Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「......『死にたくない』『まだ生きていたい』『あぁ...だけど』『......悪くない人生だった』
──そう言って、笑って欲しかったんだ」
光が収まり姿を見せたジュリアンはボロボロで、地面に横たわっていた。
「......うん、きっと...そうだと思ってた。あなたは──
あなたは、シロウさんに似てるから」
イリヤちゃんの言葉に、ジュリアンが顔を上げた。
きっと、ジュリアンがイリヤちゃんの顔を正面から見たのは初めてなんじゃなかろうか
暫し黙り込んだ後、ふと、ジュリアンが口を開いた。
「......子供の戯言だ。夢や理想は叶いはしない。だから人は置き換えていくんだ。叶いもしない夢を実現可能な願いへ...!!!」
「お前も衛宮も兵藤も!! 要するに子供なんだよ!! だから...だから...!!」
「...だから、俺は負けたんだな」
そう言ってジュリアンは空を見上げる。
すると突然箱に亀裂が入り、音を立てて崩れていった。
『箱が......割れちゃいましたけどー!?』
「!! アレは...」
「あぁ、どうやら...」
「他の奴らはあそこに至って訳だ」
落ちてくる瓦礫の中から、二つの人影が見えてくる。
「...どこにある不思議空間なのかと思ったら...箱のなかったって訳...? しかもホントに上下逆さだし!!」
オレとイリヤちゃんは浮かびあがり、落ちてくる二人を支えた。
「クロ!! ミユ...!!」
「よく無事だったな、怪我はないか?」
二人を抱きとめ支える。
「悟誠、来てくれると思ってたわ」
「うん、きっと来てくれると思ってた」
「まあな...」
そう話す下では、ジュリアンとパンドラが話している。
「......欲張りすぎたんだよ。聖杯を2つも使おうだなんて」
「...そうね、あなたの目的が箱を開けることだって言うのなら...。聖杯は一つで済むはず、なのに貴方はふたつを欲した。ミユと...イリヤを」
ん?
「それはなぜ!?」
「
「は?」
ジュリアンはなぜ続ける
「この光景を見ろ、
「
「だが...。この泥は星を覆い尽くすまで止まることはない」
「だから、
「それがあなた流の世界救済ってわけ? そんなの......!!」
「クロ、それは違う......」
「それも、パンドラのためなんだろ?」
身体に力を込め、ジュリアンが立ち上がり...身体から再び茨を出現させる
「最後に見る光景が...
「憂いのひとつもなく! 安からでなくてはいけない...!!」
【ドッッッッ...!!!!!】
全ての力を振り絞り、渾身の光線を撃ち放つ。
「箱を...!? 力づくで開けようと...!?」
かなりいいダメージを入れられてるが、ダメか
やがてその光線が縮まっていき、やがて消える
「......だめか、俺はいつも...あと一歩が、届かない...」
力を使い果たし、膝を着いたジュリアンがゆっくりと倒れていく。
それを支える手...。パンドラだ......。
支え、そしてその身体を抱きしめる。
「...知ってる。あなたはいつも、一歩ずつ前へ進むから」
「嬉しかったよ、この十年間。私のために頑張ってくれた事。
「瞬きのような時間だったけど...あなたと過ごせて良かった」
「おやすみなさい、
「おやすみ...
その直後、ジュリアンの全身から夥しい数の茨が飛び出した。
それはその身体を抱きしめていたパンドラを刺し貫く。
「なっ...!!」
「なに...!?」
「チッ...!! 面倒なことになりやがった」
そう、これこそが......
「いやはや、待ちくたびれたよ。凡人が良くぞここまで耐えたものだ」
「だが変わらない、何も変わらないんだよ」
「ジュリアンの魔術回路は実に貧弱だった。それ故無駄な時間を取らされたが...」
「私の概念置換は 今ここに完了した!!」
「さあ、聖杯戦争を終わらせようか」