Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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新しい日常...です!!

side悟誠

 

 

「立場をはっきりさせておくべきだと思うの」

 

ある日の朝食時、唐突にイリヤちゃんがそんなことを言い出した。

 

突然口を開いたイリヤちゃんに、一部オレを覗いた全員の視線が集中する。

 

心当たりがあるから見られないんだよなぁ......。

 

今健在、オレたちは家族ほぼ全員でテーブルを囲み、朝の一時を楽しんでいた。

 

この場にいるのは、一応兄の士郎、イリヤちゃんにオレ。それとセラ、リズの使用人の二人だ。

 

そしてたまたま帰ってきている母、アイリスフィー『ママ』...母さん......。

 

そして昨日新しく家族となった、クロエ・フォン・アインツベルンこと、クロの姿もある。

 

これまで以上ににぎやかになった、衛宮家の団欒風景。

 

そんな中で、若干の苛立ちを含んだイリヤちゃんの発言だった。

 

「はあ、立場......とは?」

 

トーストにバターを塗りながら、セラが首をかしげて尋ねる。

 

本当に、イリヤちゃんは何が言いたいのか......。

 

それを説明するには朝方まで遡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ピピピピピピピピピピッ!!》

 

朝、何時ものように士郎の目覚まし時計が鳴り響き始める。

 

いつもならばそれよりも早く起きて筋トレを始めるんだけど、昨晩はドライグとの特訓で疲れてたのかまた寝てた......。

 

んぅ...うるっさいなぁ...眠気に任せて士郎の時計に手を伸ばし...たはずだったんだが......

 

 

ムニュ......

 

ん?アレ...?士郎の時計ってこんな柔らかかったっけ?

 

しかし相変わらず止まないアラーム音。オレは何度もその手のモノを押す。

 

しかしそれに返ってきたのは......

 

 

「んっ...悟誠...そんなに何度も触られたらっ...」

 

ちょっ...おいおいおいおい今の声は......!?

 

その声に、寝ていた頭が急速に覚めていく。

 

不味い...不味い不味いまずいまずいまずいまづいマズイマズイマズイマズイマズイッ!!

 

『いい加減諦めたらどうだ?』

 

いやまだだ...!!まだ終わっちゃいない...!!諦めて...諦めてたまるか...!!

 

そんないらない覚悟を胸にオレは恐る恐る目を開ける。

 

そして瞳に映ったのはオレの手におっぱいを鷲掴みにされ、少し艶っぽい表情をしているクロがいた。

 

 

「・・・あのークロさん?いったい何をしていらっしゃるので?」

 

 

「んぅ...なにって、悟誠の好きにされてたんじゃない...。悟誠って、寝てると案外情熱的なのね...ちょっと新しい扉を開きかけちゃったわ...」

 

いや、ちょっ...!?どういう...

 

 

お兄さん...?こんな朝からクロ相手に何をしてるのかなぁ...?

 

 

「ひえっ......!?い、イリヤちゃん...?これはその...」

 

 

問答無用...!!!!

 

 

「悟誠...ドンマイだ...」

 

 

「いや分かってんなら助けろよ士郎ぉぉ...!!ぐほぉっ...!!

 

感想...普通の状態のイリヤちゃんのはずなのに物凄く痛かったです......まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということがあり、オレはイリヤちゃんを見られない訳である......。

 

対する、イリヤちゃんはと言えば、険しい表情で、自分の隣に座るクロを見やる。

 

 

「もちろんこの、ちゃっかり、わたしと悟誠くんの間に割り込んで座っている奴に関してよ」

 

そう、イリヤちゃんが見ていたのはクロだ......。

 

件のクロはといえば、我関せずとした態度で、ジャムトーストを食っている。

 

片手を器用にオレに絡めながら......

 

因みに、イリヤちゃんとオレの間に座ってんのは、嫌がらせなのかなんなのか......

 

 

「というかクロ、食べにくいから腕絡めてくるのやめてくれよ...」

 

 

「ダーメ、せっかくこんなに近くにいられるようになったのに近づかないとかありえないわ♪」

 

いや、ありえないとかそれ以前にイリヤちゃんが凄い顔でこっちを見てんだよ...怖ぇんだよ...!!!?

 

だが、イリヤちゃんは一つ溜息をつき、話を戻す。

 

 

「クロも家族になったのなら、家庭内のルールは勿論、お互いの力関係についても、最初から取り決めた方がいいと思うの」

 

 

「力関係って?」

 

リズがそれに質問を投げる。

 

 

「えっと...腕力ならセラとリズ...ううん、悟誠くんが一番かな...」

 

イリヤちゃんの物言いに対し、リズとオレはそろって首をかしげる。

 

いや、まあ確かにそうかもしんねえけど......

 

 

「ふむふむ。確かに一理あるわね」

 

そこで、まさかの人が食いついた。母さんである......

 

どうやら、面白いネタを見つけたようだが、オレには嫌な予感しかしない......。

 

 

「じゃあ...取りあえず、現在の上下関係から確認しましょうか」

 

 そう言って、手近にあったホワイトボードとマジックペンを手に取り、ツラツラと書き始める。

 

少しして、ホワイトボードをオレたちに見せてくる。

「こんな感じかしらね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①アイリ

―神の壁―

②切嗣

―親の壁―

④イリヤ

―お嬢様の壁―

⑤セラ リズ

―メイドの壁―

⑥士郎

 

 

特例 悟誠くん

 

と、書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、流石ママ、悪びれもせずに自分を神に!!」

 

 

「いや待て!!オレだけなんでそんな扱いになってんだよ!!!?」

 

 

感嘆するイリヤの横で、クロが呆れ気味に見、オレがシャウトする。

 

「って言うか、何気にお兄ちゃんの扱いがひどくない?一番下...なのよね?」

 

 

「良いんだよ、俺はもう.........」

 

士郎やつよく生きてくれ...オレなんかよく分からない位置にいるんだ......まだちゃんとしたところにいるだけいいじゃんか......

 

 

「で、もちろん、クロは一番下!!!!」

 

イリヤちゃんが心底嬉しそうにマジックで、ランキングの一番下.(オレの名前が書いてあるところの間)に、

 

―兄の壁―

クロ

 

と書き加える。

 

 

「兄の壁って随分低いところにあるんだな」

 

「横暴ね。ひどい階級構造だわ」

 

士郎とクロが、それぞれぼやく......。

 

いいじゃねえか...オレなんか...(ry

 

『いい加減諦めろ相棒......』

そこでリズが、何かを思いついたように言った。

 

 

「ん?って事は、イリヤはクロのお姉さん?じゃあゴセーはどうなるの?イリヤの兄?」

 

ん〜...オレって実際どうなってんだ?母さんからウチの子認定されてはいるけど、どういう括りになるんだろうな......

 

『一応、衛宮家の次男になるんじゃないのか?』

 

そうなんのかな......よくわからんねえや

 

そんなことをつらつらと考えているところ......

 

 

「・・・・・・・・・・・・姉?」

 

 

 

 イリヤちゃんとクロ、二人が同時に反応した。

 

 

・・・・・・嫌な予感パート2......

 

 

「姉、そう、それは......」

 

 

更に乗っかり始める母さん。

 

頼むからこれ以上場をかき乱さないでくれよ...!!!!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは年長者にして権力者。弟妹が発生した瞬間から、その上に立つことを宿命付けられた上位種である。

 

 

 

家庭内ヒエラルキーにおいては男親を超越した権力を有する事すらあり、特に弟妹に対しては、生涯覆らない絶対的な命令権を持つ。

 

 

 

彼の者曰く・・・・・・

 

 

 

「姉より優れた妹などいねェ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、ずっと妹なんだと思ってたけど実は姉デビューを果たしていたのね!!」

 

 

「ちょ、ちょっと、勝手に姉の自覚持たないでくれる!? 姉の定義もなんか変だし!!!!」

 

「クロ、ここではそういうことを言うのは間違いだゾ......」

 

「うわぁ...悟誠が諦めモードに入っちゃってるわ......」

 

抗議しようとしてオレの様子を見て納得仕掛けているクロ......。

 

しかし納得いかないのか、尚も抗議の言葉が出てくる。

 

 

「だいたい、生まれてきた順番で言えば、貴女の方が遅むもがっ...!?」

 

 

「はいはーい。ネタバレ厳禁ね」

 

勢いあまって余計な事を口走ろうとしたクロの口に、アイリがトーストを突っ込んで黙らせる。

 

おぉ、かなり強引にやったな......さすがは母さん......

 

イリヤとクロの出生に関しては、たとえ家族間でも禁句だな......。

 

 

「・・・・・・親父、早く帰ってきてくれないかな.........」

 

士郎が遠い目をして呟く。

 

今回、帰って来たのは母さんだけであり、父である切嗣は海外の仕事先に残ったまま......らしい。

 

なぜ不確定系かと言うと......オレはこの世界でのエミヤさん...つまりは家主の衛宮切嗣に出会ったことがないんだ。

 

 

「パパ恋しい??」

 

 

「いや、このままじゃ男女比の問題でな......」

 

あぁ、言われてみれば確かに。

 

今の衛宮家は、女五人に対して男が二人と、圧倒的に差が開いているのが現状だ......。

 

そんな士郎の肩をポンとひとつ叩くと、オレは言う。

 

 

「士郎。多分その親父さんが帰ってきても大して変わらないぜ...」

 

「・・・・・・だよな、そんな気がするよ......」

 

ガックリと肩を落とす士郎。

 

一応でも弟って括りのオレの言葉に、士郎それ以上、何も言えなくなっているのだった

 

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