燐子さんは暴走する   作:うみみ山

1 / 4
1つ言っておきます。
これはただの自己満足小説なので、不定期更新になると思うのでそこの所お願いします。
ではどうぞ…


何気ない日常
気持ちは暴れる


一つ彼との話をするならば、最初はただの不可抗力だった。何のハプニングもなく、学校に行って帰ってゲームをして少しピアノを弾く毎日。ピアノも人前に出ず、好きだから引くだけ。そんな自分に嫌気が指して、劣等感で後ろ向きになっていく。変えたくても変えられない。そして、それでまた自分が嫌になる負の連鎖の毎日だ。

だが、そんなある日だった。一つハプニングが起こる。

その日も私はいつも通りに学校に登校して、いつも通り教室へ向かった。

教室のスライド式のドアを開け、教室に入ると、いつもとは違う感じがあった。まぁ、簡単に言うなら少しざわついていたのだ。なんだろうと少し気になり、聞き耳を立てると

 

「あいつ、誰だっけ?」

 

「ほら!あの人だよ。弦巻家と肩を並べる天神家の一人息子!」

 

「あ〜知ってる知ってる。いつもテスト1位の。名前だけなら聞いた事あるぜ」

 

ざわつきの正体は、一人の男子生徒だった。会話からすると、要するにお坊ちゃまで、才能溢れる人物なのだろう。

 

でもその時の私はその会話がまるで頭に入っていなかったのかもしれない。何故か?それは私自身自覚がない。というか、覚えてない。

 

どういう訳か彼は、私の席に座っていたのだ。恐らく、席替えの時に彼は欠席でその事に気付かず私の席に座っているのだろう。そういえば、いつも私の隣の人は欠席だったような、、、、、

間違ってるな………

 

普通、私はこういう時慌ててしまって声も出ないだろう。しかも男子生徒ときた。ますます緊張するばかりだ、それなのにそれなのにだ。私の体は意識とは逆に、足を動かし、自分の体を席の前まで移動させた。

 

「あっ、あの」

 

彼は、なんだといった感じでこちらを睨む。

 

「す、すいません。そこ……私の……席……なんですけど…」

 

「あ?」

 

そう。私の口は文字通り、意図せず開いていた。これが、最初の彼との会話だった。

 

***

 

パチッと、まるで決められた時間に鳴る目覚まし時計のように目が開く。意識が覚醒して、夢の世界から現実の世界に引きずり出されたのだ。気怠い体をモソモソと動かし体を起こす。ファ〜と大きな欠伸をして焦点の合い始めた目を擦りながら締め切られたカーテンをサッと開ける。時刻は5時半。比較的起きてる人は少ない時間帯。外を見ると朝の犬の散歩をしている老人、新聞の配達をしている若者がいる。ってそれは私も一緒か。はぁとため息をつき、私は思いっきり開けたカーテンを締め切った。

 

 

色々な行動が少しアグレッシブになっている。少し機嫌を悪くしてしまっているせいだろう。

何故不機嫌か。まぁ、本当に傍から見れば、イライラする人もいれば、呆れる人もいる理由だ。その理由は簡単。ただただ、もう少し見ていたかったのだ。さっきまでの夢の世界の出来事を。

 

(もう少し空気読んでよ。私の意識)

 

理由もなく、罪のない自分の机を軽く叩く。軽くといっても、今の軽くはドンと大きな音が鳴り響く程度の、軽くだ。(もはや軽くない)

当然、自分の意識に空気を読めなんて無理難題ができる筈もなく、悲しい現実が私を苦しめるのだった。あ、苦しめてはいないか。この場合は悩ませる、か。ニュアンスが違うから、こっちの方がわかりやすくていい。うん、日本語難しい。

 

見ていた夢は3ヶ月前の出来事の夢。()との出会いの夢。あの時は怖かったな〜なんて今では思いもしないことを思い返す。まだそんなに経っている訳でもないのに何故か懐かしんでしまう。それほど、今までの私では考えられない程衝撃的で大きな出来事だった。あれから沢山のことがあった。人前に出るのが大の苦手だった私が、今ではRoseliaというバンドに加入し、キーボードをやっている。今まででは考えられない程、この3ヶ月間で私の生活はガラリとかわったのだ。

 

おっと、感慨深く振り返るのはここでおしまい。さっきまでは不機嫌だったけど、そもそもこの時間にぱっちり起きてしまうのはいつも通り(・・・・・)だし仕方ない。それで、私の機嫌は元通りになる。とにかく支度をしよう。「約束」の時間まではかなりあるが、やれることは早めに済ませよう。私は今の寝巻きから制服へと着替え、今日の授業で必要なものをカバンに押し込む。これで朝支度をおしまい。ご飯の用意は、、、今日はしなくていい日か。今日は彼の家で食べる日だ。

 

もう分かるとおもうが、私と彼、天神輪渡(あまがみわたる)は正式にお付き合いをしている。彼自体お坊ちゃまだから、私が豪邸に行くのか?って思う人もいるかもだけど、とある事情で彼は一人暮らし。今はアパートの一室で暮らしている。彼の両親も、彼の生活が心配だったらしく、面倒を見てくれると助かるし、彼女だと尚更だということで彼の親公認なのである。私はというと、私の両親もこのことを公認している。もうドンと来いくらいの公認。多分私が彼を正式に親に紹介したら、婚約出来るレベルである。冗談抜きに。

簡単にこのことを説明すると、私の親は昔から結構私にベッタリで私の性格のことでかなり悩んでいたらしい。私が、Roseliaに加入+彼氏が出来たという報告は問答無用で泣き出したくらいだ。やっと、人前に立てるくらい成長してくれてとても嬉しい、と。その時は私も泣いてしまった。

 

彼氏についてはかなり言及されたが、Roseliaに入れたのも彼のおかげだということや、色々な出来事を話すとすんなり認めてくれたのだった。それからというもの、毎日朝挨拶を済ませて、ご飯の時に父母揃って「いつ結婚するの?いつ彼氏を紹介してくれるの?」と聞かれる始末だ。ま、私も早く婚約はしたいんだけど、彼を悩ませるのは避けたい。今日は二人とも夜勤で夜からいないからいいが、困ったものだ。

 

さて、また暇になってしまった。「約束」の時間まであと、10分近くある。やることやること………

あ、そうだ。彼の寝顔でも見よう(・・・・・・・・・)。多分もうそろそろ起きてしまうから、彼の寝顔を今のうちに堪能してしまおう。うんそれがいい。いつも凛々しくてカッコイイのに、寝顔になったとたん赤ん坊のように柔らかくなるあの可愛い彼を見たい。惚れるが負けという言葉があるが、私は愛が強いんだから、勝ちだと思ってしまう。彼が大好き。彼が愛おしい。私の愛は強い。いやどんどん強くなる。あぁりんくん。りんくん。お願い。早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く

 

暴走する意識に身を任せ、PCを立ち上げ、彼の部屋に設置した監視カメラのソフトを起動する。普段デリケートな機械は優しく扱っている私だが、この際壊れてもいいくらいキーボードを叩く。別に壊れてもいい。りんくんの顔、声彼が見れるなら。頭の先から爪の先まで全て私のモノ。私の、私の、ワタシノモノダ……

 

おっと、、、ダメだまた。こんなに暴走してしまっては、「約束」の時間のとき歯止めが効かなくなって彼を怯えさせてしまうではないか。落ち着かなくては……ソフトが立ち上がるまでの時間に、何とか暴走を抑える。暴走を抑えると丁度、画面が彼の部屋に切り替わる。

 

「あれ?りんくん……起きてる」

 

彼にしては随分と早く起きてるな。私としては、寝顔も起きてる顔も大好物なんだけど、なんで起きてるのか気になってしまうものだ。む〜、そんな真剣な顔しちゃって。カッコイイな〜………話したいな〜

こんなことだったら、盗聴器もつけて置くんだったな。「約束」は時間通りに、と彼と決めてしまったのがあだになった。とは、言いませんよぉ〜。こんな時の為に、彼からハッキングの技術を教わったのだ。なんとかして、彼のパソコンのマイクから出力される音声データをこっちに繋げればっ………とできた。よーし、彼は何をやってるのかな〜。

 

カタカタカタカタカタ

 

カタカタ音?キーボードをひたすらに打ってるのかな?一体なにを………あ〜分かった

 

「執筆作業か………」

 

彼はたまに小説を書く時がある。まぁ、ほんとにごく稀と言ってもいいのだが……彼が小説を書く時は、少なくとも20000〜30000文字を書く。彼曰く「生ぬるい気持ちで書きたくないし、書く時はできるだけ真剣に書きたい」らしい。実際に私も読んだことがあるのだが、彼の才能と、得意とするシリアスの織りまじる恋愛ストーリーに引き込まれて、文字の量など気にならないくらいすんなり読み切ってしまった。要するにとても面白かったのだ。いつも思うのだが彼の作るものや、書くものには不思議な力があると思う。なんというか、とても惹き込まれるのだ。彼が本気で小説なんかを書いたら、本当にベストセラーを超えてしまうんじゃないかと思ってしまう。なんの運命か、惹き込まれ、自然と周りを笑顔にしていく弦巻こころとは、また違った才能。私の周りのお金持ちは天才ばかりなのだろうか?まぁ、るんっとお化けはいますが…

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっくしゅ……」

 

「なんですか、こんな朝早くにおきて……」

 

「なんか、朝からるんっと来ないな〜」

 

「?なにを言ってるんですか日菜」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを考えている内に執筆作業が終了したみたいだ。

 

「あ〜!まだ物足りないのに……」

 

彼が小説の執筆作業をしているときの真剣な顔をもっと堪能したかったのに。これに関しては完全に失敗した。また次回ですか……貴重な映像を見過ごしたよ…

それにしても、彼が気まぐれに書くのは珍しい。というか、気まぐれ自体私も数回しか見た事がないのだ。なにか、きっかけを作って書いてる可能性が彼の場合は高いのだ。そして、例え彼であっても20000文字以上を書くのにこんな短時間で書くなんて考えにくい。少なくとも、深夜1時辺りから書き始めないと無理だ。なにをきっかけにした?

あ、そういえば昨日あこちゃん、りんくんと一緒にNFOやって0時に落ちたけど、なんかあこちゃんにりんくん「付き合ってくれないか?」なんてチャット送ってなかったっけ。一瞬で表記揺れかもしれないと思って、彼を咎めはしなかったけど……

チャット履歴スマホで見るか。…………やっぱり……………

 

 

 

なんで、、、、あこちゃんなの???

私はスマホを潰す勢いで握る。

 

「これは、説教が必要かな…」

 

 

 

 

説教はどうしよう?とりあえず監禁?いや、それは彼が傷ついてしまう。とにかく、あこちゃんに追求シヨウカ……いや、やっぱり直接縛ろう。彼を………

 

「ほかに移るなんて………ユルサナイカラ」

 

画面の向こう側にいる彼を見つめ、そっと画面を撫でる。彼は………私のモノダ。彼と触れ合うのも、愛し合うのも、見つめ合うのも、口付けを交わすのも、全て私だけの特権。ワタシダケノカレ。

 

ねぇ、りんくんは離れたりなんかしないよね?私を捨てたりなんかしないよね?

ドロドロとしたドス黒い感情が私の中を埋めつくし、まるでそれだけ(・・・・)が私を支配し動かすように、私をコワス(・・・)

 

チクタクと、私の部屋で静かに木霊する時計は、6時になったことを私に知らせる為に大きな音をたてる。

ふふ、りんくん。「約束」の時間だね……

慣れた手つきでメッセージを彼に送ると、私はPCをシャットダウンして、彼からの返信を待つ。

 

数秒して、彼からの返信が来る。

さて、話すことはいっぱいある。

昨日のこと。今日の体調。そして、彼の体調を気にかけての説教。当たり前だよ?彼女だもん。彼を気遣うし、彼を癒してあげなきゃ。なにより…

 

「ぜっっっっったいに、私以外にはワタサナイカラ。ネ?リンクンモワタシノコト……」

 

愛し合っている私達の、、邪魔はさせない……

 

「ふふ、まっててね、今……イクカラ……」

 

私は静かにめを閉じ、彼に電話をかけた。




ヤンデレ燐子ちゃんて、めちゃくちゃ彼女に欲しいのです。推し友希那しゃまとこころんなんだけどね(´>ω∂`)
まぁ、現実はそんなに甘くないんですけどね…(;´д`)トホホ…
何故、オリ主視点から始めなかったの?って言う疑問。
お答えしましょう……ただのミスです(まじですいません)

良かったら感想・評価お待ちしております。
不定期更新ですが、どうか、お願いします…
次回はオリ主視点です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。