ポケットモンスターJ   作:ユンク

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会議2

 希望が見えても忙しさは変わらない。寧ろ提供される情報量が多くて、情報の纏め、どれを公表するか、これらの情報をどのようにして対策に活かすか等、更に忙しくなった。

 各省庁はポケモンによる被害の算出と対策、取り敢えず、日本で一番長い一日になったような気がする。

 THE LONGEST DAY OF JAPAN なんちゃって……はぁ。こんな事言ったら余裕ありそうですね。もっと頑張ってください。なんて言われるから絶対に言わないけど。

 

「総理、アメリカから支援及び共同調査の申し出が来ていますが」

「今回ばかりは断らないと大変な事になる予感がするんだ」

「そうですか、では、そのように」

「あぁ、他の国は?」

「中国、ロシア、フランス、イギリス、韓国、ドイツ、スペイン、イタリアの八か国が同じような申し出を……」

「随分と多いな……国連から圧力がかかる可能性もあるか……」

 

 これは外務省で死人が出るぞ。仮にあの少年の言う事が本当だとすればこの生物が他国に渡るのがどれだけ危険な事か。それに、今この世界には神と呼ばれるポケモンがいる可能性が高く、見張られている可能性も高いという。つまり、神の機嫌を損ねるようなことをすればどうなるかも分からん。

 さわらぬ神にたたりなしってか? 十分に祟られているよ、この状況は。

 

 

 

 

「やぁ、ミスター明賀(あけが)。今回の件、ステイツは協力を惜しまないつもりだが、再考の余地はないかね?」

「スペンサー大統領、すみませんが、自国内で解決しますので」

「そうはいっても早くに解決しないと日本の経済が回らないだろう? そうなると世界の経済も回らなくなる」

「承知していますよ。ですから、早期の解決を図っているところです」

「そうかい、いつでも相談に乗るから、決まったら教えて欲しい」

「ええ」

 

 電話を切ると溜め息を吐く。タイムリミットはどれくらいか。恐らく半年と言ったところか、いや、もう少し短いかも知れない。とにかく早くに終わらせないと介入してくることは間違いないだろうな。

 それがアメリカだけなのか、それとも国連を使っての介入なのか。国連の場合もっと厄介なことになる。暫くは休めそうにないな。

 

 

 

 

 何度目かの閣僚会議。

 例の少年が危惧していた事が起きてしまったか。

 

「昨日、銀行がポケモンによる攻撃を受けました。幸いにも、職員もポケモンを所持していたため、犯人のポケモンを戦闘不能にすることで事なきを得ましたが、このような事態が頻発することは避けなければなりません」

 

 少年の危惧していた事、それはポケモンによる犯罪だ。正直言って、銃を所持するよりもポケモンを所持するというのは危険な事だ。銃よりも威力があり、多彩な技を使用することが出来る生物を人間の命令でいう事を聞かせる。もちろんそこにポケモンの意志が挟まれるために、出来ない事もあるだろうが、大抵の事は聞いてしまうだろう。

 ポケモンは確かに人の言葉を理解できる知能はあるが、人間社会での法律やこれをすれば犯罪になると言ったことは知らない。人を殺すということに関してはいけないということは分かっているだろうが……いや、それも怪しいか。

 それも含めて建物を壊す、物を盗む、といったことはしてはいけないという事を教えてやらなければ、平気でしてしまう。

 

「警察官にもポケモンの所持が必要になって来るな」

「はい、銃では対抗できないポケモンも多数いることを考慮するとその必要性は出てきます。それに、ポケモンの能力を十全に引き出す、例の少年の言葉を借りるならポケモントレーナーになる必要があると思います」

「そうだな。ポケモントレーナーの育成を彼に頼むか」

「では、私は人選を担当しますか」

「ああ、頼んだ」

「自衛隊の中から何名か選出してもいいですかね?」

「構わん。官民問わずに選んでくれ」

「承知しました」

 

 各大臣は私の言葉を聞いて誰が良いだろうかと少なくとも、数人の顔は思い浮かべているだろうな。だが、それは後にして貰おう。

 まだまだ議題が残っているのだから。

 

 

 

 

「くっくっく、どうなる事かと思っておったが、存外うまくいくものだな。この無法地帯ともいえる宇宙に住む人間にはその代償を払ってもらわなければならない。それにあ奴には特別な力を貸したのだから精々頑張ってくれ。これもポケモン達の、我が子たちの繁栄のためだ」

 

「しかし、まだ上手くいかない事も多いの。ここは自然が生み出した自然の法則によってできているからか法則の書き換えが上手くいかないのが難点だ。しかし、最近までこの宇宙の膨張を止めていたことを考えると気が楽なものだな。まだこれは第一段階なのだから、最後までこの星には世話になるから大事に扱わんといかんな」

 

「風見海飛、ポケモンと人の共存を目指すがいい、それが私の望む世界だ……おお、お前達、システムの調子はどうだ?」

「問題ありませんよ。調整には手こずりましたが」

「こちらも問題ないっす」

「我も問題はない。上手く機能している」

「そうか、これから忙しくなると思うが頑張ってくれよ。ま、あんなのに比べればましだと思うがの」

「そうですね」

「あれはもう勘弁してほしいっす」

「うむ。御免被りたいな」

 

 

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