Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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サブタイはちょっとおかしいかもしれません......

そしてお待たせしました


二重人格?

side美遊

 

 

「誠兄ちゃん!誠兄ちゃん!!」

 

目の前で倒れ、気を失っている仲間(大切な人)の名を叫ぶ。

 

だが、彼は反応を示さない。

 

どうしてこうなってしまったのか...事のあらましは数分前に遡る......。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇回想◆◇◆◇◆

 

 

 

 

敵アサシンからイリヤを庇い、アサシンの攻撃をその身に受け動けない孫悟誠に、敵アサシンの攻撃がトドメを刺さんと集中する。

 

動けない誠兄ちゃんは、為す術もなくその攻撃を見つめている。

 

そんな誠兄ちゃんを救う為か、突如イリヤから膨大な魔力が溢れ出したのだ。

 

その魔力はイリヤを中心に大爆発を起こす。

 

包囲をしていたアサシン達を全て呑み込み進む、その爆発は、私達の方にも向かってきた。

 

それはサファイアの魔力障壁を最大に使っても防ぎ切れないだろう。

 

しかし後ろのルヴィアさん達を守るにはそれし方法がない......

 

やるしか...ない!

 

そう思った時、突如私達の前に飛び出してくる人影が一人。

 

いったい誰が...!!

 

その影の正体はすぐに分かった、誠兄ちゃんだ。

 

毒で動けないはずなのにどうして...!!

 

誠兄ちゃんは両腕を左右に広げ、私達を庇うようにして魔力爆発相手に立ち塞がる。

 

 

「ぐあああああぁぁぁぁッ!!」

 

魔力爆発を全身で受けて、断末魔にも似た絶叫をあげる誠兄ちゃん。

 

 

「もう止めなさい悟誠くん!」

 

 

「そうですわ!それ以上は貴方の身体が!!」

 

凜さん達が叫ぶが悟誠は聞こえなかったかのように爆発から私達を庇い続ける。

 

いや、聞こえてはないのだろう。毒のせいで意識もハッキリとはしていないはずだ......。

 

どうして!?どうしてそこまでするの!!

 

やがて爆発は収まり、辺りに静けさが戻る。

 

アサシン達は消え去っており、辺りに気配はない。

 

 

「............」

 

爆発を耐え抜き、私達を背中に庇い切った誠兄ちゃんが声もなく倒れる。

 

爆煙が晴れるとそこには絶句したような顔のイリヤがいた......。

 

 

 

「こ、これって...わたしが...やったの...?」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

あの後、誠兄ちゃんの状態を見たイリヤは、鏡面界を飛び出して行ってしまった。

 

 

「サファイア!!ゴセの身体を治す事は出来ないんですの!?このままでは多量出血で確実に......!」

 

 

『申し訳ありませんが、不可能です。カレイドステッキの機能である治療促進リジェネレーションは契約しているマスターにしか効果を与えませんし、カレイドステッキは女性限定の魔術礼装悟誠様を治療する事は残念ながら......』

 

 

「傷が深すぎる......!これじゃ宝石全て使っても出血を止められないわ!」

 

 

「それでもやるしかありませんわ。持ってきた宝石をありったけ注ぎ込みます。出血を抑え、急いで病院に運びますわよ!」

 

血相を変えた凜さんとルヴィアさんが必死に悟誠を助けようと治療魔術を施しているが、効果は芳しくなさそうだ......

 

 

「クッ...やはりこれでは足りませんわ!何か...何か方法は......」

 

焦るルヴィアさん達、だが......

 

 

「........うるっせえな...ちったあ静かに出来ねえのか?小娘ども...」

 

そう言って起き上がったのは口調が明らかに変わった誠兄ちゃんだった。

 

 

「チッ...思った以上に傷が深いな...ったくめんどくせえな」

 

私達のことなど気がついてないのか、誠兄ちゃんは悪態を付きながら何かを考え込んでいる。

 

 

「ち、ちょっとアンタ!」

 

凜さんが流石に不不審に思ったのか、悟誠に問いかける。

 

 

「あぁ?何か用か?」

 

そう答える姿は、どこにでもいるチンピラにも見えなくもない。

 

だが誠兄ちゃんが重症なのは変わらない......

 

それは誠兄ちゃん本人も分かってるみたい。

 

 

「チッ...流石に限界か、おいそこの青い黒髪」

 

い、いきなり私に話しかけてきた?

 

 

「...なに?」

 

 

()()()をお前らの家で休ませとけ、病院なんかにゃいれなくていい」

 

その言葉に噛みつくのはルヴィアさんだった。

 

 

「何を言ってますの!?そんなことすればゴセ!貴方が...!!」

 

死んでしまう...確かにその通りだ、早く病院に連れていかなければ手遅れになってしまうかもしれない。

 

 

「病院なんかよりも良い方法があるんだよ、だからさっさと連れていけ...オレももう...げん...かい...だ...」

 

そう言って倒れてしまう誠兄ちゃんを私は慌てて支える。

 

今度こそ本当に気絶しているみたいだ、死んだように眠っている。

 

 

「仕方ありませんわね、従うのは癪ですけれど、今は従いましょう。ミユ、彼を運んできなさい」

 

 

「はい...サファイア」

 

 

『分かりました』

 

サファイアに接界(ジャンプ)を頼み、私達は現実世界に戻ると誠兄ちゃんを背負ってエーデルフェルト邸まで帰っていくのだった。

 

この時、悟誠の懐が淡く光っていることに気がついているのは誰も気がつかなかった......。


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