もう一時間説教だ!そこに座れ!」
「イ・ヤ・ダ♪あたしぃ、もうその話、聞き飽きたも〜ん♪」
「聞き飽きたって……俺は、周子のことを思ってだな……」
「はいはい♪んじゃあ、あたしはそろそろ……あっ、そうだ♪最後に一つ、言いたいことがあったんだ♪」
「……あたしも、プロデューサーさんを「大切」に思ってるよ……♪んじゃね〜♪今日は、あんがとさ〜ん♪」
「おい!まだ話は……行っちまった……ふぅ……何が、俺のことを大切に思ってるだよ……」
「人のことはいいから、まずは自分のことを大切にしろっつ〜の……ったく……//」
------------------------------------------------
「あ〜♪今日は、楽しかった〜ん♪」
「プロデューサーさんに服も買ってもらえたし、一緒に美味しいものや、クレープも食べれたし」
「……男らしい、カッコええ一面も見れたし……大満足や……//」
「あっ、でも……すこ〜しだけ、不満やったなあ〜……」
「んもう……あれだけ、誘惑してるのに……ほんま、超がつくほどの鈍感さんやね……あの人は……」
「さっきだって、もう少し「狼」やったら……あたしは……」
「……ま、しゃーないか♪ああいう人やもんね♪むしろ……そういう部分に、惹かれたって言うか……//」
「いや〜ん♪あたしってば超乙女〜♪我ながら、もう見てらんな〜いっ♪//」
「……ほんまに……いつから、こうなっちゃったんやろな……あたし……」
「思えば、アイドルになる前は、フツーすぎて退屈な毎日の中、ず〜っとダラダラしてたっけねぇ……」
「フツーの学校生活を送り、フツーに和菓子屋を継ぎ、フツーの日々を送る。それも一つの幸せだったのかも」
「でも、それでええのかな〜、このままでええのかな〜って、悩んでたのも事実なんよね……」
「……だけど……そんな中、突然現れたんだよね……あの人が……」
「店番をしてた時に、急にアイドルにならない?って言われた時は正直、戸惑いもあったけど……」
「何となく思ったんだ。この人となら、やってみたいかもって。なんか、シンパシーを感じたんだよね」
「でも、ずっとダラダラしてた娘が急に、アイドルをやりたいーなんて言ったら、両親に何を言われるかと思ったけど……」
「やるならちゃんとやれ。だなんて言われちゃったら、もう、後戻り出来へんよね♪」
「……本当……プロデューサーさんには、色々と……責任をとってもらわなあかんね♪罪作りなお人……♪//」
「ふふっ♪寝ても覚めても、プロデューサーさんのことばかり……本当にどうしちゃったんだろう、あたし♪」
「まあ……それは「みんな」もなんやけどね。あの時の二人……めっちゃ、かいらしかったわ〜♪」
「照れつつも、まんざらではなさそうな奏ちゃん。隠しきれてないどころか、溢れちゃってる美嘉ちゃん」
「そして、その他にもたくさん……あ〜あ……本当に、ライバルが多いなあ〜」
「それでいて、当の本人は、全然自覚してへんし……あたしがしっかりと、見守ってあげないとっ♪」
「……だって……プロデューサーさんは……あたしの「大切な人」……やからねっ……//」