Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
ドサッ...と倒れる音がして、振り返る。
そこには遠坂とルヴィアが倒れていた。
その姿は血塗れで、放っておけば危ないことはすぐに分かる程だ。
「ど...どういうことルビー...?」
『...最悪の事態です』
「あり得るの?こんなこと...!」
『完全に想定外...ですが現実に起こってしまいました』
『『二人目の敵...!!』』
いつになく真剣な口調のルビーの言葉から状況を把握する。
あれはヤバイ...。下手に二人と戦わせれば、間違いなく二人とも死ぬ......。
「リンさん!」
突如、イリヤちゃんがリン目掛けて駆け寄ろうと飛び込んでいく。
「バッ...!! 止めろイリッ...!」
しかしそれは美遊のお陰で済んでのところで止められる。
「ま...待って!イリヤスフィール!」
「はヴぁッ!?」
飛び出したイリヤちゃんの足を掴んだことでイリヤちゃんは勢いよく地面に叩きつけられる。
ビッターンッ!と爽快な音が聞こえてくるところをみるに余程勢いよくぶつかったんだろう......。
「な...なにするの!?」
痛いよ!と涙目のイリヤちゃんが顔を赤くして美遊ちゃんに抗議する。
「ご...ごめん、でも闇雲に近づいちゃダメ...!」
「美遊ちゃんの言う通りだ、アイツはヤバイ...下手に近づけばオレたちまで殺される......」
「で、でも、リンさんとルヴィアさんが......!」
『落ち着いてくださいイリヤさん!生体反応あり!大丈夫、お二人は生きてます!』
ルビーの言う通り、二人の気はまだ消えてねえ、段々小さくなってはいるが、まだ生きてる
「だったらなおさら......ッ「だからこそ!」」
イリヤちゃんの言葉に美遊ちゃんが言葉を重ねる。
「冷静に、確実に...行動すべきなの......!」
そう言うが美遊ちゃんもすぐに二人を助けに行きたいのだろう。手をキュッと握りしめているのを俺は見逃さなかった。
仕方ねえ、ドライグ、アレ、やれるか?
『使うか?アレを』
あぁ、そうでもしなきゃコイツらを守れねえと思う。
『そうだな、俺もそう考えていた。準備はできている、いつでもいけるぞ相棒』
サンキュードライグ!死ぬかもしれねえけどもう少し付き合ってくれよ?
『何を今更...そのくらいいくらでも付き合ってやるさ』
あぁ、ったく...頼もしい相棒だよ、お前は......。
『お前もな、相棒』
「ちょっといいか、二人とも」
ドライグとの話が終わったところで、オレは作戦を練っている二人に切り出す
「よく聞いてくれ、アイツはとにかくヤバイ...少なくともお前らが戦って勝てる相手じゃない」
「じゃあどうすれば!」
「話を最後まで聞け、今からオレがアイツの気を引いて二人から距離をとらせる。その間に二人はあの二人を連れて撤退してくれ」
「で、でも!それじゃあ悟誠くんが!!」
「それは絶対だめ!! セイ...いくらあなたでもアレ相手は危険...」
ったく...歳下に心配されるなんてな、でも悪くはない
『......ロリコンか?』
違うからな!?って、今はいいか
二人の頭に手を置き、軽く撫でながら言ってやる。
「心配すんな、オレは孫悟誠だぜ?お前らよりも、それにアイツらよりも歳上なんだ、こういうときは歳上に甘えてろ、だからアイツらのこと、頼んだぜ」
そういって軽く笑いかけてやる。そして撫でるのを止め、二人に背を向け歩き始める。
乱入者が気付くように且つ体躯に見合う挑発を咬ます。
「やいやいやい!そこの鎧の奴!弱い奴ばっか倒しやがって!お前なんか俺がぶっ倒してやる!!」
おまけとばかりに気弾も一緒に撃ち込んでやる。
「......」
よし、奴の注意がこっちに逸れた、後は距離を離すだけ......
けど、気弾が欠き消されたように見えたのはどういうことだ?
「──ッ!!」
直後、奴がオレに向けて持っていた剣を振り抜く。
その剣先からどす黒い斬撃が俺目掛けて迫ってくる。
「うおっと!!」
あっぶねぇ...地面抉れてんじゃねえか、なんつー威力だよ...トランクスでもこんなことしてこなかったぞ!?
『気を付けろ相棒、奴の剣技の腕はかなりのもののようだ、一太刀でも受ければ致命傷になると思え』
一撃でもかよ...こりゃやっぱ本気でいくしかねえか
あまり使いたくなかったけど仕方ねえ!!
「いくぜドライグ!はあっ!!」
『Welsh Saiyan! Transform Legend!!!!』
機械音声と共に、フルパワーの姿で
「更にいくぜ!バランスブレイク!!」
『Welsh Doragon Balance Breaker!!!!!!』
そして更に
「これだけじゃねえ!
更に更に二つの力を重ね合わせて昇華させた力。
すると、俺を覆っていた赤い鎧が消え、赤金色のオーラへと変わる。
「これが俺の最強形態、
そこで俺ははたと気がつく。
「お、おいドライグ、俺の身体戻ってないか?」
『あぁ、どうやら今のお前は件の下手人よりも強いらしい、そのお陰で今の姿に戻れているようだ』
ふーん、なんだかよくわかんねえけどこれなら本気で戦えるってもんだ!
「いくぜ黒野郎!赤龍帝の恐ろしさを思い知らせてやるる!」
「ーーッ!!」
奴が剣を構えて突っ込んでくる、
だが遅い......。
指先に気を纏わせ、奴の剣を受け止める。
「ーーッ!?!?」
「フッ...そら」
驚き、距離を取ろうともがく奴に、俺は掴んだ剣を離してやる。
「──ッ!!」
舐められていることを理解したのか、まるで激昂するように奴が吠える。
「だりゃあぁぁぁっ!!」
しかしその隙を逃す俺じゃない。
一気に奴との距離を積め、渾身のパンチを叩き込む、だが......
「......なにっ!?」
風の幕のようなものに阻まれ、パンチが奴に届かない。
「なら、千倍加」
『BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBoost!!!!』
一瞬で千回分の倍加を完了させ、再び殴る。
「オッラァッ!!」
【バズンッ】
そんな音ともに風の幕が消し飛ばされる。
勢いを衰えさせぬまま俺の拳は奴の顔面に叩き込まれる。
チラリと遠坂達の方を見る。
そこにはイリヤちゃんと美遊ちゃんが二人を抱えて下がって行くのが見えた。
よし、二人はなんとか無事みたいだな
それだけ確認して俺は再び奴に意識を向ける。
「ーーッッッッ!?!?!?!?」
被っていた仮面が叩き割れ、思いっきり吹き飛ぶ黒鎧野郎
だが、すぐに立て直すと、大技で決めるつもりなのか持っていた剣を大きく振りかぶる。
すると、奴の剣に尋常ではないエネルギーが集まり出す。
野郎!俺ごと周りを消し飛ばす気か!!
仕方ない、ならこっちも仕掛けてやる!
父さん、あの技借りるぜ!!
「これで終わらせてやる!!父さんと俺の合体技!赤龍拳!!」
全身に気を纏わせ、赤い龍のような姿で、神速にも近いスピードで奴へと肉薄しその拳を突っ込む。
≪
奴の口から聞こえた言葉と共に、奴の剣から漆黒のエネルギーが放出される
エネルギーと赤い龍がぶつかり合う。
何て威力だよ...こんなのまともに受けたらいくら
けど、ここで俺が負けたらイリヤちゃんたちが...それだけは絶対にさせねえ!
「ぐっぐぐぐっ...いっけえぇぇええっ!!」
気合いだけでエネルギーをぶち破り、奴目掛けて叩き込む。
その拳は奴の身体を突き抜け、通りすぎていく。
通り抜けた俺の手には剣兵のカードが握られていた。
sideイリヤ
「なに...アレ」
今の悟誠くんはまるで別人だ......
いつの間にか、いつか見た大人の姿になって髪は金色なって逆立ち、眉や目の色も変わっている
喋り方から性格までガラリと変わっている
おまけにあの赤色と金色のオーラ......もう私の知ってる悟誠くんじゃない
「イ、イリヤスフィール...セイ...孫悟誠のあの姿はなに?」
「私にもわかんないよ...ルビー、あれも魔術の一種なの?」
『私にも分かりませんねー。でも、どうやら悟誠さんはまだ力を隠していたようです...。あの姿は悟誠さんの本気の姿と言ったところなんでしょう』
『けど、あそこまで劇的に変わる魔術なんて私達の知る限りありません』
ルビー達にも分からないなんて、悟誠くんはいったい何者なんだろう?
すると悟誠くんの攻撃で敵が大きく吹き飛ばされた
「二人から距離が離れた、助けるなら今...!」
「え?う、うん!」
ミユさんの言葉に私はすぐさま二人の救出に向かう。
「ぐっ...助かったわ、イリヤ」
「カフッ 救援感謝いたしますわ、ミユ」
良かった、二人はなんとか意識を取り戻してたみたい
「それにしても...なんなのですかアレは...」
ルヴィアさんの言葉は恐らく悟誠くんに対してのものだと思う
「全くなんなのよアレ...キャスター相手の時は本気も出して無かったっての...?」
少し恐れのようなものが入ったリンさんが二人の戦いを見て言う。
そう言われて、私も少し怖くなってきた。
どうしてあんなに強いのに私達に力を貸してくれるのか......
しばらく見ていると、悟誠くんの体が赤く輝く龍になって敵目掛けて突っ込んでいった。
赤い龍は敵を呑み込むとそのまま天高く消えていく。
後には光となって消えていく敵と、カードを手に拳を振り抜き、子どもの姿に戻っている悟誠くんの姿だけが残っているのでした