ポケ×ぎじ 蒼鋼少女   作:緋枝路 オシエ

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一週間に一回ペースは出来てます!


コジョコジョエッチぃな話も、第五章終わったら書きますね><


Segment・penta――力戦奮闘

「飛び道具はそこまで得意ではないが……っ! はどうだんっ!」

 

 片足を大きく踏み出しても、砂に埋もれず、砂が裂ける様に足場を作り出す。

 

 身体の奥底から練り上げた気功を、大型の円球として打ち出すきあいだまと並ぶ、格闘タイプではレアな遠距離技。

 

 同じはどうだんでも、扱うポケモンの種族や練度にとって、形状や色彩が異なる。それは使用者の映し鏡となるからだ。

 

(相殺されるっ! 遠距離にも対抗可能……ですかっ……)

 

 

 得意では無い、だが弱いとは言ってない。

 

 

 白の球弾が薄紫色の輪を纏いながら、白銀の光線とぶつかり、周囲90メートルは竜巻が横断したかの砂煙に覆われる。

 

 はどうだんは必中技、相殺しかやり過ごす方法は無かった。あの技は遠距離だからなのか、両手を腰まで引き上下に開いた手を前方へ打ち出す動作があったので、彼女としてもあまり使いたくない技なのだろう。

 

 威力はヴィヴィのラスターカノンと、完全に互角だった、何度も連発されたら堪らないが、彼女は地底火山噴火の様に立ち上る砂煙をはね除け、接近してくるに違――

 

「速いっ!?」

 

「踏み出しが一歩だけ遅かったな!」

 

 周囲に光が無くとも磁力を媒体に、ナイトビジョンモードへチェンジ。

 

 高画質イメージを作り出し、鮮明造形に生命エネルギーを感知、ゴーゴーゴーグルの変わりにもなるファインダーは、砂塵の舞う現状でも有効となるが……

 

「ッ、はあああぁ゙ーー…………グッ゙!? えほっ、くぅ、けほっ……!」

 

 海水の味が微かに染みこむ砂を舐めてしまった。

 

 波打ち際に流れ着いた、水着のロリ巨乳美少女、女の子と仲良くなるゲームか童話であれば、キスして眼を覚ましていた、何ともそそられる一枚絵。

 

 砂煙に塗れた衣装を叩き、とびげりでヴィヴィを吹っ飛ばしたインフィスは、再び距離を取って起き上がるのを待つ。この一撃でダウンする程柔らかい子でないのは、際だった防御のメタグロス種……という理由よりも、短いやり取りで識別出来ている。

 

「…………ぃ、すてみ、インフィスさんのとくせい……反動を受ける技の威力を上昇……んっ、ケホッ……痛かった、ですよっ……」

 

 波に脚跡を浸からせ、僅かに蹌踉けながら姿勢を正す。

 

 蹴りを受けた手甲への損傷は無いが、セリフが途切れ途切れである事から、HP的に軽くない一撃だと観賞人は心情推し量る。

 

「ほぉ! そこまで分かってしまうのか! すてみの適応技は少ないがとびげりの様に、タイプが一致する技の突発力が上がるのならば、通常なら倒せぬポケモンも倒すことが出来る。仮に私がさいせいりょくならば、ヴィヴィは今程痛くは無かったかもしれないな」

 

「……………………」

 

 彼女の口元隠しからの流し目コンボは、同性も惚れ込んでしまいそうな、奥ゆかしい演出だ。

 

 HPは削れたけど大丈夫、低耐久ならギブアップな威力でも、マスターとリンクしたヴィヴィなら詰め将棋の様な、戦況にも臆さずに立て直した深紅の瞳は燃えている、鋼なのに!

 

(…………やってみます!)

 

 

 自分一人では思いついても、失敗していただろうな……そう思えてしまうだけ、ジックの存在は〝居ないと困る〟

 

 

 勝てるとか、負けるとか、そういうレベルで無いのは、体面する武に生きる者には感づかれているのだが……

 

「ラスターカノンだっ!」

 

(同じ技だが主の命だ、隠された意図があるのは明白、はどうだんを使うのは危険かもしれないな)

 

 発動までに隙を作ってしまい、無名無形を崩してしまう遠距離専用技、はどうだん。

 

 覚えていて助かる場面は何度もあったけど、自分が好んで使いたい技ではない。先程は「ラスターカノンは相殺させるしかない」と、心理戦として自ら持ちかけたブラフ。

 

 サイコキネシスだけでなく、ラスターカノンだって躱し・壊す事は出来る。

 

 命中を許せばHPはレッドゾーン、等倍技でもこれだけのダメージを貰ってしまう、コジョンド種の泣き所な低耐久。

 

 インフィスは余裕でサイコキネシスを破壊したのではない、どんな攻撃も本気で立ち向かわなければ〝狙えない〟

 

 弱点技を一撃浴びればオシマイ、避けたら次の攻撃をまた避けられる……

 

 彼女以外には気が触れているとしか思えない、無謀な強行策を引き起こす生き様は、披荊斬棘たり。

 

 

 精神強念(サイコキネシス)に続き加農光炮(ラスターカノン)も折らせて――

 

 

「…………おぉ……ッ!」

 

「命中…………ですっ、衣装に擦めただけ、ですが」

 

 滑るようなパッシングスルー……を失敗させた!

 

 これは回避するしかないっ、彼女の判断力が無ければ胸元にビームが激中し、今度は彼女が波打ち際まで転がされていただろう。

 

「ねんりき……か、途中で線が細くなったのは出力を絞ったからか、二つ目の技へ繋ぎ易くするために」

 

「…………正解です、ラスターカノンの出力を最小まで弄り発射、したと同時に、最も効力の弱いエスパーの初期技、ねんりきを発動させました…………」

 

 何かの技を使っている最中に、別の技を使う事は出来ない。

 

 だが放った後ならば、その法則から外れるので組み合わせや消費エネルギーを考えれば、連射に近い形にも出来たり一つの技で捕縛し、二つ目の技を確実に当てる、なんて芸当も可能。

 

 エスパー永遠の主力技、サイコキネシスは範囲と破壊力は申し分ない。

 

 抵抗や予備動作は存在しないのだが、念じてから発動までにそれこそ、1秒あるか無いか、効力の発揮するまでラグがある。

 

 そのラグすら皆無であるのが、ヴィヴィが説明した初期技、他のエスパー技を覚えたら用済みとして忘れさせてしまうねんりき。

 

 無事にジックの手持ちになったヴィヴィは、わざマシンの使用、ハートのウロコの使用を許可される。モンスターボールに収納される事でアンロックが解除される仕組みになっているらしい……

 

「ハートのウロコ……使って貰いました……威力は悲しい限りですが、燃費が良く、初期技ならではの利用方法がある……そうですよね?」

 

 

 振り向いたのはジック……ではなく、自分が生まれて始めてバトルしたポケモンであり、弱い技の賢い使い方を教わった青いメイドさんだった。

 

 

(リスペクト、と言う物でしょうか……♪)

 

(…………!)

 

 

 ヴィヴィの視線の意図を汲み取り、緊張した眼差しからすぐに微笑んでくれるメコン。

 

 ちょっと感動だ、ねんりきを思い出させる為に、ウロコ使用のオーダーしたのはヴィヴィである。一つでいいから威力よりも、即時発動効果を持つ技があれば、何かと応用出来るかもしれないと、今までのバトルメモリを見返している内に、ヴィヴィなりのコンボを新しく生み出したのだ。

 

「そうか、私の無名無形、攻撃破壊の手法がもう解かれてしまったのか……! 予想よりも5手早い、頭が良すぎて理解が早すぎるなヴィヴィは」

 

 

 素晴らし過ぎるプロポーションは、チャイナドレスの上からでもハッキリ浮かんでいたが……ビリリッ

 

 

 眷属として引き連れたねんりきで、軌道修正したラスターカノンの先端が、惜しくも擦っただけに留まった胸元。

 

 …………しかし、なんと、やっぱり、期待通り、片側のFおっぱいが! 菱形を半分に切り落とした形となり! 偽りの無い天然の肌色乳がポロリッ――――

 

 

 

 しない

 

 

 

「点の位置をズラされたかっ、服が破けてしまったが戦いに支障は無い、ついでに言っておくが私はふんどしではないぞ?」

 

(そこまでは聞いてないのですがっ…………マスター? インフィスさんの胸元……見てますね? 不埒ですっ……このバトルが終わったら通報、ですねっ…………)

 

 

 服の胸元が破け飛んでも、ブラジャーの代わりに綿布をきつ~く巻き巻き!

 

 

 潰されてもあんな立派なおっぱいであった……和武人系のインフィスは、下着も古き良き和装ブラと呼ばれるさらし。

 

 これまたフェチズム心を刺激させられ、離れたところからバトルを観戦している名も無き少年達には、目の毒である! 

 

 FのおっぱいとFのおっぱいが、真の姿を夕日へ献げる! あの夕焼けもおっぱいに吸い込まれたがっている! 俺が落ちるのは水平線じゃねぇ! 剛軟おっぱいとトロふわミルクブッセおっぱいの断裂間だと!!(て、言ってる気がした)

  

 

 

 …………閑話休題

 

 

 

「全ての物質は〝線〟と〟点〟と〝面〟で構成され、立体になります。インフィスさんは非物質であるサイコキネシスも視えて、破壊出来ますが……潮流に抗わずに、当たってしまう……そう思った瞬間にだけ〝視える〟のでしょう……点を突けばどんな攻撃だって回避、または破壊は可能です…………つばめがえしでも……彼女ならば無傷でやり過ごしてしまう…………そうですよね? ネリさん……?」

 

 

 必中技のつばめがえしでも、躱してしまう……?

 

 

 本当であるならば理論上、死線に踏み込み点をドツかれたら、あらゆる攻撃をノーダメージにする事が出来てしまえる。

 

「ん゙ニャッ!? そ、そーいう事になっちまうニャあ……ネリちゃんも最初に聞いたときは『んなバグみたいな事できっこねーニャ』

って信じてなかったんニャけど……マニュハハッ……この眼で見ちまったからニャあ…………ストライクのつばめがえしを避けたニャ…………」

 

(えっ……マジバナ? そんな凄いんだ……一本取れただけ上出来じゃん、私……?)

 

 誰にだって負けてやるつもりはない、例え負けたとしたって執念深いネリは、必ずリベンジを成し遂げる。

 

(最後に笑うのはネリちゃんニャし!)

 

 

 …………そのネリが唯一負けっぱで、勝てなくたってしゃーないと白旗振ってるのがししょ~だ。

 

 お手玉の原理もネリの身体(面)を構成し、最も面を重ねている点を、寸分の狂い無くジャストミートさせ続けていたからだ。

 

 筋肉に頼らず、養われた平衡感覚の脚腰メインに、最小限の入力でホイッ、セイッ、ハイッ……流石に二時間は疲れたが、攻撃の高さ=力の強さでは無い、少なくともインフィスはそういうポケモンだ。

 

「お見事っ! ギリギリまで引きつけてこそ、一番脆い点を見つけ、叩ける。第六感も働かせてこそ成せる流派だ。……私の元主から教わり私が唯一の伝承者になってしまった……な」

 

 元主の顔が浮かんだからなのか、少しだけ追想した表情となったがすぐに、カラッと、揚げられた天ぷらがの様に洒脱の衣で包み覆う。

 

 袖の中から拍手、やられるまでに絡繰りを暴かれたのは初めてだ。

 

 ジックへとドヤった顔を送らせ、念話で褒めて貰ったヴィヴィは上機嫌。場の流れは少しだけヴィヴィに傾き始めたか?

 

「そうだな、胸を晒したのだっ、この際だから私が持っているアイテムも晒し出そう!」

 

「…………えっ?」

 

「警戒はしないでいいぞ、隠す必要性が無いと言うだけだ……ホラッ、これが私の持っているアイテムだ」

 

 動揺を誘うつもりも、余裕をかますつもりもなく、彼女の持ち物は最初からバトル時には、何の効力も発揮されない品である。

 

 

 これは何かの罠?

 

 

 賢いヴィヴィは、インフィスの言葉に惑わされず反射的に、砂地を蹴って後方へと距離を開けた……のだが、長袖の内側から滑り落としたアイテムは――――

 

 

 

あまい…………ミツ…………? 野生のポケモンを誘うアイテム……ですが戦闘中には…………)

 

 

(そうッ! 何の意味も無い!! 俺の推測だけど……多分当たっているけど……インフィスって食べるの好きじゃない? 非常食なんだと思うよ…………食料がもうアレしか残ってないとか、そんなんだろうね…………)

 

 

 あまいミツを所持しながら戦う……トレーナーが間違えて持たせた準備ミスとしか思えないが、ジックの推測は大当たりで、彼女が旅の途中で購入した携帯食!

 

 

 カロリーが低く塗り薬としても使え、スプーン1杯で健康促進効果も得られてしまう黄金の栄養糧。

 

「金銭も底を尽いてしまっていてな……早食いで資金を貰い腹も膨れるし一石二鳥だったんだ!」

 

 予めお腹を空かせて来たのではなく、偶然立ち寄った町で偶然早食い大会が開かれていたので、優勝しか頭に無かったらしい……

 

(……………………マスターのポケモンだけあって、個性的なお方なんですね…………)

 

(……ヴィヴィも数えられてるぞ……)

 

 観戦している三匹はズッこける、何とな~く想像していたネリが一番リアクションデカかった。

 

 実質的に彼女はアイテムなし、その情報を与えられ儲け物だが〝馬鹿にされている〟と、理性が薄くなり彼女へと掴みかかる勢いで、砂浜をダッシュ……他のポケモンであればそう解釈していたかもしれない。

 

「……………………んっ」

 

 直情的にならず、ヴィヴィは平静を保つ。 精神面の裏張りはジックが行う! 

 

 あれは本当に煽動させているつもりはないと「まさか……」と余計な思索を巡らせ様としていたヴィヴィの緊張を解す。  

 

 マスターの有り難みを感受する、気を取り直して手甲を構え直したヴィヴィへ――

 

 

「ならばッ、本気を出させて貰うぞ……いざッ、推して参る!」

 

 

 彼女が纏う闘気が変わった……!

 

 

 技の点を的確に射貫く、そのギミックが解明されてしまった以上、本気でヴィヴィを倒しにいかねば負けるのは自分だ。

 

「ッッ!! てっぺき! あ゙ッ゙! う、~~ッ゙……! ゥ゙! 攻撃……できな゙」

 

 途方も無いセンス、可能性に満ち溢れ、恵まれた地力を最大限に発揮させてくれるトレーナーのバックアップ。

 

 強烈なエネルギーの発信源、それがヴィヴィ。

 

 メタグロス種とは数回バトルした過去を持つが、彼女は自分と同じ《精強無比など通過点》という持論・信念を掲げているのだと、心証した。それは無意識なのかもしれないが……

 

「く! ァ゙あぅ゙! や゙……! この゙……で……は……ッ゙!」

 

 身体の表面を堅固な城壁に、付け入る隙の無い万全の備えとなり、物理防御力をぐーんとアップさせる、てっぺき。

 

 飛行機が激突したって傷を負わない装甲を持つメタグロス。

 

 攻撃の後を追う種族値は防御。ただでさえブ厚い彼女がさらに防御力を高める必要があるのだろうか?

 

(ダメージは大幅に抑えられてます……けど反撃出来ません……! てっぺきを使わなければ取り返しの付かないダメージになっていました……)

 

 ある、それが正に今、蹴りに、長い袖を利用した鞭のような手刀に、掌底……

 

 リーチを視覚化するのならば、彼女が繰り出す薄紫色の扇形ゾーン内へは、何処へ逃げても乱舞がたたき込まれてしまう。

 

 広いっ、飛び道具を使わずにサワムラーの様に腕や脚が伸びている訳じゃないに関わらず、近接格闘術のカテゴリーを軽々横断され〝射程距離∞〟に置き換えられてしまっているのか!?

 

 闘気が増し、柔らかい顔色が〝真の強敵〟にしか見せぬ意気軒昂な表情へ変化したインフィスは、3つ、4つの攻撃を1つに纏め上げた、眼にもとまらぬ職人芸の疾業。

 

(ヤベーニャ! あの連続攻撃に捕まったら誰も逃げられねーニャ! PP切れを狙うのは得策とは言えニャいし、ゴーストポケにでも交換しなきゃ無効化は出来ないかニャ……)

 

 攻め手を緩めぬ猛連撃。てっぺきが間に合わなければ、こうかは いまひとつでもガリガリ削られていた。

 

 ダメージ自体はかすり傷にもなってない、問題なのは縄で括り付けられ緊縛されてしまったように、ヴィヴィが攻撃する権利を得られない事だ。

 

 所持技で最も弱いが、発動ラグもクールタイムも皆無なねんりきでさえ繰り出せない。

 

 インフィス側の攻撃が止まない、攻撃に必要となるコストゲージが減っていないか瞬時に溜まってしまうか、ゲームに置き換えればそんな感じだ。

 

 どれだけインフィスの攻撃を軽減させたとしても、1、1、1…………涓涓塞がざれば終に江河となる。

 

 手甲に擦れ火花散る、その舞踏は行雲流水なり。

 

 美麗さを求めずとも美麗になってしまう、無理に技を繋ぎ合わせるのではなく、自然の理に任せどの技と、どの技をジョイントさせているのかも本人以外には見当も付かない。

 

(ヴィヴィにはこの苦境から抜け出す術……あるけど……今使うわけには……)

 

 ヴィヴィもソレは心得ている。

 

 まもる を使ってしまえば、インフィスの疾風の技は中断され自分は体勢を整えることは出来る。二度目の仕切り直しへ持ち込める……のだが、安易にまもるを使えない理由がある。

 

 

 インフィス最大、最強の技に備えて温存する必要があるからだ。

 

 

 しかし……それにしても……やはりっ

 

 

(おっぱい相撲……! あの服の下の動きはこうなっていたのか……! くっ、視たら(視姦)ダメなのに視てしまう……! これはセクハラじゃない、見えちゃったんだから仕方ない! 攻めのFと守りのF……甲乙付け難し!)

 

 何だかここ最近、ヴィヴィと仲良しになってから、彼女に関する事柄では自分からセクハラ(と思われてしまう行為)してしまっている……

 

 

 至近距離で攻撃し続けるインフィスの F が、衝撃を受け流そうと自ら死線へと潜り込み、最小限に抑えているヴィヴィの F へお乗りになっとるがなッ!?

 

 

 さらしおっぱいと、水着おっぱい、和菓子と洋菓子、生ものだから早めに召し上がりたいトコだが、それをやっちゃ~~ めのまえが まっくらになる。

 

 激闘の最中なので、おっぱいがおしくら饅頭してようが二匹は気にも留めないが、二匹のマスターとして、男としては勝手にロックオンされちゃうもの。

 

(いやいやっ! これでヴィヴィが負けたら洒落にならないって! 『おっぱいに気を取られて指示を忘れた』とか、チーズドッグ999個買っても許して貰えないって!)

 

 他の三匹もおっぱいがどうとかより、インフィスがこのまま決めてしまうのか、ヴィヴィは打開できるのか、当たり前だがソチラの方面へ全神経を集中させている。

 

 

 かたくりこは分からないけど……

 

 

 ∞っぱいとヴィヴィっぱい、愛欲を助長する格好となった二匹への、煩悩根源を打ち払い恢復……ヴィヴィを勝たせてあげたい! 勝たせてあげるのが自分の役割だ!

 

「――――っ゙ 麻……痺が……ば っ゙ けい、の゙ 効、果゙……が!」

 

 頭に張り手を食らった時と同じだ、気を押し込まれるので外装へは乏しくても、内へは確実に注力されていた。

 

 危惧していたが……解決方法をジックもヴィヴィも思いつかず、攻撃を止められず防戦一方、追加効果の麻痺が発症してしまった。

 

 インフィスにしか捉える事の出来ない、ヴィヴィの 点 を狙われた。

 

 接触面から内部組織を操作、一時的な拘縮へと導かれるその点を突けば、必ず麻痺にさせる事が出来るらしい。

 

 つまり、今まで麻痺になってしまう 点 を隠し、遮り、防ぎ込んでいたヴィヴィの行動予測能力と、防衛力も尋常ならざる所業。 ……これもジックが居なければ行えない、一匹で戦っていたらインフィスが本気になる事も叶わなかったのだから。

 

(だが逆にチャンスでもあるぞヴィヴィ!)

 

(ぁ……バっ……ィ……逆転……の゙、可゙……能、性……ば……あ、ま゙ す……っ゙!)

 

 バトル終了まで神経障害は完治しない。

 

 素早さも激減したので、防御も回避も困難、反回神経にも異常を来たし、喘鳴や緊張が融合した、身体の芯まで飛び込む静かに澄み切ってずっと聞いていたい幼声も、バトル終了まではお預けだ。

 

 

 ヴィヴィがまもるを覚えている件を、インフィスは知らない!

 

 

 最大の危機こそ最大の好転! 狙っていた麻痺が付与したので、ヴィヴィを解放……にしては掌底で打ち上げるように、手荒くド突いて技が実行出来るだけの距離を十分に取った。 

 

 

 ヒュッ……ヒュッ……

 

 

 重力を感じさせないつま先立ちから一変。 ズシッ……! ズシッ……! 

 

 ゆっくりと、腰下へ気を纏わせながら砂を苛烈に踏みしめ、小さな流砂穴を開かせる。

 

 脚を付ける度に、プレス機のような重厚な音が響く。

  

 

  とどめの いちげきは ゆっくり ちからを ためて はなつ

 

 

 力の凝縮で全身が振るえ、奮い立たせながら助走――――

 

「ヴィヴィ! まもるだっ!」

 

 このタイミング! 麻痺してしまったがタフなヴィヴィを打ち破るには、やはりその技でキメに入ったか!

 

 

 相手の着地の瞬間を狙い助走、凝縮した力を膝のみに集中させた弩強無双な〝とびひざげり〟

 

 

(――――して来なかった!? ゔわ! あああッ゙~~っ!! ごめんヴィヴィ! 俺の読みミスだッやっちまった…………!!)

 

 ……の弱点は、ハイリスクハイリターン過ぎる事。

 

 攻撃が外れてしまえば、とびひざげりを繰り出した本人の最大HPが半分も減ってしまう、敗北直行なリスクを背負っている。

 

 交代戦であればタイミング良く、ゴーストポケモンへ交代や、ジックが指示した攻撃を一度だけ無効化するまもるが、対策として非常に有効だ。

 

 とびひざげりを繰り出してしまえば、技を使っている本人でも止まる事は出来ない。

 

 半減でも強引に一撃必殺出来るだけの怪物級威力、しかしやり過ごしてしまえば自爆してくれる諸刃の剣。

 

 あの時発掘した技が、そのままインフィス対策となりヴィヴィ専用演出である、抽象的なデジタルツリーを巡らせた蒼いシールドで…………!?

 

 

 

 読 ま れ た 読 ん で い た 

 

 

 

 とびひざげりは不発、インフィスがジャンプ――――――直前で取り止めたのだ。

 

 貯めに貯めた気は散乱したが、すり替える様に行われた、つるぎのまい。

 

 自らの力を誇示し相手を威嚇させる用途としても使われるが、戦闘意欲を活性化させるセルフ激励、物理攻撃力をぐ~んと上げるのが本来の使い方。

 

(踊り子ニャからねししょ~は……)

 

 ビキニへ蓑虫が潜り込んでも気がつかない、二匹の戦闘を黙って見守るネリの推測は当たりだ。

 

 インフィスの覚えている技は全て把握しているも、つるぎのまいを新しく覚えているとは……最高のタイミングをズラされ、暫くまもるは使えない。

 

 元おやに覚えさせて貰ったつるぎのまい。

 

 一度忘れたが踊り子として働く内に思い出した。 

 

 おやの影響化にあるポケモンは、わざマシンを使わずとも、このような現象が稀に起こる。『取り戻したい』本人の意識と、相応しいであろうその技の記憶が呼び戻せる環境が必要となるが。

 

 一人旅をしたって何時でも呼び出せる、彼女はジックの手持ち。

 

 知らぬ間につるぎのまいを蘇らせていた……!

 

「……これで心置きなく、とびひざげりが使えるようになったな」

 

(自分のポケモンに戦略を読まれるとは~~!! トレーナーが居なくても強い子だけどッ......ッ!)

 




自分のポケモンにまもる読みされるとか、どんな気持ちになってしまうのだろうか。

私だったらみがわりかな
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