まぁサブタイでデッキぱっとわかった方もいるかもしれませんけど、とりあえず前置きしておきます。
『今現在圧倒的に有名な魔王』じゃない方の魔王です。
突然だが───今日は。待ちに待った休日である。
最近は平日に人があんま来ない、ってのを先日、あのコテンパンにやられたバトルのあとにアキラから聞いた。
だから今回は休日に、こうしてカードショップに足を運んできた。一応アキラと約束したし、アイツも既に来てるかその内来る筈だ。
「おぉー...こないだの閑散とした店内が嘘みてーだ」
本当に、あの静けさが嘘のようだ。バトルスペースはかなり埋まっており、パックを開封してる人や、仲間でデッキを広げて構築を相談している子供たち、そして楽しげにバトルしている人で溢れている。
「うん、やっぱこうじゃねぇとな。へへ、なんかこう、『戻ってきた』って感じで気分アガってくんな」
さて、どうしようか。見たところアキラは居ないようだ。その辺のバトラーにフリー対戦申し込んでみようか、それともSB...ショップバトルに参加してみようか。
悩ましいな、本当に...!とりあえずパックいくらか買って適当な席に座るとしよう。
────────
「...よし、開封といくか」
少し前の章の弾を一つずつ。計四パックを前に、少々気分が上がる。まとめ買いや箱買いとはまた違ったドキドキ感がバラ買いの魅力のひとつだよなぁ...。
1パック目...うーむ、目ぼしいものは無しか...。
2パック目...お?これは...RVか。良いな、懐かしいし効果も環境に合わせられてる。レアリティは下がったが全然強い、寧ろこれこそ赤だ。後で調整してねじ込もう。
3パック目...ふむ。キャンペーンXか。まぁ赤だし上等だろ。古竜じゃないのはしゃーねぇや。
4パック、目...!?
「コイツは...!」
燦然と輝くXの文字、カードナンバーは堂々のX01。
「うぉ、マジか...!お前が来てくれるなんてな...早速組み込まないと!」
えーと...コイツの煌臨条件的に...ならアイツらが欲しい。で、アイツらと相性が良いヤツといえば調べた限りじゃああの六体か。ふむ...とりあえずショーケースとファイル見てみるか。コイツもあと二枚買わなきゃな...!
─────────
「よし、いやぁ...良かった良かった。とりあえず赤紫の方向で調整してみるかな。今回は初めての煌臨軸だが、使うヤツら的にそこまで問題は無い、はず...」
「よっ、カゲト。遅れてすまんな」
「...んぉ、よう、アキラ。今ちょっとコイツをメインにした構築考えてるんだが、意見貰えねぇか?」
「ん?どれどれ...あぁ!コイツね、お前やっぱ浪漫に行き着くのな」
「さっきパック適当に買ったら来てくれたもんでな...やっぱ運命感じるじゃん?」
「ははは、乙女チックなことを抜かしおる。とりあえずコイツなんかいんじゃね?」
「うるせぇ、お前も運命感じたことくらいあんだろ!ん、どれだ?」
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──────────────
────1時間後─────
「よし、できた。ありがとよアキラ」
「お前の財布が磨り減っただけだ、礼は要らん」
「まぁそうだけどよ。じゃあ試運転だ、相手頼める?」
「おう、良いぜ。今回はきっちり真面目な剣j...なんだ?」
自動ドアが開いて入店してきた男。なんでアキラが振り返ったのか?それは至って簡単だ。その男が何故だか知らんが格好つけてハーモニカを演奏しながら入ってきたから。それだけだ。
「...満○先生のファンか?」
「いやいやいや、○足先生は畑が完全にちげーだろバカ」
「んじゃ何なんだよアレ...ハーモニカ吹くようなヤツが登場する作品なんざ知らねぇぞ」
「...あ、思い出した。ウルトラマンじゃねーかな。ウルトラマンオーブ。確か主人公がハーモニカ吹いてた気がする」
「...えぇ、イタタタタ...流石に吹きながら入店は無いだろ...」
等とひそひそ話してたら、その男がこっちに来やがった。
「なぁ、あんたら。さっき満足○生とか言ったな?失礼な!!これはウルトラマンオーブの主人公、クレナイ・ガイのリスペクトだ!」
「そりゃ悪かったな...俺にとってのニチアサは7:00に始まって7:30には終わってたし。それ以外のアニメも特撮もあんまり見なかったもんでな、疎いんだ」
事実である。スーパーな戦隊も仮面なライダーも、プリティでキュアキュアなヒロインのアニメもあんまり見たことがない。子供の頃はアニメとか特撮とかそっちのけでバトスピやってたし、ここ最近までは勉強で忙しくて見る暇なんざなかったし。アニメネタなんかに関しては周りからの刷り込みだし...。
「む、ぐぐぐ...あ!初対面なのに失礼した、俺はシュウヤ。真木シュウヤって言うんだ」
「いや、良いよ。気にしてねぇから。俺は神田カゲト。使用デッキは主に龍帝・古竜。ついこないだ復帰したばっかなんだ」
「あ、俺は宍道アキラ。使用デッキは主に剣獣。まぁ緑なら結構なんでも使うけど。で、シュウヤ...だっけ?あんたは何使うの?」
「あ、俺も一応古竜...かな。ウルトラマンがバトスピとコラボしてるって最近知って始めたんだ」
「へぇ。古竜...俺の知らない古竜...へぇ...ふぅん...ほほぉ...」
「おいカゲトやめろ。気持ち悪い」
「...あぁ!すまん。急で悪いんだが、お前さんのデッキに興味あるんだ、一回バトルしてくれねぇか?」
「エッ。アッハイ、良いっすよ」
「やったぜ!ちょっとバトルフィールド使えるか聞いてくるんで待ってて」
──────
──────
「やったぜ(二回目)、都合よく空いてたわ。ってことで早速宜しく頼むぜ、シュウヤ君」
「う、うっす」
「そんじゃ...せーのっ」
『ゲートオープン!界放ッ!!』
───────
復帰後二度目となるバトルフィールド。そして相手は古竜使い...相手にとって不足無し。魅せつけてやろうぜ、お前たち。
「宜しく頼むぜ、シュウヤ君」
「うっす、宜しくです」
そして先攻は...俺か。
「俺の先攻!スタートステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。出ろ、異魔神ブレイヴ!軽減無し4コスト、火魔神をLv1で召喚だ」
現れるは赤と緑の色彩をもつ影。片手に炎、片手に風を宿す、実体を持たぬ異魔神ブレイヴだ。
「へぇ、こんな現れ方すんだな。これでシンボルありゃ文句無かったんだが...まぁ無いものねだりしても仕方無いな、バーストセットしてターンエンドだ」
《カゲト》
Life:5
Hand:5→3
Reserve:<4>→0
Trash:0→<4>
Burst:◼️
Field:
火魔神Lv1(0)
「俺のターン。スタート、コア、ドロー、リフレッシュ...メイン。成程...バーストセットして軽減無し4コスト、タワーに集まる邪悪を配置!」
配置されたネクサス。現れるは─────
「...え?東京タワー?」
「そう、タワーに集まる邪悪は東京タワーだ!」
「ほげー...今にも壊れそうだな」
「ははは...バーストセットしてアタックステップ、エンドステップ」
《カゲト》
Life:5
Hand:5→3
Reserve:<5>→<1>
Trash:0→4
Burst:◼️
Field:
タワーに集まる邪悪Lv1(0)
「スタート、コア、ドロー、リフレッシュ、メイン。軽減無し3コスト、二月幼候レギフ・ギウム・キッズをLv1で召喚!」
二月幼候レギフ・ギウム・キッズLv1(1)
小さめのアメジストの結晶から六角形のアメジストを持った幼き誕晶神が現れ、その力でデッキの上から四枚が開かれる。
「召喚時効果によりデッキトップを四枚オープン」
オープン:煌雷帝エール・クレル 煌闇帝オプス・キュリテ 龍の覇皇ジーク・ヤマト・フリード(RV) J
「その中の紫の《煌臨》を持つスピリットカード一枚を手札に加え、残りはデッキの下に戻す。オプス・キュリテを手札に加え、残りはそのまま下へ」
オプス・キュリテのカードを掴み取り、残りはデッキの下へ戻っていく。
「あ。そこでバースト発動、双翼乱舞!2枚ドロー。メイン効果は使いませんわ」
「了解。いくぜ、レギフ・ギウム・キッズを火魔神の右側に
二月幼候レギフ・ギウム・キッズLv1(1)+火魔神 コスト3+4
「闇帝よ!転召より昇華し煌臨せよ!」
背後より暗き輝きが飛び立ち、異魔神の力を得た幼き誕晶神も呼応するように跳躍する。
「煌闇帝オプス・キュリテを...
宣言と共に、オプス・キュリテを合体スピリットに重ねる。
同時に暗き輝きと幼き誕晶神の姿が重なり、輝きは失せて、不吉なる黒き龍の帝が現れる。
煌闇帝オプス・キュリテLv1(1)煌臨中(二月幼候レギフ・ギウム・キッズ)
火魔神Lv1(0)合体条件を満たさなくなったので分離
「煌闇帝は系統:誕晶神を持つスピリットに煌臨するとき、ソウルコアをトラッシュに置かずに煌臨できる。煌臨時効果は意味がないので発揮しない」
「9コストが先攻2ターン目で...!?」
「おうよ、だが!驚くのはまぁだ早いぜ?」
「...え?まだあるの...?」
「当然。六色の輝きよ!今こそ集いて極光となれ!」
今度こそリザーブのソウルコアがトラッシュへ置かれ、背後から六色のジークフリードの姿をした光が、そしてフィールドの煌闇帝が飛翔する。
そして────煌闇帝と六色の光が重なり、極彩色の光を放つ!
「六色の龍皇集う時、世界は奇跡に包まれる。煌臨せよ、救世の龍!創龍神グラン・ジークフリード!」
光を裂いて現れ出でしは...圧倒的な存在感を放つ、それこそ『龍神』としか表現できない神々しさを纏った龍であった。
「...~~~っ!!宜しくな、グランジーク」
そう呼び掛けると、グラン・ジークフリードも応えるように咆哮した。
「な...こ、コスト12ぃ...!?」
「へへ、そう。初御披露目なんだ。いくぜアタックステップ!グランジークでアタック!BP15000、トリプルシンボル!」
「出てくるのが早すぎる...!フラッシュタイミング!タワーに集まる邪悪Lv1・Lv2効果!手札の『魔王獣』スピリットを破棄することで、そのアタック時効果を発揮させる!大魔王獣マガオロチを破棄してそのアタック時効果でBP5000以下の相手スピリット2体...火魔神を破壊!」
赤い光を纏う東京タワーから放たれた光が、竜の姿をとって火魔神を破壊した。
「さらに破壊したスピリット1体につき1枚ドロー...!」
「それがどうした!グランジークは健在だぜ!?」
「っく、ライフで受ける!」
「グランジークはトリプルシンボル、よってライフ三つ、貰い受ける!」
創龍神の一撃が、一気にシュウヤのライフを三つ削り取る。
《シュウヤ》
Life5→2
「アタックステップ終了、エンドステップだ」
《カゲト》
Life:5
Hand:4→2
Reserve:<4>→0
Trash:0→<4>
Burst:◼️
Field:
創龍神グラン・ジークフリードLv1(1) 疲労
「マガゼットン引けてれば破壊できたのに...!スタート、コア、ドロー!リフレッシュ、メイン...バーストセットして...1軽減3コスト、無幻魔人ジャグラス ジャグラー(魔人態)をLv1で召喚!そして召喚時効果でデッキトップ五枚をオープンし、その中の魔王獣を一枚手札に加える!」
無幻魔人ジャグラス ジャグラー(魔人態)Lv1<1>
赤黒い剣を携えた、黒い怪人が現れる。そして彼がその剣を振るえば、デッキトップから五枚が開かれる。
オープン:風の魔王獣マガバッサー 超大魔王獣マガタノオロチ マガタノ迅雷 水の魔王獣マガジャッパ 五賢龍帝ハドリアヌス
「...うーん、マガバッサーを手札に加えて残りは破棄で」
「うん、じゃあそこでバースト発動かな。こっちも双翼乱舞!2ドローさせてもらう」
「むぐ、2軽減1コストで風の魔王獣マガバッサーをLv1で召喚」
風の魔王獣マガバッサーLv1(1)
全身が青い羽毛か何かに覆われた、鳥のような怪獣が現れる。
「ジャグラスをLv2にアップしてアタックステップ、マガバッサーでアタック。アタック時効果で1枚ドロー。Lv1、BP2000」
「フラッシュ無いぜ」
「こっちもないっす」
「ライフで受ける!」
マガバッサーの急降下攻撃でライフを1つ削られる。
《カゲト》
Life5→4
「追撃したところでか...エンドステップ」
《シュウヤ》
Life:2
Hand:6→6
Reserve:<9>→1
Trash:0→4
Burst:◼️
Field:
無幻魔人ジャグラス ジャグラー(魔人態)Lv2<3>
風の魔王獣マガバッサーLv1(1)疲労
「スタート、コア、ドロー、リフレッシュ、メイン。宣言しよう、これがファイルターンだ!グランジークにコアを二個乗せ、軽減無し4コスト、マジック・ライフドリームを使用!このターンの間、自分の黄のスピリット全てに『このスピリットのアタック時 自分のライフのコア一個をこのスピリットの上に置くことで、このバトルの間、このスピリットはブロックされない』を与える」
「なっ...!?そうか、グランジークは全色のスピリットだから...!」
「その通り!アタックステップ!グランジークでアタック、アタック時に俺のライフのコア一個を置くことでこのバトルの間ブロックされない!」
創龍神グラン・ジークフリードLv2→3<3→4>BP20000→25000
俺のライフの加護を得て、創龍神が虹色の光に包まれる。
「ぐ、くっ...ライフで受ける!」
「ありがとうございました、いいバトルでした...なんてな。またバトルしてくれよな!」
「今度は特撮ファンとして絶対に負けないからな...!ぐっ、うわぁぁっ!!」
創龍神の一撃が、シュウヤのライフを全て奪いきった。
WINNER:神田カゲト
Congratulations!!
───────────
「ふう...対戦ありがとう、シュウヤ君」
「こちらこそ。あ、シュウヤで良いんで」
「じゃあこっちもカゲトで良いよ」
「え、いやぁ...遠慮します」
「なんでだよ...」
「うーん...なんとなく...?」
「えぇ...にしても魔王獣って面白い動きすんのな」
「タワーに集まる邪悪のフラッシュ効果でアタック時効果使ったり、切り札でアタック時効果てんこ盛りにしたりするのがこのデッキの特色なんで...」
「はえー...たまげたなぁ、マジかよ」
「マジです。こっちこそあんなポンポンデカイの煌臨されてびっくりさせられたんですがぁ...」
「まぁそういうデッキだからね、諦メロン」
「マジでマガゼットン引けてればなぁぁ...!」
「マガゼットンは何すんの?」
「アタック時効果で15000以上を破壊して破壊できなきゃ1ドローする」
「え、それ東京タワーで撃つと強くね?」
「それがしたかったけど引けなかったんで負けましたぁー」
「あ、そういう...」
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バトルスピリッツ 獄焔 第三話 了。
如何でしたでしょうか?容赦なく叩き潰してくれとの御要望でしたので今回のシュウヤ君の右手は光らないようにしました。
次回登場時はバージョンアップしますので乞う御期待です。