Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「──それは、本気で言っているのですか? 有り得ない...。いくらなんでも...!!」
遠坂のまさかの言葉にバゼットが反論する。
「ですが、確かに状況はそれを示していますわ」
「めちゃくちゃな仮説だったのに、まさか物証が見つかっちゃうなんてねぇ」
「ちょっと眉唾だけどな...神話の頃からの違いなんてさ」
「けど、これを認めない限り議論は前へ進まないわ、いい──?」
そう言って遠坂は続けた。
この世界はパンドラが約束を守り箱を開けなかった世界で、イリヤちゃん達のいた世界とは違う神代の時代から分岐した異世界だと......。
「だとしたらさ、なんでこの世界は滅ぼうとしてるんだ? 箱から災厄が出てないんならもっと人類は発展とかしててもおかしくないんじゃないか?」
「うーん、悟誠。それは解釈次第じゃない?」
ん...?なんだそれ......
「パンドラの寓話はあまりに抽象的過ぎますから」
「災厄や絶望というのが本当に言葉通りの概念なのかも怪しいものよ。それに......災厄と言ってもそれは一面に過ぎない」
災いが自分じゃなく、敵に降りかかればそれは幸運にもなる......。と遠坂は締めくくる。
「さっきからアンジェリカがだんまりな時点で、正解だって言ってるようなものよね」
けど、とクロが続ける。
「問題はここからでしょ? パンドラが箱を開けなかったのはなぜ? 今箱を開けたらどうなる? 私たちはそれを止めるべきなの? それとも、開けることが正解なの?」
「それは──...」
部屋の空気が引き締まり、全員が遠坂の次の言葉を待つ。
「分かんないです...」
「ははは、まあそりゃそうだよな」
寧ろここまで核心に近い部分までよく辿り着けたもんだよ、
その後は、今後の方針の話に転化していった。
その途中に士郎を前線から下げるという話になり......。
「......待ってくれ、それはどういう意味だ?」
「これからきっと大きな戦いになる、たぶんもうそれは避けられないだろうけど...。でも」
「シロウさんにはもう戦って欲しくないの」
そんなイリヤちゃんの言葉に士郎は納得出来ないらしい......
「何を言ってる俺はまだ「もうやめとけって、士郎」はっ...?」
「オラが消えちまって後を任せちまったんが悪かったな...。それにおめえはもうその力を使うべきじゃねえ、それ以上はおめえがおめえでいられなくなる...。オラ、おめえたちの兄貴としてそんなことさせたくねぇ!!」
「っ...兄さん...けどっ!!」
「大丈夫よ、悟誠が...。ううん、お兄ちゃんがこう言ってくれてるんだもの...。それに、あなたの力とあなたの意思は、私が受け取ったから」
起源弾を軽く手に持ちそう諭してくれるクロが言う。
「おめえだけに任して悪かった...。後はオラが...いや、オラ達がなんとかする! だからおめえはここで待っててくれ」
「......分かったよ、ここで待ってる」
渋々といった様子で士郎は納得してくれた。
・・・これで良かったんだよな?
きっと
弟を...見殺しになんかしたくないもんな......
そうして、オレ達は次の戦いに備えるのだった