Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「さてと、これで話ができるよね」
虚空より取り出した服を纏ったそのショタ...いや、少年は不適な笑みを浮かべてこちらを見ている。
その直後だった......。
ボゴッ!!
少年の背後から一筋の閃光が立ち昇った。
「んっ...!!」
コイツ、今度は何をしやがる気だッ...!?
そう警戒を強めた時、隣のイリヤちゃんから声が聞こえた。
「えっ...な、なにコレ...カードが...脈打ってる...!?」
はぁ...!?いきなり何言い出すんだイリヤちゃん!!!?
見てみると、本当にカードが脈打っていた。
まるでカードそのものが生きているかのように...心臓の鼓動のように......。
それを見て少年が口を開く。
「へぇ、君たち、カード持ってたんだ」
訳知り顔で話しだす少年。
「お前まさか...。このカードについて何か知ってるのか!?」
「ふふ、さて、どうだろうね。けど、他のカードもここに近づいているみたいだし、やっぱり惹かれ合うものなのかな? ねぇ────」
そうして話を区切った少年は、その口からとんでもないことを言い放った。
「美遊ちゃん?」
はっ...?なんでアイツが、美遊ちゃんの名前を...?
「ミユ...?」
イリヤちゃんも少年から美遊ちゃんの名前が出たことに怪訝そうにしている。
件の美遊ちゃんはというと......。
「まさか...
その英霊に向けて不可思議な質問をしている......。
いったい、どういうことだ...?
ヤツは...美遊ちゃんと何か関係があるのか?
「...そこらの英霊とは違うさ。ごめんね、僕の半身はどうしても聖杯が欲しいみたいだ。聖杯戦争の続きをするにしても君がいなくちゃ始まらない」
何を...言っている......?聖杯...戦争...?それって、母さんが言ってた......。
「やめて...」
「なにせ君は...」
「それ以上口を──」
「開くな!!!!」
突如、叫び少年へと突っ込んでいく美遊ちゃん。
「ミユ!?」
「ちょっ...!?何してんだ美遊ちゃん!!」
俺やイリヤちゃんの声を聞かずに突っ込む美遊ちゃん
しかしその攻撃は少年に当たることは無かった。
「っ あれは...!!」
見えない壁...?それに、美遊ちゃんの攻撃が防がれている。
それでも尚攻撃をやめようとしない美遊ちゃんに、少年は追い打ちをかけるように話し掛けた。
「眠ってばかりだった君が、随分とお転婆になったものだ。 もしかして、秘密だったのかな──?」
「平行世界のお姫様」
なんだよ...それ......
平行世界の姫...ヤツは確かにそう言った。
まさか、美遊ちゃんも同じなのか?オレ達と同じ、異世界からの......。
「平行...世界...?」
イリヤちゃんもこの事態を呑み込めていないらしい......。
「ごめんね、人の隠し事を暴くのは趣味じゃないんだけど、でも、こんな状況なんだからしょうがない」
「許してね、運が悪かったと思って、諦めて...これが君の──
美遊ちゃんは動けない......。
オレたちに余程知られたくない秘密だったのか、その場か立ち竦んで動かない......。
「ど...どういう意味!?いったい何の話を...」
『なるほど、やはりそう言う事でしたか』
状況が分からないイリヤちゃんの言葉をかぶせるように、ルビーはまるで知っていたかのような口ぶりで話す。
『仮説の一つとしてあったのです。用途・製作者不明のクラスカードが発見された空間......鏡面界。虚数域のあの場所は……』
『この世界と平行世界の境界面ですから』
「あぁ、君たちにはお礼を言わなきゃね。境目で迷子になっていた僕を実数域の方から見つけてくれたんだから」
なおも余裕を崩さないで話し続ける少年を他所に、背後の結界から巨大な腕が美遊ちゃん目掛けて飛んでくる。
美遊ちゃんは動かない...。いや、動けない......。
こんなんで...そんなことで見捨てられるかよ!!
「ダァァァァァアアアッ!!!」
地面を思い切り蹴り、オレは美遊ちゃんの目の前まで跳躍する、そして渾身の力でその腕を殴り飛ばした。
「なっ...!?」
「!!? 悟誠...どうして...」
「ボサっとすんな!!美遊ちゃんここは戦場だぞ!!」
「っ...けど、私は...」
「お前がどんな奴だろうが、オレには関係ねえ!!オレからしてみれば、お前も、イリヤちゃんも遠坂やルヴィア、それに母さん達だってオレの守るべき奴らだ!!どんな理由があるか知らないが、勝手に離れるのはオレが許さない、オレの仲間なら、黙ってオレに護られてろ!!」
オレは思いのままをそのまま美遊ちゃんにぶつける。
別に足でまといだとか、弱いだとか思っちゃいない...だが、自分を犠牲にして仲間を助けようとするのはダメだ。そんなこと、オレがさせない。友人を仲間を守るのはオレの役目なんだから......。
イリヤちゃんの護衛?そんなの、二人まとめて守ればいい。守りきれないなら強くなればいい。二人を護れるくらい強くなって、平和に生きてもらうくらいはオレにだってできる。
「だから、オレの傍から離れるなよ?美遊ちゃん」
「!! 悟誠...うん」
「ふぅん、抵抗するんだ...なら、君には消えてもらわないとね...」
明確な敵意を示し始めた少年にオレはニヤリと笑みを込めて言い放つ。
「纏めて来やがれ、イリヤちゃんと美遊ちゃん...いやこの街はオレが守る!!」