Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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偽物?捕獲です!

side悟誠

 

 

所変わってルヴィア邸倉庫

 

 

「さて、尋問を始めましょうか」

 

 

「............この扱いはあんまりじゃない?」

 

某聖人のように拘束されてしまった黒イリヤちゃんが不満を漏らす。

 

この中で一番最年長ということもあり、俺には可哀想に見えてしまうんだが......。

 

『見た目は小娘と変わらんがな...』

 

シッ!ドライグ。シッ!

 

 

「なあ、別にここまでする必要なくないか?自分から降参してくれたんだし、暴れたりしないだろ」

 

 

「甘いわ悟誠くん。これくらいしないと、いつイリヤを狙って来るか分からないんだから...」

 

遠坂から手厳しいコメントがとんでくる。そんなことないと思うんだけど...

 

 

 

 

「そうよ、悟誠の言う通りだわ。こんな抗魔布(こうまふ)拘束帯まで持ち出してさ...。まったく、ここまでしなくても危害を加えたりしないわよ...。イリヤ以外には

 

 

それが問題なんでしょーッ!?

 

 

「どうどう...イリヤちゃんどうどう...」

 

俺の意見に同調しつつも、不穏なことを言う黒イリヤちゃんにイリヤちゃんが声を荒らげる。

 

それを俺は抑えるように宥める。

 

なんか、あのクソザル野郎を止めてる父さんの気分だ...父さんもこんな感じだったんだろうか......

 

『絶対に違うと思うがな...』

 

俺がドライグからそんなツッコミを貰っているその横で、遠坂が話を進めていく。

 

 

「残念だけど、貴女には弁護士を呼ぶ権利も黙秘する権利もないわ」

 

そう言いながら黒イリヤちゃんの前に置かれている椅子に腰掛け遠坂。

 

 

「分からないことだらけなの。......全部答えてもらうわよ」

 

 

「全部......ねぇ」

 

いったい何を問いただすんだ...?

 

俺はいつでも動けるように場の様子を眺めておく。

 

 

「まずはそうね、貴女の名前を教えてもらおうかしら?」

 

 

「名前?イリヤだけど、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

 

遠坂の問いになんでもないように名乗る黒イリヤちゃん。

 

っつか分裂してるってドライグは予想してたけど、まさか名前まで一緒だとは......

 

 

「......嘘をついても良いことはないわよ?」

 

 

「心外ね、嘘なんかついてないわ」

 

しかし信用していないように遠坂は問いを投げ続ける。

 

 

「どうだか...貴女の目的はなんなの?」

 

 

「目的?そうね...まあ、イリヤを殺して悟誠を手に入れることかなー」

 

 

「......っ!」

 

 

「おっとと...どうどう、落ち着け美遊ちゃん」

 

その黒イリヤちゃんの言葉に、今度は美遊ちゃんが動きそうになるのを慌てて止めるために背後から抑える。

 

そんなことがあっても遠坂は気にせず尋問を続ける。

 

 

「......悟誠くんの話は置いといて、イリヤを殺したいなら自分の首でも締めればいいじゃない」

 

 

「やーねぇ、なんで私が死ななきゃ行けないの?死んで欲しいのはあっちのイリヤ」

 

 

「ああもう!どっちもイリヤじゃややこしい!えーと黒...そう!クロよ!貴女黒いイリヤなんだからクロでいいわ」

 

 

「いやそれはどうなんだよ!!!?」

 

あまりに安直なネーミングセンスに俺は思わず渾身のツッコミを入れてしまった。

 

その後、遠坂が何故イリヤちゃんを狙うのか、黒イリヤちゃん...クロの正体は何か等問うていたが成果はなかった。

 

 

「もういいわ」

 

ふと、遠坂がそう言って問答を打ち切った。

 

 

「あら、全部聞き出すんじゃなかったの?」

 

これにはクロも意外そうに話す。その問いに対して遠坂は

 

 

「聞き出すわよ、いずれね。でもその前に...イリヤに関する抑止力を作っておきましょうか」

 

そう言って席を立つ遠坂。

 

抑止力って、いったいどうするつもりなんだ?

 

すると、今まで静かだったルヴィアが突然動きだしイリヤちゃんを背後から拘束した。

 

「えっ...ちょっとルヴィア...さん?」

 

 

「ふふ、ちょっと我慢してなさい」

 

何故か注射器を手にイリヤちゃんに近づく遠坂。顔を青ざめさせるイリヤちゃん。

 

これから起こることは容易に想像できた。次の瞬間――

 

 

いあ―――――ッッ!!?

 

屋敷中にイリヤちゃんの悲鳴が響き渡るのだった。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

あの後、遠坂は抑止力としてクロに謎の呪い(イリヤちゃんが巻き込まれてかなりボコられていたが...)を掛けていた。

 

これ以上いても仕方がなさそうなのでとりあえず俺は先に家へ戻って来ていた。

 

 

「はぁ...なんか疲れたな...」

 

主にイリヤちゃんや美遊ちゃんを抑えるのに......

 

リビングのソファに寝そべり背筋を伸ばす。

 

 

「あら、どうしてそんなに疲れてるの?」

 

 

「ん?どうしてってそりゃお前、イリヤちゃん達を抑えてたからに決まって...」

 

そこまで言って俺は違和感を覚える。

 

家にいるから一瞬リズさんかと思ったけど違う。この声はさっきまで聞いてた声だ......。

 

おいおいおい...まさか...??

 

恐る恐る振り返ってみる、そこにいたのは......

 

 

「やっほー、さっきぶりね、悟誠♪」

 

何故か私服を纏ったクロが満々の笑みで立っていた。

 

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