Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
勢いよく開け放った扉の先にあったのは、中に続く通路などではなく、やけに広い空間だった。
そして、今まで足元にあった地面が消えている。
「へっ...?」
「あ、地面ないです...堕ちるです」
そう二人がいうも、そんなことはない......
オレは慌てずその場で舞空術を発動させて浮いていた。
「ぇ...あっ、そうか!!悟誠くんは一人で飛べたんだった」
「おおぉ...!! 田中今飛んでるです!! どうなってるですかコレ!!」
各々がなにやら反応してるが、正直、背中で暴れないで欲しい......
「とりあえず降りるから...お前ら暴れんなよ?」
そう言いながらもオレは警戒を怠らない。なぜなら......
「へェ? アンタそんなことも出来んだ。相変わらずぶっ飛んでんなァ!!」
コイツがいることを入った瞬間に気がついていたからだ......。
「ふぅ、さっきぶりだな、ゴスロリツインテ」
「ゴスロリツインテ言うなし!! って、誰かと思えば...」
「さっき遊んだばっかのトンチキトリオじゃん。意外とやるなァ。まさかウチに乗り込んでくるとは」
「あたしの名前は覚えてるかなァ?」
「なんだったか...あー...ベア子」
「そうそうベア子ーうちベア子ってー...んなわけねェだろ!! あたしの名前は!! ベアトリス・フラワーチャイルドだっつの!!」
あぁ...そんな名前だったか...。色々ありすぎて忘れてたわ
「もういいか?オレ達先急いでるから...邪魔するならコロス」
五割ほど本気の殺気を乗せて睨んでやる。
「ッ!! いいじゃン、そう来なくっちゃ面白くねェ...よな!!」
そう言った途端にベア子が一気に距離を詰めてくる。
そのまま、持っていた傘の先端で突き込んでくるが......
「パシッ.........遅いんだよ」
これまで何度も強敵との死線を家族や仲間達と潜り抜けてきたオレには届かねえ。
その傘を容易く受け止め、力を込めて握り折った。
「なっ... クハハッ...やっぱこの程度じゃダメかァ」
「来るならさっさと本気で来い...。すぐにぶっ飛ばしてやる」
『Welsh saiyan Legend Trans Evolution !!!!』
そして、オレは超化を発動させた。
「ねえ、それらがなんなのかわかる?」
攻撃がいつ来てもいいように構えていると、不意にベア子が話しかけてきた。
「ウチの旦那は仕事熱心でさぁ、世界中から礼装やら魔具やら器を集めてんの」
「それを宝具だか聖杯だかに置換しようとしては失敗の繰り返し。気づけばこーんなゴミ山出来上がりってワケ」
......何を言ってるんだコイツは...。
「ここにあんのは全部何か出来損ない。エインズワース家の失敗の歴史」
「そんなウチがさァ...」
そう話すベアトリスの手にはあの時のカードが......
「ようやく本物の聖杯を手に入れたんだ。ジャマするやつは」
「
カードによって巨腕と化した腕を振り下ろしてきた。
「.........今度こそぶっ倒す!!」
再び、ベアトリス・フラワーチャイルドとのバトルが開戦されたのだった......。
◆◇◆◇◆sideChange◇◆◇◆◇
この結果は、ある意味必然であったと言えよう。
目の前にある光景を、アンジェリカは冷ややかな眼差しで睨みつけていた。
悟誠たちが出ていって少し......
四方八方から伸びた鎖によって雁字搦めにされたギルは、宙に釣り上げられて拘束されていた。
「身の程を知るのだな」
アンジェリカは吐き捨てるように告げる。
「財の殆どはこちらが有しているのだ。貴様に勝機などあるはずが無かろう」
やはりと言うべきか、実力差があり過ぎた。
いかにギルが最高クラスの英霊でも、武器のほぼ全てを奪われた状態ではどうすることも出来なかった。
「逃げたさん三人も、どうやら捕まえたらしい。残る一人も間もなくだろう。呆気ない物だな」
これでエインズワースの勝利は確定。残る雑魚は放っておいても支障はない。
アンジェリカの頭の中では、既に戦いは終わった物として扱われ始めていた。
だが......
「.........ははっ」
宙に釣り上げられ、拘束されたギルの口から乾いた小さく笑う。
その様子に、アンジェリカは怪訝そうに目を細める。
「......何を笑う」
問いかけるアンジェリカにギルも顔を上げ答える。
泣いているような、しかしどこか座った眼でアンジェリカを見るギル。
「あははっ...。笑うよそりゃ」
「こんな面白い事の只中にいるんだからね」
「そんなとき人は──」
「《BIG》笑うし、怒るし、泣くさ」
「それこそが人間だろう?」
言いながらギルは、力ない瞳でアンジェリカを見る。
「なんて言っても君には...理解できないことかな」
「......なるほど」
「侮辱されたのだな、私は」
「《b》ならば人間らしくその侮辱に答えるとしよう──!!」
ギルの物言いに対し、静かに頷いて見せるアンジェリカ。
同時に彼女の背後に空間の門が開き、宝具の切っ先が姿を現す。
言い放つと同時に、宝具が一斉に射出された。
◆◇◆◇◆sideChange◇◆◇◆◇
アレから少し......。
カードで
対する悟誠くんは見慣れた金色の姿でそれらを全て避けては鋭い一撃を叩き込み続けている。
「がァ!!...ッンなんだよおまえェ!! なんでッ!! 攻撃があたらねェ!!」
「遅すぎだし、弱すぎるさ...」
めちゃくちゃに攻撃するベアトリスの攻撃が一撃も悟誠くんに当たらない......。
けど、悟誠くんの攻撃は全部当たっていて......。
「!! キャッ...!!」
その余波で私達まで飛ばされる始末......。
もう巻き込まれないようにしているだけで精一杯......
そんな中、私が転んだ足元に布に包まれた棒切れが落ちているのを見つけた。
何故か、それが気になった私はそっとその布を解いてみる......。
するとその中には......
『イ......イ......ッ』
『イリヤさ──んっ!!』
「ふぇぶうッ!?」
まさかの、私の相棒のルビーだったのだ。
「なっ...何するのルビー!?」
『信じてましたよイリヤさん!! きっとわたしを見つけてくださると!!』
『単身敵に捕まってしまい封印布を巻かれて捨てられたときは永久の孤独という名の死を覚悟しましたとも!!』
と、そこで言葉を切り、ルビーは『それにしても』と続ける。
『相変わらずというかなんというか、あの人も大概ぶっ飛んでますねー。あの敵相手に無双しますか......』
さすがのルビーも悟誠くんの強さに呆れているみたい......。
ホントだよね...強い強いとは思ってたけど、ここまで強いとは思わないよ......
そんなことを思いながら、一方的なその戦いを私達は見守るしかないのだった......。