ポケ×ぎじ 蒼鋼少女   作:緋枝路 オシエ

31 / 73
盗賊時代のネリちゃんニャ~よ


Segment・penta――リビジョン

――――これはインフィスが19歳、ネリが12歳、初対面の回想――――

 

 

 こおり きらめく ふゆのまち

 

 

 万年雪が降り積もり、吹雪や雹が行く手を阻むので来訪客すら珍しいキッサキシティ。

 

 …………の、西側には「叡智湖」と書いてエイチこ、伝説のポケモンが潜り棲まうとされている畔があるのだが……

 

「ニュラハハハッ! あの町の連中はボンクラばっかりニャ~ね! 遠路遙々した甲斐があったニャあ、雪市とかネリちゃんからすれば獲物の巣窟! ひかりのいしまでパクれるとは、ネリちゃんの特性はきょううんだったのかニャ?…………ニャ~んて! ニュラハハハハッ!」

 

 天候の影響があり昼夜問わず、キッサキ周辺は薄暗いのも好都合!

 

 まだマニューラに進化しておらず、身長もお胸もワンサイズ小さかった頃のネリ。

 

 物心が付くよりも先に、両親も友達も居ない事に気がついてしまった、名前の無かったニューラ。

 

 その日を生きる為に必死な黒い少女は、窃盗、スリ、万引き、密売……罪悪感など湧かない、生きる為に何でもやった。

 

 何時しか生きる為のついでに、ゲーム感覚をプラスさせ「今日は○○円稼ぐ」とか「今日は○○個盗もう」など、一般常識など知ったことじゃない顔のネリは目標を定めて遊び始めた。

 

「メタルパウダー、すくすくこやし……このバッグはショボイ物しか無いニャあ……おっ♪ こっちはしんかいのキバにエレキブースターに……結構高値で売れる進化アイテムが入ってるニャ~ね♪ するどいツメがあれば、ネリちゃんは進化出来るのにニャあ」

 

こおりのつぶてのバリエーションの一つ、短剣を象らせ盗み回ったバッグやリュックを引き裂いて、中身だけを頂戴していく。

 

 きんのたまが2個、おだんごしんじゅが1個、怪しい用途に使われそうな道具も住処に保存させ、食料が尽きたらトバリシティにでも売っ払いに行けば、また一ヶ月分の食料はゲット出来る。

 

「勿論、トバリまでの船には密航ニャ~! ここら一帯のニューラ達はネリちゃんの子分にニャったから、見張り役にも困らニャいし! 機嫌取りの意味も込めて、アイツらにカボチャスープでも作ってやろうかニャ? あ~、カボチャの代わりにカチャのみを使おっかニャ~! 一昨日パクったリュックにホズとかギネマとか、シンオウでは珍しい――――」

 

 

「失礼するぞ、コラコラッ、そこの派手な格好のニューラ? 未会計の品を沢山持っているじゃないか?」

 

 

「う゛ぁ゙ ニ゙ュ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙??!」

 

 

「そこに落ちている手提げ袋には、盗難届が出されている。黒いポケモンに財布や持ち物を奪われたと、キッサキシティは騒ぎになっているが……貴女の仕業らしいな?」

 

(子分達がこの洞窟までの道を塞いでるハズニャ!? 全員ぶっ飛ばされたって事なのかニャッ!?)

 

 ネリとインフィスの初顔合わせは、最悪のシチュエーションだった。

 

 盗みを働いている事がバレた!

 

 集団で襲いかかりレベル的には、一枚上手のポケモンすらボコれるニューラ達を一匹残らず瀕死にさせ、親玉である自分の住処へズケズケと土足で入り込んできた人化……種族は分からないけど♀ポケ。

 

「私の名はインフィスだ。キッサキ市場から貴女が逃げていくのを見かけたのでな、追ってみたらこういう事だったか。……盗みが良くないのは一般常識だろう? 私と一緒に謝りに行こう、許して貰えるように私からも」

 

「(ネリちゃんの姿を捉える奴が居たニャんて……追われてるのにも気づかんかったニャ……)…………ねーちゃんニャあ? 事情も知らニャいのに正義面せんで欲しいニャぁ~? 特性がせいぎのこころってギャグは必要ねーニャ。……ねーちゃんはポリ公の回し者かニャ? それとも何もしなくたって安全に日々を過ごせる、トレーナーの手持ちかニャ?」

 

「違うぞ、おやである主を失い武者修行を続けている、渡り者……とでも言おう。あぁ、妻折傘と道中合羽に爪楊枝は咥えてないぞ」

 

「……………………へー、野生の癖に名前があると思っちまったニャ。ネリちゃんは自分で名付けたけどニャ~」

 

 最初から頼れる者が居ない自分、この中華民族チックな衣装を着たポケモンは、〝元〟トレーナーの手持ち。

 

 どちらが悲惨なのかはどうでもいい、大切な存在を失った事の無い……いや、持てなかったネリは誰かの手持ちになる、選択肢はずっと昔に抛棄してしまった。

 

 盗むこと自体に罪悪感は無い。だが、トレーナーのポケモンになれば遅かれ早かれ、過去が洩れ出し捨てられる……また野生に逆戻りとなってしまうに違いないっ。

 

「ケッ……! 今日がずっと続くと思ってるねーちゃんに、ネリちゃんの気持ちが分かって堪るかニャ!! バレちまったらねーちゃんの身包み剥いで――――」

 

 

「口数が多いぞ?」

 

 

「――――!゙?゙ ニュラ゙ッ゙!? ラ゙ッ゙ニュ゙ァ゙! ちょっ……ねーちゃんやめっ゙……ニ゙ュゥ゙!」

 

何時動いた!? 

 

機動力に重点を置いたニューラ種は、一撃が致命傷となるので基本的に相手の攻撃を受ける前に倒すか、躱し続けなければ簡単に下克上されてしまう。

 

 攻めよりも避けに全身全霊を注ぐ、これは勝てないと思った相手は自慢の素早さで振り切ってしまえば、収穫は無くても命だけは守ることが出来る。

 

「ならば更生するか?もう盗むのは止めると言えば――」

 

「ぜっ~~たいイヤニャ! んべっ~~ニ゙ャブッ!? ニ゙ャンッ!? ニュベベぇ゙~~!!」

 

「じゃあ止めぬ、真面目に働けばいいだろう?」

 

「ヘッ! こっちのが簡単に大金が手に入るんニャ! 汗水垂らすのはどっちも変わりニャいんニャ! バッカらしい労働なんざできニャ゙ヴ ァ゙ !? ニャベ ヴ ィ゙ ァ゙~~ッ゙!!?」

 

 まず洞窟から突き落として……ネリが頭と脚と爪を同時に働かせる前に、白と紫のポケモンは壁に向かって一人キャッチボールの練習を始めた。そのボールはネリだけど!

 

「もう降参するか?」

 

「いやニャハァァァ…………きぼっ、ぎも゙ぢ わ゙ る゙ ぐ……にゃ って…………ッ……いでぇにゃ……いわが……あたまにざさっ……」

 

 物理的な意味でお手玉され続け、次の手を用意する事も出来ない。  

 

 睥睨しようとしたって、目玉がバッテン印か渦巻き模様の二択しか表示出来ない!

 

 岩壁に頭も身体も叩きつけられ、一回ぶつかる毎にHPが1減るスリップ拷問。

 

「に゙ゃんっ……にゃ゙っ……ニュ……に゙っ……」

 

 洞窟内では軽く地震が起こっている、それでも降参しないのでインフィスも結構疲れて来たのだが……

 

 コジョンドが格闘タイプだと知らずに、喧嘩を買ってしまったネリは、彼女が偶然にもキッサキシティに滞在して、偶然窃盗現場を目撃された時点で、負けは確定していたのだ。

 

「…………まだかっ? 我慢強さが無いと、泥棒は務まらないと聞いたが」

 

「どろ ぼ う じゃニャ゙ いん゙にゃ~~とゔ ぞ く ニャァァ゙~~…………」

 

 

▼▼▼▼▼▼

 

 

「結局、二時間も粘られてしまってな。ネリが「もう盗みません」と泣きながら謝ったから止めたんだ。それからはネリの監視役としてシンオウ各所を旅しながら、短期契約の仕事経験を積ませたり、曲芸を披露しながら収入を得ていたんだ。ネリは特技を活かして故障したドアを開けたり修理もしていたな…………そして2年前に主と出会ってゲットされた……と!」

 

「ししょ~~! ハズいニャぁ……歴史の闇に葬りたいニャしぃぃ~~…………ネリちゃんも未熟だったニャあ……ししょ~との戦力差を見切れニャくて……」

 

 インフィスとネリを先頭に、ゆったりした歩でつい数時間前の出来事の様に、一言一句、心の声までリヴァイヴァル……

 

優位なポジションに立ち続け、崩れても逃走する事の出来たネリが、どっちも成し遂げられず、人型から球体の身体になって死ぬかもとすら思わせられた格闘ポケは、普段は非常に穏和で前マスターが亡くなってから、踊り子として活動していた時期やそのまんま、流離いのフードファイターでもあった多芸かつ聡明な女性。

 

 

「ミノノノォ~~ンッ! ノホォォ……♪」

 

 

「おぅッ゙!? なんだ? 私の胸が気に入ったのか? 私ので良ければ枕や布団代わりにしてもいい、存分に使って構わんぞ」

 

 

 なんて羨ましい……なんて寛容なお心……

 

 

 初対面の挨拶時にも、鼻ちょうちん膨らませ寝てたかたくりこが『隙だらけだぜっ!』と、示唆するかの勢いでメコンのHから、インフィス姉さんのFへ惑星跳躍。

 

 木星から天王星、と例えればあまりにスケールダウンしているが、木星がデカすぎるだけで天王星も太陽系惑星で、3番目の大きさを誇っている。

 

 授乳クッションな柔らかさと寄せ乳せずとも、衣装上からIやYの領域を作り出し、ポケモン一匹侵入してもへこたれない。

 

 触れれば溶ける鋼とは対照的な、柔らかさを誇るヴィヴィぱい、他の追撃を許さない圧倒的ロケット、むっちりもっちりなメコンぱい。

 

 ∞ぱいはまるでおっぱい自体が意思を持っているのか、優しく触れればむにゅり掌は乳沼へ沈んでいき、力を入れて触れる即ち、非紳士な圧を注げば強ばっていく!

 

 ハリやら弾力やらに五月蠅い、巨乳ソムリエの談義へとフレキシブルにお応えする、千変万化おっぱいと名付けよう!

 

 そりゃあ、こんなFカップを携えた素敵なお姉さんが、目の前を華麗に舞っていたら手と口と下半身を伸ばしたくなっても仕方ない。 彼女は自分の魅力を完璧に把握しており、素材の風味を活かした味付けを行っているのだ。

 

 

「ニョホ、ミニョォォッ…………♡」

 

 

 歩行の揺れが丁度良いのか、初対面のミノムシが谷間に潜って来ても泰然自若の姿勢を崩さない。

 

 インフィスも自分が不在中の際に、新しく仲間となった彼が子共と聞き伺ったので、多少無礼でも気を許し胸を預けている(意味違) 

 

 袖越しに触覚を摩れば、ゴクリン顔のまま頬擦りどころかミノごと回転させやがったのに「甘え上手だな!」と、パイ圧を強めてくれる彼女の母性は天王星ではなくマザー・アースだ。

 

「主も私の胸に興味あるのか? 男だものな」

 

「いやいやっ! 俺はそういうコ ォ゙ッ゙!?~~~~っ゙~~ぇ゙~~げっ゙~~~ぇ゙!!」

 

 謝礼を求めるように、二の腕で押し上げたデルタゾーンを真横から近づかせ、年上お姉さん特有の茶目っ気がジックに炸裂。

 

 場を不快にさせない程度にかき回せば、他の三匹も胸を強調させながら対抗する。

 

 困ったような、でも男の子だから嬉しそうな……そんなジックの反応と皆の反応が微笑ましくて……

 

 今回もそうなると思っていたが、無言のままジックの脚へ全体重を乗っけて踏みつけたヴィヴィが、彼の言葉を中断。

 

 渾身のジャンプ力を見せるバネブーよりも高らかに、夏天の雲綿に人型模様を刻印する。

 

 ちなみにヴィヴィの体重は、おっぱい以外は信じられないくらい軽量級のメタグロス……であるが、物理攻撃の際は本来の体重へ戻る(550kg)ので、ジックでなければ五本指が細切れになっていただろう……ヒェ

 

 

(悪いことをしてしまったな……メコン達が張り合うよりも遥かに早い反応速度だ。彼女……ヴィヴィも主を……そうなのだろうなぁ……! 色男だな主よ、好かれるだけの男であるのは私が保証するが)

 

 

「……………………プイッ…………!」

 

 

 長い袖で口元を隠し、少しだけ笑うもけんけん歩きのジックへ「すまない」と謝罪する。

 

 強くなる事……とチーズドッグ……以外に関心を示さなかった鉄の少女が、多感な時期を迎えてから何かとジックは被害を被る。

 

 気分は思春期となった娘を持つお父さんだ、照れながらも自分の気持ちを表現出来るメコンや、竹を垂直に割った性格のインフィスとも違う、甘え下手でカオスアトラクター、手探りで闇彷徨っているヴィヴィ。

 

 機械だの戦闘マシンだの、そんなイメージはもう消えている。実はこの中で一番《人間に近いポケモン》は彼女かも――――

 

 




ネリはインフィスに「見逃して貰っている」立場なんです。更生するまで見張られていたので、どうあってもインフィスには勝てないし逆らえません。

こだわりのおっぱいいっぱい書けました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。