自分が通うとある高校の入学式当日、山咲は寝坊した。急いで着替え、学生寮から出発した。目覚まし時計が不幸にも壊れていたのだった。高校に向かって急いで走り続る。
山咲が学園都市にやって来たのは、一ヶ月前のことだった。田舎から出てきた彼は電車の混雑に驚いた。それが初めに学園都市で抱いた感情となる。ドラム缶型の警備ロボットや掃除ロボット、自動販売機で発売されているよくわからない飲み物など山咲は好奇心でいっぱいになっていた。
学園都市という新天地に期待する事は三つ。
一つは、自分の悪名を知らない土地で普通に過ごせるかも知れないこと。
もう一つはもしそれが叶わず、喧嘩に巻き込まれる事態になってもテレビで見たような能力者が跋扈しているならば、自分は化け物と呼ばれずに済むのではないか。
最後の一つは、この街でならば、全てを諦めていた自分自身の存在に、あるいはこれからの人生に僅かなりとも希望を見出す事ができるのではないか。
まだ、自分はこの街を知らない。
こうして学園都市に一人の少年がやって来た。
そして、現在に至る。
「やばい・・・、入学式早々に遅刻だ!!」
ダッシュで大通りを進む。電車に乗れば間に合うのだが電車通学は校則で禁止されている。律儀に校則を守る山咲だった。変わりに学校が経営する料金が馬鹿高いスクールバスの利用を推奨されている。
当然スクールバスにも乗り遅れてしまった。初日からこんなことで大丈夫なのかと内心思うのだった。
突然、どこからか大きな声が聞こえた。
「不幸だー!!何で目覚まし時計が鳴らないんだよ!?ちくしょう!」
そして、その声の主はツンツン頭の少年だった。ツンツン頭は道の右の角から突然飛び出してきた。しかも、ちょうど山咲とぶつかる位置だった。
「あっ!!」
「なっ!!」
しかし、山咲はぶつかる瞬間に思いっきり身体を後方に跳躍させた。一歩、二歩
と、それだけでははまだ足りぬとばかりに、水中で逃げるエビのような勢いで後方へ
と下がる山咲。山咲はツンツン頭に警戒の目を向けた。
「悪い、大丈夫か?」
「お、俺は大丈夫だよ。そっちこそ大丈夫?」
「俺も大丈夫だ。それにしても、お前すげえ動きだな?何かスポーツでもやってんのか?」
「いや、特には何も。」
「ふーん。それにしては・・・ッて!?それどころじゃねえ!! 入学初日から遅刻なんてシャレにならねえよ。 あ~、くそ不幸だー!!」
ツンツン頭は頭を掻きむしりながら叫んだ。改めて、走りだそうとしたとき、山咲の
方を見た。
「この道を行くってことは、お前俺と同じ高校か?」
「えっ?うん。ちなみに俺も新入生だよ。」
「だったら、こんなとこで突っ立ってないで急ごうぜ!」
「そうだね。急ごう」
二人は同時に走り出した。
「お前名前は?」
「山咲主税。」
「俺は上条当麻。よろしくな」
「うん、よろしくね。」
その日、初めて山咲に人生初の友達ができた。
結局、二人とも遅刻をしてしまい。ピンクの髪の幼女先生(身長135センチ・外見十
二歳)に説教をくらったのは言うまでもない。
小説を書くの難しいですね。