Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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やつとの会合です...!!

side悟誠

 

 

そんなトンデモ少女に驚かされつつも、オレは一旦冷静になって考え...ようとしたところで......

 

 

「─っ...」

 

カタカタと肩を揺らしているイリヤちゃんが目に入った。

 

オレは着ていた道着の上を脱いで着せる。

 

 

「っ? えっ...これ...」

 

イリヤちゃんが不思議そうな、信じられないものを見るような目でオレを見る。

 

 

「ぇ、えっと...悟誠くん...?」

 

 

「ん? なんだイリヤちゃん、あぁ、汗臭いか?それは悪いけど我慢してくれ、今の状況じゃ我儘いってらんないしさ」

 

 

「いやそういう事じゃないと思うんだけどッ!!!? というか、寒くないの...?」

 

ん?どうやらそういう事じゃなかったらしい......

 

どうやら彼女は、純粋にオレのことを心配してくれているらしい......。

 

 

「そこは心配ねえ、()()()()()()()()()()()()()()鍛えあげればこの位の寒さはなんてことねえよ」

 

そう言いつつ、オレはふと、過去に(一誠のころ)読んだ漫画の一幕を思い出した。

 

アレなら、いけるんじゃないか...?

 

『ふむ、それならば今の相棒なら可能だろう』

 

いけるか!! よっしゃ、いくぜ!!

 

 

「ハアァァッ...!!」

 

寒さなどで体温が下がった際に、身震いなどにより熱を発生させて体温を保とうとする生理現象。

 

その名もシバリング...まだ、ただの学生だった頃に読んだ、あの《グルメバトル漫画》のワンシーンにもあった技だ。

 

それを永続的にやり続け周囲に熱を放出する。

 

 

「っ? ......なんだかポカポカするです」

 

 

「暖かい...悟誠くん、これ...」

 

そう言いかけたイリヤちゃんが言葉を止める。

 

オレの身体が、真っ赤に染まっていたからだ......。

 

 

「これで大丈夫だぜイリヤちゃん...オレは問題ねえ」

 

 

「......う、うん...」

 

イリヤちゃんがなんとも言えない顔で頬を引き攣らせながら背を向けた。

 

何か物凄く気まずそうにされてしまった......?

 

しかしそこはイリヤちゃん、気を取り直して『ゼッケン少女』田中に話を聞いてくれる。

 

 

「あのっ、教えてください!! この町はどうなってるのっ!?

街の人はどこに行っちゃったの!!」

 

 

「............わからないです」

 

田中は、少し間を置いてそう呟く......

 

 

「わからないって...この町に住んでるんでしょ? わからないはずが...というか......」

 

ここはどこですか? 私は誰ですか?

 

 

・・・・・・・・・えっ...?

 

「あ...なんかお腹が切ないです。なんですかコレ」

 

いや、それは腹減っただけだろ...!?なんだよ切ないて...!!

 

『相棒、それは口で言ってやれ』

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「んっ んっ んっ... んぱあっ!!んまいです!! 水分が身体に染み渡っていくです!!」

 

 

「ははは...」

 

 

「雪さえ降っていなければ部活の一コマっぽいんだけどね...」

 

いきなりメタいぞイリヤちゃん......。

 

後オレに引っ付いて離れないのどうにかならない? ずっとシバリングしてるから寒くないはずなんだが......

 

そんなことは気にせずとばかりに田中は呑気に話す。

 

 

「こんな金属のボッチから水が出るなんてすごいです!! おなかが切なくなったら水飲めば良いんですね!!」

 

 

「記憶喪失とは言え、一体何処までモノを忘れてるの、田中さん......」

 

 

「タナカサン???」

 

まさかの分かってないやつか...?

 

 

「田中っていうんだろ? その、オッp(ゲシッ!!)イデッ!? 胸のゼッケンに名前が書いてるし...」

 

オレが(イリヤちゃんに全力の蹴りを貰いながら)そう指摘してやると、田中さんは胸の部分を引っ張り、ゼッケンを見下ろし......。

 

 

 

中田!!

 

 

 

田中だよ!?

 

いや、そりゃまあ、お前から見れば中田だけどさ......

 

いくらなんでも...大丈夫かコイツ......

 

取り敢えず降り頻る雪の中ではどうしようもないため、 オレたちは屋根のある場所探して、公園の遊具の中に入る。

 

 

「ううぅ...。なんでこんなことになっちゃったんだろ....。せっかく人に会えたと思ったのに......」

 

 

「ガタガタ震えてるですねぇ...。そんなに寒いなら、なんで服着ないですか?」

 

 

「いや、体操服にブルマのお前に言われたくねえよ!?」

 

 

「田中さんこそ、寒くないの...?この雪で...そんな格好で......」

 

それはオレも思った事だ...普通に見てるだけで寒いんだが......

 

 

ぜんぜん寒くないですよ!! あっ...ていうか、寒いってなんですか!?

 

 

「「現在進行形で忘れていってない(か)!?」」

 

初めてじゃないかと思うくらいにイリヤちゃんとハモった......。

 

 

「田中はぽかぽかですよー。ポカポカの人と合わせてボカボカです!!」 

 

そう言って田中がとイリヤちゃんに抱き付いた。

 

ふむふむ、これはいい百合......ってそんなわけないか

 

 

「わっ!! 本当にあったかい...!? どうなってんのその身体!?」

 

 

「田中...お前...人造人間だったのか...?」

 

 

「悟誠くんも訳の分からないこと言わないで!?」

 

いや、だってそうとしか思えないし......。

 

そんな中、少し落ち着いたイリヤちゃんが、田中に再び問いを投げかけ始めた。

 

 

「ねぇ、田中さん。色々聞きたいことがあるんだけど」

 

 

「いいですよー! 田中なんでも答えるです!!」

 

そう話す田中はどこまでも呑気だ......。

 

 

「じゃあ、田中さんは何処から来たの?」

 

 

「さぁ...わかんないです」

 

 

「どうして体操服を着てるの?」

 

それはオレも気になってた部分だ!!

 

 

「体操服って何ですか??」

 

知らねえのかよ...!!

 

 

「......今は夏だよね? どうして雪が降ってるの?」

 

 

「えっ? 夏って雪が降るもんじゃないです?」

 

そんな夏があってたまるか!!人間絶滅するわ...ッ!!

 

そんな内心のツッコミをなんとか抑えつつ聞いていると、イリヤちゃんが核心に近いことを聞き始めた

 

 

「街の人たちは何処に行ったの...?」

 

 

「人居たんですか? この町...??」

 

そこも知らねえのか...?

 

 

「街の真ん中にあるクレーターは何?」

 

 

「クレーターってなんですか? んまそうな名前です!!」

 

・・・いよいよもって、こいつが巫山戯ているようにしか聞こえなくなってきた......。 

 

イリヤちゃんもそろそろ限界が来たようで......

 

「..................!!」

 

 

「..................??」

 

 

「........................」

 

三人の謎の沈黙が遊具内に満ちる......。

 

 

「言いたくないけどっ...言いたくないけどっ...!!田中さんの役立たず!!

 

田中罵倒されたです!?

 

イリヤちゃんは頭を壁に打ち付け嘆いている。

 

 

「どうどう...イリヤちゃんどうどう...」

 

 

「うぅ...。ああ、もう...。せめてミユの居場所がわかればいいのに......」

 

 

「 そうなんだよな。美遊ちゃんの気配さえ分かれば、後はオレが乗り込んで助け出しちまえばいいんだが......」

 

現状、それを実現出来そうな手段はない

 

 

「ん?美遊はエインズワース家に捕まったですよ。平行世界に飛んでたみたいですけど帰ってきたんですね」

 

はっ......??今、コイツなんて?

 

オレたちが知りたかった情報じゃないのかそれ、オレとイリヤちゃんが同時に田中を見る。

 

 

「な、なんで......!? ミユの事知ってるの!?それに、平行世界のことって...!!」

 

 

「わ......わかんないです。するっと出てきただけで...。なんでしょう?この記憶......」

 

 

「お願い!!思い出して!!」

 

 

「あの子を助けるために必要なことなんだ!! 頼む...!!」

 

その情報はオレ達にとっては唯一の手かがり。

 

値千金にも匹敵する情報だ...... 

 

オレとイリヤちゃんは必死になって田中さんに頼み込む。しかし......

 

オレは気がついた......

 

 

「エインズワース...。なんでしょう、この名前...。なにか...思い出しそうな......」

 

「......田中、考えるのは後だ......」

 

オレが外を睨むように見る

 

 

「えっ...悟誠くんどういう...」

 

そう言いかけたイリヤちゃんの声を遮るようにソイツは現れた。

 

 

「見ィ――――っけ♡ってあつ...!? なにコレ !?」

 

邪悪な笑みで中を覗き込んだソイツは中の熱気に驚き慌てて引っ込んで行った......

 

 

 

「侵入者発見っと。あれ?三人に増えてんだけど...いいんかな??ってかアッツ...!!?」

 

 

・・・・・・敵襲だってのに気が抜けるなコイツ

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