Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
警報が鳴り響く中、今回の黒幕、ダリウス・エインズワースは立ち上がる。
何するつもりか知らねえが、おかしなことしたら直ぐに消し飛ばしてやる......。
オレが構えるのとほぼ同時に、バゼットが窓ガラスを突き破って飛び出すと、ダリウス目掛け駆け出す。
「この結界を張った魔術師は君かな?」
ダリウスの問いに、バゼットは無言で返し、攻撃を仕掛けた。
「実用一辺倒も美学の一つだけど」
「君も魔術師ならば少しは舞台演出を考えてほしいね」
「例えば、結界なら──
こうだ」
なんだ? ダリウスの奴、カードを、地面に落としやがった......
「
なっ...!? イリヤちゃんが氷のドームに囚われた!!
「バゼットに悟誠!? なによこれ...ッ!?」
オレにも分からない...分かるのは今、イリヤちゃんが中に閉じ込められてるってだけだ。
バゼットが連打を浴びせているが、氷には傷一つ付かない......。
「くっ...!! ヒビ一つ入らない...!! なんだこの氷は...!?」
「どいて二人とも!!」
クロの声に即座に後方に飛び退る。
「デカい風穴空けてやるわッ!!」
クロがいつの間にか造り出した弓と剣のような矢を番えてうち放つ。
いつかの戦いで使ったあの技だ...!!
剣の矢は氷のドームに直撃し、大爆発を起こす。
やったか...!!
『いや、残念だが相棒...まだのようだ』
ドライグの言葉の直後、爆煙が晴れる。
そこには、やはり傷一つないドームがあった。
もう、オレのかめはめ波で吹き飛ばすか...?
いや、中にいるイリヤちゃんまで巻き込むかもしれねえのにそれは出来ねえ......
何か、何か手はないのか......!!
思案していると、中から話し声が聞こえてくる。
「即興の舞台で恐縮だが...」
「君達とは一度落ち着いて話をしたかったのでね」
「改めまして、だ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン君」
「私はダリウス。エインズワース家の当主だ」
「貴方が──」
「そう、私が」
「美遊と言う生きた聖杯を見つけ、英霊の力の一端を引き出すカードを造り上げ」
「聖杯を完成させるための大儀式──
聖杯戦争を興した」
「ああ、まったく...君からすれば私は......」
「倒すべき魔王なんだろうね」
話し声を聞いていると、再び謎の記憶が溢れだしてきた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『なんッ...なんなんだ貴様はァッ...!!』
『オラか? オラはおめえを倒す奴だ...』
『倒すだと...? 巫山戯るなよ...!!
『......なら、おめえはその端役程度に倒される役もない雑魚だ...おめえはここでぶっ倒す!!』
な、なんだ!? この...景色は...いったい......
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『─棒...──っ!!...相棒...!!』
〜っ!! あ、あぁ、悪いドライグ、どうした?
『どうしたもなにも、呼び掛けても返事がないからだ』
そ、そうだったのか? ちょっと考え事を...な
『考え事か...それはいいが、今はおすすめ出来んな...』
そうだよな、悪い...。
意識を現実に戻すと、バゼットは未だに攻撃を続けている。
そんな中、よく耳を傾ける......
すると中の声が聞こえてきた。
「外が騒がしいねぇ...」
「失敗だったかな、防音だったらよかった」
「ああ、全く失敗だ......」
その声は少しうんざりしたように聞こえる。
「ますます寒くて堪らない......」
んん...??
「ぜんぜん寒くないから毛布とか、持ってこないでね」
......オレは何を聞かされてるんだ......?
「......っ エリカちゃんっ!! 私たちを騙したの!?」
「敵だったのに、正体を隠して近づいて...!!」
「え!?だましてないよ!?
エリカは、ただたしかめてみたかっただけだもん!
イリヤお姉ちゃんと悟誠お兄ちゃんが......」
「美遊お姉ちゃんの言ってた通りの人なのか」
どういうことだ...?美遊ちゃんが、コイツらに......?
「君たちの事は美遊から聞いたよ」
「もちろん、出会った人」
「起こった事」
「美遊が想いを寄せているだろう彼の事も
「素ッッ......晴らッ......しいッッッ...!!」
〜〜っ!!うるさっ...どんだけデカいんだよ......
「平行世界に単身飛ばされ!!!! 奇怪な魔術礼装を契約し!!!!」
「自身が招いたカードの災厄を回収する傍ら、初めての友情、愛情を知る!!!!
「だが偽りの日常は終わりを告げ、また美遊は聖杯は私の元へ帰って来た!!!!」
「偶然と必然と運命が世界戦を越えて紡いだ王道の物語マイソロジーじゃないか!!!!」
コイツ...狂ってる......
「私のカードを集めてくれてありがとうイリヤスフィール!!
「いやいや返してくれとは言わないよ!! 存分に使って我々と「パパ...パパ!!」......なんだいエリカ」
......止めた...のか?
「
「......そうか」
き、急に大人しくなったな......。
「ミッ...ミユが!! 自分からそんなこと貴方に教えるはずがない!!」
「ミユは自分の気持ちを内に閉じ込めちゃうから......」
「いいことも悪いことも自分で抱えて」
「私達に何も言ってくれなかったのに!!」
......イリヤちゃん。
「田中...?」
クロの声に意識を向けると、田中がドームの方に向かって歩いていた。
その間にもドームの中から聞こえてくるイリヤちゃんの声。
「あなた、一体ミユになにを......」
「う...はッ......!?」
な、なんか変な音が聞こえたぞ......
大丈夫なのか...?イリヤちゃん......
一体どうしたってんだ...!?
「.........あまり大声を上げない方がいいよ」
「この氷宮は外界からの力では絶対に破れない」
「だが、その代償として氷宮内からは少しずつ酸素が失われていき、発動から三○一秒で酸素濃度はゼロになる」
「だから......」
「酸素を無駄使い...しちゃ...いけな......」
何してんだあいつら......
「さんそっ...とかっ...いらなっ...いしっ...」
どこまでもアホなのかあのチビ!?
「下がってなさい!! あなたが出る幕じゃないわ...!!」
ん?今の声は......
「ちょっと!! 聞こえて......」
「あつっ...!?」
なんだ?クロの奴が田中の手を持っただけで熱がった......?
よく見ると田中から超サイヤ人のオーラのような熱気が立ち上っている。
「いやいやまいったね」
「そろそろ限界だ......」
「すまないが続きは外で......」
あっちはもう出てくるか......?
けど、その前に......
ドッ......パアアァァッッッ......!!!!
田中が、氷のドームを破壊していた......。