Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「うん...まあね、心に余裕を持つのは大事だし、たまには遊びに興じるのも結構なことだけど...。自分たちの姿を見て、何か思うところはない?」
あの雪合戦の後、いつの間にか帰ってきていた遠坂にオレたちは怒られていた。
「オレは後悔はないぜ、大事なもんを守りきれたからな」
それを聞いて遠坂は小さくため息をつく......
「いったい何を賭けたらそんなことになるのかわからないけど...まずはアンタたち」
「お風呂を沸かしてあるから、風邪ひく前にさっさと入ってきなさい!!」
「「「「は~いっ」」」」
ドタドタと風呂場の方へと走っていく四人を見送る。
『その点無傷のお二人は流石です』
「当り前さ、あれくらい無傷でいねえとオレはいま生きてねえって」
あん時は
「まあ、あれだけ強ければそれも頷けるわね...。まあ、それはそれとして」
「それじゃ、先に貴女たちから着替えましょっか!!」
そういって遠坂がにこやかにアンジェリカたちを見る。
「あ...ならオレは出てるよ。終わったら呼んでくれ」
「あぁ、ちょっと待って、あなたにも買ってきてあるからこれに着替えなさい」
そういうと遠坂は一つの小さな紙袋を渡してくる。
「オレの分まで?ありがとな遠坂」
「お礼なら衛宮君に言いなさいな。お金を出してくれたのはあの人なんだから」
あ、それもそうか...じゃあ
「一応ありがとな!!凛ねえちゃん!! 大好きだぜ!!」
部屋を抜け出しざまにちょっとふざけて言ってやる。
数舜遅れて、中からなんか喚く声が聞こえてきたけど、まあ大丈夫だろ
『後でどうなっても知らんぞ...』
大丈夫大丈夫、何とかなるって
そうしてオレは別室で着替えるためにその場を後にするのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
着替えを終えて戻ってみると、部屋の前で士郎が締め出しを食らっていた。
「おっす、その様子じゃおめえも追い出されたな?士郎」
「っ...って、なんだ悟誠か。やめてくれよいちいち心臓に悪い......」
なんだよ、こっちのほうが嬉しいだろうとアイツの姿借りてんのに
「そりゃ悪い、ならこっちで話すよ。で、何でここに? 着替えでも覗こうとしたか?」
「いやなんでさ...!? そんなことしねえよ!!」
まあ、士郎に関してはそれはまずありえないよな
『相棒と違ってな...』
シッ! ドライグ!! シッ!!
「乙女の着替えを除くのは禁忌ってことよ、二人とも」
そう言って出てきたのは、人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべたクロだった。
「む......」
「たとえ禁忌でもオレはそこにロマンがあるなら突き進むぜ!!」
「やーん悟誠のエッチ♪ 言ってくれれば私が見せてあげるわよ?」
「クロエも悟誠もなにいってんだ!? だがそうか、どうも家にいるから妹と同じ感覚で立ち入ってしまった...。デリカシーがなかったな、すまん」
んん!?おいおいそれってもしかして!!!!!!!
「んん!? ミユ相手なら着替え中でも構わず部屋に入るってこと!?」
やっぱクロも気になっちゃうよなぁ...そこ
「ん? というか、美遊の着替えはだいたい俺がてつだっt「お兄ちゃんっ!!」」
「よ...余計なことは...言わないで...!! 悟誠も聞かなくていい...すぐに忘れてっ...」
いや、そんな襖から顔真っ赤にして言われてもな...カワイイッ!! だけなんだが......
「......たとえ兄さんでも、美遊は渡さないぞ」
「・・・・・・・ ゲシゲシゲシッ!!」
「いやいきなり何言ってんだよ!!???ってクロはいってぇなッ!!!!!!!???」
急に何でこうなるんだよぉ.......!!!
「ねぇねぇ、もっとお話聞かせてくれない? ミユに聞こえないようにこっそりと...」
「...そうだな、場所を変えよう。にいs...悟誠もきてくれるか?」
真剣な顔つきで言う士郎に俺は無言でうなずく。
「男二人を侍らせてのデートのお誘い? ......って感じじゃなさそうね」
そういうとクロも黙って動き出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
案内された先は先ほどの土蔵だった。
「こんなところに私を連れ込んで...何する気ぃ~?」
クロが少しふざけたように自分の体を抱きしめて話す。
「・・・・やめなさい ズベシッ」
「いったぁ!! んもうっ...何するのよ悟誠!!」
「ははは...。と、ホコリがすごいな」
土蔵内のある箱を取り出し埃を払う士郎。
「......あった」
それは、古ぼけたアタッシュケースだった。
「士郎、それ...って」
「分かるのか、悟誠。そうだ、形見...みたいなものだと俺は勝手に思ってるものだ」
「クロエ、君にこれを」
そう言って士郎が何かを指で弾き、クロに投げ渡していた。
「おっとと...っ!! これって...」
「分かるのか? 本当にエミヤの
そう話す二人を尻目に、オレもクロの手にあるもの見る。
それは、オレも知っていた。
正確には俺と同化したオラが...だが
「どうしてこれを私に?」
「...なんとなくさ、役に立つかどうかもわからない代物だし、きっと悟誠がいるならいらないかもしれない。けど、君に託したくなったんだ──俺と似ている君に」
「似てるって...私がエミヤだから?」
「いや...悟誠もなんだろうけどさ」
「『自分が死んでもかまわない』」
「......って、思ってるだろ?」
・・・は?
いやいやいや、オレはともかく、クロが......?
「......」
「......クロ?」
なんで、何も言わないんだよ
「エミヤの外殻で生かされている君は奇跡そのものだ。今までずっと...消失の不安と隣り合わせだったんじゃないか?」
!!...そうなのか? クロ......
「そんな君がエミヤの力を振るう姿は...まるで鏡を見ているようだったよ」
「俺にこんなことを言えるような資格はない...。けど「ま──ったく」ん...?」
「これじゃ立場が逆だわ!!」
んん...?なんだなんだ?どういうことだ?
「要するに『命を大切に』とかなんとかのお説教でしょ? そんなのはねぇ...」
「あなたに一番言って聞かせたい言葉よ!!」
「.........」
「......分かってるわよ、私は英雄でも聖人でもない。自分一人が犠牲になって感動のエンディング...?そんなのお断りだわ!!」
「イリヤが...ううん、私が目指すのはもっと甘く、そして困難な道なんだから!!」
それに...とクロは続ける。
「私はもうそんな恐怖は持ってないわ、なんたって、私たちの大事なナイトさまが助けてくれたもの。ね?ゴセイ♪」
おい...大事な話してるのにそこで腕に絡みついてくるな......。
しかしおふざけも程々に、クロはオレから離れると士郎の方へと向かう。
そして────
「──忘れないで」
「ミユの幸せのためには、シロウが隣にいなきゃだめ」
そうやって頭を撫でるクロは、何処か大人に見えた......。
「......肝に銘じとくよ。けど、まさか歳下に頭を撫でられるとは...。数日前には抱き上げられるし...俺ってそんなに頼りないか?」
「うふふ、寂しかったらクロお姉ちゃんを頼っていいのよ。いつでも撫でてあげるわよー?」
「やめろって... ビシッ」
「いたっ...!! んもう...けど、さっきから黙ってるけど、悟誠も一緒だからね!! ぜっ......たいに!! 自分が死んでも私たちを守るーみたいなことはしないで 目指すは無犠牲救済なんだから」
うっ...痛いところをつかれちまった...。
「はは、そりゃ簡単には死ねないな...上手いこと攻略法を探しておかねえと」
「そうよ、ちゃんと私たちを守ってよね、騎士さま♪」
......仕方ない、そう言われたら受けるしかないよな
「微力ながら御力添え致します...ヒメ様...?」
「......なんか、傍から見てるとシュールな絵面だな」
.........それは最後にやめてくれよ士郎ぉぉ...