Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「クロ!! 無事なの!?」
傷がたちまち消え、今までの状態が噓のようになったクロにイリヤちゃんたちが慌てて駆け寄る。
「えぇ、なんだかわからないけど、無事よ」
「何ともない...悟誠、これっていったい......」
美遊ちゃんが聞いてくる。
「ああ、仙豆を食べさせたんだ」
そう言うと、美遊ちゃんは『それもあるけど』と言って首を横に振る
「違う、カードのこと、アーチャーのクラスカード、壊されたのに......」
あぁ、そういうことか
「あれは協力者のおかげだよ」
「協力者...?」
それを聞いて不思議そうにしている美遊ちゃん。
「あぁ、とても心強い協力者のおかげだよ」
あの人の協力ほど心強いことはないからな!!
「さて、そろそろ行こう、戦いはまだ終わってないんだ」
「うん、あの孔をふさいで、泥を止めなきゃ!」
それにオレ達は互いに頷き合う。
するとルビーがなにかに気づいたのか、声を上げる。
『? 待ってくださいなにか......おかしいですよ』
そう言われてみると、泥の流出が早まっていた。
おいおい、なんだよこれ!!泥が早くなってるじゃねえか!!
『いや、相棒それだけじゃない...泥の量もかなり増えてきている』
なんだよ...いったい何が起こってるんだ!!
すると、目の前の泥の海が大きく盛り上がり、声が響いてくる。
「──人類史は 樹に喩えらレる」
まさか...この声は......!!??
「伸びスぎた枝は刈り取らレ 樹の先端は遥か先の未来デ きっと極点に繋がっていルのだろウ」
「だが極点はもう一つある それは
な、何を言ってるんだ......
「何処かで誰かが人類史の種を蒔いタ瞬間があルはずダ」
「その誰かを人は......『創造主』などと呼ぶのだろウ」
「──あア つまリだ」
「私はそれに なルんだよ」
コイツ...何をする気だ...!?
その直後、オレの視界は暗転し、意識は強制的に刈り取られてしまった。
......パシッ
最後に誰かに腕をつかまれる間隔を感じながら
◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇
ここはどこだろう、水の中...?
『......』
『......ヤ』
誰? 声が聞こえる。
『......ヤ...』
『......起きろ...』
『──イリヤ!』
誰なの? あ...目が覚めてきた
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
起きると、そこは自分の部屋だった。
「──ん...?」
あれ? ここ、私の部屋?
あれ...どうしてここにいるんだっけ?
「ようやくお目覚めだな。早く支度するんだぞ?」
「いつまでも夏休み気分じゃいられないからな」
え? お兄ちゃん...あ...
「.........そっか...そうだった...」
「今日から新学期だった── !!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おっ、イリヤ
悟誠君はもう起きてる...。
私もうギリギリなのにずるくない!?
「ですから早く寝なさいとあれほど言いましたのに! 少しは悟誠さんを見習って...っと、朝食はサンドイッチにしましたからせめて一つだけでも...」
サンドイッチなら丁度いいかも!!
走りながらヒュパっとサンドイッチを一つ掴みんっで口に咥えて走る。
「ありあとセラー」
「あ、ちょっと!」
「歩きながら食べていいとは言ってませんよッッ!!!!」
「行ってきまーす!」
セラの声を背にサンドイッチを咥えて飛び出す。
「ははっ、相変わらずじゃんイリヤちゃん」
「悟誠君が早すぎるの!!」
ムグムグとサンドイッチを食べ終え、すぐに出てきた悟誠君に吼える。
そうしていると、私は何か違和感を感じ取った。
「......あれ?」
「どうした? 忘れ物か?」
その後から出てきたお兄ちゃんが聞いてくる。
いや、そうじゃなくて......
「お向かいさんってこんなお家だったっけ?」
「? 前から特に変わってないと思うぞ」
え? そうだったっけ...? でもなんか......
「もっと なんかこう...広大なお庭のあるお屋敷的なのが建ったような...?」
「...まだ寝ぼけてるのか?」
こんな狭い住宅街にそんなの建つわけないだろ... と、お兄ちゃんが呆れたように言う。
「それより急げよ、始業式から遅刻なんてしたくないだろ?」
お兄ちゃんはそう言うと自転車を漕ぎ、走り出す。
「だったら乗せてってよー!!」
「悟誠もいるのにそんなことするわけないだろ! それに二人乗りは禁止!!」
「ケチー!!」
そういって走る私と悟誠君。
「......はは、急いで学校行こうぜ」
そういう悟誠君の様子が少し変だったことに何か引っ掛かりを感じつつも、私たちは走り続けるのだった。