Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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ある日の日常

sideイリヤ

 

 

おはようございます。イリヤです

 

現在、私は学校を休んで家にいます。

 

 

傷だらけのリンさんにルビーを預けると、慌てて駆け寄ると悟誠くんは気を失っているようでした。

 

左腕に宿っているドライグさんの話では本気を出した反動で倒れたのだろうと言うことでした。

 

ミユさんはルヴィアさんを治療するために先に帰ってしまったのでまた仕方なく悟誠くんを連れて帰ったんです。

 

また私の部屋に連れていこうと思ったら偶然起きてたお兄ちゃんに見つかっちゃった時はどうしようかと思ったよ......

 

悟誠くんの状態となにも言わない私を見て、お兄ちゃんは何かを察してくれたようで何も言わずに悟誠くんを部屋に連れていってくれた。

 

翌朝、お兄ちゃんがセラに掛け合ってくれて、悟誠くんをしばらくお家に引き取ることになった。

 

悟誠くんは今、お兄ちゃんの部屋で眠ってる

 

私は悟誠くんが心配でセラに無理を言ってお休みをさせてもらった。

 

 

「悟誠くん...大丈夫...だよね?」

 

 

『大丈夫じゃないですかねー、悟誠さんってアレでかなりのタフネスをお持ちのようですし』

 

タフネスって...確かに悟誠くんはあり得ないほど強いけど、けど......

 

 

「やっぱり、心配だよね」

 

 

ボソリと呟いたそれを、目敏く聞いて聞いていたルビーが話しかけてくる。

 

 

『おやおや?悟誠さんにお熱ですかー?前まではお兄さん一筋だったみたいなのに、どういう心境の変化ですかー?』

 

ルビーが人間だったらものすごくニヤついた顔だろう言葉に顔が暑くなっていくのを感じる。

 

きっと、今の私の顔はリンゴののように真っ赤になっていることでしょう。

 

 

「なっ...なななナニ言ってるのかなルビー!私は別に悟誠くんのこと...は......」

 

そう、好きなのはお兄ちゃんだ。けど、思い浮かべる。前まではお兄ちゃんだったのに、何故か今ではそこにはお兄ちゃんではなく悟誠くんが思い浮かんでしまう......

 

 

「う、うぅ......」

 

『あらあらーこれは思った以上に重症なようですねー...って、イリヤさん?聞いてますか?もしもーし?』

 

そう話しかけてくるルビーの言葉は私にはなに一つ聞こえてはいなかった......。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇

 

 

 

 

損 悟誠です。

 

え?苗字間違ってるだろって?いえ、今はあながち間違ってないですよ?

 

現在オレは、イリヤちゃんの家で倒れてます。

 

事の発端は昨夜の戦いの後の事......

 

セイバーとの激闘を制したオレは、何故かまたあの小さな身体へと戻ってしまい倒れたらしい。

 

なんでこんな言い回しをしてるかといえば、オレ自身が覚えてないからだ......

 

まったくどうしてこうなったのかすらも分からない...どういう事か分かるか?ドライグ

 

 

『俺の推測だが...原因は相棒のその身体だろうな』

 

オレの..身体....?

 

 

『あぁ、どういう原理か知らないが、本来なら成熟していた相棒の身体が縮むなどということはあり得ない。その影響で身体が今まで使っていた力を耐えきれず倒れたのだろう』

 

ということは...あれか?(スーパー)サイヤ人龍はあんまり使わない方がいいのか?

 

 

『そういうことになるだろうな、もしくはその身体でも耐えられるように鍛え直すかだろう』

 

やっぱそうなるよな...使わないで済むような状況でもねえし、鍛え直すしかないか

 

 

『やるか?相棒?』

 

あぁ、付き合ってくれるかドライグ?

 

 

『俺は構わんさ、相棒のためならいくらでも力を貸してやる』

 

サンキュなドライグ!

 

と、そんな会話をしていると、ノックが聞こえてくる。

 

 

「はーい」

 

そう返事をすると扉が開き、イリヤちゃんが入ってきた。

 

 

「あぁ、イリヤちゃん、起きたのか。どうかしたか?」

 

 

「どうって...その、身体は大丈夫?」

 

心配そうにオレを覗き込むイリヤちゃん。

 

相当心配かけちまったみたいだな......。

 

オレのせいで学校も休ませちまったみたいだし......。

 

そう思うとオレは申し訳ない気持ちになる。

 

って、こんなんじゃダメだな!元気にいかねえと!!

 

 

「あぁ!もうこの通り絶好調さ!」

 

 

「お、おぉ...流石にキャスターやセイバー相手に渡りあってただけはあるね...」

 

『某猫型ロボットのアニメに出てくるクラスメイトのようですねー』

 

 

おい...それじゃオレはあのガキ大将かなにかか!? そりゃねえだろぉ!!

 

 

「おいおいロクデナシステッキ。オレ、別に『オマエのモノはオレのモノ、オレのモノもオレのモノ』なんて言ったことねえんだけど...」

 

 

『またまたー言ったじゃないですか、『イリヤの心は俺のモノだー』って』

 

 

・・・・・・・は?

 

 

「へっ...?ルルルルルビーッ!?!?それホント!?!?!?」

 

 

『ほぅ?そんなことを言ったのか相棒、これはあの人造人間に報告だな』

 

えっ?ちょっ...いやマジで何言ってるのかサッパリ...ってやめろぉぉぉ!!お願いだから18号に言うのだけは止めてくださいなんでもしますから!!

 

 

『ん?今なんでもって言いましたかー?』

 

 

「オマエにはいってねえよロクデナシステッキィィィィィッ!!」

 

そうしてしばらく話題の転換をするために奔走することとなるオレなのであった......。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「それにしても、暇だねー」

 

あの後、なんとか話題を変えることに成功したオレは適度に雑談をしたところで暇になっていた。

 

 

「確かに...話すことも粗方話したしなぁ」

 

イリヤちゃんは何か聞きたそうな顔はしてたけど何も聞いてこなかったし......

 

 

「うん...そういえばミユさんって今どうしてるんだろ?」

 

ふと思い出したようにイリヤちゃんが美遊ちゃんの名前をあげる。

 

確かに...あんなことがあった後だけど学校行ってんだろうか?

 

 

『直接聞いてみましょー!』

 

 

「へ?直接って...」

 

 

「おい、まさか...」

 

ガシャンッと言う音と共にルビーの姿が変わる。

 

中央の星の部分が消え、何処かスピーカーを思わせるデザインと、アンテナのようなものが伸びたソレを、オレは訝しげに見つめる

 

 

「わっ!ナニその形態!?」

 

 

『私のシークレットデバイスの一つ!テレフォンモードです』

 

 

『俺はもうコイツが何者なのか分からなくなってきたぞ...』

 

大丈夫だドライグ、オレもそうだから

 

ピピピッと音を立て姉妹であるサファイアへと通信を送るルビー。

 

 

『もしもーしサファイアちゃーん、起きてますかー?』

 

すると直ぐ様スピーカーの所からサファイアの声が聞こえてくる。

 

 

『どうしたの?姉さん』

 

 

「おおっ繋がった!!」

 

 

「変なとこでハイテクだなコイツら...」

 

 

《今の声...なに?サファイア》

 

そのワンテンポ後に俺達の声に気づいたように名前を呟く声が聞こえてくる。

 

 

《もしかして、イリヤスフィールとセ 孫悟誠?》

 

あぁ...オレ未だにフルネーム呼びなんだなぁ......

 

何故かいつも名前の前にセ...と小さく言いかけては言い直してるんだけど......

 

オレがそんなことを考えている間にイリヤちゃんが話し出す。

 

 

「ども、...いきなりごめんね」

 

 

《何か用事?》

 

 

「ぁ...えと、用って訳じゃないけど......」

 

おいおい...これが女子小学生の会話かよ......よし、ここはおにいさんが手助けしてやりますか!

 

 

「美遊ちゃんのことが気になって仕方なかったんだよなー?なっ?イリヤちゃん」

 

 

《......えっ?》

 

 

「へっ...?はっ...なっ、ななっ何言ってるの悟誠くん!?!?」

 

おぉう...凄い反応だなイリヤちゃん

 

 

「ち、違うからね!?いや、あんまし違くないけど...ミユさんが今何してるかなーって気になっただけだから」

 

 

《えっ?あぁ、そういうこと...今は家にいる。ルヴィアさんが今日は休養をとりなさいって...孫悟誠の方もルヴィアさんから休みにするよう連絡を入れてある》

 

あ、そういうことになってたのかオレ......

 

 

「あ、そうなんだ...じゃあ私と同じだね。何もすることなくて...もー暇で暇で...」

 

 

《そう...。...そういえばセ 孫悟誠》

 

ん?急に俺に来たな......。

 

 

「何かな?美遊ちゃん」

 

 

《その...身体は大丈夫なの?倒れたって聞いたけど》

 

あぁ、そのことか

 

 

「大丈夫だぜ?寧ろ動きたくてウズウズしてるくらいだ」

 

 

《そう...よかった...

 

なんか最後言ってたけど聞き取れなかったな......

 

 

「..................」

 

「..................」

 

だ、ダメだ...どうしても会話が続かない!!ドライグ、こんなときどうすりゃいいんだ!?

 

 

『俺に聞くな...』

 

そんな...!?

 

 

『ああもうじれったいですねー!なに不器用な会話してるんですか!』

 

 

「そ、そう言われても...!」

 

 

「いや、でもこれ結構キツいぞコレ...顔でも見れりゃまた違うんだろうけど」

 

いくらなんでもそれは無理だろうしな

 

 

『なるほど、その手がありましたか!それならテレビ電話に切り会えましょう!』

 

またもやガチョンッという音と共にカメラっぽい何かが生えてくる。

 

 

「またなんか出た!?」

 

『プロジェクターです。サファイアちゃんが今見てるものをリアルタイムで映せます』

 

 

『最早何がなんだか分からんな......』

 

 

「変身ステッキの定義っていったい...」

 

オレの中の変身器具の定義が崩れ落ちつつある中、ルビーは気にせず続ける。

 

 

『ちょうど白い壁がありますし、ここに映しましょうか』

 

 

《え...テレビ電話!?あっ...ちょっと何を...待っ...》

 

最後まで言い切る前に壁一面に映像が写し出される。

 

映し出された映像に映っていたのは......

 

 

「・・・・は?え?なんで?」

 

そう言ってしまうのも無理はない。何故ならそこに映っていたのは......

 

 

《あっ...えっと...あんまり見ないで...特にセイニ...孫悟誠...》

 

メイド服であたふたと慌てる美遊ちゃんの姿だったのだから

 

ってかオレにだけ辛辣じゃねえ!?

 

って......

 

 

「............っ...!?...っ...!!」

 

い、イリヤちゃんの様子がおかしいぞ......?

 

 

「お、おーい、イリヤちゃん...?」

 

 

その後、イリヤちゃんが暴走して美遊ちゃんをそのまま家に来させたと思いきや、何故か執事服を持って来た美遊ちゃんの策略?でブレーキの箍が外れたイリヤちゃんが何故かオレまで執事の真似事をさせるのはまた別のお話にて......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シレッと逃げやがりましたねー』

 

『そう言ってやるな、ルビーとやら』

 

 

 

 


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