Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side Chloe
ダリウスが乗り込んできた翌日のこと......。
「ん......」
軽く伸び、眠気をなんとか覚ましながら身体を起こす。
「ふあ...。雨か......」
「田中は...」
カーテンを捲り、隣のベッドで眠る田中を見る。
その本人は相変わらず寝こけている
「相変わらずぐー寝ね...。腹立たしい程に......」
「イリヤー、起きてるー? 朝ご飯どうしよっか?」
アレ? 返事がない...?
「ねぇってば、まだ寝てるの?」
カーテンを捲り、そして気がついた。
えっ...。なんで......??
「.........イリヤ?」
そこにイリヤはいなかった......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ちょっ...!? どこ行ったのよイリヤ!!」
慌てて着替え付近を探し回る。
だがイリヤは居ない......。
「っ...不味いことになったかも......」
私の考えが正しければ...これはとんでもなくマズイ...!!
田中は論外だけど...あの人なら......
「悟誠! 悟誠!! 起きてる!? 大変なの!!」
勢いよくカーテンを捲る、その先にいたのは......。
「......よぉ、クロ、何があった?」
そこには私の記憶より、少しだけ大きくなった悟誠の姿があった。
◆◇◆◇◆sidechange◇◆◇◆◇
「なんてザマよ...!! 隣で寝てて気づかなかったなんて!!」
クロに事情を聞いたオレたちは走っていた。
「結界はなにも反応していません。まだ攫われたと確定したわけでは......」
「いや、付近にイリヤちゃんの気配はない! 攫われたのは確定だ!!」
そう、気配が感じられない......
そんなのはあの屋敷しか考えられない。
『カードや私を置いてどこかに行くわけありませんものねぇ』
「ならば敵はどうやって......!?」
「さあね」
「だから、いつも訳知り顔してるヤツに聞きにきたのよ」
そうしてオレたちはギルくんが眠っている部屋へと駆け込んだ。
「ギル!! イリヤが攫われたわ!!」
しかし飛び込んだ先には.........
「...いけないな」
「お転婆も嫌いじゃないけど」
「朝のまどろみには似合わない」
まさかの天蓋付きの豪華なベッドに、全裸(下はさすがに布団で隠れているが...)ワイングラス片手に寝転んでいる
・・・・・・なんだコレ
「...............」
クロが無言でその手にハリセンを創り出している。
「クロ、それ、オレに貸してくれ」
「えぇ、良いわよ。はい、悟誠」
クロからハリセンを受け取り、ギルくんに近寄る
「あっ! その
「朝からそんなもん見せんじゃねえ...!!」
軽快なハリセンの音が校内に響き渡った。
「いや、ホント君って容赦ないよね。僕が大人に戻ったら真っ先に殺されるよ、まったく」
「ボケには容赦ないのがこの国のルールだぜ? 覚えとけ」
それにお前が大人になってもぶっ飛ばせる自信がある
「...それで、なんだっけ? イリヤさんが攫われたって?」
「窓は空いてて、ベッドにはカードが散乱...。 ...油断してたわ、まさか昨日の今日でダリウスがこんな手を」
「...私の判断ミスです」
「拠点がバレた時点で、場所を移すべきでした」
「...結果論よ、一から拠点を作り直すのが最善とは限らない」
やっぱりダメっぽい...とは、言ってられる状況じゃないな......
『索敵の結界は機能しているんですよね? 警報はなりませんでしたよ?』
そうなのか?オレはずっと
「結界が破られたり外された痕跡はありません。少なくとも、敵の侵入はなかったはずです」
「なら、イリヤが自分から何処かに行ったって言いたいの?私たちに内緒で...それもわざわざ窓から?」
「現状からはそうとしか......」
「それが有り得ないって言ってるのよ!!」
たしかに、オレだったら全員に悟られず窓からアイツらの所に乗り込むことも可能だろうけど、イリヤちゃんがそんなことをできるとは思えない......
「.........使われたかな」
ん? 今なんて......?
「ギルくん、今何か言ったか?」
「とにかく、魔術師さんってのはなんでも魔術に頼りたがる」
「殆ど妄信的にね、だからその前提に空いた穴に気が付かない」
「僕たちがエインズワース城に乗り込んだ時に使った宝具...あれはね、あらゆる魔術的な探知を遮断・透過する『身隠しの布』を使ったんだろう」
「あー...あの騎馬戦見たいやつの時に使ったアレか......」
「はぁ!? なによそれ!? っていうか悟誠も知ってたの!?」
「あはは...まあ...すこし......」
「あれね、ドサクサでイリヤさんが場内に置いてきちゃったみたいでねー...。紛失されて横領されて...。もう踏んだり蹴ったりだよ」
あー...うちのイリヤちゃんがすみません......
『その布を使ってダリウスがイリヤさんを...?』
「うーん、それも違和感あるなぁ」
「この脈絡の無さ、なんというか頭の悪いタイミング...」
「今回の首謀者はたぶん...」
ギルくんから出たその名前に、オレたちは唖然とするしかなかった......。