ポケ×ぎじ 蒼鋼少女   作:緋枝路 オシエ

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娘がおっぱいならお母さんもおっぱい


Segment・hepta――メイドの海底実家

本日の第一依頼は終了したの第二依頼の完遂を目指してトクサネシティの南方に広がる海域、127番水道~128番水道の中程と思われる地点でメコンにダイビングをして貰った。

 

 泡状の薄膜でお手々繋いだ彼と自分、二人分を包み込んで深い海の底へ...ラピスラズリと形容したい荘厳なもう一つのホウエンへ導いていく。

 

 カイナ浜辺で海中デートした際と同じ手順であるが、今回は泡を作り出すのに数分単位の時間を掛けて範囲を周囲二メートルの余白が製出するまでに拡大し、第二依頼である『かけら探し』を効率的に行う為の準備をする。

 

 酸素補強用のマスクとしてホウエンでは〝十全十美〝の称号を授与され、世界有数の科学力・技術力・経済力を維持し続けポケモンと人間の進歩に貢献しているデボンコーポレーションが『ダイビング用ポケモンを持たなくても深海へ潜れる様になりたい』要望を叶えたのが……デボンボンベ。

 

(あの子も海底でアイテムを探しているのかな?)

 

 特別製の酸素システムから吸気を受ければ子共も大人も水圧に耐えうる身体を手にできてしまえる最先端テクノロジーは、構造からボンベの製造過程までを公式ホームページ内で動画として公開しデボンラボラトリーの『ボンベ開発班』自ら実体験をレポートしコチラも公開中。

 

 前評判では「途中で一大事になったら……」と不安視する声はあったが、安心と安全な道具だと実証明され発売当日はたった数時間で各地から品切れ報告が続出。

 

 ボンベの内容積を増加させ、今までは使い捨てだった酸素の詰め替えサービスも開始させたのがアップロードした『ver-duo』

 

 ハンテールのボンベカバーとサクラビスのボンベカラー(性能に差違はない)がラインナップされ、一応のターゲット層は前者が男性後者が女性への訴求だけどお好みで選んだって構わない。何だったらデボンにオリジナルのカバーをオーダーメイドしたって構わない!  

 

 ラインナップには含まれていない、マリルをシンボルに添えたボンベを携え潜っている少女と鉢合わせした。

 

 陸に想いを馳せたいまでに太陽光が届かぬ水底別離で、海草を左右へ押し広げながら懐中電灯...これもデボンが販売している海底用のアイテムでボンベとセット――頼りにお宝を発掘しようと躍起になっているのだから逞しい…………低温でもボンベがある限り地上と変わりない体温を保有・供給される驚異のテクノロジーだけど、水着に着替えなくてはならないのがダイビングとは異なる点だ。

 

 少女のビキニの後ろ紐が解けそうだったので、メコンがジェスチャーで伝えれば勇ましかった表情を陰らせポロリしそうなバストを抑えながら浮上していった……

 

 海底を住居とする野生ポケモンの一部は『余計な事しやがって!』と思っていたとか何とか。水ポケモンはこういったハプニングと遭遇しやすい為なのか、他のタイプよりもエッチなポケモンが多いのかもしれない。

 

(よしっ! かけら集め終わった! メコンと一緒だから早いよ~!)

 

 幼少期チョンチー時代からメコンは海の底に散らばる欠片探しは得意分野。

 

 ランターンとなった18歳の只今では万能メイドなので寧ろ『苦手な事って何だろう?』は、スポーツくらいしか思い浮かばない。

 

(3つ横へ並んでいる岩石の後ろに落ちておりますよ~! そちらの岩石から30度の方角にあります、海草の影にも2つ落ちてますねぇ!)

 

 フエンの一件ではかたくりこにナビゲートして貰ったが、海底ではメコンが三つ編みライトをソナー代わりにジックを誘導してくれるので依頼分の欠片を集めは一時間と少しで完了した!

 

 ダイビングを使うポケモンがメコンでなければ5時間以上は掛かっていた。

 

 身体の疲労も殆ど負わず、フィールドワークにしては物足りないと感想を抱いた程に楽勝である!

 

「メコンのお陰だよありがとう!」

 

「な、慣れていただけ……ですよぉ/// 貴方にお力添え出来て嬉しいですっ! えへへっ……///」

 

 口紅を塗らずともレッドバージョンに彩られる、ふにゃ顔を両手で覆う姿勢を作れば肘でおっぱいが挟まれるっ!

 

 ジックも腕を組まれたり少し彼女が接近してきただけで『その気がなくとも肘でHカップの先端部分をツンツンしてしまう事故』が多発する。危険なおっぱいには深海に生息する野生ポケモンさん達だって顎と鼻の下を伸ばしてしまう。

 

(ゔォッ!?)

 

 ガタガタガタガタガタッ

 

 腰に取り付けているボール、鋼鉄ツインテガールの物が激しく震動する。

 

 左右ではなく上下に跳ねてくるので虚を突かれたジックは腹パンな衝撃に、下腹部から腰回りが痺れて来る。

 

 多分間違いなく……『後で自分にも構ってください!』を言葉ではなく、身体を使って訴えているのだろう。

 

 オーヴェルとのバトル後は爽羽佳に、現在はメコンに構い過ぎている、贔屓するな自分にもコミュニケーションを取れ、手持ち歴は短いけど色眼鏡しないで……と。

 

(うぅ……バトル終わった時に褒めたりな、撫でたり……した筈なんだけどなぁ……『もういい』って嫌がられたけど……)

 

 モンスターボールに収納されていても外部での会話は筒抜けだ。一時間弱もメコンとお話していたのが彼女にとっては不公平だと受け取れてしまったのかも。

 

『今はゴメンだけど、帰宅したら!』

 

 ……と、メコンには聞こえない様に小声で謝るがヴィヴィはツーーーンとした表情でそっぽ向きながら、ロリ巨乳を寄せて上げての腕組み無自覚エッチに体育座りしてる、って外側からでも伝わってくる嫉妬のオーラが滲み出ている……!

 

 依頼を127番水道~128番水道の海底で遂行させた理由は、トクサネから直ぐにアクセス出来るからが一つ。

 

 もう一つは『メコンの実家が近所にある』ので予め連絡を入れたご両親さん達へと、久しぶりにご挨拶をしたかったからだ!

 

 ヴィヴィがこんな感じなので余計に煽る様な形になってしまう……けど決めていた事なので中止には出来ないっ……!

 

▼▼▼▼▼▼

 

 メコンの両親が住まうのは水深7000メートル層に沈む巨岩をくり抜き改築してダイビング効果のある泡でコーティング。

 

 煎じ詰めれば〝デカい酸素ボンベの中〟

 

 小さい家ではあるけど家族3人が距離近で過ごせ触れ合う時間が多くなる。

 

 お父さんに陸地のお話をして貰いながらお母さんが作る料理の香りが広がってくる……メコンが大好きだった幼少時代の一コマだ。

 

「お父さん! お母さん! ただいまですぅ~~!」

 

 泡フィルターで閉じ込められているから、水でないポケモンや人間には〝エラ〟を後天的に取得した物と同等な状況で酸素を取り入れたり、高い水圧の環境に押し潰されない身体強化の魔法が一時的に何重にも施されるのである。

 

「娘よ~~~! 一年ぶりだね~! お父さんは何時だってお前の事を思っているぞ~!」

 

「おかえりなさい、最愛の娘メコン! ジックさん達もお元気な様で! また男前になりましたねぇ、貴女のご主人様!」

 

 状態異常:ダイビングを維持したままジックは手持ち全員をボールから出現させる。約1名は初対面なのもあるが挨拶も握手も――少し前の熱意や関心が欠如した無表情ロボットに逆進――ギクシャクしており歩行すら右脚と右手を同時に前にするなど、えっちら、おっちら、ガシャンガッチャン。

 

(あ~~~~…………)

 

 特性はするどいめ!……ではないが、ファッション誌には恋愛や『少しエッチな特集』は付き物。

 

 ギャル友であるネリと一緒にその手の話題には敏感でJKとしての〝勘〟が、ヴィヴィのクアッドブレインよりも遥かにブラック産業化する爽羽佳は居心地悪そうな不器用っ娘を落ち着かせたい気持ちになっているが、言葉では無理だとも直感している。

 

 妻子の幸福は優先度+5としている妻子が幸福なら自分も幸福である。

 

 その優しさは娘であるメコンへも受け継がれた、ランターンのお父さんは発光器官を一昔前のメコンと同じアホ毛としたランターン種の外観特徴としてはオーソドックスなスタイル。

 

 娘が野生のポケモンに襲われたのならライトの光で眼を眩ませたり、でんじはで麻痺らせ戸惑わせている隙に撤退する。

 

 争いを嫌う彼らしい戦法、メコンの状態異常や補助技ありきのテクニックも父親を意識したのは間違いないだろう。

 

 正反対に……発光器官で1つ結びにした髪を肩前に流しているお母さんは娘が野生に襲われたのならば...

 

 スパーク(拳)

 スパーク(蹴)

 スパーク(間接)

 

 ……超肉体派のランターン! 単純な戦闘力ならば旦那よりも強いけど二匹とも特性がちくでんなので娘が生まれる前に喧嘩をしても、直ぐにお互い降参し深海よりも深い〝夜の営み〟が愛情を促進させた。

 

 ずっと一緒の夫婦である以上何処かしらで意見が合わず衝突する事だってある。そして夫婦である以上必ず乗り越えられ仲直りができる。

 

 その賜物がメコンなのであるっ! 当たり前だが本人には内緒!

 

「新しい給仕服のスカートが天の川になってるのよねぇ! 海から顔を出して星々を眺めていた幼少期から、貴女は地上への憧れがあったのよね」

 

 ランターン種は平均以上の胸部サイズとなる。

 

 人化した彼女らの基本生態や性質を纏めた新書にそう綴られていた。HPに優れた種族であると胸の発育が宜しいらしいが、ホエルオーでも小さい子が居たりツボツボでも爆乳であったり、数は少ないけど個人差や成長スピードの違いは人間と同じ様にある。

 

(親子揃ってでっけーニャあ! あの巨パイで旦那を誘惑して結婚したに違いニャいニャぁ~~?)

 

 人妻(ポケ妻)としての貫禄なのか、未成年の少女達である手持ちには物理的に所持が出来ない名状し難いお色気フェロモンがムンムン!

 

 戦術が父親譲りならおっぱい――娘には追い越されたが『Hに近いG』――と鷹揚な性格は母親譲り!

 

 まだ10歳であったジックは乳横にシワを作りボタンが吹っ飛ぶのか吹っ飛ばないのか、ミッチミチの乳袋と自然に創設された前方の乳ホールには背筋に鉄拳スパーク喰らった衝撃を受けて、目線を逸らす努力をしていたくらいだ。

 

 おっぱいの成長が止まっても我が子に栄養を与え育ててきたGカップは1つ結びが挟まってしまっている! 

 

 驚異(胸囲)のランターン親子を見比べ、初対面だとか人妻とか関係なくおっぱいへI Can Flyするつもりのミノムシを、鉤爪に引っかけ制止させながらネリも『あの親がありこの娘あり』と、既に母親越えしてるメコンの将来的なおっぱいが心配になってくる。

 

「立派なランターンに育ててくださりジックさんにはとても感謝しております! 娘は地上での暮らしに憧れを持っておりました、良いトレーナーに捕まえて貰えるのなら……私達も慎重にトレーナーを定めるつもりでした」

 

 メコンのお父さんは(おっぱいな意味ではなく)成長した娘が帰省する度に、涙もろくなってしまう。

 

 海底だけの暮らしで生涯を終えたくない、色々な景色を見ていきたい、戦闘だって両親に助けられなくても勝てる様になりたい。

 

 10歳ロリだったチョンチーは伝説のポケモンが影響していると観測された、巨大な渦潮に攫われてしまいミナモの砂浜に打ち上げれた。

 

 同じ年齢だった少年、ジックは偶々家族旅行に来ていて偶々最初に発見した。

 

 彼本人も「身体を治してくれたのは両親だし、ボートを出してくれたのも俺じゃない」と彼女へ思い留まる説得はしたけど、意志は鋼タイプよりも頑強で『ジックさんのポケモンになりたいです!』と抱きついて離れようとしなかった。

 

 そこまでお願いされてしまっては……ジックも間も無くトレーナーとして認めて貰い、正式にポケモンを捕まえる許可が下りる時期。

 

 夕焼けの浜辺で再会した両親も『あぁ、この人なら大丈夫なんだな……』

 

 親元から娘が離れてしまうのは寂しくない訳が無い。

 

 娘が決意し合意の関係であっても時代錯誤の頑固じじい宜しく「娘は簡単にやらんっ!」とでも相手に強く当たってしまいそうで……父親も不安に想っていたが、ジックと手を繋いでいる娘を一目した瞬間に脱力した。

 

 娘の一人立ち独居をすんなりと認められるだけの思考パターンに切り替わっている。

 

 寧ろジックという少年に任せられなければ誰に任せられるのだろうと、妻も同じ気持ちであったのだ。

 

「……娘から近況メッセージが送られて来る時もあります。もう嬉しそうに〝ジックさんと~〟 〝ジックさんが~〟 な幸せいっぱいの内容なんですよ~!」

 

「胸だって私より大きくなって。それだけ大きければ子育てにも困らないわよね? ちょっと早い話題かしら?」

 

「もッ゙!? お父さんもお母さんも~~/// 結構困っていますのにぃ……この大きさぁ……///」

 

 父親には側面から、母親には正面からで親子のロケットHとGが正面衝突したが低反発なので乳圧を吸収しノーダメ。ギュッとされメールの内容を暴露されてしまい怒っているけどちっとも迫力がない! とびはねるして岩天井に頭ぶつけたって瞳がハートマーク保ったままなんだものっ!

 

 父親には両手を持たれ、母親にはその上から手を重ねられ、ニックネームを与えてくれたジックへは感謝してもしきれない!

 

 ドラマチックな出逢いから始まって、手持ちになると他の岐路を絶ちジックへ続く幹を選んだメコンは命の光が尽きてしまう刻が来ても彼を慕い、メイドさんの志を折って曲げたりはしない。心に決めたたった一人のご主人様なのだから。

 

 

「…………フッー、フッー! ふぅぅッ……! ぅぅぅううう……ッ……ギギギ、ィィィッ!」

 

 

 ……妻に「これくらいにしておきましょう」と、おっぱいが腕に当たる距離で耳打ちされた父ランターンは少々雰囲気を読まなかったと反省した。

 

 ネリや爽羽佳は『やっぱ本妻にゃー勝てないかぁ!』だの『ラブラブカップル、略して〝ラップル〟を見せつけてんじゃねーニャぁ!』とひゅ~ひゅ~冷やかしてるけど、ツインテールをヒュドラを憑依させたかの如く9つに分離増殖ゾワゾワさせ、歯ぎしりのあまり口内から鮮血の代わりに蒼白いプラズマをポツリ落としながらシルフスコープ無しの〝ゆうれい〟よりもずっとホラーで、命どころか世界滅亡の危機感さえ覚える形相となっているヴィヴィ。

 

 父親としては『娘の将来はジックが居れば何も心配要らない、全てを任せられる』趣旨であったが……彼はメコンだけの男ではない。

 

(……私達が彼とメコンの関係や絆をもてはやし過ぎてヴィヴィさんに不愉快な想いをさせてしまったかな……)

 

 そりゃあ大好きな一人娘だから久しぶりに帰ってくれば親馬鹿な対応をしてしまう。

 

 ネリそわは慣れているけど、新規参入のミノムシとメタリックガール――前者はもう寝てるけど――への気配りに不足していた。

 

 グヌヌヌヌ、拳を握りしめて蒼い粒子を発火させているヴィヴィは何でそんなにイラ立っているのか、自分でも理解不能の海を漂ってソリューションが見つけられない。

 

 デレデレ(してる様に見える)ジックへ対してなのか、種族平均を超えた海鳴りの様に噴出した胸で、彼を惹きつけてしまっているメコンと母親に対してなのか、ラップルな雰囲気を助長させているネリそわへなのか…………自分自身へなのか。




何でイライラしてるのか少しずつ分かって来ているけど認めたくないんです

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