Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
sideナレーション(界王)
「残念だったわね、悟誠がこっち側に付いちゃって...」
「くっ...」
「え、えっと...クロさん...?」
クロエが煽るように美遊へと言葉を向ける。それも悟誠の腕に抱きつくように......。
それを心底悔しそうに二人を睨めつける美遊。
そこには謎の膠着状態が続いていた
「ねえ、美遊、なんでイリヤ何かのために戦うって言うの?変なの...あいつにそんな価値なんか無いのに」
「へっ...?」
「なにを...」
クロエの言葉に悟誠は間抜けな声を出し、美遊は訝し気に問いを投げる。
クロエはそれに気を悪くすることなく答えていく。
「可哀想なミユ。気づいてないの?ほら、思い出して。昨日イリヤが言った言葉。イリヤの望みを...」
「イリヤの......?」
「......??」
少し心当たりがありそうな美遊に何もわからず首を傾げる悟誠。
それを見てクロエが再び口を開く。
「あぁ、悟誠男だものは知らないわよね。昨夜のお風呂でね、イリヤは言ったの...『
尚もクロエは続ける。
「イリヤの生活が変わってしまったのは、リンやルビー、そしてミユや悟誠たちと出会い、関わってしまったからよ。出会いがなければ、私がこうして存在することもなかったでしょうね」
「魔術の世界は狂気と妄執渦巻く血塗れの
そこで悟誠の腕から離れながらもクロエは続ける。
「『
ゆっくりと話しながら美遊の背後でそう話しかけるクロエ......。
『美遊様...!!』
焦ったように声をかけるサファイアの声。
「戦う...理由...?」
そんなクロエの言葉に、揺れる美遊の内情......。
その時、もう一つの声が割り込んできた。
「そんなこと、ねえんじゃないか?」
そう声を発したのは先程まで静かだった悟誠であった。
「さっきまでクロの話を聞いてて考えてたんだけどさ、イリヤちゃん、きっとそんな深く考えてないと思うぜ?」
「っ!!じ、じゃあイリヤの昨日の言葉はなんだって言うのよ!!悟誠にはどう聞こえるの!?」
「どうって...あのイリヤちゃんだぜ?まだ幼い小学五年生の少女に、そんな難しい事が考えられるかってのよ、クロエが言ってた狂気と妄執...だっけ?それをイリヤちゃんが無意識に感じとっていたとしても、そんな理由で避けることなんてないだろ...昨日風呂場で言ってたことだって、きっと...『もう危ないことは嫌だし、これからもミユやクロ達と仲良く平和に暮らしていけたら...』とかそういうことだと思うぜ?」
「......はぁ?そんなこと...そんなこと...ありそうなのが想像出来るわ...」
「.........」
本来の時間軸では
そこに......
「え、えっと...あれ?」
遅れてやってきたイリヤが困惑の表情でその場を見回していた。