Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
「お兄ちゃん...!!」
気配を追って飛んでいたら美遊ちゃんらしき声が聞こえてきた。
どうやらこっちみたいだな、皆の気配...それと、小さくなりつつある気がひとつ......
急いだ方がいいかもしれねえ......。
オレは飛行の速度を更に上げ気配のする方へと急いだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「どうして!? どうにもならないの!? 魔術なら治せるんじゃなかったの!?」
気と声が近くなってきた、この辺だな......
舞空術を解き、オレはその近くに降り立つ。
「!! 悟誠くん!無事だったんだ!!」
「オレがあんな奴らに負けるわけないだろ?それより、どういう状況だ?」
遠坂の近くに倒れてるのは......士郎...か?
肌も一部黒いし、目付きも俺の知ってる士郎より鋭い......
そして何よりも目を引くのは...その傷の深さだ。
全身血塗れ...血のついてないところはないくらいに傷だらけだ。
「......リンさんが、おに...士郎さんの傷の治療をしてくれてるんだけど......もう、長くはもたないって......」
「血流を維持しながら欠損箇所の修復なんて効率が悪すぎる...!!」
「肉体の衰弱に治療速度がどうしても追いつかないの!!」
「これを治すにはあまりに...魔力が絶望的にたりない...っ」
なるほどな...そういうことなら
「遠坂、悪い変わってくれ」
「えっ...ち、ちょっと悟誠くん!?」
「ゴセ、何をする気ですの...?」
傍による遠坂を退かし、オレは士郎らしき人物の傍にしゃがみ込む。
もう少し元気なら、気を分け与えてやれば動けるくらいにはなったろうけど......
仕方ない、今はこれしかないからな
「辛いだろうけど、これを飲み込んでくれ」
指で小さく潰した半粒の仙豆を口の中に押し込む。
飲み込みやすいよう少し首を上げてやると、少しして小さく飲み込む音が聞こえてきた。
その途端、アレだけ傷だらけだった身体が一瞬で塞がった
肌色も、先程よりもずっと生気のあるハリを取り戻している。
......よし、これなら大丈夫だ
「っ......あれ...」
程なくして士郎(暫定)が目を覚ました。
「っ......お兄ちゃん!!」
兄だというその男に泣きながら抱きつく美遊ちゃんを見て笑う。
本当に良かった...間に合って......
けど、なんだろうな...さっきからコイツにすごい懐かしさを感じるのは......
「さて、ここにいてもなんだし、そろそろ移動しよう」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「......なあ、これはさすがに恥ずかしいんだが」
移動の道すがら、士郎(暫定)がポロリと呟く。
「仕方ないじゃない、あなたを下手に歩かせる訳にはいかないし、この中で一番力があるのはその子なんだから」
「いや、だからってオレより歳下の奴に抱えられるってのは...」
そう、今士郎(暫定)を運んでいるのは他でもない、オレなのだ。
背格好が小さいから抱き上げることは出来ないので肩車のようにして運んでいる
「失礼なやつだな、オレはこんななりだけど二十歳は超えてるぞ」
「はっ...? その姿でか...? ウソだろ......」
「そういえば、最初にあった時は私たちより大きかったわね...なんでこんな風になったんだか......」
遠坂、それは俺が知りたいくらいだよ...多分、エミヤさんの関係者の仕業じゃないかと思ってるけど......
「......ま、まあ助けてくれたんだし、感謝しかないからいいけど」
それより、と士郎(暫定)は続ける
「もし行く宛てがないなら...ウチに来ないか?」
それは、渡りに船な話だった