ポケットモンスターJ   作:ユンク

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お手並み拝見

 その後も色々話したのだが、響は大して理解していなかったようだ。そして、ポケモンバトルを見せて欲しいと頼まれてしまった。その頼みに響はめっちゃ喜んでいたけど、まだヒノアラシという事は高くても13レベなんだから、相手の出来そうな手持ちはコリンクくらいなんだよな。

 

「ポケモンバトルをする前に、折角ですから手持ちの皆を紹介しておきますね」

 

 場所は移動して自衛隊の駐屯地内。ここならイワークも問題なく出せるし、ヒノアラシが炎を出しても問題ない。

 俺はボールを四つ投げて、ウインディ、イワーク、コリンク、トロピウスを出した。

 ウインディとトロピウスは2メートル程で、イワークに関しては9メートル近くなので、その場にいた皆さんは随分と驚いていた。響もそのうちの一人で、ヒノアラシと口を開けてポカンとしていた。

 コリンクだけが抱っこできる大きさだな。10kg近いからちょっとしか出来ないけど。

 

「す、すげぇな」

「まぁな。自慢のポケモンたちだ」

「俺はバックーしかいないや」

「さ、バトルするか」

「おう!」

 

 大体十メートルほど離れて、お互いのポケモンを出す。響は勿論ヒノアラシで、前に出てきたヒノアラシはやる気満々らしい。背中から炎を出している。

 こっちはレベル差を考慮してコリンクで。初めてのバトルにはなるが、何とか勝ってみせる。

 審判の合図を聞いて、直ぐにヒノアラシは突っ込んできた。こちらは、じゅうでんをする。

 

「そのまま、たいあたりだ!」

「じゅうでんが終わったらすぐに避けろ!」

 

 なんとかじゅうでんが間に合い、ヒノアラシのたいあたりを避けた。コリンクは次にでんき技を使えば威力が2倍になる。そして、そのチャンスを掴まないと。

 

「でんこうせっか!」

「きた! スパーク!」

 

 じゅうでんをしたこともあって、スパークは威力が十分。一瞬眩しすぎて姿が見えなくなったほどだ。

 一瞬のうちにコリンクへとヒノアラシは迫って来たが、なんとかスパークが間に合い、コリンクはでんこうせっかによって吹き飛ばされて、ヒノアラシはスパークをまともに食らってその場で蹲っていた。

 

「まだいけるか?」

「リイ!」

「バックー! 大丈夫か!」

「ヒノォ!!」

 

 ヒノアラシは何とか気力で持っている状態だろうな。多分後一撃で決着は着く。やっぱり、補助技ってのはしっかりと使えればめちゃくちゃ強いな。

 

「もう一度でんこうせっか!」

「左に跳べ!」

 

 今度のでんこうせっかは流石にどうすることも出来ずにまともにダメージを受けて吹き飛ばされてしまう。先制技ってのはやっかいなものだな。

 

「ひのこ!」

「スピードスターだ!」

 

 吹き飛ばされて距離が出来るも、特殊技で遠距離攻撃をしてくる。少しは考えたみたいだけど、こっちにもその手段はあるんだよ。

 ここで隠し玉のスピードスターが登場。絶対に命中する技で、たまご技だ。コリンクが覚えていたたまご技はこれだけだったが、絶対に命中する技と言うのは避けると言う事が出来るこの現実世界では結構強い。

 コリンクが尻尾を振ると、3発の星が打ち出された。スピードスターは射線上のひのこを相殺して、発射された3発のうち2発が命中した。

 さすがにこれを耐える体力はなかったのか、気絶してしまった。

 

「なかなかに悪くない動きだったよ」

「うぅ、バックぅ」

「おい、泣くなよ。ほら、早くポケモンセンターに預けてやれ」

 

 モンスターボールにヒノアラシを戻して衝撃の一言。ポケモンセンターってなに。

 一瞬怒りが一気に湧き出て来たけど、落ち着いて話を聞けば今までバトルで負けた事が無かったらしい。仕方がないので1から教えてやった。それと、バトルに負けてなかったとしても、疲れは溜まるもんだから偶にはポケモンセンターに預けてやれとも。

 どうやらポケモンセンターに預けると、健康面でも見てくれるみたいで体力だけでなく、精神面とか疲労とかもケアしてくれる。だから、俺は結構世話になっている。

 スマホの中で一体何が行われているのかは知らないが。

 

「凄いですね。ここまでとは」

「まぁ、進化前ですし、序の口ですけど。折角なんで、進化後のポケモンのバトルも見ますか? 家のポケモンは暇なときに戦い合ってるんで出来ますよ?」

「え、えっと、そうですね。今後の参考のためにも是非」

 

 総理としては時間が限られているので切り上げたいところなのだが、こんな機会はないので逃すのもおしい。それに、進化後のポケモンの脅威を知らなければ対処を間違う場合もあるので、見るしかなかった。

 

「レア、本気で来いよ」

「ガゥ!」

「イワーク、本気で行くぞ」

「イワ」

「こっちは進化後、こっちは進化前です。イワークは進化前から大きいので結構危険ですね」

 

 ちょっとした説明をしながら、レアと対峙する。どっちもやる気は十分みたいだ。審判の合図を待つ。手が挙げられ、振り下ろされる。その瞬間レアは視界から消え失せた。

 

「消えた!?」

 

 正確に言うと視認出来ない速さで動いているだけなんだがな。こうしてバトルをするのは5回目くらいになるんだが、その度にレアのしんそくは見えなくなっている。多分速さは変わっていないと思う。単純に相手に視認されない様な動き方、技術的な部分を発展させているんだろう。その部分に力を入れているのは俺と言う目があるから、俺をまずは欺く、ということなんだろう。

 

「左」

 

 例えどれだけ見えなくしても、レアはイワーク相手にはしんそくで攻撃はしない。しんそくは移動手段に使う訳だ。そして、次の攻撃に移る瞬間の隙、そこが無くならない限りは意味がない。

 

「ガゥア!」

「おっ!?」

 

 いきなりオーバーヒートを放ち、イワークの攻撃をそのまま跳ね返した。イワークの攻撃自体はレアの体勢を崩すことを目的とした、たいあたりなのでそこまで威力は乗っていない。その軽さを、オーバーヒートで力ずくで跳ね返したという事か。

 

「立て直せ!」

 

 次は何で来る? 特殊だと、俺のアドバイスしたもえつきるかほのおのうず、物理だとフレアドライブ。何で来る!? 

 

「ジャイロボール!」

 

 レアが炎を纏うと同時にイワークに叫んだ。フレアドライブで突っ込んできたレアはイワークのジャイロボールに弾き飛ばされて、なんとか着地に成功した。効果いまひとつとはいえ、ジャイロボールはすばやさが相手より遅ければ遅い程威力があがるので、恐らく結構な威力だったはずだ。

 一方のイワークは、多少ダメージを受けたみたいだが無事なようだ。しかし、どうしてフレアドライブを選択した? 

 

「ステルスロックだ」

 

 距離が離れている内にステロを撒いて、攻撃をさせにくくさせる。こっちじゃ、踏む度にダメージが入るから、なかなかに強力だ。

 

「ガゥ!」

 

 ま、一方特殊技で吹き飛ばされてしまう事もあるが。レアがもえつきるをステロに撃つと、3分の1くらいは吹き飛んだ。

 それに注意がそれている間に、気付いたらレアはいなくなっていた。今度は手加減しない。

 

「いわおとしの準備だ…………っ、後ろ!」

 

 目の前に現れたレアにいわが落とされ、確かに攻撃が直撃した。しかし、耐えきって見せ、きしかいせいをイワークに叩き込んだ。そうとう体力が減っているであろうレアの攻撃は随分と効いたらしく、耐えはしたがもう一発は無理そうだ。

 

「なかなか、レアもやるようになったな」

「ガゥゥゥ」

 

 レアがさっきフレアドライブで突っ込んできたのは体力を減らす為か。なるほどな。

 次で決着をつける! 

 

「いくぞ! ……? どうした?」

 

 ヒノアラシとコリンク、レアが最初に鳴きはじめ、イワークとトロピウスもそわそわし始めた。なんなんだ? 

 

 スマホが鳴り響いてから約50秒後、地面が揺れた。

 

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