燐子さんは暴走する   作:うみみ山

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どうも。
1週間過ぎましたね、はい。ほんっとすいません。


さぁ、気を取り直して!(話を切り替えるやつ)
今回はかなりの長文です。投稿が遅れたのはこういう意味もあります。(隙あらば言い訳をする)

と、本編に行く前に。いくつかの気になってるかもしれない読者様のために、主人公のプロフィールを考えて来ました。


天神輪渡【あまがみわたる】
身長188cm 体重75キロ
趣味:ゲーム 読書 小説執筆
特技:運動 ボードゲーム

本作の主人公です。今はまだ直接的にこの人の才能は出ていませんが、とんでもない才能です。言うなら化け物でしょうか?これはのちのち明かされるので首を長くして待っていてください…


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本当ありがとうございます!


さて、本編です。今回は燐子sideからのスタートです。それではどうぞ


奇妙な運命

舞い上がるという言葉がある。

意味合い的には心が舞い上がって調子に乗るとかそういう意味のもの。

 

 

 

基本的に日常で使われたりする表現方法としては、気持ちが舞い上がるなど使ったりするだろうか?

 

 

疑問文で投げかけてしまったが、恐らく大半の人がそれくらいしか使わないんじゃないだろうか。というか日常で舞ってる人はいるのだろうか?舞ってる人は舞ってる人なんだろう。どういう心情なのかは知らないけれど…

 

 

 

話が逸れてしまったが、舞い上がるというのは、嬉しい時や、楽しい時、幸せな気持ちだとか最高の気分だとか、それと同じような意味合いだ。そんな感じで人は状態というのを表現する。本を読んでいてこういう表現は結構好きだ。

 

 

 

 

それを踏まえ、今の私の状態を説明しよう。

 

最高に幸せで、気持ちが、心が、舞い上がって……いや、舞踊り上がってしまっている。

 

あんな感じに……朝から、、朝から、、好きだなんて……私、その言葉だけで世界征服出来ちゃう気がするよ…

どこかの少女漫画で使われているような表現だけど、今の自分の気持ちは表現しきれない域まできている。到達地点は頂より高い…………

 

 

「約束」の電話が終わり、現時刻は6時50分。いつもなら、15〜20分で終わる電話だが、2倍もの時間が経過してしまっていた。

 

 

なんで、こんなに時間を使ってしまったというと、お灸を据えないといけないことがあったんです。それで、つい♡

彼の彼女として、当然の事をしたまで。この程度は慣れっこ。少し前は1時間もしたことがあるし、序の口も序の口である。

ましてや、これは自分が愛する人の事だと思えば、序の口の数が4乗ほどされてしまう。

 

 

でも、時間は時間である。序の口とはいえ、使ってしまった時間は元には戻らない。りんくんと一緒に居られる時間が減ってしまったが、彼の為に使った時間だからしょうがない。急いで彼の家に行こう。

 

 

事前に準備しておいて良かった。備えあれば憂いなし。

 

 

ここからりんくんの家まで15分ほどだ。到着するのは7時ちょっと過ぎ。登校する時間が8時10分くらいだから、居られる時間は1時間はあるはず。

 

 

お腹がすいた状態だし、りんくんの朝ごはんが楽しみです。

 

「じゃあ行ってきます。待ってて……ね……♡」

 

私は、ゆっくりと部屋のドアを閉じた。

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★

 

わたるside

 

俺の名前は天神輪渡(あまがみわたる)。NEETだ。働いたら負けだと思ってる。

 

 

ゲームと自堕落に惰眠を貪ることこそ正義であり境地。学校なんてクソッタレ……俺はこのまま自堕落に暮らしていくんだ…ハハ……………ハハハ………………

 

 

な〜んて冗談だ。すまん、自暴自棄なんだ。許してください何でもしますから(なんでもするとは言ってない)どうでもいい話、俺は嫌なこととかあった時に、すぐポジティブ思考に切り替えられる奴が嫌いだ。だって、羨ましいもん。

 

 

燐子に約30分間の説教を受け、現在の時刻は7時前まで来ていた。本来であれば、6時45分あたりから、一緒にご飯を食べて、登校までイチャつくってのに……自業自得過ぎるんだけどな…………

 

 

怒られたのは徹夜についてだ。それについて30分も怒られた訳だ。

 

燐子は俺の健康面や、生活面のことを心配してくれていたってのに………俺ってやつはつくづくダメ人間らしい。あそこまで彼女に想われておきながら……

 

 

怒られて、かなり心にきている。自分の彼女がこんなに考えてくれてるってのに…しっかりと反省しないとな。

 

 

俺は何かに縋りつくように、部屋にあったせんべいをかじった。

 

 

「ってかった!!何だこのせんべい!?」

 

何これ!?せんべいってこんなに硬かったっけ?!いったいなんでできてんだよ…袋に商品名が書かれてるな……え〜っとなになに?

 

「まるでダイヤモンドのようなせんべい醤油味……なんでこんなのが部屋に置いてあるんだよ!!」

 

需要が全く感じられんわ!こんなんに醤油味とか書いても美味しそうじゃねえよッ!!歯がお陀仏する物騒な醤油味せんべいって悪意しかねぇだろ。一体何故こんなものが……部屋全体を見回してもこんなものが出てきそうなものなんて……ん?なんだこれ。ダンボール箱?

 

 

あ、そういえば一昨日くらいに結構すぐそこにある天神家の使用人が持って来てたな。カッターで開けただけで面倒だったから中身見ずにそのまま放置したんだった…

とりあえず中身確認してみるか。

 

 

「え〜っと。生活面で使うもんが多いな。助かるから嬉しいけど野菜とトイレットペーパーとかは分けろよ…」

 

 

少しの愚痴を吐きながら中身を確認すると生活必需品とも言うべきものが多かった。油や塩こしょうといった調味料。野菜。トイレットペーパー。お菓子。……………コイツか……

 

 

高速で脳がフル稼働する。このダイヤモンドせんべい。略してモンべいをこのダンボールにぶち込んで俺に送り付けてきた人物。そのあらかたの犯人を絞り出し、ダンボールの底にてを突っ込むと、やはりそこにはあった。犯人からの脅迫状…………もとい手紙。差出人の名前は…

 

 

「やっぱりてめぇかよ……お袋ォ……」

 

手紙の差出人。俺の犯人は母親だった。

 

『歯がなくなっている頃かしら?それとも面食らってる頃?いずれにしても滑稽で醜い感じになっているのでしょうねぇ?あらあらごめんなさい。気を悪くしたら自分の顔でも見つめ直せば?少しは人生をやり直したいとか思うかもね。せいぜいドブでも啜りながら生きなさい、この穢れた血 母より』

 

内容が皮肉しかねぇ……

つか、穢れた血って……半分アンタの血だからな!?分かって言ってるとしても自分ディスってどうすんだよ。御丁寧に母よりなんて書きやがって。嫌味のつもりかよ…

 

 

手紙から分かると思うが、俺と母親との関係はかなり最悪だ。と言っても、前に比べたら天と地程の差がある。これでもましになった方なのだ。

 

 

少し昔の話をするが、こうなってしまったのは俺が一人暮らしを始めたことにある。

まぁ、なんていうか一人暮らしする前の俺は、簡単に言えば缶詰め状態だった。

 

 

俺は昔学校から帰ってきたらひたすらに色々な勉強をさせられた。書道や茶道や弓道の作法の取得。色々な国の言語の獲得。言葉遣いやコミュニケーション能力の向上にまで力を入れられた。まあ世間一般でいう英才教育ってやつだな。これ以外でも色々なことを教えられたが、長くなるからここまで。

 

 

天神家は、この地域だと、っていうか世界的に見ても 有名な名家なんだよな。総資産はたしか5000億ほど。親父から聞いたことだから詳しくは知らないが、そうらしい。だからそこの一人息子である俺は物心着く前から、色んな教育をさせられてきたわけだ。将来この天神家を取り仕切るものとして恥をかかないようにと……

 

 

俺が家を出た理由としては正にこれだ。俺はこんなもの受けたくもなかった。ただ、俺は普通が良かった。天神家の一人息子としてじゃなくて、天神輪渡という1人の人間として生きていたかった。無駄に才能があるからって、そんなものを伸ばさなくていい。ただ周りの人達と同じの普通が良かった。だから、家を出たわけだ。

 

 

そこで対立したのが俺の母親。俺の母親は普段はとても優しい人だ。だがそれとは裏腹に完璧主義者なのだ。例をあげるなら、昔俺がテストのケアレスミスで100点が取れなかったとき、1時間の説教を受けたことがある。あの時から俺のテストの目標は必ず100点をとることだった。理由は言うまでも無し。

 

 

まぁ、俺の教育の中心人物もあの人なんだよ。だから、俺が一人暮らしをすると言った時はそれはまぁ猛反発された。一体なんの為にお前を育ててきたのだと。恩を仇で返す形になってしまったが、おれだったやってくれなんて頼んだつもりはなかった。あの時俺も必死だったのもあるが、母親を押し切って無理やり出てきたのが今のこの状態を生んだのだ。

 

 

ちなみに父親との関係は良好である。今は海外での遠征でいなけど心配してくれている。仕送りも大半が父親からだ。昔っから父親は俺を甘やかしてくれたからな〜。今でも変わらんが……

 

さらに因むが、うちの天神家は両親共働きだ。父親が海外での契約や取引。母親は日本の天神の会社の責任取締役。いずれも万能両親ってことだな。その代わりめちゃくちゃ忙しいが…

 

 

ともかく、そんなこともあって俺とお袋との関係は悪いわけだ。前はもっと最悪だったけど…前なんて、顔を合わせたら殴る蹴るのオンパレードだからな。あの、美人なのに血の気が多い殴りをくらったらダメージは著しいものなんかじゃ済まされない。一触即発とか、なにそれ美味しいの状態だからな。

 

 

紆余曲折を経て、なんとか今は顔をあわせたら悪口言い合うくらいの仲間までには良好にはなったんだけど、こんな具合でちょくちょく巫山戯たことをしてきやがる。

 

 

ったく。変わらずお袋はお袋というわけか…

でもま、貰えるもんはもちろん貰いますよ。野菜とか調味料は正直有難いしな。あのお袋にしては優しい施しだ。

保管するために、賞味期限とかも確認しなくちゃな。えーっと油の賞味期限はっと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賞味期限1年前

 

 

「ふざっっけんなあのクソババァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

手に持っている油を床に思いっきり投げつけ、届かないであろう俺の怒号をクソッタレあまにぶつける。なんなんだよ!?もしかして、この野菜も期限切れとかじゃないだろうな。このままだから切れてるのかとか分からないし……

 

安心できねぇ!

 

 

いや、落ち着け俺。まだトイレットペーパーとか使えるやつがあるじゃねえか。これだけでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紙に見えるプラスチック製のトイレットペーパー!!これで、新聞紙のまとめは完璧!!

 

 

 

「需要無しの巣窟かよここはァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

なんなんだよ!?トイレットペーパーなのに新聞紙まとめってなんだよ!?ゴミ出しようだったの!?紐があるだろ紐がァ!トイレットペーパーの要素ひとつも残ってねぇじゃねぇか!!

 

 

嫌がらせをさせるがために、こんなくだらないものを用意したのかよ。

 

 

訂正。父親は忙しいが、母親は暇人だった…

 

 

クソッタレ。朝から疲れる……

なんで、こんなに疲れにゃならんのだ。

楽しい1日が始まるってなんだよ。リア充ですかァ?………………はいそうです。

 

 

もういい、この中に入ってる物は学校から帰ってきてからでも十分片付けられる。というか、仕送りだったら普通多い筈だし、こんなにこじんまりしてるわけが無いと最初から見抜くべきだった…

 

 

仕方ないが、モンべいだけ冷蔵庫の上にあるバスケットに入れておこう。一応食べ物らしいし。これが食べ物とか信じたくないけど……

 

俺はモンべいが入った袋を持つ。

 

 

 

 

 

「ん?なんだこれ」

 

持った瞬間だった。この袋の口に違和感を感じる。

 

この袋、明らかに1回あけて、もう1回閉じられてる。結構上手く細工されてるけど俺の目は誤魔化せないぞ。

 

一体なんの為に…

 

「中になにか入れたかったとか?」

 

こんなの中に、何を入れたいんだ?でも確かにお袋とかだったら何か嫌がらせとして仕込んだりとか…奥とかなにかあったり、、、あっ、やっ

 

気づいた時にはもう遅い

 

 

「あ〜!やっちまった…」

 

中を確かめようと袋逆さにしちまった。モンベイが無残に床に散らばる。つかすっごいな、結構な高さから落ちたのに全然割れてねぇ。さっすが硬度10。というかこんなん作れるんだったらまじで他に技術と労力かけろよ。ま、とりあえずは食べ物なのだし拾うか。こんなことして、本当何が楽しいってんだよ……ふと、母親のことがまた頭によぎる。

 

 

「やっぱり、お袋俺の事嫌いなのかな…」

 

こんな関係だけど、俺はお袋が、母が今でも好きだ。教育のことは恨みに近いものはあるけど、それ以前に俺の事を育ててくれたんだから、感謝がないはずない。

 

 

ご飯も、シェフには悪いが、母のご飯が俺は大好きだった。

 

ご飯以外でも色んなことをしてくれた母を嫌いになる訳ないんだ。今でも母のことを尊敬してるし、憧れてる。本当に元の関係に戻りたいと……

 

 

いや、これは望んじゃいけない。俺は母の気持ちを踏みにじった。それは変えようのない事実なんだ。これ(・・)以上求めるのは傲慢で強欲なんだ。

 

 

「はは、皮肉なんもんだよな。あの時は逃げたいと望んだ……でも、今はこんなんなんだからよ」

 

つくづく、自分には自業自得って言葉が似合うらしい。朝の事も、母のことも全てが自業自得。自己責任。俺は、なんでこんなにもクソッタレなんだ……

 

 

一度壊してしまったものは、もう二度と完全に戻りはしない。必死に直したって、いくら繕ったて、壊れる前と後じゃもう違うものなんだ。関係だって同じこと。

 

自分で壊して、切り捨てて…自分でぶち壊した関係を今更戻したいだなんて酷く我儘なんだ。

 

 

 

「…………これで最後だな」

 

 

考えているうちにあっという間に散らばったモンべいを拾い終える。

 

 

ただ、せんべいを拾っているだけでこんなに虚しくなるのか?俺はこんなことを望んだ訳じゃなかったのにな。昔の自分勝手で起こした破壊行為。母から逃げたのに、今はその人に固執している自分がいることに反吐が出る。

 

 

矛盾だらけで、自分勝手な自分自身を殺してやりたい。嗚呼、このせんべいみたいに母との関係も壊れなかったら俺はこんなに悩まずにすんだのに…

 

 

思い出せば、思い出す程に気持ちが沈む。なんか、2ヶ月前のあの時みたいだな。あの時は燐子がいたけど……今この部屋にはいない……

 

 

『りんくん!』

 

 

パンッ!!

部屋に音が木霊する。

 

 

俺は反射的に自分の頬を叩いていた。

 

辛気臭くなってもしょうがない。今は今なんだ。現実を受け入れなきゃ、いつまでたっても前になんか進めやしない。3ヶ月まえの自分にはもう二度と戻りたくない。

 

 

考えたって状況なんか一切変わりやしない。俺の気持ちが沈んでることで燐子を無駄に心配させたくないしな。もうそろそろ燐子も到着するだろうしこれ以上彼女に無担はかけたくない。

 

 

結局細工の意味はわからなかったけど、また今度使用人にでも聞いてみればいいか…とにかくこいつをバスケットに入れてご飯の準備しないと…

 

ってあれ?

 

「まだ全部じゃなかったのかよ…」

 

机の下に微かに見えるモンべいが見える。よく気づけたな俺。

 

かがみ、机の下にあるモンべいに手を伸ばす。まったく、傍迷惑なせんべいだ。(自分で落としたのにこの言い分である)

 

 

「よし、取れた。ってこれ亀裂入ってる!?まじかよ!」

 

うっそ〜。確かにダイヤモンドは普通にハンマーでわれるいいますけどもぉ……落としただけで割れるんかいな。だったら普通ににせんべい作れよ。

 

 

ほんと無駄な労力じゃん。でも中身どうなってんのか気になるな。作りがどうなってるのか知りたかったし。一体どうやったらせんべいの原材料でここまで硬く…ってん?なんだコレ

 

 

「中身に…………紙?」

 

もしかしてコレが硬さの秘密?

 

なに?硬くなれ!ってこめた紙を入れたら硬くなるの?やかましいわ。

 

 

でもほんとになんで紙が。フォーチュンクッキーならぬフォーチュンせんべいなんて恋しませんよ。恋するフォーチュンせんべいとか絶対ときめかねぇだろ。需要なし×需要なしじゃんかよ。絶望じゃん。

 

一体なにが書かれてるんだ?

 

俺は紙に書かれている文を読む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………なるほど、な」

 

そうか。そういう事か。だから袋に細工を…

 

ピンポーン。

不意にインターホンが鳴り響く。ドアの向こう側にいるであろう人物は分かっているがとりあえずモニターを見てみる。

 

 

そこには最愛の人がいた。すぐさま玄関口まで行き家のドアをあけ、、、

 

 

「り〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んくん♡♡」

 

 

彼女が飛びついて(゚д゚ノノ゛☆キタキタキタキタキタキタ‌‌

 

ってまずい、このままで勢いで倒れ…

 

「だが断る!」

 

「?なにを?」

 

何その首傾げながらの抱きつきながらの上目遣い。めちゃくちゃ可愛いからもっとやってくれ。

 

 

「おはよう、りんくん。ふふ、2回目だね……」

 

「おう。おはよう燐子。電話越しも可愛いけど、やっぱり実物が1番可愛い。最高、大好き」

 

「はわぁ//////もう………朝から………もう///////」

 

よし、可愛いぞ。やっぱり燐子超可愛い!RMT(りんりんマジ天使)って俺の彼女のために出来た言葉だナ!

 

 

名残惜しいが、このままじゃ埒が明かないから頭から湯気がでてる彼女を落ち着かせ部屋へと招き入れる。

 

「お邪魔します」

 

「はいどうぞ〜。適当な所に座っててくれ。今からご飯作るからさ」

 

「あ、じゃあ私も手伝う。いつも任せっきりだし…」

 

「じゃあ頼む」というと、燐子は満面の笑みでキッチンまでやってくる。本当はゆっくりしていて欲しいけど、彼女になる前と違って、かなり強情になったからな〜燐子。

 

 

それに、こんな感じで一緒にご飯作るのってなんか、夫婦みたいで気恥しい。

 

「なんか、夫婦みたいだね♪」

 

思考読まれたみたいに考えていることがかぶるな。運命感じるぞ。

 

「そうだね〜」

 

おっそうだな。…って地の文読んでない!?

 

「うん、そうだよ?」

 

平然と言って首を傾げるのやめろォ?可愛いから…

 

「ふふっ…ありがと…」

 

何だコレ…ツッコミが追いつかん………

 

とにかく、料理だ。簡単なものがいいな。

献立は………よし。ポテトサラダとスクランブルエッグがいいだろう。

 

 

「ねぇりんくん?」

 

「ん?どうした燐子」

 

ふと献立を考えている所を彼女が話し掛けてくる。

 

 

「なにか、いい事でもあった?」

 

「なっ!?どうしてそれが…」

 

「顔に出てるよ。嬉しそうな顔してるもん……可愛いね〜」

 

 

まじか、そんなに顔に出てたか?!鏡見てくるか?

 

 

「りんくんが嬉しいと私も嬉しいな〜」

 

「正に一蓮托生だな。俺も燐子が嬉しいと嬉しいぞ」

 

「もう………ご飯作っちゃお?」

 

「そうだな…」

 

 

 

 

 

 

『風邪引くんじゃないわよ? 京子より』

 

 

 

 

 

なんでもない、1日の1秒が、幸せな時間となり過ぎていく。今日もいい事がありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【天神家】

 

ここは天神家。門をくぐれば、そこには信じられないほど大きな庭が広がっている。その庭の広さと言えば、家を6、7軒建てられるんじゃないか?と思うほどに…

 

屋敷に入れば、無数の部屋が迷宮区のように存在する。初見で入ったものは迷子間違いなしだろう。使用人が着いていなければ確実に迷子になる。

 

 

これはつい先日のこと。

カツンカツンと、1人の使用人の足音が屋敷の廊下に木霊する。この人物は、昔天神輪渡の世話役をしていた人物だ。輪渡からは『しー』という愛称で呼ばれていた。今でもたまにコンタクトを取っている。

 

 

と、途端に足音はなくなり、静かな廊下へと元に戻る。使用人はドアの目の前に立っていた。ガタンと思いっきりドアを開けると、目の前には椅子に座っているであろう人物が、椅子を背に向け座っていた。

 

 

使用人。いや、『しー』はその人物へと声をかける。

 

「京子さま。お荷物の方は使用人に送らせました」

 

「………そう」

 

「それで?何故あんな遠回しなことを?」

 

「決まってるじゃない……」

 

椅子に座っているであろう。彼女は背を向けながら窓の外を見渡す。

 

そして、突然こちらに振り返るとゲス顔で言い放った。

 

 

「嫌がらせよっ!!!!」

 

「かっこよく言っても全然かっこよくないですよ。寧ろあほ面です」

 

「うっ、うっさいわぃ!」

 

 

2人の言い合いが部屋に鳴り響く。こんな昼から何をやってるんだ、思うかもだがこの2人の日常のようなものなのだ。

 

 

「まったく、京子さまもあじなことを致しますね。あんなの、普通気づきませんよ?」

 

「いいのよ。というか、気づかない方が私的にはいいのよ」

 

「私的には………ねぇ?」

 

「ちょっと?敬語なくなってるわよ」

 

「あっ、ごめんなさい?焦れったいものだからつい…」

 

「うっさいわよ!白金晶子(・・・・)!」

 

「フルネームで呼ばないでくださいまし」

 

「あんったがさせてるんでしょうがァ!!!!」

 

 

ハァハァと、京子は息をあげながら目の前にいる使用人に突っかかる。

 

 

「ほんとうに不器用ですね、京子……まさか、せんべい全部にあんな面倒な細工をするとは…」

 

「うっさいわね。分かってるわよ……」

 

 

照れくさくなったのか、京子はまた背を向ける。この空気はこの2人の中での日常茶飯事なもの。いつもは堅物な京子はここだけは肩の荷を下ろせるのだ。

 

 

「晶子も晶子よ。自分の娘を私の息子に取られて……」

 

「あら?私は輪渡おぼっちゃまだったら全然問題ないわよ?今すぐにでも式場の予約しますか?」

 

「しないわよ!!」

 

 

 

日常は繰り返していく。

 

白金晶子と天神輪渡。奇妙な巡りあわせなのだろうか。それとも運命なのだろうか。

 

いずれにしても、子は親に似るんだろう…

 

「というか、何故せんべいなんです?」

 

「それは私がただ単に好きだからよ」

 

「適当ですか……」

 

 

今日も一日が過ぎていく…




いかがでしたでしょうか?

分からない点とかもあるかもですけど、のちのち分かってくるように過去編というものも用意してあるので、それを待っていてください。



次回はついにRoselia登場です。
お楽しみに♪


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それでは、またな!
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