ポケ×ぎじ 蒼鋼少女   作:緋枝路 オシエ

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第六章終わり!

見てくださり感謝です、今後とも応援宜しくお願いします!


Segment・hexa――心のルービックキューブ

「らめっ…………らめへぇぇぇぇ!!」

 

 内部で復元されつつあった、防衛エネルギーが拒否反応。パリンッと、ガラスの破片が飛び散るグラッシュ音でシェルンは、まもるの性質を思い出せた。

 

 結果論であるが〝二連〟まもるを成功させなければ、ランクアップした特攻を武器に逸る胸の内と、胸の弾みを抑え切れないメコンの技を、凌ぐ術は無かった。

 

 なので、彼女が反射的に与えた指示は、間違っている訳ではない、のだが…………

 

 一定のスパンを挟まなければ、再使用の成功率が大幅に低下してしまう。

 

 色違いを手にできた豪運の持ち主であろうが〝二連〟を、戦略として成り立たせるのは、危険要素が多分に含まれるので限りなく不可能だ。

 

 

 英名を言葉にするヴィヴィも、実はノリノリである。

 

 

 救いの手を差し伸べるかの如く、交差していた腕をいっぱいに広げれば、敵味方問わず無差別に青い稲妻を放出。それはシェルンにとっては救いなどではなかった!

 

 ほうでん。この技はフィールド全域を対象とするワイドリーチながら、発生速度も簡捷なので取り囲まれた緊急時などには、防壁代わりに発動させた事は何回もあった。

 

(信じてたぞヴィヴィ!)

 

(……………………タ、タイミングを見計えるのでしたら、これくらい…………っ)

 

 味方も巻き込んでしまうので、地面タイプや他の蓄電特性のポケモンと組み合わせなければ、まもるを使いスルーさせる! 

 

 ダブルならではのコンビネーションを、シェルンに学んで貰う趣旨もある。

 

「――――は、ぁぁ…………うっ、あ……まもる、に、頼りすぎ……よっ…………」

 

 教科書通りに進めば出来る子なんだけど。

 

 スペランザは天運に任せ再発動させてみたが、失敗。

 

 地を這う青い荊姫は、スペランザに被弾しても止まらずに、半減に抑えられるグリーシャへも大ダメージ。

 

 フレアドライブの反動分もあり、耐久値が低めのスペランザでは、拡散される青の稲光には耐えきれない……一足先に片膝からダウンした。

 

「ぃ゙……ぜー、ぜー……シェ゙、ル……ぢゃ、ん゙……し、じ、ぉ゙……ぐ……」

 

 ほうでんが静まり、フィールドから一時退避――柵を越えない限りはあらゆる攻撃を遮断・吸収するパネルが設置されているが――してしまう程、メコンのスペシャルな一撃。

 

(耐えているっ、凄いなあのキレイハナ)

 

 メコンへはほうでんの指示を下したが、ヴィヴィへはまもるの指示を与えていない。

 

 自己判断に任せ、タッグパートナーとのシンクロ率を確かめて貰いたかった。

 

 阿吽の息! それはメコンがほうでんを放つよりも素早い判断! 

 

 

 間に合わないと思ったぜ!

 

 

 ギャラリー達が二匹のコンビネーションへ、拍手を贈らせたが、まだバトルは終了していない……!

 

「麻痺しちゃった……うぁぁぁ……ぅぅぅ……! お願いグリーシャ、リーフストームで頑張って!」

 

 麻痺が入っても、倒れるだけのダメージを受けても、HPは1だけ残る、リアルタスキ状態。

 

 彼女達だって戦況を覆せないのは、理解出来ているけど、最後の抵抗くらいしなきゃジックに――おやであるシェルンへも――面目が立たない!

 

「メコン!」

 

「はい~~!…………発動準備、完了ですっ!」

 

 グリーシャが覚えたばかり、使用後は疲れてしまうデメリットをも帳消しとなる、破壊力が魅力のリーフストーム。

 

 せめてメコンだけは倒せるかな、倒したい……!

 

 痺れて動けなくても、ジック側は待っていてくれている。

 

 それは舐めているのではなく、もう一つ「教えたい物」があるからだと、彼らの想いが込められた一撃となる。

 

「お願い゙……し、ま、すぅ゙ぅ゙ーー!」

 

「Hydro、pumpe !!」

 

「…………あまごいっ!」

 

(えへぇぇッ!? そのコンボはぁぁぁ~~っ~~っ!!?)

 

 あの邪晄なる火焔との戦い以降、覚えているが中々使う機会に恵まれなかったあまごいを、ハイドロポンプが撃ち出される瞬間に起動。

 

 これは自己判断ではなく、ジックが念話で促した策である。

 

 突如呼び寄せられた雨雲によって、フィールド内限定だが天候は大雨と化す。

 

 ヴィヴィのブレザーも、メコンのメイド服も、身体にピッチリ纏わり付いて、おっぱい以外は振れ幅に乏しいアンバランスボディと、残面積一㎝が成人と全年齢の境界を分かつであろう、HからIに――愛情も――どたぷんっ♪

 

 アトランティスボディの持ち主は、水の大技を放つ!

 

 愛称理論、杓子定規に基づけば、リーフストームがバイドロポンプを上回り、使用者のメコンにも大ダメージを与えられていた。

 

「…………きゅっ、うぅぅうう…………も、ダメですぅ~~…………ぱにゅっ……」

 

 雨+とくこうアップ。

 

 二段階もブーストが掛かったハイドロポンプは、草の嵐をあっさりと打ち崩して、グリーシャへ貫通。

 

 麻痺をしても技の威力は弱くならないが、相性で有利ならば技を打ち消せるとは限らない。

 

 爆乳……じゃなく、我浄海覇な爆流魔砲の余波で、流るるプールとなった水面にプカリッ。

 

 浮かび上がったグリーシャは、メコンがお姫様抱っこする事により救出されたが、デカすぎるおっぱいに口元が覆われ、溺れるよりもずっと窒息の危険を感じたという。

 

「グリーシャぁ、スペランザぁ……あぁ~ん、負けましたぁぁ…………ありがとうございますぅ……!」

 

「こちらこそ、お疲れ様シェルン! グリーシャで鋼タイプに削りを入れる発想力は、秀逸な点だと感心したよ! フレアドライブで倒せる範囲を広げられるし、予想もしない一撃だから思考力の動揺を誘える。俺もシェルンの戦術を参考にさせて貰いたいよ」

 

 苦労したと言えば、嘘になってしまうけど、実技研修として基礎から応用まで、くどくない程度パッケージング出来た。

 

 トホホ、駆けよってげんきのかけらを使用する少女は、自分のポケモン達を負けさせてしまった自責と、やはり負けるのが悔しくなっているなぁと、再検証し陰を残さない笑顔で講師となったジックと握手を交わす。

 

 男前の彼と握手したって、何ら異性と意識した感情を抱けないのは、もう五年は恋愛よりもパン作りとポケモンに夢中だろうと、黒髪に戻っているスペランザは「この子が異性に興味を持つのは何時になるか?」を、姉視点から危惧している。

 

「ジックさん、メコンさん、ヴィヴィさん、ありがとうございました。頼りないマスターですけど、私はこの子と一緒に戦って行きます。勝ちたいって欲が出て来たんだものね? 今度はシェルンが誰かにコーチするってくらいの、意気込みで帰ったら勉強し直しね!」

 

「はぁーい! 勉強は苦手だけどやりたいなぁって、意欲が凄く湧いてるもん! 一人前になるのは長~い時間掛かるかもだけど……まだまだ頼っちゃうね、スペランザ!」

 

「私だけじゃないでしょ、グリーシャや他の皆にも頼りなさい。勿論、自分で考えるところは頑張るのよ! ふぅ、一人にしたら危なっかしいマスターを持つと大変よねぇ、グリーシャ?」

 

「えへへ~~、私もシェルンちゃんにずぅ~~と、付いていきます~! 私も草タイプさんに戦い方をお教え出来るくらいには…………」

 

 トレーナーとして足りない物は多いけれど、彼女達なりに信頼関係を築けている。

 

 すぐテンパってしまい、柔軟性に難のあるシェルンだけど、ダブルに手を染めたばかりに関わらず心の中でジックを――――一部のギャラリー達も――――唸らせたのは、手持ちと波長が合っているからだろう。

 

 負けて悔しい、だけど値段では表せぬ意義のある一戦であった! 間違いなく彼女は成長へのプロセスを踏んだのだ。

 

 ジックだって旅を始めて暫くは、全然勝てない日々が続いてバトル自体が嫌いになってしまいそうだったけど、支えてくれる子達が傍に居てくれたから立派なトレーナーとして、自己を確立できたのだから…………誰だって最初はそんな感じ!

 

「スペランザ~! グリーシャ~! ありがとありがと~!」

 

(私のが年上なんだけどっ……この子ったらもうっ…………!)

 

「やったぁ~! シェルンちゃんに撫で撫でされるの大好きです~~!」

 

「……………………(モグッ、モムッ、カリッ)」

 

 戦い終われば腹の虫が鳴りそうなくらい、お腹が空いていたので貰った手作りパンにモフ付いていた、メコンとヴィヴィ。

 

 今回のバトルでは珍しく、ヴィヴィがサポート役に回った。

 

 メタグロスとランターンの並びを見れば、誰だって前者が完全攻撃役、後者が補助メインで活動すると推測する。

 

 概念から解き放たれる、時にはそんな戦術も統制された連携が結べるのであれば可能だ。

 

(あのぉ……私にも後ほど…………///)

 

(分かった、お疲れ様メコン、ゆっくり休んでね、夜に行くから!)

 

 地面タイプをチョコクリームで表現?

 

 ヌオーをイメージしたデニッシュを、愉悦の表情でサクついていたメコンが、永遠のご主人様の耳元でお情け――撫でられたいと――のおねだり。

 

 戦い終わり溜め込んだエネルギーも発散したので、退乳してもHな側面が彼の脇腹に接触する。

 

 

「…………………………………………ガリッ、ィ………………」

 

 

 鋼の光沢をカラメルで再現?

 

 ギアルをイメージしたクイニーアマンを、手甲を外せば容易に傷ついてしまいそうな、小さな両手で持ちながらカリつく。  

 

八年間もの付き合いを持つ二人のやり取りを、二ヶ月の付き合いしかない自分は見逃さない。

 

 多段的に所思が連なっていたけれど…………同時に、瞳孔を拡大させながらヴィヴィは閃いたのだ。

 

 

『これは使える』と

 

▼▼▼▼▼▼

 

 髪をドライヤーで乾かし、寝巻き代わりのロップイヤーパーカー姿で、もうくつろぎ心地に慣れてしまった、てっぺきを模しながら――チルタリスの綿毛に包まれた様な快眠へ誘ってくれる――布団の上。

 

「…………できた、オレンジ色で揃えました」

 

 ナニをしているかと言えば、チーズドッグ77個は辱めを与えてくれた謝意として、当然の買い物なのでご褒美の内には数えられない(ヴィヴィ談)

 

 ミナモデパートで購入させた、12×12構造のルービックキューブを、間も無く日付を跨いでしまう23時48分……

 

「二時間もこのパズルを…………」

 

 新商品の宣伝として、コマーシャルで目撃してから無感情であったのも懐かしい、深紅とは非なる〝光〟が灯った瞳に映り込んでから、興味関心を刺激されたアイテム。

 

 最も難易度の高いキューブなのだが、全ての面で異なる色を揃えるのに二分足らず。

 

 世界の書物が集まる図書館たる4つの脳。

 

 膨大なデータから解析するアルゴリズムだけに囚われず、人間に近い直感的な動きで脳を動かせる様になってから、彼女のアプリケーションは他の素子とは独立し情報量が、記述しきれないまでに増量していると確認した。

 

 組み上がってオシマイ、これが感情に目覚める前のヴィヴィ。

 

「最後は…………蒼色で揃えてみましょう……」

 

 様々な色で揃えてみたり、何かの柄を表現させてみたり。

 

 無駄な行為と思わず、考えるより先にキューブを回転させていた自分が居る。

 

 …………体育座りなので、もしもミニスカートであるならば、黒の紐パンは隠しようの無いまでに面積を占領していた。

 

 キューブを触り、この部屋に居ると落ち着く。

 

 トリックルームを模した摩訶不思議な壁紙は、心理的不安感と未知の恐怖感を覚えさせてしまい、快眠どころではないので極々一部のポケモン以外には、不評である。

 

 

(なのに――なんで――繭の中の気分――このメカニズムは解析――不能――)

 

 

 自分が救出された、謎の電脳空間。

 

 この世の次元軸とは隔離されているようで、とても近しい次元の様で。

 

 そこかしこに蒼いキューブが浮遊していた、あの粒子が充満した空間と似たシンパシーを覚えるから……?

 

 

「…………チーズドッグも押収しましたし、キューブも買って貰いましたし…………な、ぁ、撫でて…………貰えました……し……コンテストの件は許してあげましょう……♪」

 

 あの時の耳打ちは、全神経を集中させていたし、読唇法のように口の動きだけでメコンが何をお願いしたのか、実に簡単に解析は完了した。

 

 

(…………メコンさんにだけ不公平ですっ、初めて捕まえたポケモンであるのは重々承知しておりますが、一匹だけ贔屓するのはネリさんや爽羽佳さん、かたくりこさん達にも失礼かとっ。わたしにも同じ行為をしてくださいっ、拒否権はありませんっ……)

 

(…………えっ、でもっ、ヴィヴィはそういうの嫌なんじゃ――――)

 

(許可しましょう、夜になったらわたしの部屋に来てくださいっ、わたしは最後で構わないので平等なコミュニケーションをお願いします……分かりましたか?)

 

 

 

 本当は全然嫌じゃない。

 

 

 

 〝負けたけど一回だけ!〟

 

 バトルしている時よりも、ずっと強そうな表情で頼み込まれてしまい、ヴィヴィは言葉通り一回だけ撫でられ、一回だけ抱きしめる事をシェルンへと承諾した。

 

 シェルンにされても、私とは違う女性の感触だーーと……相手は喜んでくれているから、まぁいいでしょうと、コンテストを思い返せる棒読み、無表情で対応していたのだが――――

 

 ――――彼は違う、コンテストやバトルを頑張ってくれた、色々なヴィヴィが見れたよと、褒められて嬉しい。

 

 

 彼を目と、耳と、肌で感じる。

 

 

 あったかい手で髪を撫でられ――ジックは嫌がられた経験があるしどんな心境の変化が訪れたのだろうと、ガラス細工を持ち運びする時よりずっと、慎重な力で対応させて貰った――リミッターを作動させたから、無表情のまま「これからは毎回お願いします」と、勢いで承諾させる事も出来た…………!

 

「子共扱い……嫌なのに……やって欲しいって……理由、解析、不能……」

 

 パーリェからのメッセージによれば、ヴィヴィの全身構図を油彩画で作成させて貰っているのだとか。

 

 要望はせず全てパーリェに任せてしまったが、絵になる美少女がマジモンの〝絵〟となるので、プレゼントのプレゼントをされるジックは、手を取り合って喜んでくれた――すぐにセクハラだと手を払ってしまった――けど……

 

 許可もなく女の子の身体に触れてしまうなんて……

 

 近頃の彼はずっとそうだ、他の皆は例え不意打ちで触られても、ビックリこそすれど嫌がることはしない。もう家族の様な距離で何年も暮らしているのだから。

 

「……………………………………」

 

 不公平、他意は無い、新規参入の自分に、マスターはもっと構うべき、他意は無い。

 

「………………♪」

 

 それでもバトルに勝てば、撫でて貰えると脳内グラフィックに描いたら

 

 

 なんでこんなに……浮き足立つ様な気持ちに……――――

 

 

 誰にも内緒で、不器用な綻びが造られてしまうのだ。

 

 

ヴィヴィとの距離が縮まり、少し仲良くなった!

 

ヴィヴィの なつきどが あがった! 

 




色々な足音が少しずつ聴こえて来ます。

さて、R18版書くぞー!(
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