完結まで頑張りたいと思っていますが、こんな感じが続きそうな予感。
快適な空の旅か、と言われたらそうでもない。なんせ今乗っているのは輸送機だからな。
だけど、それなりに過ごしやすいように配慮されてはいた。今は無理やり作られた感満載の部屋の中で、説明を受けている。この部屋から一歩出れば無骨な内装が広がり、エンジンの音によって大声で話さなければならなくなる。
「以上で説明を終わります」
「今も毎月振り込まれてるんですけど、いいんですか?」
「はい。情報料や講座の講師料、その他諸々の金額を適正額振り込んでいるので問題ないと聞いています」
「一つお願いがあるんですが、あれだけの額を貯金しててもあれなんで、金融に詳しくて、投資を行っているような人っていないですかね? 資産運用を任せたいので」
「は、はぁ、掛け合ってみましょう」
ちょっと、人をまるで小学生の皮を被った何かの様に見るのはやめてくれ。事実っちゃ、事実だけど。資産運用の話をする小学生とか……ないわ。
因みに今、口座には4千億5千万円入ってる。うん、おかしいな。税金差し引いて情報量で4千億円。5千万円の方は役所で働いていた? 時の分と講師代。
まぁ、今日までの世界で発生した損失が千兆円とか何とか言われてるから、それに比べれば安いもん。
今は日本がほぼ操業停止状態だから、世界の市場は混乱というか瀕死していて暴落しているところも珍しくないらしいけど、俺はポケモンについての情報を握っている事と、政府の人に一番近いと言ってもいい所に居る訳だから、その気になれば日本関連の市場を操るようなことも出来てしまう。
具体的には鉄道のポケモン対策。これを提案して実行することで成果が出れば日本の経済は回りはじめる。そうすれば回復していくだろうから、その時に株でも持ってれば回復分の利益が出る。
後は一番影響力があるだろう、木の実。木の実をどこの会社に持ち込むかで、変わってくる。例えばAという製薬会社に持ち込めば、それ以外の製薬会社は正直言って軒並み株はさがるだろうな。逆にAはあがる。
因みにオボンの実で骨折が直るのは確認済み。既に政府に話して今は国の管理する研究機関にお預け。なんでも特定の会社を優遇しないためだとか。つまりは、研究機関が発表して民間に実験結果を公表すれば製薬会社は食いつくだろう、当然食いついた製薬会社はその殆どが株は上がると思う。正直一社だけより何社かの株を持ってた方が安心だから問題ない。
インサイダーに引っ掛かるだろうから、その辺りはキチンとするけど。
さて、どうしてこんなにもお金の話をしているのかと言えば「ポケットモンスター株式会社」でも作ろうと思ったからだ。この世界にはポケモンと言う生物の出現で存在は認知されたが、ポケモンによる産業は一切ない。新規開拓が容易にできるものが目の前に転がっているのだ。やらない手はない。具体例としてはポケモンバトル大会とポケモンコンテストだ。バトル大会に関しては俺自身の夢と希望とロマンが詰まってるから絶対に開催したいな。
これをついでに地域の活性化でも一役買おうと考えている。ゲームで言えばジム巡りが一番適していると思う。リーグも作りたいとは考えているが、そこはまだまだトレーナーがいないから先の話だな。
「もう直ぐ着きます」
色々妄想している内に東京へ着いたようだ。トラブルもなく安心した。
飛行機から降りれば、そこには黒塗りの高級車が数台。これに乗っていくのか、なんかいやだな。
「こちらにお乗りください」
「はい」
「おっ、漸くきたんか。暇やからバックーと遊んどったわ」
「すみません。乗る車間違えました」
「ちょ、ちょっと待ちいや! 合ってるって! 俺もお前と一緒に行動する事になってんねん」
「はぁ、てか誰なん?」
「お、やっと喋る気になってくれたんか。俺は響、
「俺は風見海飛。まぁ、よろしく」
いきなりの展開でよく分からないんだが。関西弁、同い年か一歳下の男の子。膝にはバックーと呼ばれたヒノアラシが座っている。それにしても、この組み合わせにこのテンションは覚えがあるような。もしかして掲示板にいたヒノアラシのことを話していたヒビキか。
「んで? なんで響君も呼ばれたわけ?」
「呼び捨てでええって。なんかさぁ、親父が市役所で働いててバックーと遊んでて分かった事とか報告してたら、関空から連れてこられたねん」
「なんや、そういうことなんか。でも、事前に聞かされてないんやけど……まぁいいか。行きしなに説明はもう受けたんやろ?」
「あぁ、受けたで。あんま覚えてないけど」
「なんでやねん。覚えとけや」
「いやぁ、頭使うんはあかんねん」
大丈夫なのか? お世辞にも頭がいいタイプだとは思えないんだが。話を聞けば父親に頼まれてスピアーと闘った事があるんだとか。まぁ、ほのおタイプだから圧勝だったらしいけど。それにしても息子をスピアーと闘わせるなんてどんな鬼畜野郎なんだ。
「バックーはほんまにええ子やで。かわいいし、強いし、最高やわ。そういえば海飛もポケモン持ってるんやろ?」
「うん。でも、デカいから車の中じゃ出されへんな。あとで見せたるわ」
「はよ着けへんかな。めっちゃ見たい」
「そんな事言ったらあかんやろ。めっちゃ睨まれてるんやけど」
「あ、ごめんごめん。俺はバックーが一番やから」
随分と信頼関係も築けているみたいだな。若干ヒノアラシの嫉妬心が痛いけど。
それにしても、こんな子と一緒に総理と会談なんかできるのか? 響は物置と化して俺がしゃべり続けている事になるか、バカな発言をして場を壊す事しか思いつかないんだが。