Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
.........なぁ、ドライグ
『なんだ?相棒』
俺、今なんでこんな状況になってんだと思う...??
『......相棒自身が選択した結果じゃないのか?』
いや、そうだよ?そうなんだけどさ......
「なんで美遊ちゃんにどうしてあそこまで殺意マシマシで睨まれなくちゃならないんだろうか...」
そう、今現在俺は、美遊ちゃんと対峙している。
何故か
事の始まりは、数時間程遡る......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇回想◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あー...今日も終わった終わった!!つっかれたー!!」
今日の学校もなんとか終わり、俺はイリヤちゃん、美遊ちゃんと共に下駄箱へとやってきていた。
「あはは...悟誠くん、いつにも増しておつかれみたいだね」
隣で聞いていたイリヤちゃんがそんな俺を見て苦笑混じりに呟く。
そりゃそうだ、だって約六時間の間、歳相応じゃなくて見た目相応の態度をとってないとならないんだぞ...そんだけ長い時間演技なんかしてるんだから疲れるに決まってるじゃねえか......
『相棒のそれは八割素だと思うがな...』
シッ!!ドライグシッッ!!相棒に向かってそれは酷いじゃないか!!
『事実じゃないのか?』
ぐっ...否定しづらいが否定するぞ!!俺のあれは演技です!!認めないなら今この場でおっぱいと連呼するぞ!!
『やめろ...!!それだけは止めてくれ...!!!!』
行くぞー!!せーの!!!!
『うおおぉぉぉん!!!!もう力を貸してやらんからなぁぁぁ!!』
あっ!こら待て!!待ってくれよドライグ!!!!ごめんって!!謝るから逃げないで!!!!
『オイ...んな事やってねえでさっさと帰る準備しろよ
あ、珍しい人が出てきた。
知らない人もいるかと思うから説明すると、この人はバーダックさん。なんでか、俺の前世の人らしい。今は神器の中でこうしてドライグと力の管理や訓練をしているらしい......。
『おい、誰に話してんだオマエ』
あ、いえ...なんでもありませんよジ...『よし、今日寝に入ったら覚悟しとけよ?』すみません!!!!
バーダックさんは何故か爺さんと呼ぼうとすると、青筋を立てて怒るのだ。
俺、一応孫悟空の息子なんだからそう呼んでもいいと思うんだけど......。
けど、呼んだら最後、彼の気が晴れるまでボコにされる未来しか見えないのでやめておく......
そんなことを考えながら下駄箱の蓋を開けると、そこには一通の封筒が......
その封筒は柄付きで可愛らしいシールまでもが貼ってあった。
下駄箱に手紙...そして可愛らしいシール......。これは...間違いない!ラブレターだ!
『そこまで断言出来る意味が分からねえな......』
いや、これはラブレターだ!!間違いなくラブレター!!そうだ間違いない!!
酷い...!!生まれ変わりに向かって酷くないですか!?元は同じ人だったくせに...!!
『俺はお前と違って性欲魔人じゃなかったんでな...』
ハッ...!!と嘲笑を浮かべる彼を他所に手紙を開け、内容を確認する。するとそこには、顔見知りの人物からの呼び出しの手紙だった。
「.........ラブレターと言えばラブレターだけど...なんかさ...なんか違う...!!」
ともかく指定の場所に行くかな......
なにやら用事があると言って帰ってしまった美遊ちゃんとはまた別に俺は移動することにした。
「あー...悪いイリヤちゃん。ちょっと急用が出来たから俺も先に帰るわ、申し訳ないけど一人で帰っててくれ」
「えっ?悟誠くんも?うん、分かった」
イリヤちゃんに断りを入れ、俺は歩き出した。
なんの用があるのか知らないが、待ってろよクロ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「こんな所にいたのかよ、クロ」
海辺の岩肌にクロエがいることを確認し、人目がないのを確認してから俺は地上へと降り立った。
「あら、早かったのね悟誠」
「そりゃ、手紙に『終わったら早く来て』なんて書いてあったらな...。で、俺に何の用なんだ?先に行っておくが私のモノになれーとかだったらお断りだぞ?」
そう言うとクロエはフルフルと首を横に振った。
「確かにそれはいつもあるけれど、今日は違うの、ちょっと協力して欲しいことがあるのよ」
協力して欲しいこと...?
「俺にイリヤちゃんを殺す手伝いをしろとかだったら断固拒否するからな」
「あなたまでそういうの...?いいじゃないあんなの...気にする必要なんかないじゃない」
必要もあるし、何よりも俺はあの子の護衛だからな
「あの子には俺がやらなきゃならない約束があるんでな」
「役目...?ふぅん、悟誠が協力してくれないならそれでもいいわ、今日呼び出したのはもっと別のことだもの」
俺はその言葉に耳を傾ける。
「実はね?悟誠の他にミユにも話があったから呼んだんだけど、あの子、見ての通りあなた立ちにベッタリじゃない?だから私の話を聞いて襲ってこないとも限らないのよ。だから抑えてて欲しいの」
「美遊ちゃんを抑える?どんな話をするつもりだよ...」
「さっき悟誠に話したことと同じことよ?と言っても、いろいろ確認したいこともあるから、それも聞くつもりだけどね」
まあ、確かに...あの子ならイリヤちゃんを貶めるなんて聞けばすぐに激昂しそうな気がしないでもない......。
「......本当に話すだけなんだな?」
「えぇ、勿論。私は話すだけよ?襲ってきたら迎え撃つけれどね」
......どう思いますか?バーダックさん
『......少なくとも、嘘はついてねえんと思うぜ』
バーダックさんがそういうのなら...ひとまず信じてみますか
「分かった、その話受けてやるよ、ただし、俺は美遊ちゃんを抑えるだけだからな?」
「ありがと♪さすが悟誠!悟誠ならそう言ってくれると思ったわ」
はぁ...コレ、美遊ちゃん恨まれそうだな......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇回想終了◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「なんでそっちにいるの...!?悟誠!!!?」
いや、まあそうなるよな......