Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
翌朝のこと......
オレとイリヤスフィールちゃんは学校近くの林へとやって来ていた。
そう、特訓のためだ。
「うーん...林の中で特訓とか......魔法少女にしてはずいぶん地味だよね」
『舞台裏なんてそんなものですよー日々の地道な努力がいつか実を結ぶのです』
まあ、それは確かにそうだな
けど、魔法少女の特訓ってなにするんだ?
「それではチャチャっと転身して特訓開始といきましょうか」
携帯モードからステッキモードになったルビーを持ちイリヤが転身する......のだが
「なんか今すっごくおざなりな転身シーンだったような気がするんだけど......魔法少女モノとしてアレでいいの?」
ん?何言ってんだ?イリヤスフィールちゃんは...?
『まあ、尺の都合とかもありますしね、割り切りも大切ですよ』
ルビーまで何を言ってるんだ!?
「な、なんでもいいからさっさと特訓始めるぞ!」
こんなことしてたら日が暮れちまうよ......
『ではまず、飛行をマスターしましょうか。今回は完全に空中戦となりそうですし』
確かに、もうあの状態だと完全に地上から戦うって術は考えない方がいいな
「でも、飛行の特訓ったってなにするんだ?」
『いい質問です悟誠さん!空中戦に必要な事といえば何があると思いますか?』
空中戦に必要なこと?
「高い機動力...とかか?」
その回答にルビーが羽の部分をまるで指のようにチッチッチと動かしていく
『うーん...三割といったところでしょうか』
え?違うのか?
「私もそう思ってたんだけど...」
イリヤちゃんも同じことを思ってたらしい......。
『確かに動きも大事ですけど、それよりも大切なのは飛行に使うための魔力ですよ』
あぁ、なるほど!気のコントロールと同じことか。
ルビーの話はこうだ。
自分達ステッキと契約してる奴には無限に魔力…言ってしまえば気だな、気がいくらでも供給されるけど、それを使うのは使用者の資質なのだそうだ
まあ、要するに水道の蛇口のようなものらしい。
「なるほどな、より少ない魔力で飛びつつ、攻撃にも使えるようにしなきゃいけないってことか」
『そういうことですねー、それにしても悟誠さん?』
ルビーがふと困惑したような声をかけてくる
見ればイリヤスフィールちゃんも顔を引き攣らせている。
「ん?どうかしたか?」
『どうかしたってあなた、何故あなたはさも当然のように空を飛んでいるんです?』
......あぁ、なんだそういうことか
「言ってなかったっけ? これは気。所謂気力って言うものを使ってるんだ、今浮いているこれは武空術って奴だな」
「きりょく...?ま、まさかあの!DRA○ONBA○L Xとかに出てくるアレ!?アレなの!?!?」
お、おぉう...イリヤスフィールちゃん、すごい食いつき方だな......。
「そのドラなんちゃらってのは知らないけど、そんな感じだな」
オレの言葉に『おぉぉーっ!』と目を輝かせている魔法少女イリヤスフィールちゃん
『なるほど、魔力ではない別の力で飛んでいるのですね、興味深いですねー』
そんな話をしていると、イリヤスフィールちゃんがふと思い出したようにあるものを取り出した。
「リンさんからコレ預かって来たんだけど、使ってみてもいいかな?」
『あら、カードですか?いいですよー』
それは以前オレが手に入れた騎兵のカードによく似たカードだった。
カードには弓兵のような絵が描かれている。
「それって、クラスカードって奴だよな?試すのか?」
「うん、ミユさんが使ってたから私もちょっとやってみたくって」
へえ、美遊ちゃんはこのクラスカードを使ってたのか
「アーチャーっていうくらいだから弓だよね?どんな必殺の武器が......」
そう言うとイリヤスフィールちゃんはカードをルビーに翳す。
「えーと......
するとルビーが光輝きステッキがイリヤスフィールちゃんの身体程もある巨大な弓が現れた。
「スゴッホントに出た!コレがあれば勝てちゃうんじゃない!?」
「これまた見事な弓だな...けど、矢は?」
弓はいいけど撃つ物が見当たらないが......
「へっ...?る、ルビー...矢は?」
『ありませんよ?』
シレッとそんなことを宣うろくでなしステッキ。
「えええっ弓だけ!?全然意味ないよコレ!」
『そういえばこんなんでした、凜さんが試した時は手近にあった黒鍵を矢の代わりに使ってましたが......』
そんなことをしているうちに弓が消え、元のステッキ戻った。
「あっ!」
「戻っちまったな...」
『時間切れです』
なるほどなるほど、さっきのカードを使ったインクルードとやらは時間制限があるらしい。
「はぁ...地道に特訓するしかないね......」
「身体能力あげるだけなら重力室とか重りとかで運動すりゃいいけど、魔力の使い方だもんな...」
気もそうだけど、とにかく使って身体に覚え込ませるしかないしな......
『頑張りましょう。美遊さんも今ごろは特訓してるはずですよ』
「ミユさんかー...どんな特訓...って、悟誠くん重力室ってなに!?」
いや今そこかよ!?!?
『この娘は相変わらずだな......』
『それがイリヤさんのいいところですよードライグさん』
というか、いつの間にそんな仲良くなったんだ二人とも?
その後、空から美遊ちゃんが落ちてきたり、空の飛び方をマスターするためにイリヤスフィールちゃんの家で魔法少女のアニメを見たりすることになったのはまた別の話......。
(おまけのイリヤと悟誠くん)
「そういえば悟誠くん」
修行中、ふと気になったことがあり、問いかけてみる。
んー?と気の抜ける返事をしてくる悟誠くん
「悟誠くんってどうして私のことイリヤスフィールちゃんって呼ぶの?長くない?」
学校のみんなはイリヤって呼ぶのに、悟誠くんとミユさんだけはその呼び方なのって変に感じるし......
「あー...長いなとは思うけど、普通じゃねえの?あ、もしかして苗字で読んだ方が良かったか?」
い、いや、そういうわけでもないんだけど......
「んー別にそうじゃないけど、ちょっと違和感感じるんだよね、皆からはだいたいイリヤって呼ばれてるからフルネームで呼ばれるとちょっとこそばゆいと言うか」
「そんなもんか?でも、対して仲良くない奴にあだ名で呼ばれたりしたら嫌じゃないか?」
イリヤスフィールちゃん、オレのこと嫌いだろ?と締め括る悟誠くん。
へ?えっ?私が悟誠くんのことを...?
「いやいやいやそんなことないよ!嫌いだなんてとんでもない!!」
寧ろ嫌いなら一緒に寝ようなんて思わないだろうし、そもそも家にすら上げたくないと思う......。
「そ、そっか?オレの気のせいだったのか」
あぁ、安心した...というその仕草は何だかおじさん臭い...というかなんかどこかお父さんの様にも見えたけど......
「良ければ私のことイリヤって呼んでよ、私だって悟誠くんの名前で呼んでるんだし」
一方的に呼んでるのってなんだか嫌なんだよね...押し付けてるみたいで
「うーん...分かった、じゃあこれからイリヤちゃんって呼ぶな?」
「い、いやその...ちゃん付けはいらないと思うんだけどど」
「なんでだ?可愛くていいじゃないか
・・・・へ?か、可愛い!?!?
「しょ、しょんな!わたしなんてどこもかわいくなんて......」
「可愛いぜ?その白い髪も赤い瞳もスラッと整った顔も」
えっ...ちょっ...もおぉ...っ!!!
「は、恥ずかしいからやめてぇぇえーーー!!」
散々抗議したものの、結局悟誠くんからちゃん付けをとることはデキマセンデシタ......
うぅ...慣れるしかないかぁ
オシマイ