Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー   作:ギミ

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食事と遭遇...です!!

side悟誠

 

 

あの後、オレたちはその胡散臭ハチマキ男に連れられとあるラーメン屋にやってきていた。

 

どうやらこの男、この店の店主らしく、ラーメンを作ってくれるそうだ......

 

......ご馳走してくれるとは言ってなかったけど、まさかな......

 

 

「......んが、何か良い匂いがするです!

 

 

「あ、起きた」

 

しばらくすると、田中が目を覚ました。

 

そして知らない場所に疑問符を浮かべる。

 

 

 

「.........はりゃ?ここは何処ですか?」

 

 

「ラーメン屋だよ。アンタが気絶してる間に運んだんだ」

 

 

「後、わたしは誰ですか?」

 

それはもういいよ...ってか気に入ったのかソレ......

 

 

「それ持ちネタにする気?」

 

 

「直に出来る。大人しく座して待て」

 

麺を湯切りしている店主が声をかけてきた。

 

 

「すみません。案内してもらったのに、食事まで......」

 

 

「構わん。倒れるほどの空腹なのだろう? ラーメン屋の店主として捨て置けん」

 

言ってることが至極まともだ...胡散臭いけど......

 

 

んまそうな匂いですね! なんですかそれは!?

 

 

「君はラーメンを知らんのか?」

 

店主が何を言ってるんだと言いたげな表情で問いかける。

 

 

「しらないです! でも、まるで小麦を砕いて粉にして水で練って固めた物をゆでたような匂いがするです!!」

 

 

「...なんなのだこいつは?」

 

 

「その、知識の偏りが滅茶苦茶な人でして......」

 

そうしてる内にラーメンは完成したようで、三つのラーメンがオレ達の前に置かれる。

 

 

「出来たぞ。存分に味わうといい」

 

 

「わぁ! ありがとうございます!!」

 

 

「なんだか久しぶりに食事にありつける気がするな......」

 

 

「それじゃいただき......」

 

そう言って食べようとしたイリヤちゃんの手が止まった。

 

 

「どうしたんだよ、食べないのか...?」

 

 

「...............」

 

何かプルプルしながらラーメンを指さす。

 

何かと思ってソレを見ると......

 

それは...赤かった......。

 

いや、赤というより...真紅に近い...のだろうか......

 

 

「えっと、店主、これは一体......」

 

 

「ん? 麻婆豆腐だが?

 

 

麻婆!? ってかラーメンどこいった!?

 

 

「麺なぞ飾りだ。麻婆の海に申し訳程度に沈んでいる」

 

 

「うわぁ! ラーメンのスープすらない!!! 全部、麻婆のあんかけだ!?」

 

イリヤちゃんが叫ぶのを後目にとりあえず食べてみる......

 

 

「〜っ!! 見た目通り辛っ...!! こんなん...マーボーじゃねぇ...!!」

 

 

「地獄のような辛さりぇふ!!」

 

そんなオレたちをみて店主がため息を吐く......。 

 

「文句の多い客たちだ。少しは連れを見習ったらどうだ?」

 

ん?連れ...って...... 

 

 

「ごちそうさまです」

 

店主に言われ隣を見ると、麻婆ラーメンもとい麻婆豆腐を飲み物でも飲むかの様に飲み終えた田中がいた。

 

 

 

「田中さぁ────ん!!!?」

 

「食べきった!? このラー油の塊のようなラーメンを!?」

 

 

「口の中とお腹が焼け爛れた様にズンガズンガして汗と震えが止まらないです」

 

 

 

「最早料理の感想じゃないよ?!」

 

ってかズンガズンガってどんな表現だよ...!?

 

 

「食べ残しは許さぬ。どうしても無理と言うなら首から下を土に埋めて口から麻婆を流し込んでやろう」

 

 

「ひぐぅっ...!! 珍味にはなりたくないよぅ......!!」

 

 

「辛い...辛すぎるけど、なんもないよりマシだ...!!」

 

 

店主からの威圧と脅迫めいた言葉に、オレはイリヤちゃんと共に必死になって麻婆を掻き込んだ。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

数分後、なんとか食べきったオレ達は、撃沈していた。

 

 

「ごちそう......さまげぷた......」

 

 

 

「勝った...オレは...麻婆に勝ったんだ......!!」

 

 

「うむ。喜べ、少年少女。君たちはこれで一日分のカロリーを摂取出来だ」

 

 

「どこまで残酷な料理なのー!!!!?」

水を貰って一息ついた所で、オレは店主に話し掛けることにした。

 

この街で出会えた田中さん以外の人間。

 

この店主はどこまでと胡散臭い...。けど、情報を集めないと。

 

 

「あの...ちょっと聞きたいんですけど、この街って何かあったんですか?」

 

 

「何かとは...何の話だ?」

 

 

「街の真ん中にあるあのデカいクレーターとか」

 

街にあんなもんがあるのがおかしい......。

 

 

「ふむ、君たちはよそから来た人間か?」

 

 

「えっと...まあ、はい」

 

まぁ、他所(の世界)から来た人間ってのは間違ってないか...特にオレに関しては......。

 

とりあえず肯定しておく。

 

 

「そうか、観光のつもりか知らんが酔狂なことだ。おかしな恰好をしていると思ったが、都会ではそういうのが流行っているのだな」

 

店主はオレたちを見ないで言う。

 

 

あの大穴はガス爆発によるものだ」 

 

 

「ガス爆発...ですか? 」

 

 

「今から五年前。冬木の地下に眠っていた膨大な天然ガスが何かの弾みで着火...。数キロ四方を吹き飛ばす大災害となった」

 

「まだ天然ガスが埋まっている危険性が高いとして、避難勧告も出された。今では街の外れに細々と人が暮らしている」

「このマウント深山商店街もシャッターが随分と増えたものだ」

 

なるほどな、それで人がいなかったのか。

 

オレに変わるようにイリヤちゃんが続けて問いかける

 

 

「えと、それじゃあ...雪が降ってるのはどうして......?」

 

 

「雪?夏には雪が降るものだろう?」

 

んなことある訳ないだろ!?

 

 

「田中さんと同じ回答!?」

マジか...これはオレがおかしいのか...??

 

 

「あ、そうだ。この人田中さんって言うんですけど、見覚えとか......」

 

「あるわけなかろう」

 

ですよねー...

 

 

「この体操服を着る学校とか......」

 

 

「この辺りに学校はもうない」

 

イリヤちゃんが色々聞いてくれてはいるが、あまり芳しくなさそうだ......。

田中の正体も未だ不明......。

 

 

じ、じゃあ!! エインズワース家は何処にありますか?

 

すると、店主は急に表情を変え、目を見開く。

 

......が

 

 

知らんな

 

 

「今の表情はなに!?」

 

何か知ってる顔だったぞ!?確実に...!!

 

 

「なにか知ってるんじゃ...!!」

 

カウンターを乗り出す勢いでイリヤちゃんが立ち上がり、店主に問い詰める。

 

しかし店主は知らん顔で...... 

 

「知らんと言っているだろう。そんなことより.........」

 

「三つで四千八百円だ」

 

・・・・・・・へっ?

 

「......もしかしなくても、有料?」 

 

 

「当たり前だ」

 

 

「いや!あの流れだとごちそうしてくれるものじゃ...っていうか高くない!?」

 

 

「当たり前だろう、私特製の“辛そうで辛くないむしろ辛かったことを脳が認識しようとしてくれないラー油”を湯水のごとく使っているのだぞ」

 

 

「余計なことを!!!」

 

それに関してもだが、嫌な予感が当たっちまったよ!!

 

それらしい事を言ってなかった時点で大丈夫かなとは思ってたけど......!! 

 

「まさか......文無しじゃあるまいな?」

 

 

「たっ...田中さん...お金は...」

 

 

「なんですかそれ?んまいものですか?」

 

 

「ごっ...悟誠くんは...」

 

 

「ちょっと待てよ...?」

 

ゴソゴソとポケットを探る...しかし......。

 

 

「えと...こんだけしかありません......」

 

出てきたのは数百円分の小銭だった......

 

 

ほう? 食い逃げとは舐められたものだな。だが、ちょうど豚骨が切れていた所だ。文字通り、身体で支払ってもらうとしよう

 

物凄い殺気を放ちながら、店主は片手にでっかい出刃包丁のようなものを持ち、ハチマキを外し、迫ってくる。

 

 

「ラーメン屋が放っていいさレベルの殺気じゃないよ!?」

 

 

「と、とにかく逃げるぞ!! 起きろ田中!! このままだと俺達ダシにされちまうぞ!!」

 

 

「むにゃむにゃ、もう二度と食べられないです......」

 

 

「んなこと言ってる場合かぁッ...!!」

 

「知っているか? 心臓より肝臓や腎臓が高く売れるのだ」

 

 

「この世界の人たち殺伐とし過ぎなんですけど!?」

 

 

「そんなこと知りたくなかった...!!」

 

どうする!? いっそぶっ飛ばして大人しくさせるか...?

 

 

「最後の晩餐が私の麻婆だったことを幸運に思い逝くがいいッ......!!!!」

 

 

「いやあああああああっ!!!」

 

もう、やるしかねぇ...!! 

 

オレは相打ちも覚悟で店主の前に立ちはだかる。

 

 

「こんにちはー。おじさんやってるー?」

 

そんな時だった...... 

 

店の扉が開き、一人の少年が入って来る。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

「はへ?」

 

 

 

「いいっ...!?」

 

 

 

「あら?」

 

「.........らら?」

 

 

 

あ──────らららら────...............

 

その少年は、ここに来る前に戦っていたあの金髪ショタだった。

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