Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「君か...!!」
ギルくんがまた、何やら訳知り顔で呟く。
「驚いたよ、まさかまだ生かされていたなんて! その様子じゃ、随分酷い目に合わされたみたいだけど」
「ギルくん...?」
イリヤちゃんもギルくんを訝し気に見ている
『お前は誰だ...? 俺を知っているのか...?』
「知ってるよ、初めましてだけどね」
オレ達にはよく分からないやり取りをするギルくんと美遊ちゃんの兄貴。
それを遮ってイリヤちゃんが話し掛ける。
「あっ、あの...ミユのお兄さん...? どうしてこんなところに閉じ込められているんですか?」
「俺は... 失敗しちまったんだ...」
「美遊を取り戻すために...。俺はエインズワースと戦った。使える物は何だって使ったさ。そうして美遊を...。このクソったれな世界から解放してあげられたんだ。......だってのに、美遊はまたここに戻ってきちまった......!! ああまでしても...運命の鎖から逃げられなかったんだ......!!」
めちゃくちゃ悔しそうだ...相当な覚悟があったんだろうな......。
「わかってるさ...
「《font:91》美遊を救ってくれ...!!」
それは、今まで聞いてきた中で、一番悲しげな声だった。
そんな中、口を開いたのはイリヤちゃんだった。
「運命...っていうのが何なのかは分かりません」
「ミユは過去の事を話してくれなかったから...。ミユがここまで大きな...とんでもない何かに囚われてるなんて...知らなかった」
ポツリポツリとイリヤちゃんが繋ぎ合わせるように言葉を零していく。
「私が知ってるミユは...。喋るのが苦手で、表情もあまり読み取れなくて、何を考えてるのか分からなくて......。最初は...ちょっとだけ怖かった。でも、今なら解る。ミユはただ......。すっ......ごく不器用なだけ!!」
そう話すイリヤちゃんは笑っていた。
自分の友人の事を親に話すみたいに楽しそうに......
「不器用な表情の向こうに、美遊の不器用な気持ちが隠れてた。友達になろうって言った私の言葉に、命懸けで応えてくれたんです」
「運命とか...この世界の事情とかまだ分かりませんけど...」
「私にとっては、理由それだけで十分。友達だから助けます!! 美遊を不幸にする人がいるなら...。絶対に許さない!!」
その言葉には、とても覚悟の篭った感情が見えている。
あぁ、イリヤちゃん。お前は本当に凄いよ...友達のために本気で言える......。
だからこそ、オレはお前たちが気に入ってるんだ...!!
「安心しろよ、ミユの兄貴。アンタの妹はオレが助け出す。守るやつが一人増えたところで、やることは変わりないからな」
「っ...その声...!? まさか!!」
ん? なんかオレの声を聞いた途端、反応がおかしかったが......。
「......な、なんだよ...」
「!... いや、なんでもない...あぁ...けど、君たちのお陰で...もう、俺の願いの半分は叶ったよ......」
「美遊の所に行ってくれ... 俺のことは放っておいてくれて構わない...」
「何言ってるんですか!! お兄さんも一緒に行くんだから!! って、アレ? うぅ... 何この錠前? 鍵穴がないよ!?」
イリヤちゃんが扉を開けようと調べるも、どうやら特殊な鍵が掛けられているようだ。
「やめときなよ、その錠前は魔術式だ。どんな
ギルくんが言い切る前に、オレは前に出て気功波を打ち出した。
「なっ...なに!?」
「まさか、僕まで助けられるとはね...。それより、危ないなぁ...不意打ちなんて小者のすることだよ」
ギルくんの言葉に、下手人は何を言うことなく話す。
「どうやって侵入したのか答えろ」
「...結構複雑な気分だ。僕がその姿に相対するなんてね...」
下手人とギルくんの会話がまるで成りたっていない......。
「答えののなら...」
「一人ずつ殺していく」
「悪いね、二人とも...僕の目的は
そういったギルくんが見ていた先には......あの時...俺を好き放題撃ち刺しまくってくれた誘拐犯の片割れが立っていた。