Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「そうか...。ジュリアンの妹がそんなことを...」
イリヤちゃんが話したのはジュリアンの妹...エリカと会っていたということだった。
その話を聞きながら、オレは
オラこと、
その時の記憶を遡って分かった...あの少女の、本当の姿が......
「あなた本当に危ないところだったのよ? 向こうが気まぐれを起こしていたらどうなっていたか...」
「うっ...ごめんなさい...でも、悟誠くんを警戒してたみたいでその気はなさそうだったよ...? 会いたがってたくらいだし」
ん? アイツがオレに...?
「なんだそりゃ、敵がオレに会いたがることってなんだよ」
「えっと...『一誠お兄ちゃんなら私を簡単に殺せるのに...』って」
簡単にって...無抵抗で出てこられたとしてもそんな簡単じゃねえ気がするんだが......
「まあ、その話はさておきよ、やっぱりダリウスも生きてたって?」
クロの質問にイリヤちゃんは頷く。
「うん...。声しか聞いてないけど...間違いないよ」
それを聞いてルヴィアが話し出す。
「アンジェリカの言った通り...ですわね」
「肉体を単なる器と考えて、精神のみを持続させ、擬似的な永遠の生を得る.........。典型的な魔術師としての考え方ね」
おいおい、なんだよそれ...。魔術師ってのは外道ばっかりなのか!?
「外道しかいないと言わん顔ね悟誠くん」
へぁっ!? な、なん何だ急に!!
「あのね...確かに魔術師としてその
「自分の
...さすがにそこまでは遠坂達もしないってことか......。
「──ダリウスが典型的な魔術師であるならば、彼のやろうとしていることも予想できるかもしれません」
バゼットの言葉に士郎が難しい顔をする。
「うーん...。俺は魔術使いであって魔術師ではないからピンと来ないんだが...」
「そのあたりどうなんだ、アンジェリカ?」
あ、今チラッと見たな?アンジェリカを
まあ、かく言うオレも見......
[[[ゲシゲシゲシゲシゲシゲシ]]]
いでっ...!!いていっ...イデデデデッ!? ヤメロォォォォォ!!ッ!!
「......フンッ」
「......╮(´・ᴗ・` )╭」
「.........プイッ」
元凶の犯人どもはそれぞれ別の態度をとっている......。
いいじゃねえか見たってさ、あんなおっぱいとあんな格好してたらよ......
『オイオイ、こりゃああの人造人間に報告だな』
バーッダックさん!? やめてくださいオレが殺されてしまいます...!!
『ケッ...おもしそうなことしやがって...たまには変わりやがれ』
いや、そうは言われましても...三人を怖がらせるじゃないですか
『ハッ...知るかんなこと...』
ダメだこれ絶対貸せないわ...無事に帰るまで貸す訳にはいかねえ...
そんなやり取りをしつつ意識を向こうに戻す。
「......昨夜お話致しました通りです。千年を生きた精神が何を望むのかなど想像の埒外でしょう」
.........うん、なんというか...イイな!!
[[[ゲシゲシゲシゲシゲシゲシ!!]]]
イデデデデッ!! だから痛えって!!
「ゴホンッ
そ、そうか...。うん、そうだな」
「おなかがせつないです...」
うん、田中はちょっと黙ってろな?
「...エリカは、どうして死にたいなんて言ったのかな」
「...わかんない」
わかるわけが無い...アイツは...エリカは......
本当はジュリアンの妹なんかじゃないんだから......
「『ジュリアンはエリカを助けたいんじゃないか』ってイリヤは言ってたけど、それは合ってるの? アンジェリカ」
その問いにアンジェリカは答えない......。
「ピキッ 返事くらいしなさいよ」
「......分からないものがもうひとつあるわね、あの巨大な黒い立方体。そこから際限なく溢れ出てきた正体不明の泥と英霊たち、絶望と呼ぶに相応しい光景だったわ」
「アンジェリカ あの物体はいったい何?」
しかし遠坂の言葉にもアンジェリカは答えない......。
それを見て痺れを切らしたのかクロが動いた。
「ちょっと!! 今更だんまりで通す気......「待って!!」」
立ち上がりアンジェリカに詰めよろうとするクロを遠坂が止める。
「まさかこれは...!!」
「...まだよ、確かめる必要があるわ」
どうやらこの反応に、遠坂達は何か心当たりがあるらしい......。
「アンジェリカ、順に質問するわ」
「ダリウスとは何者...?」
「エインズワースの始祖。千年前から生き続ける魔術師の精神概念です」
ここはすんなりだな...
「なら、ジュリアンとは何者かしら?」
「エインズワースの現当主。いずれダリウス様に置換される存在です」
そこも...まあ......
「そう、エリカとは何者かしら?」
「.........」
答えないか......
「......あの黒い立方体は...?」
「.........」
これもダメか...いや、オレも
言ったところで混乱するだけだから下手に口に出せないんだよな......
「これって......!?」
イリヤちゃんたちがなにかに気づいたように声を上げる。
「エインズワースの人形にはある情報に関して
な、なんだそれ...もっと上手いやり方あるだろ...!!
「なんてあからさまな...! これでは二流のやり方ですわ!!」
ほら、ルヴィアが声を荒らげてる......
「違和感が生じても構わない、秘密がそこにあるとバレても真相にさえたどり着かなければそれでいい と......」
「......随分と、侮られたものね」
「これはダリウスからの挑戦状よ、ならば私は受けて立つ。千年の歩みに隠された秘密...。暴いてやろうじゃない...!!」
どうやら遠坂の反骨心に火がついたみたいだ......。
そこからのことはオレにはよく分からない......
ただ、遠坂が推測を立てて話をしていくうちに......
「パンドラの箱」
「エインズワースは過去のどこかの時点でパンドラのカードを引き当てたのよ」
......いや、もういいか
「悪い、話の途中でなんだけど、それは違うぞ」
「ちょっと悟誠!! いきなり割って入って「いいわ、話してみて悟誠くん」ぇ...?」
遠坂の許可を貰ったのでオレはそっと口を開く。
「まず、遠坂が言ったパンドラのカード引き当てたに関してだけど、それは違う。パンドラは元々いるんだよ、この世界に、人として......」
「どういう...こと?」
「分かるわけないよな、だって、そのパンドラってのは...エリカなんだから」
それを言った直後、周りが静まり返った。
「......ちょっと待ちなさい、仮にそれが本当だったとして、どうしてあなたがそれを知ってるのかしら?」
まあ、そこに行きつくよな普通......
「教えてもらったんだよ、この世界の
「!! その口調...」
士郎がなにかに気づいたようにオレを見る。
「信じて貰えねえと思うけど、オレは少し前に消えた一人の戦士、兵藤一誠に会った。そんで力ァ貸してもらった、その記憶と一緒にな」
「っ! 誠兄ちゃんが...!?」
美遊ちゃんの言葉にひとつ頷き、オレは話してやった。
この世界の兵藤一誠と孫悟誠は同一人物ということ...
兵藤一誠が最後の戦いの際、真実を知りエインズワースの工房に襲撃し消えたこと...
そして、肉体を失ってもなお、二人を助けようとこの世に残り続けオレに力を与えてくれたこと......。
「これが、
「......兄さんのっ...馬鹿野郎っ...」
「っ......誠...兄ちゃんっ......」
「......悪い、こんなことになっちまって」
だから......ごめん......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「そ、それより、そういえば記憶を覗いた時に気がついたんだけど、ここの世界の神話って変わってるんだな」
「何よ急に、どの神話?」
あれから二人が落ち着いて、オレは気になったことを遠坂話していた。
「いや、ギリシャ神話なんだけどさ、パンドラの箱の話がなかったんだよ、パンドラの女神自体はあったのに」
「はっ...? 悟誠くん、それホントなのっ?」
な、なんだよ...? なんか怖いんだけど......
「ホントだって、信じられないなら美遊ちゃんの持ってるギリシャ神話見てみろよ、
「そうね、美遊、ギリシャ神話の本を見せて欲しいのだけど」
「あ、分かりました、こっちにあるはずです」
そうしてオレ達は書庫の方へと向かっていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「...やっぱり、この本には載ってないようです。パンドラの女神自体は載っていますが、
「は......?」
「な? だから言ったろ?」
「────」
な、なんか考え込んじまったんだけど......
「リンさん...?」
「...なるほどね、エインズワースの隠蔽は完璧だった」
「ん...?どしたいきなり」
なんで急にそんなことを...?
「ありがとう悟誠くん。あなたのおかげでこの世界の真相に辿りけたわ」
「なんだってこの世界では──」
「パンドラは箱を開けなかったのだから......!!」