Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
件の一件から数日後、オレは衛宮家にて、変わらず平和な生活を送っていた。
「・・・・・よーし、今日の分の宿題終わったぁ...」
タイガーから出された日毎の宿題を終わらせ、軽く伸びをする。
『順調に小学生を楽しんでいるな、相棒...』
まあな、折角こんな経験してるんだ、どうせなら楽しんどかないと損だろ?それに...
『それに...?なんだ?』
いつまでここにいられるか分からないけど、勉強し直すチャンスかもしれないからさ、上手くやれれば戻った時に悟飯に勉強を教えてやれるかもしれないだろ?
『なるほど...だが奴はもう大学生とやらだろう?そんな年齢になるまでここにいるのか?』
それは分からねえけどさ、そう言う希望を持ってたって良いだろ?
『......まあ、悲嘆に暮れてるよりかは随分マシだな』
だろ?つーわけで、宿題も終わったし、遊びに行ってくるかな!!
『なんだ、出掛けるのか?』
同級生に誘われたんだよ、だから久しぶりに行ってみる。
「セラー!!宿題終わったからオレ遊びに行ってくる!!」
「行ってらっしゃいませ、気をつけるんですよ?」
そんなセラの言葉を背に、オレは衛宮家を後にするのだった。
◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇
「えっ...?悟誠くん出掛けてるの?」
「そうなのよ...せっかく私が誘惑しようと誘ってあげようとしたのにいないんだの...失礼しちゃうわ」
クロが私の部屋で口を尖らせながらそう話す。
そんなことを宿題やってる私に言わないでもらえないかな......
というか、悟誠くんを誘惑しようとしないでくれない......!!!!!?
そう思った時だった。
私の耳に、何やら声が聞こえた気がした。
「えっ...?何か言った?」
「はい?なにが...?」
『なんですか?』
聞き返してみるも、二人は何を言ってるのか分からないと言うふうに私を見てくる。
「・・・・・・あれ?」
『空耳ですか?イリヤさん』
「ボケるには早すぎるんじゃない?私、アンタの面倒見るなんてごめんよー?」
うぬぬ...好き勝手言ってくれる...!!
「それより、水着は決めたの?せっかく皆が海で誕生日会開いてくれるって言ってるんだから、買うんでしょ?おニューの水着」
そう、それなのだが......
「欲しいところなんだけど、セラが買ってくれるかどうか怪しい所なんだよね......」
仮に普通に頼んでみたとしよう。そうなれば帰ってくるのは......
「『では、それが誕生日プレゼントでよろしいということですね?』とか言いそうだし」
「あはは、言うねー、セラってばメイドのくせにケチなところあるものね」
そうしてクロは一頻り笑うと、まあ...と続ける。
「私はお小遣いで好きなのをいっくらでも買えちゃうけどー」
「え゛っ...!?」
は?えっ...?ど、どういう...
「ど、どどどっ...どういうこと!?なんであなたがそんなにお金持ってるの!?」
するとクロは誇らしげな顔で......
「ちょっと前までお金持ちの家の子でしたからー?」
「ルヴィアさん!?」
「月のお小遣いとして十万円もポーンと渡してくれたわよ」
「じゅっ...!?」
十万て...一小学生が手にしていい額じゃないよ...!!!?
「ミユはもっとすごいわよ?メイドとしての給料があるから...下手したらもう三百万以上貯めてるんじゃないかしら」
「さっ...!?さんびゃくっ...!?」
も、もう...何処からツッコめばいいのかも分からなくなってきた...けど、一つ分かったことがある......。
「私......ミユと友達になれてよかった」
「あなた、それ今言うには最低のセリフよ...?」
『魔法少女にあるまじき現実主義ですねー』
けど、そんなことをミユに頼めるわけもないから......
「はぁ...まあいいや、ルヴィアさん家のお金持ちっぷりは今に始まったことじゃないし、水着はセラの機嫌がいい時にでもおねだりしてみる方向で」
「殊勝なことねー、まあ、頑張りなさいな」
「それで?なんで当たり前のように私の部屋にいるの?」
「イリヤの部屋なら、私の部屋でもあるでしょ」
なんでもかんでもその理屈で!!
しかも我が物顔で私のベッドに寝そべって寛いでマンガなんか読んじゃって...ぐぬぬっ...腹立たしい......
「って言うか、クロは宿題やらなくていいの?」
「宿題ならホラ、イリヤが今やってるし」
「先に言っとくけど写させないからね!?」
「えー...ケチ...口うるさいドケチねー...こんなんじゃ悟誠も苦労するわ...」
ぐぬっ...悟誠くんを持ち出してきて...それならこっちだって考えがあるんだから!!
「ふーん?そんなこと言っちゃうんだ...悟誠くんかわいそー...こんないい加減なヤツに好かれちゃうなんて災難ね〜」
「......なんですって?」
「そういえば前にこんなこと聞いたなー?悟誠くんはやることをちゃんとやってる女の子の方が好きって聞いたっけ...そういう面では私の方がクロよりも似てるからリードしてるかもねー」
「......言ってくれるじゃない、本当でしょうねその話」
「そんなの悟誠くん本人から聞いてみたら?そうした...ら...」
そこまで言いかけた私の耳にまたおかしなものが聞こえてきた。
「....??何よ、いきなり」
やっぱり、何か聞こえる。何かの音...!!
「やっぱり聞こえた...!!ヘンな音!」
「は?何も聞こえなかっわよ、また空耳かなんかじゃ......」
クロがそう言いかけた時だった。
ズン...と、振動が響いた。
「.........これって...」
「うん、ルヴィアさん家から聞こえてきてるよね......」
不審に思った私たちはすぐにルヴィアさんの屋敷に向かうのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あの後、ルヴィア邸へとやってきた私たちはバゼットと呼ばれた謎の女に襲われていた。
彼女は今私たちが就いている任務の前任者らしく、カード回収の時にあった二枚のカードがあったカードは彼女が回収したものらしい。
クロが先にやられ、私自身もそのすぐあとにやられてカードを奪われてしまった......。
その後、来たミユがライダーのクラスカードで何やらすごいことをして、あの時のライダーのような格好で応戦したけど、相手の切り札でやられてしまった......。
『敵の切り札より後に発動しながら、
......通常攻撃は通用せず、宝具を使えば必ず負ける...。コレは最初から詰んでいる勝負だったんです。もうこれ以上は......』
そんな...そんなはずない...!!まだまだ何か手があるはず......
「何が起こったの...!?」
『あ...危ないところでした...!使用者自らが振るうタイプの宝具だったら心臓を貫かれていたのは美遊様の方です...!』
現状を理解しきれてないミユにサファイアが説明をしている。そこへ......
「!!...ミユ!後ろ...!!」
クロが何か察して叫ぶ。その直後......
ミユの足が奴に掴まれ、思い切りミユの身体が浮き上がる。
そして勢いよく地面に向けて振り下ろされる。
「ミユ...!!」
私が叫んだその時だった。
ヒュッッ...!!
私の横を何かが通り過ぎていった......。
な、なに今の...!?
そう思ったのも束の間、すぐにミユに意識を戻すと、そこに、叩きつけられたミユの姿はなかった。
叩きつけられたような跡もなければ吹き飛んだようでもない。
そして代わりに、目に映ったのは、ミユを両腕に抱きかかえて立っている悟誠くんの姿だった。
「悪い、遅くなった...それと、良くここまで耐えたな...」
「後は、オレに任せろ」
そう話す悟誠くんの顔は何よりも頼もしく見えた......。
「ご...せい...くん......おそいよぉ...」
だが、これならもう何も心配いらない......私たちの
やっちゃえ...! 私の
◆◇◆◇◆SIDECHANGE◇◆◇◆◇
オレが辿り着いた時には既に状況は最悪と言っていいものだった......。
クロはボロボロ、イリヤちゃんも傷だらけ...美遊ちゃんはそこまでの傷では無いものの無事とは言えない......。
更にはルヴィアの家のこの惨状...やってくれやがったな......
そしてそれをやりやがった元凶は今しがた蹴り飛ばしてやったあの女ってわけか......
フツフツと怒りが湧いてくるのを無理矢理抑え、女を見る。
女も起き上がり、オレの存在を認めたのか睨みつけてくる。
「また援軍ですか...次から次へ鬱陶しい」
心底そう思っているように女が呟く
「そりゃ残念だったな、オレは今までのようにはいかないぜ?」
「大きく...出ましたね...!!」
その直後、女が動き出した、高速で俺との間を詰めてくるが遅い......
オレは攻撃してくる女の腕をすり抜けるように移動し、イリヤちゃんのもとに行くと、美遊ちゃんを降ろした。
「イリヤちゃん、ここから先は俺一人で相手をする。だからイリヤちゃんは美遊ちゃんとクロを連れて下がっててくれ」
「!!そ、そんなの無茶だよ...アイツの強さ、尋常じゃないんだよ...!?いくら悟誠くんだって...」
そんなイリヤちゃんの頭を軽く撫でてやる。
「大丈夫、必ず勝つよ。だからオレを信じてくれないか?」
「───っ!!......本当に、負けないよね?」
「あぁ、絶対だ...」
「.........分かった、悟誠くんを信じる...だから、絶対に負けないで!!」
その言葉にオレは強く頷く。
それを見てイリヤちゃんは美遊ちゃんとクロを連れて下がって行った。
「......話は終わりましたか?」
「...あぁ、待っててくれたんだな」
「話し合いに水を差すほど、不粋ではありませんので...」
「そうかよ...じゃあ始めようぜ?オレも仲間をあんだけやられて腹が立ってんだ、手加減はなしだ...最初から全力でいくぜ!!はあぁ
ぁっ!!」
『Welsh Saiyan! Transform Legend!!』
そんな機械音声と共に光が弾け、オレを金色の眩い光が包み込んだ。
「っ...なんだ...その姿は......」
女が驚いたように目を見開く。
「...
無論、
「奇っ怪な...だが、私が負ける道理は...ない!!」
瞬時に間を詰め連撃繰り出す女。
なかなかの速さと重さだ...だが甘い...!!
全てを捌き、お返しに一撃を入れてやる。
「ッ...ラァッ...!!」
「っ゙...かはっ...!!」
腹を抑え、崩れ落ちる女、
「痛えか?コレはルヴィアの分だ...次にこれが!!」
【ドゴォッ!!】
蹲る女を蹴り飛ばし天高くへ飛び上がらせる
「ぐっ...!!」
「これが...ここの執事の分...!!」
【ガスッ!!】
瞬時に回りこみ、その背後から渾身のアームハンマーを叩き込んでやる。
「がっ...!!」
「これが、遠坂の分...!!」
【バキィッ!!】
そして叩きつけられ動けない女に殴打を叩きつける。
「あがっ...!!」
「これが、ルヴィア邸の分...!!おっと、まだ終わらせねえぜ?」
麻袋に入れていた仙豆の残りを半分程食べさせ傷を癒させ、また殴り飛ばす。
「ぐっ...あぁっ...!!」
「これが、クロの分!!」
再び回りこみ再度蹴りを叩き込み......
「これが美遊の分...!!そしてこれが...!!」
また頭上へと投げ飛ばしオレは腰に両手を携え、その手に気を収束させる。
「か...」
「め...」
「は...」
「め......!!」
両手に蒼い光が灯る。
これで...終わらせる...!!
「コイツが...弄んでくれやがった...!!イリヤの分だっ...!!はああぁぁぁぁぁぁッッッ...!!!!」
そして勢いよく撃ち放たれたかめはめ波は猛然と女へと迫り......
その姿を消してしまった......
「なにっ...!?っ......!?」
かめはめ波が消えた事に驚きつつも、オレは察知した嫌な予感に反射的に手を突き出す。
するとそこに短剣の刀身のような物が飛来し、俺の手にぶつかり砕け散った。
「っ...!?なん...ですか...あなた...は...」
地面叩きつけられた女はそう言い残すと、動かなくなった......