Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side切嗣(narration)
衝撃波が納まったあと、イリヤは間に割り込んできた人物を見る。
「っ!? 悟誠くん!? なんで...どうしてここに...!?」
「......ドライグが言ってたんだ...なにか仕出かすって、だから追っかけてきた」
どうやら、悟誠の中の存在にはお見通しだったらしい......。
すると、クロの持っていた星の聖剣らしき剣は粒子となり消えた。
そのまま倒れるように膝を着くクロ......。
「クロ...ッ!!」
「あーあ、こうすれば悟誠は私のものだったかもしれないのに...止められちゃった」
イリヤに支えられながら、いつもの調子で話すクロ。
「イリヤ、前を向きなさい。 それは、あらゆる聖剣の頂点『エクスカリバー』。それは人々の想いを糧に星が編んだ『
「人が願った『最強』を手にしておいて臆病風に吹かれるなんて滑稽だわ。神の鎚だかなんだか知らないけど...」
「ブッ飛ばしてやりなさい!! 人の願いは、神様にだって届くんだから...!!」
そのまま再び倒れるクロを、今度は悟誠が支える。しかし......。
その手が悟誠の顔を掴み......
「はっ...?」
「へっ...?」
そのままガッチリと捕まえるように悟誠をホールドしてその唇を重ね合わせた......。
「んんっ...!?」
「ちょっ──!!!?いい感じの空気だったのになにしてんのクロ────!!!?」
その後、下手に抵抗できない悟誠はイリヤに引き剥がされるまでされるがままになるしかなかった......。
◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇
あの後、教室に戻ったオレ達は、学校に残されていたストーブを付けて暖まっていた。
「あぁ...なんという文明の利器......」
「これで少しは寒さもマシになるわね」
それにしても、とクロが残りの灯油を見ながら言う。
「灯油もストーブも放ったらかしだなんて、ずいぶんと慌てて避難したみたいね」
ま、隕石が降ってきたんじゃしょうがないのかしら...とクロは締めくくる。
「ん? 隕石? そんなのあったのか?」
「アレ? ひょっとして悟誠聞いてない? あの町のど真ん中のクレーターよ。五年前に降ってきた隕石が原因だって、街の人から聞いたわ」
五年前...隕石......。
「えぇっ!?私たちガス爆発って聞いてるけど...」
隕石だかガス爆発だか...情報が錯綜している......
「恐らくは作為的に。情報が錯綜しています。真実が務めないように」
「で、本当のところはどうなの?ギル」
そう言ってクロはギルくんに話を振る。
「...あのね、いちおう断っておきますけど、僕を索引にするのやめてくれないかなぁ?」
やれやれと困ったように首を振るギルくんだが......
「だってあなたいつもなんか訳知り顔してるじゃない」
「...してないよ」
「ほら出たそれ!! その顔!! 」
「これは呆れ顔だよ...。まあ、お察しの通り、あれは隕石でもガス爆発でもない。五年前にエインズワースか...あるいは他の誰かが引き起こした、なにかとてつもない災害の爪痕さ」
聞いたクロは心底呆れたように......
「『何か』とか『誰か』とか...カッコつけてないではっきり言ったら?」
「ねぇ...キミ、僕に対してトゲない?」
「...詳しくは知らないよ。ホントにね...。なにせ僕が召喚されたのはほんの数ヶ月前なんだ。それより前のことなんて知る由もない。だから、もっと実のある話をしようよ。敵陣にどうやって乗り込むかとか...」
「田中さんは何者なのか...とかね」
「ふい...?」
ギルくんが、壁にラクガキをしている田中を見て言う。
「あー!! 田中さん!! 壁に落書きしちゃ駄目でしょ!?」
「ラクガキじゃないです!パッションです!」
パッションってなんだっけ......(錯乱)。
「ちゃんと躾ときなさいよね、あなたが拾って来たんだから、わたしは面倒見ないわよ」
クロが我関せずと言った様子でジトッ...とイリヤちゃんに言っている。
「そんなペットみたいに!!」
まあ、ペットみたいなところあるしな...田中......。
「田中さん、ちゃんとしようよ!! 記憶が戻る様に私もお手伝いす「イリヤさんもパッションです!!」
田中はそう言って、イリヤの顔に皺のようなラクガキを書く。
「何するのー!!」
途端に怒り出すイリヤちゃんにそりゃそうだと、内心で同意しながら溜息を吐く。
「お婆ちゃんが怒ったです!?」
「おばっ......!?」
逃げ出す田中をイリヤちゃんが追い掛け、外へと出て行く。
『最低限の社会常識を私が教えて差し上げましょうか』
あははは〜♪ルビーも後を追っ行った。
「あなたがそれを...!!」
クロがその言葉に怒り気味叫んでいる。
クロの言葉には激しく同意だ......。
「......ホント、何者なんだろうね」
ギルは壁に描かれた田中さんの絵を見つめながら言うのをオレは何処か引っかかるものを感じながら、イリヤちゃんたちの後を追うのだった。