Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
気が付くと、そこは見覚えのある部屋だった。
「ここ...オレの部屋...か?」
身を起こして辺りを見回すと、どうやらオレはルヴィア邸の俺の部屋に連れてこられたらしい。
時間は真夜中のようで辺りは真っ暗だ。
「夢...だったのか?痛っ...ッ!!え...?オレなんでこんな殊になってんだ...?...って、ん?これって...」
自身の状態がミイラ男のようになっているのに苦笑しつつも、ふと、懐に何かが入っているのに気がつく。
なんだ?これ...麻袋?
「なんだってこんな..これって!!」
中を開けてみるとそこには数粒の豆が、
「まさか、あれ夢じゃなかったのか!!」
何はともあれこれがあればこの怪我はなんとかなるな
袋から一粒その豆を取り出して口に放り込み噛み潰して飲み込む。
途端に身体から力が溢れて先程までの痛みが嘘のように消えている。
「ははっ、やっぱ仙豆はすげえや」
ベッドから降り、軽く動いてみる。
よし、身体も問題なく動かせるな!
『起きたようだな、相棒』
ドライグ、オレ...これどうなってんだ?
『まさか、覚えてないのか?』
お、おう...攻撃を喰らったとこまでは覚えてんだけどさ、何があったか教えてくんない?
『あぁ、分かった、相棒が倒れてから......』
◆◇◆◇◆相棒説明中◆◇◆◇◆
...そんなことがあったのか
『あぁ、因みにお前をここまで運んできたのは美遊とかいうあの小娘だ、後で礼を言っておけ』
分かった、今から...ってのは止めておくか、朝になってからにしよう
そうしてオレは再び眠りにつくのだった
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日のこと......
美遊やルヴィアにお礼を言うのも兼ねて挨拶に向かうとかなり驚かれるということがあった。
そして今現在
「ヨーッスおはようイリヤちゃん」
オレは再び小学校へとやってきていた。
「えっ...ぁ...の...大丈夫...なの?」
「え?なにがだ?オレは元気だぜ?」
まあ、聞きたいことは分かるけど......
「そ、そうなんだ...。良かった...」
それだけ言うと、そっぽを向いてしまうイリヤちゃん
......やっぱいつもみたいに返してはくれねえか
『仕方あるまい、あんなことになった後ではな』
オレは大して気にしちゃいねえし、アレはイリヤちゃんのせいじゃねえのにな......
『お前は孫悟空から影響を受けすぎだ...』
そうか?いいことじゃん
『はあぁ...なぜこうなってしまった...。いや、おっぱいおっぱいというのが少しマシになっただけ救いか......』
ドライグの言葉を尻目にオレはイリヤ達の様子を見守る。
「ぅオース!イリヤ!本日はご機嫌ハウアーユー!!」
クラスメイトのタツコが、テンション高くイリヤちゃんに声を掛けている。
「おはよう、タツコ...雲が綺麗ね...」
対してイリヤちゃんはまさかの塩対応......
「なんだよ元気ねーなぁ!朝からそんなんじゃ放課後まだもたねーぞ!なあ美遊?」
めげずに今度は美遊ちゃんに声を掛けるが......
「うるさい、少し静かにして」
ピシャリと拒絶されて泣きそうになっている。
オレでも流石に泣く気がするぞ美遊ちゃん...
他のクラスメイト達に慰められているタツコちゃんを尻目に二人を見守る。
「............」
「............」
二人は何を話すこともなく静かに席に着いている。
時おりイリヤちゃんがため息を吐いてたり、オレの方をチラチラ見つめてくるのを見るに、恐らくオレや美遊ちゃんに会わせる顔がないとか、そんな罪悪感を感じてたりするんだろう。
そう考えればここまで静かなのも頷ける。
対する美遊ちゃんも何を言うでもなくただひたすらに本に目を落としているため何を考えているか分からない。
折角いい感じになってきていたのにな......
オレは一体どうすればいいんだろうか
『ともかく、しばらく様子を見てみるしかなかろう』
そうだな、下手に手を出すよりいいよな
何か手はないものかと考えながら、オレは入ってきた藤村先生の授業に意識を向けるのだった......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『どうやら、想像以上に関係が拗こじれてしまったみたいですねー悟誠さん』
給食が終わった後の放課、することもなくボーッと窓から外を眺めていると不意にそんな声が聞こえてきた。
《何か用か?ロクデナシステッキ。つーか、良くこんな堂々と話し掛けてきたなオマエ、人目についたらどうする気だ?》
『ふっふふ...光学迷彩モードで透明になっていますので、周りの誰にもバレる心配はありませんよー。
あ、今悟誠さんに聞こえているであろう声についても厳密には声では無く、パルス波形のマイクロ波を頭部に照射しているだけです。
フレイ効果、というやつですね。本当はもう少し詳しいロジックがあるのですが、小学生である悟誠さんにはまだ早いと思うのでここまでにしておきましょう』
安心しろ、小学生じゃなくても今お前が言ったことのほとんどは分からなかったから、というのは黙っておく。
《なんでもいいけど、用件はなんだ?重要な要件じゃないなら大人しくイリヤちゃんのとこ戻っとけ。
光学迷彩?つったか?それだって絶対にバレないって訳じゃねえんだろ?》
『それはそうですが、要件それなり重要ですよ?なんせ、イリヤさんにも一応関係していると言っても過言ではありませんからねー』
イリヤちゃんにも?それなら聞いておいてやるかな
《分かった分かった、で?用件ってのは?》
『聞く気になってくれてなによりです♪』
コホンッ...とひとつ咳払いをして、ルビーは口を開く。
『孫悟誠さん、貴方はこの世界の人間ではありませんよね?》
《··················は?》
今、コイツは何て言った?
オレの耳がおかしくないのであれば、コイツは今確かにオレに対してこの世界の人間じゃないと言った。
どういうことだ?
『少し落ち着け相棒、まずは話を聞くんだ』
ドライグ...わかった。
《....どうして、そう思うんだ?》
『いやー、私達カレイドステッキは平行世界に干渉する魔術礼装ですからねー。そういう事には多少敏感なんですよ。因みに気付いたのはあの特訓時からです。その時は聞けるような時間もなかったので流しておきましたが、そろそろ頃合いかなと思ったので、ここらで少しちょっかいをかけにきたという訳なのです。てへっ☆』
《···········オマエ、友達少なそうだな》
『いきなり失礼な人ですねー...私はこれでもかなり友達は多いんですよ?』
ステッキってどうやって友達つくるんだ?
《で、お前はオレをどうしたいんだ?自分のマスターの傍にこんな訳の分からない奴が居たら困るとかか?》
『いえいえ、そんな事全くこれっぽっちも微塵も思ってないですよ?悟誠さんの事を想っている時のイリヤさんは見ていて飽きませんからねー♪』
《は?そりゃどういう...》
想うってオマエ...イリヤちゃんがか?ナイナイ
『うーん、これはイリヤさんも苦労しそうですねー...。悟誠さんは今のままで構いませんよー。人外の精霊である私でさえイリヤさんの相棒パートナーとしてお傍に仕えているんですから!面白くはあっても困ることなんてありません♪』
魔法少女の出番は少なくなっちゃいますけどねーとルビーは笑う。
ですが...と、続けたルビーの言葉に真剣味が帯びる。
『ですが約束してください。イリヤさんやミユさん、それにあのお二人を守ると言うのであれば、もう二度とあのような真似はしないでください』
そう話すルビーの様子はとても真剣で、とてもふざけるような雰囲気ではなかった。
まあ、オレとしてはイリヤちゃん達が傷つかないならその方がいいと思うしな......。
《あぁ、約束する。神龍に誓ってな》
神龍からしたら困るかもしれねえけどな
『シェンロンですか、フフフ、その言葉信じてますからねー』
そういうとルビーの気配が遠ざかっていく。
どうやらイリヤちゃんのところに戻っていったらしい。
恐らくイリヤちゃんはもう闘いには参加しないだろう......
『あ、そうそうイリヤさんからの伝言を頼まれてたの忘れてましたー』
不意にルビーの気配が戻って来たかと思うとなにか伝言があったらしい
『士郎さんやセラさんがカンカンでしたよー?『帰ってきたら容赦しない』そうです。覚悟しておいた方がいいかもですねー』
あっ............
「わ、忘れてたああぁぁぁぁぁっ!!」
「悟誠、うるさい」
その日、学校にオレの絶叫が響き渡ったのは言うまでもない