ポケ×ぎじ 蒼鋼少女   作:緋枝路 オシエ

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第七章! 開始ィィィ~~~!!


Segment・hepta――白銀のきざはし

むしとりしょうねんも、今日くらいは虫取りをお休みするけど、こんちゅうマニアは虫取りを止めない日曜日の正午(おひる)前。

 

 ミナモシティの南東には浜辺の周囲を巡る、サイクリング、ジョギング・ウォーキング、それぞれ3つの周回コースとして分割設計されている。

 

 マッハやダートじでんしゃに搭乗するアスリートの過酷なサイクリングコースでは、アップダウンが激しく急コーナーも多用されており、夜間に疾走すれば気分は山岳の走り屋。 

 

ジョギングコースは打って変わって、段差を感じさせないアスファルトで覆われるフラット路面。百メートル毎にポールが建てられているので、短距離走の練習として利用するアスリートの姿も。基本は運動不足解消の日課としてや、精密な身体作りメニューの一つとして使用されている。

 

 ウォーキングコースは年配の方や子供の姿が最も多い。手持ちと談笑しながらご飯が炊けるまでの暇つぶしであったり、夜には引き籠もりやコミュ障改善のために生息しているポケモンに会話の相手になって貰ったり、筋肉痛など非干渉なまったりムード。

 

コンテストドームを皮切りにした対岸のビル群や船乗り場から別地方へと出向する客船、変わりゆく飛行機雲が遮断されずに楽しめるロケーションとしても活用されているので、ミナモ観光を終えたトレーナーが最後に立ち寄り写真撮影をするのは、コース上の吊り橋から俯瞰できる人とポケモンが団欒している情景なのだとか。

 

 

「――ハッ、ハッ……ハッ……ァ、あっ、ヤスヒロさんこんにちはぁ~!……ハッ、ハッ……もうちょっと、もうちょっと頑張れ私……イサオさんもぉ~こんにちはぁ~!……ハッ、ハァ……」

 

 

 ポケモントレーナーにとっては、土日だから休日になる定義も理由もないのだけれど、この時間帯だけ――特に男性――ランナー人口が1.5倍になっているのは不純な動機があるからだ。

 

 自分で自分を応援して、完走意欲を燃やしているのは結婚したばかりの奥さん、34歳。 共に汗を流しているのは、人化していない♂のグランブル。

 

 当時独り身であった奥さんは番犬扱いとして育てたのだが、筋骨隆々で力こそ我が大義と信じて止まなそうな強面であるのに、実はもの凄く抗争嫌いな性格で必死になって手と脚と牙を振るい、無邪気に引っ付いてくるヒマナッツにすらビビりながら追い払おうとするのが精一杯……番犬としてはあまり役に立っていない。

 

 短い脚をぴったんぴったん、妖精がステップを踏んでいる音色を出しながら、我が主をチラ見する。

 

 このグランブルは実に羨ましい役柄を手に入れた物だ。挨拶されているサングラスを掛けたアスリートや、ジャージのおじいちゃんは『おいグランブルそこ変われ!』と、初めてこのポケモンに転生したいとか中身を入れ替わりたいと、毎日すれ違う度に思うのだ。

 

「はーっ、はーっ……あと……ごひゃく……メートル……はぁ、んっ……はーっ……」

 

 

 エロいのだ、とてつもなく……!

 

 

 結婚してオトナな事を久しぶりに体感しちゃったボディは、運動着として購入したタンクトップとショートパンツ、首に巻いたタオルで構成されている。

 

 妻となったオンナにしか醸し出せない、芳香な色気を振りまく隣人気質、ユニランでも内側に仕込んでいるのかってくらいの巨乳!!

 

 まだ独り身であった感覚から抜け出せていない面もあり――それがサポーターもインナーも身に付けてないノーブラ――で、すべからくホールドが薄いので、ぶっるんぶっるんに暴れ回っており、下半身もパッツパツで下着のラインがヤドンでも分かるくらいに明確な食い込みを魅せる。

 

 ていうか、至近距離だと色までクッキリと……今日はオレンジ色らしい……グランブルは人語を発せ無いけど男の子。

 

 手持ち特権ありがとう、強面よりもウザさ満点のニタリ笑いで地表と上空から挟まれて、常にバウンスするおっぱいを見られるから彼も、ジョギングコースを走りきれる――

 

 

ヒャああああンッ!? そ、空から銀色の光がぁ…………??」

 

 

 何処からか発生した光の球が吸い込まれて行き、今度は上空から振り落ちて来たのが白銀色のレーザー。

 

 ミナモシティのお昼を知らせる合図、な訳が無く、前を向いていた奥さんは驚いてしまって尻餅を付く。

 

 グランブルはおっぱいに視線が集中していたので、主が倒れ込んだのは疲労から? そんな事を思うよりも先に、熟れまくったプリップリなお尻がのしかかる!

 

 ちょっと重い……だがチャ~ンス!

 

 一切の抵抗をせず牙を突き立てたら大惨事なので、大口開けて巨尻を飲み込んでいく。

 

 主人のお尻を支えてあげているだけ、やましい気持ちは無い!

 

 トンでもねぇ羨ましいポケモンが、トンでもねぇ事してる。

 

 奥さん以外は白銀線など知った事では無い、グランブルを引っぺがそうと一致団結して四の地固めを繰り出す! 格闘タイプの技はこうか ばつぐん!

 

(新しい……わざ? なのかしらぁ?)

 

 マイペースに穴ぼこ開いた積雲を見つめながら、旦那が帰って来たら尋ねて見ようと決めた奥さん。ここでやっとグランブルの口を椅子代わりにしてしまった事に気がつく。

 

 ショートパンツが唾液塗れでテカテカ……お腹の虫が鳴ればカビゴンだって本気出す12:00――

 




モブなのに無駄にエロい力を注がれてる奥さん
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