Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「まあ、なんにしても、クロはもうちょっと欲を抑えた方がいいな...」
「やーよ、私は私の欲に忠実に生きるの。いくら悟誠の頼みでもそれだけは譲れないわ」
いや、割とマジで自重して欲しいんだが......
そう言いながらも腕を絡めてくるクロに、隣の美遊ちゃんからの極寒の視線が痛い......
『最早視線だけで相手を氷漬けに出来そうな視線だな...』
やめてくれドライグ...その標的は間違いなくオレになっちまうから......
『いっそのこと氷漬けにされてもらえばどうだ?その性根が改善されるかもしれんぞ?』
そんなわけあるか!!氷漬けにされたってオレはこの熱い思いで氷ごと破壊してやるぞ!!
『溶かすじゃなく破壊か...自身も割れて自滅だな...』
なっ...そ、そんなわけないだろう!?氷だけりぶっ飛ばすんだよ!!
と、やいのやいのドライグと話していると、その様子を見ていたのか、美遊ちゃんが不思議そうにしていた。
「悟誠、もしかして今、ドライグさんと話してたの?」
「えっ?あぁ、ドライグのやつが失礼でさ...って、どうした?クロ...」
美遊ちゃんに話しているとクロが唖然とした顔でオレを見ていることに気がついた。
いったいどうしたんだろうか...?
「イリヤの中から見てたけど、こうして生で見ると歪よね、悟誠が一人で百面相してるのって」
・・・・・・・・・へ?
「み、美遊ちゃん...オレってそんなに不審?」
「そ、そんなことない...ただちょっと一人で百面相してるのが不審者よろしくおかしく写るだけで...」
美遊ちゃんの容赦ない言葉にオレは崩れ落ちる
そ、そうだったのか...オレはドライグと話している時は不審人物に見えるのか......
「ご、悟誠!?ど、どうして崩れ落ちてるの...?」
『美遊様、それはフォローになっていません。寧ろ追い討ちかと...』
くぅ...こうなったらオレは無表情キャラで言ってやるぞ!!
『いや待て、それでは周りが勘違いを起こすぞ......ん?』
ん?どうしたんだよ、ドライグ...って......アレ?
「や、やあ..................」
目の前には謎の女子が立っていた。
というか、謎な格好をしたイリヤちゃんだった......。
いや、一瞬誰なのか分からなかったんだが...!!!?
『これは...どういう方向性なんだ...?』
ドライグも困惑の声をあげている。
いつもなら、ストレートで降ろしている髪を、今はなぜか
おかしな頭の超サイヤ人(女)が出来上がっていた......。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・イリヤちゃん...お前いつ覚醒したんだ?」
と、オレ達が困惑する中......
「べ、別に、あなたの事なんか、何とも思ってないんだからね」
何をトチ狂ったか、いきなりツンデレの代名詞を言い放つイリヤちゃん。
は、はぁ...?
訳が分からないまま見守っていると、どこからか飛んできた缶ジュースの炭酸飲料を手に、オレ達に向けて突き出し......
思いっきり握力を加え、握りつぶしてしまった。
マッズ!!このままじゃ二人があられもない姿になっちまう...!!
オレは即座に前に飛び出し、二人の盾になるように立ちはだかり炭酸の洗礼を受けた。
「わぷっ...」
「悟誠!?ちょっと大丈夫!?」
「イリヤ...これはどう言う......」
「え、えっとぉ...」
言葉を詰まらせているイリヤちゃんにクロが呆れながら言う。
「イリヤ......病院いけば?」
その言葉にイリヤちゃんは何を言うことなく退散していくのだった......。
本当に何がしたかったんだ?
◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇
私は自分の机に突っ伏したまま、シクシクと泣いていた。
そんな私をスズカ達が申し訳なさそうに見ている......
「すまんイリヤ、どこかで何かを間違えた」
「何かじゃなくて全部だよね。全部間違ってたよね......」
自分でやってて訳が分からなかったもん...何したかったんだろう...私......
もう某白い獣みたいに『訳が分からないよ...』状態だったよ......??
そんな私を見て、着替えてきた悟誠くんがやれやれとばかりに首をふり、スズカ達から理由を聞いていた
その理由を聞いていた悟誠くんは呆れた顔をしながら......
「で、全部やった結果があれって訳か......」
「「「「いやー面目ない」」」」
「イリヤ......きっと疲れてるんだと思う、保険室で診てもらったらった方が...」
「美遊、いまは優しくしないで...優しさは時に弱い心を傷つけるの......」
その言葉に悟誠くんは一つため息を吐く。
そもそも、なぜに全部一気にやる必要があったんだっけ? 一つずつ試して見ても良かったのに......。
そんな後悔だけが私の中で渦巻くのだった。
◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇
「先、帰るわよ」
「あ、クロ......」
そう言って、クロは振り返らずにさっさと教室から出て行ってしまった。
まあ、帰るよなぁ...普通
「ううぅ...姉としての威厳どころか、人としてのランクが下がった気がするわ」
静かに涙を流すイリヤちゃん。
きっと今イリヤちゃんの中で昨日の母さんのパネルに書かれたものの下に......
──バカの壁──
イリヤ
となっているのだろう......
何と言うか、こうなるとイリヤが哀れに思えちまうな......。
頑張れ、イリヤちゃん......
「オレたちも帰ろうぜ」
「う、うん...」
そう提案して、オレ達も帰路につくのだった。
その後、家でクロが三人分の高級プリンを買ってきてくれ、また一悶着あったのはまた別の話......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
はあぁ...また始まったよ......
オレは内心うんざりしたように項垂れる。
オレがゲンナリする理由はただ一つ......
エミヤさんに頼まれた少女(二人)の護衛......
その二人がまたもや火花を散らし合っている......
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。そしてクロエ・フォン・アインツベルンが立っている。
二人は今まさに、激突の時を迎えようとしていた。
睨み合う少女達......。
空気は冷え込み、今や一触即発と言った感じである。
言ってしまえば、ここは最早戦場。
それもまさしく決戦の地もかくやというレベルに......
因みに今どういう状況かと言うと......
二人はエプロンに三角巾を装備している。
そう、ここは穂群原学園初等部の家庭科室......
今まさに、調理実習対決が始まろうとしている!!
『なぜノリノリの実況風なんだ?相棒......』
もう疲れたから乗ってやる事にした......
『そ、そうか...頑張れよ......』
両者ががなぜ対峙しているかと言えば......
事の発端は今朝の衛宮邸に遡らなければならない......。
◆◇◆◇◆回想突入◇◆◇◆◇
朝、目が覚めたオレが目覚めると、士郎が珍しく弁当を作っていた。
士郎は男の割に器用な方で、家の事に関してはほぼ自分でこなせる。
特に料理に関してはかなりの腕前をもっている。
その味は
とは言え、普段はセラさんも料理を作っているので、衛宮家の食事は当番制(という名の奪い合い)になっているのだが......。
そこで士郎が料理しているのを見た寝ぼけ眼のクロが何を思ったか、今日の料理実習でパウンドケーキを作ることを告げ、できたら士郎に評価してくれるようにお願いしたのだ。
だが、そこでイリヤちゃんが反応した。
イリヤちゃんもイリヤちゃんで、自分も作ったら評価して欲しいと士郎に頼み込んでいた。
そこで対決ムードになり、今に至ると言う訳だ......。
本当に...もう勘弁して欲しい......
二人のこの争いに付き合わされる、オレ身にもなってくれ......。
「美遊ちゃん、オレ体調悪いから帰って良いかな...?」
「だめ、敵前逃亡は重罪...」
クルリと向きを変えて逃げようとすると、美遊ちゃんに捕まり戻されてしまう......。
くそぅ...こうなりゃヤケだ!!最後まで実況してやる!!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そんな訳で、調理グループのチーム分けがなされたんだが......
まずは、このイカれたメンバーを紹介するぜ!!
赤コーナー!!イリヤチィィィムメンバアアァァァァァッ!!!!
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
栗原 雀花
森山 那奈亀
嶽間 沢龍子
青コーナー!!クロチィィィムメンバアアァァァァァッ!!!!
クロエ・フォン・アインツベルン
孫 悟誠
美遊・エーデルフェルト
桂 美々
さあ、両者ともに揃った!!果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか...!?
「さ、チーム分けも決まったところで、さっさと始めましょうか」
「ちょっと待てェェェ......ッ!!!!!?」
おっと、イリヤちゃん選手!!クロチームに文句があるようだぁ!!
「このチーム分けはおかしいでしょーが!!!!」
「何がよ? 厳正なジャンケンの結果でしょ。それに人数もばっちり半々だし」
クロ選手、悪びれもなく答えたァ!!
さぁイリヤちゃん選手どうする!?
「戦力が偏りすぎ戦力がっ...!!しかも、こっちには、マイナス要員がいるんだけど!!!?」
確かに!!クロチームにいるのは二人はあきらかな戦力だぁ!!過剰戦力な気もするがそれは言ってはならない!!
一方のマイナス要員と言えばぁ!!
「ハハハハッ!!」
「おめえの事だよ」
言うまでもないがタツコだったァ...!!!!
そして肝心のタツコはと言えばァ?今日作るものをハンバーグだと、盛大に勘違いしているらしいぞ!!!!
・・・・・・大丈夫なのか?コレ......
『実況風はどうした?』
とは言え今更チームシャッフルしてる時間は無いぜ!?
さあ!!なし崩し的料理バトルは開始だァァァ!!!!
その後、士郎の評価をしてもらったパウンドケーキは何故かオレのところに来た......なんでだ?