初めて彼女を見たときに高鳴った鼓動の音を覚えている。
壇上に立ち、緊張した様子で首席として挨拶をするその姿が眼に焼き付いていく。
原稿読み上げていく透き通る声。
照明に照らされた長い銀の髪。
小柄で華奢な体躯。
左右で色彩の違う赤と金の瞳。
その動作が、仕草が、脳に強く記憶を刻み込んでくる。
自然と自分の頬が熱くなり、呼吸も乱れていくのも自覚する。
壇上から降り、姿が見えなくなると、泣きたくなるほどに胸が締め付けられた。
今すぐ手を伸ばして、自分のところに引き寄せてしまいたい気持ちを抑える。
「あぁ、これが────」
口にした自身の想いは、誰に聞かれることなく消えていった。
「ハッ、ハッ、ハッ」
まだ日が昇り切ってない早朝にラウラはジャージ姿で習慣であるランニングをしていた。
かつて義務として当たり前のように行っていた朝のランニングだが今でもその習慣は抜けることなく続けている。
(以前に比べて大分軽めにはなっているのだが……)
昔なら何十kgという荷物を背負わされて走らされたがそれを今やると義祖母が良い顔しない上に目立つので、今ではただ走るだけにしている。
すれ違う近所の知り合いとに挨拶をしながらラウラは決められたルートを決めている時間内で完走する。
丁度戻って来た時に町が明るくなり、家に入ると置いてあるタオルで顔の汗を拭う。
「おかえりなさい、ラウラ。シャワーを浴びたら朝食にしましょう」
「あぁ、わかった。おばあちゃん」
今日も、1日が始まる。
「うーん! うーっ!」
「……モニカさん。そんなに唸ってばかりいても問題は解けませんよ?」
「だって難しいんだもん!」
「その問題、今授業で習っているところの基礎部分ですよね? この調子だと、学年が上がってからの授業がかなりマズいと思うのですが」
泣きそうな表情で机をバンバン叩いているモニカにアデーレを人差し指でこめかみを押さえる。
最近になってアデーレも一緒に勉強する機会が増えた。まぁ、アルバイトをして時間が限られているラウラに代わってモニカに勉強を教えているのだが。
そこで反対側でノートにスラスラとペンを走らせているラウラに視線を移動させた。
「この調子で毎回、よく勉強を教えられましたね」
「やる気がないのなら断るさ。だがモニカは少し時間はかかるが気合だけは人一倍だ。なら、出来るまで教える。もちろん時間が許す限りは、だが」
モニカは決してやる気がないとか怠惰的な訳ではない。
ただ、やる気と結果がイコールにならないだけなのだ。
その証拠に宿題などを教えてくれと頼まれたことはあっても、移させてくれと言われたことはない。
これは、ラウラとアデーレが人並み以上に優秀な面もあって理解できるペースが他よりも早いこともあるが。
「それにしても、よくラウラさんと出会う前でこの学校に受かりましたね。ここって一応、それなりに偏差値の高い学校の筈ですが」
「ひっどいなー! でもあの時はここに受からなかったらもう高校に行けないって自分を追い込んで人生で1番頑張ったからね! その所為か合格が決まってから気が抜けすぎて数日間の記憶が曖昧になっちゃったけど」
大きな胸を張って答えるモニカにアデーレはどれだけ自分を追い込んだんだと呆れる。
それから時間が経ち、アルバイトの時間が近づいて来たラウラが席を立った。
「すまないが、先に失礼する」
「お疲れさまです、ラウラさん」
「アルバイト、がんばって~」
それぞれに言われて図書室を出て、昇降口まで移動すると見知った女性が声をかけてきた。
「リットナーさん。今お帰りかしら?」
「クレーマー先輩。えぇ。これからアルバイトですので」
話しかけてきたのは最高学年であるリア・クレーマーという女性だった。
身長が180届きそうな長身でクセッ気のある短髪と細目が特徴の中性的な容姿が特徴の先輩。
ラウラがモニカと仲良くなった辺りからか。こうしてすれ違えば話しかけてくる女性だった。
そんなリアがラウラの手に触れる。
「いつも思うけど、本当に綺麗な手ね。いえ、手だけじゃなくて髪や唇も。まるで芸術品のようだわ」
「はぁ、どうも……」
こうして会う度にリアはラウラをべた褒めしてくる。
ノリで言えば、アルバイト先の店長が近いのだが、あちらが猪のように直線的ならこちらは蛇のように絡みつく感じと表現すればいいのか。
その好意の表し方にラウラは戸惑うことも多い。
(そういえば、誰とでも仲良くできるモニカは珍しくこの人を苦手としていたな)
なんでも、”たまにラウラを肉食動物のような視線を向けてきて怖い”だそうだ。気をつけた方がいいとも警告された。
ラウラ自身、過剰な好意を向けられることに戸惑うことはあるが、それ自体悪いことではないだろうと思っているのだが。
陶酔するような表情と壊れ物を扱うかのように触れられる手。しかしあまり時間が無いために手を離してもらう。
「すみませんが、急いでますので」
「あぁ、ごめんなさい。あのお店、今度また寄らせてもらうから」
「ありがとうございます」
そして彼女はラウラがアルバイトしている服屋の常連でもあった。
もうすぐ、あの銀の少女と一緒の空間に居られるのは僅かだ。
そう考えると身を切るような痛みが胸に襲う。
最初は、孤独だったあの少女を遠くから見ているだけで良かった。
しかし、少女は孤独ではなくなり、多くの人たちと話し、触れ、笑うようになった。
あぁ、なんて羨ましい。
なんて妬ましい。
特に銀の少女の傍に当たり前のように居座っている目障りな2人の少女の存在。
何度想像の中で切り刻んだか知れない。
もっと傍に居たい。
私だけと言葉を交わし、愛を囁き、触れさせて欲しい。
あの子は、私のモノだ。
「どうしたものか……」
アルバイトを終えての帰宅途中。
以前、アデーレの兄のクルトから今度食事でも、という誘いがあったが、それがどう変化したのか、今度どこかに遊びに行くという風に変わっていた。
その話が回って来たモニカからどこに行く? とメールで連絡が来ていた。
断る理由もないのでとりあえず、都合がつく日付と場所は任せるとだけ返信しておいた。
そうして携帯をしまうとクラクションが聞こえた。
近づいて来た車から見知った顔が出てくる。
「リットナーさん!」
「クレーマー先輩……」
「アルバイトの帰りかしら?」
「えぇ、まぁ。先輩は車持ってたんですね」
「つい最近、知り合いから安く譲って貰って。なんなら家まで送るけど?」
「いえ。どうせすぐそこですので」
以前の経験から本当に心を許した相手以外の車に乗るのは抵抗があったラウラは相手の申し出を断ることにした。
「そう。残念ね」
相手の善意を断ることに多少の気が引けたラウラだが、リアに背を向けた瞬間、相手の声音が変わった。
ラウラは本質的に純粋である。
相手の敵意や表面的な悪意。負の感情に関しては敏感ではあるが、強い好意の奥に在る邪まな感情があるということは彼女の想像の範囲外であった。
「本当に……残念だわ」
後ろから伸ばされた手。ハンカチで口元を覆われる。
薬品の臭いのするハンカチで顔を押さえられ、反射的に身動ぎして抵抗したが、次第にラウラの意識が暗く沈んでいく。
「できれば、もっと優しく寝かせてあげたかったのに」
力が抜けていく中でリアのその言葉が意識を失う前に耳に届いた。
アデーレがモニカから携帯で連絡がかかってきたのは丁度入浴を済ませた頃だった。
「はい? どうしました、モニカさん」
『ゴメン、アデーレ! ちょっと今ラウラと連絡取れる!?』
「は?」
少し動揺した様子で早口でまくし立てるモニカにアデーレは電話越しに首を傾げた。
『さっきまでメールでやり取りしてたんだけど、突然連絡が来なくなって! 電話しても取らないし! それで、家の方に連絡を入れてもお婆さんはまだ帰って来てないって!!』
考えすぎかもしれないが、モニカ自身、ちょっと前に未遂とはいえ暴漢に襲われた経験があるだけに、嫌な予感が拭えない。
ラウラなら大丈夫だろうという信頼はあるが、もしかしたら何かあったのではないかという不安が過ぎる。
そこで兄であるクルトが話に入ってきた。
「どうした?」
「実は……」
妹から話を聞いて少し考えた後に手を出す。
「ちょい携帯貸せ」
「え? はい……」
言われるがままにアデーレは兄に携帯を渡した。
「あ~もしもし。アデーレの兄のクルトだ。今から俺の言うとおりに動いてくれ。早とちりなら笑い話で済むが、そうじゃない可能性が在るなら動いた方が良いだろ。先ずは────」
携帯越しにクルトはモニカに指示を送った。
ラウラが意識を取り戻すと、見知らぬ部屋でコートを脱がされ、手足を縛られて椅子に座らせていた。
薄暗い部屋の中で人影を見つけた。
「あぁ、思ったより早く目を覚ましたのね」
それはいつも学校で会うのと変わらない相手の声。
しかし、その声でラウラは自分がどうしてここに居るのか思い出す。
どうしてこんなことをしたのか。
そう訊こうとしたがその前にリアが顔を近づき、ラウラの顎に触れてきた。
「いつもの表情も素敵だけど、その脅えを隠して強がってる表情もいいわ、ラウラ」
いつもの姓名ではなく名前で呼んでくるリアに警戒心を抱きながら質問をする。
「どうして、こんなことを……?」
「私、もうすぐ卒業なのよ……」
ラウラにとってリア・クレーマーはそこそこ親しい先輩というだけの女性だ。
恨まれるようなことをした覚えはないし、そもそもそこまで深い関係の相手でもない。少なくともラウラの中では、だ
「これから貴女に会える時間が減ってしまう。いいえ。私のことも忘れてしまうかもしれない。そう考えると耐えられなかったの。だったらその前に二度と忘れられない。私だけのモノにしたいって」
「なにを、言って、る……」
相手の言葉を聞く度に触れている指が人の指ではなく昆虫かなにかの手なのではないかという不快感が芽生えてきた。
その様子を気にした様子もなくリアは話を続ける。
「だって、私はこんなにもラウラを愛しているんですもの」
顔を離され、点けられた照明。
部屋の壁に貼られた写真。それ見てラウラは絶句した。
壁に張られていた写真は全てラウラ・リットナーの写真だった。
早朝にランニングをしているラウラ。
学校で過ごすラウラ。
勉強をしているラウラ。
食事を摂っているラウラ。
アルバイトをしているラウラ。
町を歩いているラウラ。
施設の子供たちと遊んでいるラウラまで。
他にもいつ撮られたのか分からない色々な自分の姿が壁から天井に至るまでその部屋に隙間なく張られていた。
「ラウラを初めて見た時からずっと想っていたわ。貴女を。でももう時間切れ。今より会える時間が減るなんて耐えられない。だから、ね?」
ハサミを手にして近づいてくるリアにラウラは得体のしれない恐怖を感じた。
「やめろ!? 来るなっ!!」
「怖いのね。でも大丈夫。そんな怖さ。すぐに忘れさせてあげるから」
手にした切れ味の良いハサミがラウラの衣服を下着ごと切っていく。
ゆっくりと服にハサミが入れられ、その音が聞こえる度に気色悪さが際立つ。
下から首元まで一直線に刃を通され、露になったラウラの肌を見てリアは恋に夢見る少女のように陶酔した表情をして感極まった笑みを浮かべている。
「あぁ! 夢にまで見た肌! とても綺麗だわ!」
言うと、ラウラのお腹をマッサージでもするように触れ、胸に顔を埋めて匂いを嗅いできた。終いには舌まで這わせてくる。
「いい匂い。肌も甘くていいわ」
「っ!? やめろ、気持ち悪い!!」
明確な拒絶。学校での親切さなど吹き飛ばす程に今のラウラはリアという女の行動すべてが気持ち悪くて仕方がなかった。
しかしラウラの言葉に特に気にした様子もなく、今度は穿いていたスカートを切り、晒された太腿に頬を擦りつけてきた。
その行動に唇を噛んで睨みつける。
「怖い顔。反抗的な眼に。でもすぐに、言うことを聞かせてあげるわ」
するとリアは近くに置いてあった液体の入った容器のふたを開ける。
「これ、結構高い媚薬なの。塗ると、感度がすごく高くなるのよ」
簡単に説明すると服を切って晒されたラウラの胸から液体を垂らす。
冷たい感触が胸から下へと伝っていき、椅子まで垂れて少し間を置くと改めてラウラの胸に触れてきた。
すると、ビクッと身体が跳ね、口からイッ、と驚きの声が漏れる。
急激に高まった感度に困惑していると、リアが加虐の含んだ笑みを見せた。
「いい声ぇ。もっと聴かせて」
手で液体の塗られる範囲を広げられる間、せめてもの抵抗として唇を噛んで声を出さないように耐えたが、次第に顎の力は弱まり、上気した頬で目尻に涙を溜めた。
「さぁ。ようやく、貴女を私の────」
リアがラウラのヘソの辺りを触れようとしたその時、ドンドンと部屋のドアを叩く音がした。
外から大切な親友の声が聞こえた。
「ラウラ!? ラウラ、いるんでしょ!! 返事してっ!?」
「モニ、カ……」
それだけではなく続いてアデーレの声も外から聞こえてきた。
どうしてここがバレたのか。リア自身混乱していると、ドアの。大きな音を立ててドアノブが壊される音がした。
扉が開かれるとそこには、モニカとアデーレ。そしてクルトがいた。
「これ、どういう状況です!?」
中に入ったアデーレがが驚いており、クルトは不快感を隠さずに舌打ちした。
モニカは服を切られているラウラを見て顔を青くして駆け寄った。
彼女からすれば以前の強姦未遂の事件がトラウマになっており、こうした状況に誰より敏感だった。
「ラウラッ!?」
半裸状態のラウラに抱きつく。
「どうして、ここに……?」
疲れた声で質問すると答えたのはクルトだった。
「最近は、
クルトがモニカに指示したのはラウラの家に行ってGPSで場所を特定する許可貰えと言っただけ。それからモニカがラウラの居場所を出せるスマホを借りて合流した。
簡単に説明すると、クルトはリアに向く。
「アデーレ。とにかく警察呼べ。アパートのドアぶっ壊したからもう誰か呼んでるかもしれないが、この状況ならどっちが悪いか分かんだろ。お前も大人しくしてろよ。これ以上面倒かけんな」
入り口を塞ぐとリアがプルプルと身体を震わせてハサミを投げつけてきた。
それから取っ組み合いになったが、クルトが力づくでリアを抑え込んだ。
「こ、の!! 私に触るなぁ!! 男のくせに!!
その叫びを聞いてクルトはあ、こいつ重度の女尊男卑主義者かと大きく息を吐く。
こういうタイプは下手に説得しても時間の無駄なので、とにかく警察が来るまでこのまま取り押さえて置くことにした。
アデーレの連絡、というよりは、クルトたちがドアを破壊した時点で他の住人が連絡を入れていたのだろう。すぐに駆け付けた警察によってリア・クレーマーは即刻連れて行かれることとなった。
「本当に、大丈夫だった、ラウラ!?」
「大丈夫だ。本当に助かった。礼を言う」
「大事が無くて何よりです」
未だにギュッとラウラに抱きついているモニカ。
深刻な事件にならず、胸を撫で下ろすアデーレ。
ちなみにラウラは服を切られたため、体をコートで隠している。
いつもならすぐに抱きついているモニカの体を離させるラウラも今は抵抗せずに受け入れていた。
すると、年長者として警察に事情を説明していたクルトが戻って来た。
「ラウラ。お前は、警察が送ってくれるってよ。話は後日保護者とか交えてって形にするって。とにかく今日は家に帰って休め。な?」
「今回は、助けてくれてありがとう。感謝する」
そう言って立ち上がり、頭を下げようとするとバランスを崩してクルトに倒れ込んだ。
「っ!? すまない!」
「いや、いいよ。安心したんだろ。気にするな。まぁ、なんにせよ、無事でよかったよ。本当にな」
安堵の息とともに安心させるようにそのまま抱き留めていたが少しして離した。
離したラウラの顔は少しだけ赤くなっている。
「お前んとこの婆さんも心配してたし、早く帰って安心させてやれ。帰るぞ、アデーレ」
「あ、あの! 私もラウラについて行ったら……」
「たぶん大丈夫なんじゃないか?」
「そこら辺ちゃんと聞きましょうよ。ラウラさん。とにかくまた」
そのあと、女性警官に連れられてラウラもそのマンションを後にした。
「あの先輩、退学になったんだって? あとひと月で卒業だったのに」
「受かった大学も全て取り消し、だそうです。まぁ当然ですが」
警察への事情聴取や、相手家族との話し合いも一段落し、昼食を摂りながら今回の件の話題になった。
リアの起こしたラウラの誘拐は瞬く間に学内に広まり、皆、ラウラに心配する声で話しかけてくる。
「聞いたよ。おばあさん、すごかったんだって?」
「まぁ、な」
保護者同士の話し合いになった際に、リアの両親は最初に謝罪こそしたが、すぐにその本性が露になった。
曰く、たった一度の間違いで娘の大学受験がパァになった。どうしてくれるだの。
そもそもうちの娘はそんなことをする子じゃない。きっとラウラが唆したせいだ、だの。
人の部屋のドアを壊して入ってくるなど非常識だ、だの。
纏めると向こうの言い分は娘の経歴に傷を付けたくないから今回の件を無かったことにしろということだ。
そのあまりに身勝手な言い分に立ち会っていた教師たちも唖然としていたが、何よりそこでラウラの義祖母が我慢の限界に達した。
出会って2年になるラウラが見たことがない程に怒りで顔を真っ赤にし、向こう両親を睨みつけ、今回の件を取り下げるつもりはないと断言。
そこから説教が始まり、慰謝料とラウラに対する接触禁止。1人暮らし用のアパートに住んでいたリアは、遠くにある実家へと引っ越すことで完全にではないが話は纏まった。
それを直に見たラウラは味方の筈の義祖母の怒りの姿に身を縮めた。
「今回は本当に助かった。今度お礼をさせてくれ」
「いいよー。友達が無事なら。私も助けてもらったし」
「そうですね。その言葉と気持ちだけで充分です」
「そういう訳にもいかないだろう。それと」
「?」
「アデーレの兄のクルトにも、今度ちゃんとお礼がしたいのだが。そうすると何が良いだろうか」
そんなことを訊いてきながらも、不自然なまでに頬が赤くなっていることに2人は気付く。
モニカがちょんちょんとアデーレをつつき、小声で話す。
(もしかしてコレって、そういうこと? ほら、抱き留められてた時も顔が赤かったし。あの時はコケて恥ずかしがってたんだと思ってたけど)
(いえ、まさか。そんな単純な……)
(わからないよ。ラウラって自分で大抵のことは出来ちゃうタイプだし。ピンチに助けに来てくれた男の人とか見たらもしかしたら。あ、でもまだ自覚とかなさそう、かな?)
(そうだとしても実の妹としては複雑なんですが!)
「どうした、2人とも?」
「ううん。お礼してくれるって言うんなら、何が良いかなーって。色んな意味で楽しみになってきたー」
「?」
ラウラの心境の変化に頭を抱えるアデーレ。
モニカはこれからの親友のまだ自覚すらない想いがどうなるのか。ニコニコとこれからを想像した。
描写不足が目立つのでもしかしたら後で色々と書き足すかもしれません。