Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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真実

side士郎

 

 

拍手をしていたのは、あの神父、言峰綺礼だった。

 

 

「見事だ衛宮士郎、最後の敵を倒し、七枚のカードが揃った。」

 

まさか私も、君がここまで戦えるとは思っていなかったがね...と、言峰は告げる。

 

 

「言峰...兄さんの行方は分からないのか?」

 

 

「残念ながら、変わらず消息不明だ...。しかし、墓地を派手に荒らしてくれたものだ。目的のためならその他の犠牲は厭わない...なかなか似てきたではないか、最も、似たのは兄ではなく父の方だが」

 

その言葉は皮肉か......?

 

 

「何が言いたい」

 

 

「褒めているのだよ、何せ人形とはいえ──」

 

「親友の父親すら手にかけたのだから」

 

ッ!!? コイツ...今なんて...!?

 

 

「な──に──?」

 

しかし神父はそれに答えることなく倒れた人形の前で膝を折り祈りを捧げる。

 

 

「ザカリー・エインズワース。この憐れな魂に安らかな眠りを...」

 

 

「待てよ...父親って...どういうことだよ...!?」

 

俺の問い掛けに神父は少し間を置いて答える。

 

 

「...聞いてどうする。君はもう選択を終えているのだ。今更......()()()()()()の事情など考慮すべきではない」

 

 

「............っ!!」

 

それでも、俺は...ジュリアンの家族を......

 

「胸を張りたまえ少年。君は兄の後ろで立ち止まっていたその道を切り開いたのだ。七枚のカードをもって......妹を迎えに行くが良い、兄の捜索は引き続き私が引き受けよう」

 

 

......美遊は...何処にいる!?

 

 

「聖杯を降臨させるとしたら...まず間違いなくあの地だろう」

 

「かつて龍が棲まうとされた円蔵山──その(はらわた)に広がる地下大空洞...」

 

そこが、君や君の兄の運命の地だ

 

 

 

 

◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「その後は、美遊を聖杯の願いで君たちのところに送った後、俺はエインズワースと最後の戦いを繰り広げ...」

 

 

「そして奴らに敗れて捕まった」

 

 

「......ああ、その通りさ、俺の話はこれで終わりだ」

 

「悪いな、長々と話してしまって......」

 

 

士郎が少し申し訳なさそうに締めくくる。

 

 

「......ううん、話してくれて...ありがとう」

 

話を聞いていたイリヤちゃんが涙を流しながら返す。

 

他のみんなも静かに泣いている。

 

オレは少し前に()()の方から聞いていたので驚きは少なかった。

 

 

「......美遊が、こっちの世界に戻って来てしまったのは本当なら喜ぶべきことではないんだけど......」

 

「それでもやっぱり、嬉しかったし、それに驚いたよ、まさか...」

 

「こんな形でまた、兄さんとの再会が叶うなんてさ......」

 

そう話す士郎の目は、オレを完全にその兄を見る目になっている。

 

 

「うん、私も...あっちの世界で初めて見た時はびっくりした、でも...誠兄ちゃんもこっちに来てくれたんだって思ったら、嬉しかった......」

 

......あの時、そんな風に思ってたのか美遊ちゃん。

 

申し訳ないけど、二人の兄貴にはなれない......

 

 

「兄さん...にそっくりな悟誠や、美遊にまた会えて、ようやく全てを打ち明けられたんだから」

 

その言葉に、美遊ちゃんはその小さな肩を震わせていた。

 

いったい、その小さな肩にどれほどの運命(おもみ)が乗っていて、その胸にはどれほどの(おも)いが抱かれていたのか...

 

 

「それじゃ、今度はこっちの番だね」

 

静かに話を聞いていたイリヤちゃんが涙を拭うとそう言って話し出す。

 

ルビーに唆されて魔法少女になったこと...

 

初めての戦いで美遊ちゃんに出会ったこと...

 

ある戦いでオレに助けられたこと...

 

オレたちのこれまでの歩みを......。

 

その裏に隠されていた美遊ちゃんの気持ちはどれほどのものだったのか......

 

たくさんの出来事とたくさんの思い出が積み重なって......

 

 

──今、ここに繋がったんだろう......。

 

そうしてイリヤちゃんの話を聞きながら、時は過ぎていった......。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「電気消すわよ」

 

 

「うん、おやすみなさい」

 

あの後、私たちは案内された部屋の一室に布団を引いて休んでいた。

 

 

衛宮...士郎に、兵藤(えみや)...一誠...

 

私たちの知ってるお兄ちゃんや悟誠くんとはまるで違う...。全く別の道を歩んだ人達......

 

シロウさんやイッセイさんはお兄ちゃんたちとは別人だ。

 

声は少し大人びているし、体付きも違う。

 

イッセイさんの方も話を聞く限りだと、悟誠くんに似ているようでどこか違う......。

 

幾つも悲劇を見てきた瞳は...少しだけ(くら)く.........静か......

 

だけど......ふとした仕草やミユ、それに悟誠くんをみる優しげな表情から...。あの人はやっぱり『衛宮士郎(お兄ちゃん)』なんだと、どうしようもなく解ってしまう 。

 

 

衛宮切嗣、衛宮士郎。そして...衛宮美遊......。

 

私とミユは世界を超えて────

 

父と兄(かぞく)で繋がっていた姉妹だったんだ......。

 

そして、強くて明るい戦士の少年は私たちがどこにいても────

 

その身を犠牲にしてでも助けてくれる大切な人だったんだ......。

 

どうして、あなたはあの時私たちを助けてくれたの? 悟誠くん...。ううん......。

 

ソンゴセイの...お兄さん

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