おっぱいは忘れてませんよ、おっぱい!
そのポケモンはサングラスを装着し、ビーチサイドチェアで寝転ぶ。
波の歌声と人獣の混ざる、オフビートな曲調をラジオ代わりに、独特な土壌から厳選されたるサイユウシティから、今朝取り寄せたばかりの熱帯果物の盛り合わせ。
サイドテーブルでオーダーした本人よりも存在感があり、果長も彼を追い越してしまっているフルーツは、ブーケを模しており浜辺に実り咲いた虹色の花♪
「ミノッ!」
マイクロビキニ姿で働く、海辺のウェイトレスさんがフルーツをグラスに差し込んだスムージを運んで来てくれたので、過激な水着や破裂しそうな双丘に色目を靡かせる事もせず、クールに一言感謝を告げる。
「この果物の花とスムージーは、かたくりこが注文したの? どうやってしたし……てか、あんな水着で働くのっていくら海でも、アウトだろっアウト……」
「ミッノッ……?」
でも政府には許可されちゃっているんですよねぇ~……ポケセンのコスチュームと言い、上官の趣味は我々と大差無い、人間だもの。
実は女の子達も声を掛けられたいから、辱めの様な格好で夏の思い出と彼氏をゲットしようと、奮起しているらしいのだが。
「なぁ、かたくりこ?」
「ムシャミノ、ムシャミノッ……ミノッ?」
3← こんな口の中に、吸い込まれていく見栄えとボリュームがたっぷり華やかなブーケ。
触覚を使ってジックへフルーツを渡しながら、右側面から削ぎ落とし次は左側面……頂点の果物が倒れない遊びもしている? 海だけに棒倒しを意識してるのかもしれない。
「フエンでの事、力を貸してくれてありがとうな! お前が居なかったらヴィヴィを助けられなかった……」
「ミノォ! ミノミ~ノ☆」
『そりゃ助けるさ、仲間だからな!』
……多分、そう言ってくれている気がした。
率直にズバリ言ってしまえば、ミノムッチは貧弱なポケモンだ。
自力で習得出来る技は片手で足りる、おしえわざで補強したって「誰を倒せるの?」なまでに能力値も悲惨。
進化前ポケモン全種類の中でも、下から数えた方が早く、そもそもが戦闘用のポケモンではない。進化後に期待を抱く通過点。
例えめざめるパワーのタイプが水であっても、キュウコンやコータスなどの炎ポケモンには太刀打ち出来ないのが現状。技の威力を低減させることも叶わず、めざパごとミノムッチは炎に飲まれて戦闘不能だ。
それが普通……であるのに、常軌を逸した奇妙奇天烈な強さを持っているのがかたくりこ。
めざめるパワーは、そのポケモンが生まれ持って身につけた潜在能力に応じてタイプを変化させる技であり、途中からタイプを変更させるのは絶対に出来ない芸当だ。
彼は現在判明している17種類のタイプ、全てを自由自在にエンチャントし相手の弱点を、確実に突けてしまう。
これだけでも十分常識外れの蓑虫だけど、そんな固有能力?……が備わっても、ミノムッチの特殊攻撃力は先述した通りだ。勝っているポケモンを探す方が難しい。
(あの威力……特攻に優れたヘルガーやバクーダのかえんほうしゃを、真っ向から打ち消し貫通させていた……強いのは分かってたけどあれ程とはっ……)
実力的にはそう褒めるところは無かったチンピラ達だったが、群れを成していた炎ポケモンにミノムッチが対抗出来る術は無い。普通であれば……
寧ろ軽々と蹂躙していた、地表をスケートで滑る様な速度で翻弄し、一発のめざパ球でダウンさせていく姿、ヴィヴィと一緒に走っていたからあまり見られなかったけど、自分の手持ちと何ら劣らぬ戦闘力を久しぶりに披露させていた。
積極的に戦いたがらない理由も、少しは分かった気がする。彼は自制しているのだろう、この力を使うのは仲間がピンチに陥った時限定にすると。
最終進化形態ですら一方的に倒しかねない、謎のベールに包まれた能力を持つかたくりこ。
ジックメンバー唯一の♂は、こう見ていると通常のミノムッチより、トボけた顔してグラスを舐めている赤ん坊なのに。
「かたくりこ……お前ってシンオウの育て屋さんから貰ったタマゴから孵化したんだけど、その時はミノムッチのタマゴが出来る環境じゃなかったんだってさ。…………前触れ無くタマゴが転送されて来たらしいけど、それは
――――」
「あーー! かたくりこ発見したニャ~! ホイッ、サーブニャ!」
「かたくりこってぇ~! ビーチボールにピッタリのサイズじゃん? はいっ、ヴィヴィちゃんにト~ス!」
「…………ではメコンさんに……」
「けぷっ…………ミノッ゙!? ミノ~ォォンッ! ミ゙ィ゙ノホホォォオ゙~~ン゙ッ!!」
フルーツを食べ終わり、ゲップしながら腹を膨らませていたかたくりこ。食欲もミノムッチとしては高レベルだ。
サンダルで未開の砂に足跡付けながら、手持ちの女の子四匹が集まってきて、かたくりこをボールに見立て、ビーチバレーを開始させている!
今回も彼の謎は解けず仕舞い、あのタイミングでネリ達が現れたのも腑に落ちないが、まぁ、いっか。
掛け離れた能力を持っていたって、かたくりこがジックの手持ちであり、仲間である事実は変わらないのだから。
「え゙っ゙!? え゙っ~~~~!! キャッ、キャッチですぅ~~!」
バレーでキャッチは反則行為です。
だがスポーツに詳しくないメコンは、そこんトコ分かんない!
運動神経もニブチンなので、キャッチ――とか言いながら繰り出したのはアンダーハンドパスの姿勢――もうめちゃくちゃ、しかも腕にボールは掠りもしなかった!
仮にボールを腕に当てていても、そのまま顔面にブチ込んだ自爆の可能性は高かったであろう。
「あっ…………♡」
「…………ミノォ…………♪」
パスは不発に、キャッチも出来ず仕舞いだったが、それはメコンが海に来た時点で約束されていたシナリオ。
ヒュルルルルッ~~…………砂に埋まって次はスイカ割りの的にでもなってしまうのか……(><)顔になりながら、玩具となり辱めを受けている蓑傘を、脱ぎ捨てる勢いで着弾――――
――――したのは、メコンのエッチな縦長おっぱいが産出した谷間であった。やっぱりね☆
バレーは手でキャッチするのが反則なのであり「おっぱいでキャッチしたらダメ」と言うルールは定められていないので、自らの武器を活かした戦術の一つとして成り立つ。
勿論、こうなったのは偶然の産物。
パイキャッチした張本人は、ここからどうすれば……ゴーグルの上からでも潤付きが分かる瞳で、ジックへSOS。
人化しない利点の一つ、0.2㎝ばかりの身体で良かった~、おっぱいに挟まれ埋もれる事が好きなかたくりこは、ハプニングをサプライズに、ボール代わりにされた事は水に流してやると、ネリ達へ感謝している始末。
「……えっ、えっと! そのまま前方へ打ち出してメコン!」
「ハッ! ハイィッ! そぉ~~れぇ~~!」
どんな指示出しだよって、自分でも突っ込みせざるを得ない。
気の抜ける威勢と共に、おっぱいカタパルトから射出された蓑虫の次なる標的……いや、座標は
「みィ゙の゙おおお゙お゙おほっ! ほォおお゙ぉぉ~~♪」
何て速度だっ、身体が燃えちまいそうだっ……!
燃え尽きてもパイ包みされるのであれば本望……エロなのか、純粋な想いなのか、段々怪しくなっていく彼の包まれ願望。
お母さんのお腹の中と、おっぱいの感触と暖かさが似ているからお気に入り? その辺りは未解決で終わりそうな疑問だけど、青いおっぱいから蒼いおっぱいへ、跳躍するミノムッチはキスする様に唇の 3 を伸ばし――
「ぶ ぁ゙ッミ゙ ッ゙!!? ノ゙ ッ゙! オ゙ォォオオ…………カクッ…………」
「させませんよ? わたしを見つけてくださった件は、感謝してますがセクハラして良い理由にはなりません…………」
ヴィヴィの コメットパンチ!
こうかは ばつぐんじゃないけど ばつぐんだ! かたくりこはぜつめいした!
唇に彗星鉄拳をのめり込まされ、Fantasticで、Fantasyがぎゅうぎゅう詰めになったFカップへの到達は許されず……かたくりこのしょうがいは ここでしゅうりょう してしまった(生後0~1歳)
バカンスだけでなく何かとバトルに繋がりやすい109ばんすいどう。
カイナシティのポケセンまで、歩いて15分くらいだが利用者の手間を省くために、出張サービスとしてほぼ毎日小規模スペースながら本店と同一な医療機器を備え付ける、ナース帽を被ったタブンネ印のテントへ連れて行く。
パン屑を落とすグレーテルならぬ、道筋を鼻血で印すかたくりこ。
ぽっくり逝かれてしまったが、回復装置に収まれば1分足らずで元通りになってしまう。
この世で最も有り難い施設は、この世で最も恐ろしい技術で成立している……全ての原理はトップシークレットだ!
ポケモンセンターって給料良さそう...でも倍率凄いだろうなぁ。