Fate/Drag Emperor ドラゴマ☆ゴセー 作:ギミ
side悟誠
士郎(暫定)の提案は、特に反対されることなく通った。
オレがついでにと連れてきたアンジェリカを含めて......。
「......私は、廃棄された人形です。いかなる意思も持ちません。どうぞ、如何ようにも」
.........アレだけ感情的に叫んでた奴がここまで無感情になるとは...一体何をしたらこんなことになるんだ......。
イリヤちゃんも悲しそう...?な顔をしてる......
「──分かった、それじゃひとまずついてきてくれ...。......すまないけど、こっちの方だ」
士郎(暫定)も特に何も言わず、行こうとオレに指示を出してくれる。
オレはそれに従って歩みを進めて行くのだった。
クロが意味ありげに城の方を見ていることに気が付かずに......
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
士郎(暫定)の指示のもと、少し歩いたところ、見事な武家屋敷に到着した。
「これが...シロウさんと...ミユの家...!?」
「結構な邸宅じゃない...!」
「これは...私たちの知る衛宮家とは...」
「違いすぎる...! ウチはフツーの一軒家なのにこの差はいったい...!?」
「ミユってば、結構なお嬢様だったのね...」
そんなよーな気はしてたけど...とクロの独り呟く。
「いや、ホントデカイな...どんだけあるんだコレ」
ブルマさんとこのカプセルコーポレーションといい勝負なんじゃないか...?
「────...」
「ちょっと...さすがに降ろしてくれ...」
士郎(暫定)から強い意志を感じる言葉を聞き、オレは漸く士郎(暫定)を降ろす。
少しよろめきつつも、しっかりとした足取りで玄関の戸を開けて言う。
「...おかえり、美遊」
「っ...ただいま、お兄ちゃん」
ほう? これはこれは......。
イリヤちゃん達も同じ心境なのか美遊ちゃんをニヤニヤと見つめている。
そんなオレたちの視線気がついた美遊ちゃんが赤面した顔を背けながら聞いてくる。
「.................................なに?」
「ん? んん...」
イリヤちゃんはいい淀み目を逸らし......
「なんでもなーい、ねー?悟誠♪」
クロはシレッと誤魔化しオレの腕に絡んでくる。
「クロは置いといて...。微笑ましいな〜ってな?」
「う、うん...で、でも悟誠...勘違いだけはしないで...っ」
顔を真っ赤にして言う美遊ちゃん。......ん? 勘違いってなんの事だ?
「「..................ゲシッゲシッ」」
って、痛て!?痛い!!なんだよ急に
「いてっ...いてぇっ...やめっ...ヤメロォォォ!?」
「.........美遊は渡さないぞ」
アンタはアンタで何言ってんだ!?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その後なんとか解放されたオレは、中へと案内されていた。
イリヤちゃんたちが風呂に行ってる間、オレは屋敷の中を歩いていた。
「......ホント、なんだろな...」
何処を歩いても懐かしい...そんな気がする。
ここに来たのは初めてのはずなのにな......
『相棒もか、俺も同じ感覚に陥っている...』
ドライグも同じなのか?なんだろうな、これ......
『分からん...だが、不思議と嫌な気はせん』
オレもだ、それに...なんだか...眠く......
『お、おい...相棒?』
悪い...ちょっと...寝るよ...
縁側まで来ていたオレはそこに腰を下ろし、柱にもたれかかりながら襲い来る睡魔に身を任せた......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ん...ここは...?」
気がつくと、オレは見覚えのある空間に来ていた。
「また、ここに来たんだな」
今回はエミヤさん、なんの用だろうな......
「君が、兵藤一誠だな」
ん...?エミヤさん...だよな?この声......というか
「えっと、エミヤさん。出来れば孫悟誠って呼んでくれないですか? というか、前も思ってたんですけど、なんで貴方がその名前を知ってるんですか?」
「その子は......拾い、助けた...息子の名前だからだ」
・・・・・・ん?
「分からないという顔だな。当然だろう...。あの子は孫悟誠だなどと名乗りはしなかった」
アイツ...?それってまさか...あの記憶の...!!
「心当たりがあるようだ、僕の息子は...兵藤 一誠は、消えたんだ」
「なっ...!?」
消えた...ってどういうことだよ!!
「息子は...下の弟妹...士郎と美遊を助けるために...単身、ダリウスへと戦いを挑んだ」
単身...て...まさか!?
「戦いで死んだわけじゃない...」
違うのか、なら消えたって......
「言葉通りだ、戦いの最中...急にその姿を消した」
ど、どういうことだよ...消えたって......
「原因は僕にも分からない...ただ忽然と...その姿を消した...美遊を...助けた後に...」
.........まさか、このオレが見てる記憶って...
「僕は君が、あの家に懐かしさを感じるのは息子と何かしら関係があると考えている。だから、それを渡した」
ソレって...この球のことか...?
いつの間にかオレの手の中には以前この人からもらった光る球があった。
「これは...」
「それはね、一誠がいた頃の家の記憶だ。何故だか思うんだ、あの子はこうする事が一番喜ぶ...そして、君の力にもなってくれると」
「............」
この球が...オレの......
オレが球を見つめていると、突然球が輝き出し、オレを包み込んだ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「──ろ...─きろ...おきろ...起きろって!!」
あれ...オレ、寝てた...のか?
「やっと起きたな? やっと話ができっぞ...」
そんな声に顔を向ければ、そこには......
「......オレ?」
「おう、オラ兵藤一誠だ! よろしくな!! 孫悟誠」
お、オラ...?なんでオレがそんな父さんみたいな口調を......
「はははっ!! この口調が不思議って顔してんな? これにはちっと事情があるんだ、おめえと一緒でよ」
はい...?オレと...一緒...? 待て待て...まさか!?
「お前もあの世界から来たってのか!?」
「鋭いじゃねえか、おめえの言う通り、オラはおめえのいたところから来た。...まあ、おめえと同じ時代にいたわけじゃねえけどな」
同じ時代じゃないって、どういう......
「んー...。おめえにも分かりやすく説明すっと...オラ、絶望の未来から来たんだ」
「なっ...!?」
コイツが...未来のトランクスが言ってた未来の...オレ!?
「ま、その話はいいんだ、おめえにこいつを見て欲しくてよ」
そういうと、オレの脳内に見たことの無い記憶が流れ込んできた......。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「......誠兄、遊んで」
この小さな子は...美遊ちゃんか?
「ん? おぉ、美遊じゃねえか、いいぞ!! なにすっか!!」
「アレ...高く投げるやつ...」
「高ぇ高ぇか...? いいぞ ほれ!」
言うや否や、記憶のオレはロリ美遊ちゃんを抱えあげると、空高く投げ上げ...た?
ってうおぉぉぉい!? 何してんのオレぇぇぇッッッ!?
ってそんなことしてる間にロリ美遊ちゃんがぁぁぁっっ...!?
「......もっかい」
「おう、ほれ!!」
うおぉぉぉい!? 何もっと高く上げちゃってんの!? やめなさい教育に悪いでしょうが!!
「......楽しい」
「はは、そっか?」
「ったく、美遊は兄さんの高い高いが好きだな......」
ん?この声って、士郎か?
「うん、誠兄のたけぇたけぇ...すき」
小さい時の美遊ちゃん、こんなのが好きだったのか...!?
「......美遊が楽しそうだからいいけど、あんまやり過ぎないでくれよ?兄さん」
「はははっ!! わかってっさ、ってか士郎、おめえもやって欲しいんじゃねえか?」
「.........遠慮しとく」
おい、なんだよ今の間は......
「誠兄...もっと...」
「ん? おぉ、ほれ」
って、だからやめろぉぉぉぉっ!!!!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「へへへ、どうだった?」
「......ひとつ言わせてくれ、幼女をあんなふうにあやすのはやめろ!!」
記憶が途切れ、再び未来のオレ...一誠が見えてきたオレは、開口一番に叫んだ。
「仕方ねえじゃねえか...。美遊はアレが一番好きだったんだからさぁ...」
「あぶねえだろうが!! オレだって弟をあんな高さまで投げ上げたことねえわ!!」
悟天にも娘にもねえよあんな高さ......
そんなことしようものなら...母さんと18号に殺される......。
「はははっ!! まあ、細けえ気にすんなって!!!」
バシバシ背中を叩きながら言われる。なんか、未来のオレ、父さんにめちゃくちゃ似てる気がするんだけど......
「けど、なんでオレにあんなものを......」
「......おめぇに託したいもんがあるからだ、孫悟誠」
急に真剣そうな顔をした一誠。
「おめえはオラで、オラはおめえだ。だからオラの...いや、俺の持ち得る全てをお前に託す」
っ...!?それってまさか......ピッコロさんがやってた......
「気がついたみてえだな、今からオラがするのはナメック星人でいう同化だ」
「けど! そんなことしたらアンタは!!」
今度こそ消えて......
「何言ってんだおめえ、オラはもう消えてるようなもんだ。心配いらねえさ」
そ、そうかもしれねえけど......
「本当に...いいのか?」
「あぁ、男に二言はねえ」
.........そんなに言うんなら
「──わかった、なら頼む」
「はは、そうできゃな!! んじゃ、早速始めっぞ!!」
そう言ってオレの胸に手を当てる一誠。
「はぁっ...!!」
ドンッ...そんな音と共にオレに凄まじい力が流れ込んでくる。
「なっ...こ、このチカラは...!!」
驚くオレを他所に一誠は不敵に笑う
「へへっ、おめえとオラがひとつになんだ、強くなれねえ訳がねえ」
そういう一誠の身体が次第に薄くなっていく。
「お、おい...もう身体が!!」
「そろそろみてえだ...。悟誠!! 士郎と美遊のこと...頼むぜ...妹泣かしたら...ゆるさね...ぞ...」
それを最後に、一誠の姿は完全に消えてなくなった。
その代わりに、オレの中に凄まじい力が残った。
「.........わかったよ、兵藤一誠。お前の想い、願いは、この
その覚悟を胸に、