Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
圧倒的...そんな言葉がオレの中に生まれる。
そう、それはまだオレが弱かった時。
地球に乗り込んできたベジータとナッパとかいうサイヤ人と対峙した時や、ナメック星でフリーザと対峙した時
アレから強くなったと思っていたが、それ違った......。
いや、強くなってはいる、なってはいるんだ......
だが、強くなれはなるほど、更に上の強さを持つ奴が出てくる。
世界ってのは広いな...まだまだこんなに強ぇ奴らがいるんだから......
『怖気付いたか...?相棒』
まさか、寧ろワクワクが止まらなくなってきやがったくらいだ!!
『やはり、お前は孫悟空の息子だな...』
そうだな、さあ...やってやろうぜドライグ!!
『嗚呼、オレ達赤龍帝の力、存分に見せてやろう!!』
「これが本当の意味での圧倒的ってやつなのね……」
「覚悟はしてきたつもりでしたが、その想定の遥か上を行くなんて......!!」
遠坂やルヴィアがそう零す。
当たり前と言えば当たり前だよな......。
これだけの存在感と畏怖。臆病とは違う。あまりにも禍々しいが為の自己防衛本能。
普通の人間なら、そうなって仕方がない......
ルビーを手に持つイリヤちゃんの手も震えている。
それも仕方のないことだ。あれを見て平然としていられる奴は余程の馬鹿か、オレみたいな戦闘狂くらいなもんだ。
『お前達家族なら喜んで挑みに行きそうだな...』
悟飯は分からねえけど、父さんやベジータさんなら確実に挑むんじゃねえかな?現にオレだって戦いたくて仕方ねえし
『それはわかるが、いきなり飛び出すなよ』
分かってるって、心配すんなよドライグ
ドライグとのやり取りを余所に視線を前に向ける、はっきり言ってしまうとほとんど何も見えない。
オレ達の前の空間全体を覆う暗闇。それは本体から吹き出した魔力の塊。どこまでも暴力的で、それでいて深い魔力。
セイバーの時とは比べ物にもならない重圧だ......。
気配を探るとその先からバカデカい力の気を感じるから、これが8枚目なんだろう。
「惑わされないで!敵がどんな姿であろうとすべきことは同じですわ!!」
ルヴィアが全員を叱咤激励し、走り出す。
続いて調子を取り戻した遠坂が、待機しているオレを見て......
「悟誠くんはイリヤ達に攻撃が飛んで来た時のために二人を守って、出来るわね?」
その言葉にオレは不敵に笑って頷く
「任せろ、イリヤちゃん達にはオレが傷一つつけさせねえよ」
「悟誠...」
「ご、悟誠くん...」
「.........」
後ろで何故か赤面している三人がいた
なんでそんな顔してるんだ?
「あんたね...こんな時に何言ってんの...まあいいわ、とにかく始めるわよ!!」
その声と共に、全員が散開した。
『いきますよーイリヤさん!!!! ど派手にぶちかましちゃってくださーい!!!!』
「魔力集中、大砲のイメージでど真ん中を撃ち抜く......」
「美遊様......」
「集中してサファイア......!!」
上空からイリヤちゃんと美遊ちゃんの二人が超巨大な砲門を展開する。
防御など微塵も考えていないからこそ出来る一撃。
初手である遠坂達より早く準備を始めたのはそれだけ溜めに時間がかかるかららしい。
その間の無防備な時間。万が一に攻撃が来ない為に遠坂達が敵を拘束し時間を稼ぐ。
それでも抑えきれない時はオレの出番って訳だ......。
ただ、オレは中で燻っている嫌な予感が強くなっていた。
もし、これが上手くいかなければ、オレが身を呈してでも奴を抑えなきゃならない......
例え、この作戦を裏切る形になってでも......
「ルヴィア!! あんた出し惜しみしたりしないでしょうね!!」
「当然ですわ! 総額云億円、今までにないエレガントな一撃をお見舞いしてやりますわ!!」
地上からはいつものように悪態をつきあいながら、ルヴィアが今まで見たことも無い数の宝石を上空に放り投げた。
「
ルヴィアの投げた宝石が強力な捕縛陣を敷き、英霊を抑え込む。
「まずは捕縛成功!!イリヤ! 美遊! チャージ開始!二十秒よ!!」
遠坂の声が響き渡る。
「......なるほど、吸引圧縮型の捕縛陣で敵を一箇所に留めつつ、魔力チャージの時間を稼ぐ...。そして......」
バゼットが何かを察したように呟く。
「
「
【
「砲台...か...!!」
「魔力の高速回転増幅路わ。お互い妨害はしない約束だけど、一応忠告しておくわ──
──私達の前には、出ない方がいい」
そろそろ二十秒くらいか...?
「二人とも、準備はいいか!!」
「うん!」
「いける...!!」
強大な二つの魔力砲と、遠坂の用意した魔法陣を潜り抜け、威力を増大させ、英霊に撃ち放たれる。
強大なその一撃は、英霊に直撃し、魔力の霧を掻き消し、その身体を破壊する。
終わった...そう思っていた......。
◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇
爆風の後モヤが消える。
完全な相殺、彼女達渾身の一撃でさえもその奥を捉えるには至らない。
しかし遂に見えた。その先に浮かび上がる黒い人影。恐ろしいほどの威圧感を放つその相手がようやく見えた。
「見えた!! 今度こそ決める!!」
クロがリンさんとルヴィアさんの二人と入れ替わるように前に出る。
その手に握られるのはアーチャーの弓。
しかし、そこに番えられているのは矢ではなく、見覚えのある剣を弓に番えていた。
「クロ、仕上げよ!! 最悪カードごと破壊してもいいから、敵が再生する前に──
撃って!!」
そして、クロはその一撃を放つ。
後で聞いたが、クロのあの攻撃は
なんでも、剣を投影し、矢に変換して弓で放ち、爆発させる。
それは剣の持つ概念そのものを、使い捨ての一撃とする技。
そして、クロが放った剣を私は見たことがある。
それはあの筋肉達磨...
クロが今、放った剣は聖剣:
恐らく、クロが撃てる最大の一撃......。
その特大一撃の魔力を纏った一撃は敵へ周りの空間を引きちぎるように進んでいく!!
「やったの...?」
「いや、まだだ...」
私の言葉に悟誠くんはそれを否定する。
何故なら、クロの一撃は巨大な盾によって阻まれ、やつに到達は倒していなかった。
「盾!?」
「一体何処から!?」
「分からない...だが、分かることはただ一つ」
あの一撃で倒すことは適わなかった...ということだけ
「退却ですわ! 作戦は失敗!! 戻って立て直しを!!」
「では、次は私の番です...「悪いがお先に...!!」なっ...」
バゼットさんが飛び出す前に悟誠くんが英霊めがけて飛びかかっていた。
「悟誠くん!?っ...ミユは皆を連れて脱出して!!私は悟誠くんを!!」
私は慌てて悟誠くんを止めようと動き出そうとしたところに......
「無駄よ!!」
そんな私をクロが呼び止める。
「もう間に合わない......悟誠は.........死ぬわ」
クロがそう言うと同時に、悟誠くんの体は八本の剣によって貫かれた。
◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇
「悟誠くん...ッ!!!!!?」
イリヤの悲鳴じみた声が聞こえる。
そんな...悟誠が......
そう思っていた私たちだったけど、何やら違和感を覚えた
見ていると、悟誠の身体がグニャリと歪んだかと思った途端に霞のように消えてしまったのだ。
どういうことかと辺りを見回してみると、轟音の中に微かに風を切る音が聞こえてきた。
「んなモンっ...!!ぶっ壊してやらぁっ...!!」
その声と共に敵の目の前に現れた悟誠は勢いよく振りかぶったその拳を突き込んだ。
【バギャンッ...!!】
軽くヒビの入る花弁型の盾。
「はぁッ...!!だっりゃあああぁぁぁっ...!!」
悟誠は一瞬でその姿を金色に変える。
すると、花弁の盾にヒビが入り、直後には砕け散った
そこに射出される武器......。
だが、そこにはもう悟誠の姿はなく...いつの間に間を詰めたのか奴の目の前に現れて思い切り拳を振り抜いていた。
「グッ...ガアアアアァァァァッ...!!」
諸にソレを食らったソイツは綺麗に吹き飛ばされていった。
「逃がすかよ!! だりゃりゃりゃりゃりゃっ...!!」
追撃をかけるように高速で追いすがった悟誠が奴めがけて乱撃を加えていく。
敵も射出して悟誠を狙うけど、それよりも早く悟誠が動いているせいでカスリもしてない。
傍目から見れば衝撃波だけが辺り一帯で響き渡っている。
イける...!!悟誠なら倒せる...!!
「やっちゃえー!!悟誠ー!!」
◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇
アレから数分...奴を殴り始めてから少し経った......。
『戦況はどうだ?相棒』
ドライグ、ダメだ。かなり攻撃を加えてるはずなのにこの黒いナニカのせいですぐさま再生してやがる......
『再生か...奴らの言う魔力とやらをこの内では凄まじく感じる...奴はそれで回復しているのだろう...』
なら、回復できないくらいのデカいダメージを与えてやりゃ!!
『いや、恐らくこの内側は奴のテリトリーだ、そうなる前に、相棒に限界が来てしまうだろう』
あぁ、どうにかそうなる前に決着をつけねえと...ん...?
『どうした?相棒』
いや、なんか奴の様子が......
「ギッ...ィィイイイアアアアアッッ......!!」
なっなんだ...!?何をしようって......
「──セイ──ハ──イ──!!!!!!」
「なっ...」
んだ...あの剣......
『相棒!!それにだけは触れるな!!奴に触れさせる前に弾き飛ばせ...!!』
はっ...?ドライグ、急にそんなこと...
「悟誠くん...ッ!!」
なっ...イリヤちゃん!?引っ張られ...!!
「今よミユ...!!」
「
そんなクロの怒声と美遊ちゃんの切羽詰まった声を最後に、オレたちは世界を離れていった。
その場に居合わせた者たちに、根源的な恐怖を植え付けられながら......