ポケ×ぎじ 蒼鋼少女   作:緋枝路 オシエ

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ある意味作中最強キャラの登場です。

今後の出番があるかは知りません(


Segment・tri――危険な女

ホウエン最大のショッピングモール、ミナモ百貨店。

 

 売り場面積はホウエンで堂々の一位。

 

 専門店が四百以上、年商・売り上げ・総合評価は二位以下に大差を付けて、「おいでよっ! ホウエンの地!」なる地域の魅力を伝える番組では、確実に紹介される。

 

 タマムシデパートやコガネデパート、トバリデパートとは永遠のライバルで、年々切磋琢磨しながらお互いを発展しあい、時には協力して新商品を生み出しコラボするなど、他地方とも良好な関係を築き上げている。

 

 あえて気になる点を(無理矢理)捧げるならば、あまりにも巨大すぎて初見でなくとも迷子になってしまいやすい点か。

 

 ちょっと覗き見、ウィンドウショッピングだけのつもりが、いつの間にか財布の中身がフワンテ状態。

 

 数多の誘惑が待ち構えている悪夢の巨城なのだ……間違っていないのがまた。

 

それだけ品揃えが凄くて遠方から買い物に訪れるなど、重宝されているってコトです。

 

(メタグロスさんのお部屋を彩るインテリアや、生活雑貨は買い揃えてジックさんが運んでくだりました。次はいよいよ……)

 

  少女をメコンに任せて、ジックは荷物と共に一足先に帰還している。

 

 理由は……男性が何の役にも立たなくなってしまうからだ! ねっ、分かるでしょ。

 

 Hカップの青いメイドさんの隣では、チマッとした擬音が鳴り、歩行の度にトテトテ足元から効果音が聞こえてきそうな蒼い鋼の少女。

 

 胸の自己主張は生意気すぎるまま、様々な商品や激レアなポケモン故に浴びせられている視線の渦など、全く気にせず何を考えているのかも分からないまま、無言で目的の店を目指す。

 

 本人はやっぱり「必要無い」と短く言い切ったが、女子である以上――男子でもそれは不味いのだが――絶対に必要あると、三人の女子群が説得してくれた。

 

(あの子メタグロスじゃね? すっげぇ……初めて生で見た! 可愛い~!)

 

(隣の子はジックん家のメコンちゃんじゃん。てことはジックの奴がゲットしたのか? くぅ~~羨ましい! 何処でゲットしたか聞きにいこ~!)

 

(ロリ巨乳ハァハァ……無表情ハァハァ……ツインテハァハァ……オレのマダツボミの塔がヘドロウェーブしてしまうッッ!!)

 

 純粋なる羨望の眼差しから、無粋で不埒で淫欲に塗れた眼差しまで。

 

 メコンが守るように立ち位置を変更したり、メタグロスへと質問してくる者が居れば「今日は普通にお買い物しているだけので」と、丁重にお断りしたり芸能人のマネージャー気分である。

 

 そんなメイドさんも、おっぱいに視線が注がれまくりなのだが!

 

「……………………」

 

 メコンの気遣いなど、この子には届いていなかった。

 

 ホウエン最大のデパートには、ホウエン最大の下着売り場だってあるのですっ!

 

 人間用は当然、人化したポケモン用まで実に五百を超えるラインナップ。

 

 材質からデザインまで多種多様、千差万別、ここ以外の下着売り場は「ミナモに来れない人向け」とさえ言い切ってしまう自信の表れよう。

 

「ようこそニャン♪ この下着売り場で働いて十年のベテランになっちゃった、ニャルマーのセリーヌだニャン♪ あらぁ~~! メコンちゃぁ~ん、またおっぱい大きくなったのかニャン? この前新しいブルーハワイ色のオーダーメイド品をウチで」

 

(ひゃぁぁんッ!? 止めてくださいセリーヌさん/// あっん!? 揉み揉みも止めてくださっンッ……❤ ヒャゥ……ッ❤)

 

 わざわざ自己紹介ありがとうございます。

 

 ハイウェストのフレアスカートから、スプリング形状の尻尾を出しているコスチュームを纏う、柔軟性あるスレンダーボディに、薄化粧を施した二重まぶたのお姉さんは、【百合が潜む二階】と恐れられ、尊敬される下着売り場の主的な存在である人化ニャルマー。

 

 入店早々、待ち構えていたかのように神速出現したセリーヌは、自己紹介しながら手と尻尾を巧みに使って、ギガ爆乳抱き枕ボディのメイドへとお約束のおっぱい測定。

 

 ズッシリ、ドップリ、男性トレーナーも♂ポケモンも鷲づかみしたくなる、しあわせタマゴは此処にあった!

 

合法的に(本人は許可してない)下から支え、弾む感触と悶えるメコンの表情、氷菓よりも甘くなりつつある息遣いを楽しみながら、ガムのように纏わり付くバネ尻尾で、胸部を中心に扱き始め――

 

「...これ以上は成人向けになりそうだから、これくらいにしておくニャン♪ このメタグロスちゃんの下着をお求めかしらん?」

 

「ハーッ、ハーッ……そ、しょ、そうれす……サイズ……測定お願い……しまひゅ……❤」

 

 語尾に「❤」がくっついちゃう、強制百合百合ワールドは閉会して本題に移る。人目を気にせずヤッてしまう辺り、セリーヌはそういう意味でもベテランなのかも。

 

(あらまぁ! 小柄な体型なのにお胸だけはドドーンと……ジュルリッ……ロリ巨乳メタグロスちゃんのスリーサイズを測れるなんて、今後二度と無い大チャンスだニャ……ニャ!)

 

 バネ尻尾を激しく伸縮させながら、少女に萌えていた男性よりも鼻息荒く、目をカッと見開いた淫獣その物な瞳となり、いそいそと少女を試着室へと誘導する。

 

(ハフッ、ハフぅ……あの子大丈夫でしょうか……セリーヌさんはいい方ですが過剰なまでに胸を……されちゃうので)

 

 下着を買い換える度に、百合ニャーさんに色々触られてるけど慣れはしない。女性に触られて快感を得てしまうなど……

 

 爽羽佳やネリは可愛がられているが、一切身体には手を出さないので【大きい方が好き】なのかもしれない。何の役にも立たない情報であるが……

 

(ウヌッ! ブブッ! この子ノーブラニャン!? 私も変な声出ちゃったニャン!? 変な声と一緒に別の物も出そうになっちゃったニャあンッ! ふおほおおォ……! イカ腹ロリ巨乳ツインテクールガール萌えニャあああ! どんだけ属性詰め込んでるニャああああ!! 下の方も穿いてないニャんっっ!! それどころかはえてなさそ――フヒュホッw)

 

(…………まだ終わらないですっ、暇ですっ…………)

 

 デパート内で最も危険な女と、二人っきりの空間でメジャーを巻き巻きされているのに、動じずに欠伸をする少女も凄い。

 

 ガラスの彫刻を思わせる透き通りながらも、触れてみたらツルンッ。ザラ付きが一切存在しない卵肌は重厚なメタグロスのイメージを根底から覆す。

 

 それでいて蔑むような(実際されてるんだけど)無機質に心臓を抉る視線、お前の血も加えてやると訴えるかの如く深紅に燈す瞳。

 

 メカマニアが垂涎する精密機器っぷり、彼女はアンドロイドかサイボーグか、少女からは生き物たる「香り」がしないので、言われてしまえば信じてしまいそうだ。

 

(しゅ……しゅごいニャ、アンダーとトップの差が凄まじぃ! ウエストは細いよりも単純にお肉がなさ過ぎるニャン! ヒップも外見年齢相当ニャ、やっぱりバストだけが突出してるニャッ! これは理想のロリ巨乳ニャァァ!! ファーーフォーーwwwFカップだけど限りなくGに近いニャwwwうはニャw)

 

 お仕事中なのに草生える、下着売り場で働きたいと懇願し、十年もの歳月が流れた結晶体がこのメタグロスなのかもしれない。

 

「メタ子ちゃん、貴女のバストは8……でウエスト5……でヒップが……ニャンッ! カカカカップはFだけどキツキツになっちゃうニャん! お姉さんと一緒にもう一個大きいサイズの中から選びましょうニャン!」

 

「はぁ……ハイ」

 

「メタ子ちゃん可愛いから、全品九割引にしちゃうニャん! だからまた来て欲しいニャん! お姉さんとの約束ニャああぁ!」

 

「……………………」

 

 セリーヌのテンションに付いていけず、無言のまま腕を引っ張られて、ホウエンだけに海の如し広さを誇るGカップゾーンを連れ回されて、無表情のままだが、内側は結構クタクタになってしまった。ある意味バトルよりも疲れた……

 

メタグロスが選んだ下着とは、果たして――




下着の判明はもうちょっとかかるんじゃ!
身長145cmでFカップとか、もの凄いロリ巨乳設定にしちゃいました。

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