130番水道に極、極、極々稀に出現するまぼろしじま。
島自体が蜃気楼と同じ概念を持つ、ソーナノの秘境……らしい。
新たなる幻島二つは109番水道に在り! トレーナー、いや……男たる本能に従ってジックは上陸を試みた!
「…………ふにゃぁ♪ 海面を漂うメノクラゲさんの真似……ですね♪」
その幻島には所有者が、創造主が居たらしい。
先程ジックを呼んでいたのは『エッチだからHカップ』ともっぱらその手の業界で話題にされている、清楚系巨乳メイドのメコンであった!
ヴィヴィと言うロリ体型にデカ乳、相反する属性を融合させた強力な伏兵が仲間になったのでメコンはそろそろ、巨乳ではなく爆乳にランクアップした異名へ変更しなければならなくなった。
(二人きり……これってデ、デートになるのでしょうか!!? 皆さんも海水浴に来ておりますが、今はジックさん以外誰も居ませんし……図々しいでしょうか……///)
大きいお山が二つ、まったりぷ~かぷか。
エラ呼吸ならぬ乳呼吸、最も付き合いの長い仲間で〝お母さん〟とか〝嫁〟とか冗談交じりに色々な人から言われちゃうモンだから、官能的な妄想に浸ってしまいお風呂の時間が長引いちゃう……清楚と言う属性も通じなくなって来ているロケットおっぱいメイド。
「うっ、うっ……あんまり肌を見られない水着ですみません……」
種族柄の、ぷんにょりしたお腹周りは、なるべくなら同性にも見られたくない物だ。
彼女は非常に気にしており、ゴーグル越しから瞳をウルウルさせながら、エクササイズをしたって効果は殆ど無かった。
メコンが気にしすぎているだけで、実態はランターン種としては〝普通〟
背が高い点も支援して、ぽっちゃりでは断じてない!…………けど、1ミクロンでも、1ミリミクロンでも、細く魅せたいと思うのは女の子なので、理解してあげましょう。
自信無いからと体型をカバーする為に、レモンイエローの大判パレオをやや高めの位置……おヘソが隠れる辺りで巻く。
しかし脚にはコンプレックスが無いので、せめて少しは露出したいと膝上からのスリットが入り、尾の邪魔をさせず彼女の大人っぽく穏やかな印象が映える。
布面積が広いホルターネックタイプのビキニを選択。下着と同じでHカップが収まるビキニなど無いに等しく、皆より一足先にオーダーしておいたので柄などは拘らず、彼女のイメージカラーであるマリンブルー。
パレオの黄とビキニの青、一心同体である色彩は喧嘩せずに、髪やゴーグルの色と合わせラムネの様に喉越し爽やかな夏色。
谷間もなるべく隠せるデザインとなっているが……露出度は低い(エロくないとは言ってない)である。
逆にぴっちり、ピチピチなので今にも横乳がっ、前乳が、あぁ上乳も! 零れそうで零れない!
海の香りがする青髪ロングもハーフアップにアレンジ。右の手首には青をベースに黄色のストライプを刻んだシュシュ、お手軽アクセサリのワンポイント♪
清楚系でお上品な王道のヘアスタイルは、お祝い事にお呼ばれの際も、華やか好印象。
「ジックさん♪ あのっ……後で一緒にパ……パフェ……食べませんか……///」
「い゙ッ゙!? いいよいいよ! 食べよう! トロピカルトロピウストロピカーナパフェだっけ? 名称長過ぎだよなぁ~ハハハ!」
仰向けになっていれば『バチュルの無人島生活』なんて、企画を立案出来そうなハイパーバストは、上下左右どこかへ倒れ込む……
そう思っていた時期が、ジックにもありました。
(二度見どころか六度見しちゃうよ……すげっ……)
彼女のおっぱいは兵器である。
インポッシブル……『ありえない』
海上へ建造されたミサイル発射基地じゃないかっ!?
トクサネ宇宙センターの皆様もビックリビンビンッ、男達の夢とロマンを乗せて、海空へと打ち上げられるのだから、隕石が落ちて来てもホウエンは無傷だろう。
メコンは長所が多すぎる、隣に居て最も安心する手持ちであり、最も異性として意識してしまう……それは言い切ってしまえる。
「……ジックさん? どうしましたか?」
「んっ……、ねぇメコン? ダイビング使って貰っていいか? メコンとならずっと水中に潜れるし……海面だけじゃ海を堪能しきれないなぁ、てさ!」
「…………♡ えへへっ……♡ では私の手を握ってくださいね……ぎゅぅ……と、あっ、もっと力を入れて欲し……んっ……♡ 静かな光差し込む瑠璃色の世界へ……貴方と一緒に…………」
貴方に眠る気持ちは、何色ですか?
男らしく表面の硬い手を握って、照れながら呪文を詠唱する風に「ダイビング」と呟けば、二人の身体は直径二メートル程の気泡に包まれ、ゆっくりと壮大な『もう一つのホウエン』へ潜水。
三つ編みに結ったチョウチンライトを、点火させずとも透き通って覗けた海中は明るい。
手を離さなければ泡が分離する事は無い、逆に離せば分離後すぐにダイビングの効力が無くなり、浮かび上がってしまうので指まで深く絡ませた、恋人繋ぎするくらいじゃなければ…………
大チャンスなので両手で掴んじゃう!
ジックが一層低い声で唸ったけれど、偶~に積極的におっぱいごとガンガン迫ってくるメコンだ、今がその時なのだろう。
宝箱は転がってないけど、海底はその景色こそがおとぎ話に出てくる、マーメイド達の楽園。
美しい珊瑚礁で囲まれた道をお散歩♪ こればっかりは他の手持ちには真似できない、まさに水を得た魚。
珊瑚礁の中には時々サニーゴも混ざっており、笑顔でジャンプしながら二人のデートを応援してくれている。
(いいカップルだなぁ…………てそんな/// いい夫婦っ!? いえあのっ、私達はまだ結婚して/// じゃあ将来的にするのかって……あの、そのぅ…………///)
(サニーゴ達とどんな会話してるのこの子…………)
メコンはポケモンなので、ヒューヒュー冷やかされているのに対して、律儀に返答しているけどジックには彼女がまん丸ライトまで、赤染めしてる理由がイマイチ把握出来ない。
…………嘘、サニーゴ達はマッギョとそっくりな顔芸してるから、言葉は伝わらずとも推知出来ないほど鈍い男じゃない。
恥ずかしがっているが、とても嬉しそうなので、このままにしておこう。
「シンコンリョコウか?」
「そっ゙! しょ゙!? しょうれすね♡ 新婚リョコーはホーエンの海底イッシューがいいれふねぇ♡♡」
人化しているラブカスの少年まで悪乗りし、噛み噛みで対応するメコン。
カップルがラブカスと出会えば、永遠の愛が約束されているという(図鑑参照)
正式カップルではないので、叶うかどうかは本人達次第であるが、はんなりおめめを渦潮させながら、泡の中だっつーのに溺れかけているメコンを正気に戻すのでジックは忙しい。水タイプなのによく溺れる子だ……
「ヨメをヤシナウのはタイヘンなんだな」
(キミ、ちょっとうるさいぞ……)
二人は気に入られたのか、海底デート中ずっと後ろからラブカスは付いて来ていた。
しょうきに もどった メコンも、二つの意味で胸を弾ませながら両手で握り続けている、ひんやりクールジェル枕の様な冷感お手々を、決して緩めたりはしなかった。
この章だけで「おっぱい」の単語を、何百回使ったんだろう...