無気力転生者で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第105話 やることは一つ

 長いようで、とても短かった1年間。

 数年前からのシオンの疑惑も、事件が終わればすっかり解消されて。

 戦闘機人とスカリエッティ、召喚師はそれぞれ管理局の検査や審問等が行われて、1人を除いて更生施設へと移されることに。シオンが所有権を主張してたけど、罪状一覧をクロノに突き付けられて殺意マシマシで引き下がることに。

 レリックの収集も問題無く。召喚師の母親も、ちゃんと更生することを条件にシオンが治療。八神家、テスタロッサ家もそれぞれ人数を増やしてより賑やかになり、高町家と合わせて家族軍隊が三つに。

 機動六課もその役目と任期を終え、解散の季節。

 

「思ったほか滅茶苦茶な一年やったけど、私らが前線でいられたのはバックの皆さんのお陰です。前線の皆さんも、危険な任務お疲れ様でした。どうか次の所属でも、楽しく頑張って下さい」

 

 私もやっと、ダルく苦しい管理局から離れる事ができます。これからまた、一般人として、以前からできなかった、そして私としても初めての、発作の無い成人としての一人暮らし。

 社会的にはまだまだ認められない精神的マイノリティや、ロリコンからの不労所得。引き篭もりなのは変わらないけど、いつ死ぬか分からない恐怖とは無縁の生活を送れると思う。

 

「んで、帰れると思うなよ」

「……なぁにヴィータ。私、もう本格的にここにいちゃいけないでしょ」

「そんなもん、今更六課の誰が気にすんだよ。それより来いほら!」

「えっなっ……引っ張らないで、髪もげる」

 

 ヴィータに引っ張られて何処かへ。

 生まれつきおでこ広いんだから、これ以上ハゲたらどうしてくれるんだ。

 

「やっと来た!ウタネ、あなたトップのくせに遅刻とかありえないから!」

「……じゃあソラは除名でいいよ、カルデア帰ってもらって」

「違う!暴君か!」

「暴君だ。皇帝特権だぞ」

「……ヨシ!」

「なにが?」

「だーうるせぇ!ほら、揃ったんだから二次会!」

「あー、そーゆーこと」

 

 それでわざわざ私を……

 

「ウタネちゃん、桜も数年見てへんやろ?せっかくやから用意したんよ。なかなか綺麗やろ?」

「うん……だろうね。私、花を愛でるとか理解できないタイプ」

「……ウタネちゃん、心動かなすぎやで。服とかメイクとか、なんもせんやろ」

「服は多少の数はあるし、メイクだって軽くはするよ。2分くらい」

「2分て!」

「ファンデ乗せるくらい」

「……それはメイクか?一応メイクか」

「めんどーだし。お金と時間かかるじゃん」

「それを楽しむのが女の子ってもんやろ」

「だってさ、シオン」

「オレはしねぇよ!」

 

 メイク、服、花。

 普通はそれらを楽しむもんなんだろうけど、私からすれば人の命くらいどうでもいいこと。興味の対象すら知らない私が綺麗と思うなら……よく研いだ刃物くらい?まぁ、何にもできないで人生終える人も多少はいるでしょ。

 

「んで、何?飲むの?」

「お、飲むか?」

「今日はワインとかどう?」

「おーいいな。赤でいいよな」

「うん」

「安物だけど味の差なんてわかんねぇしな」

「えぇ……どうせなら高いの飲みや。お金持っとんやろ?」

「所得からすれば金銭感覚おかしいのはオレなんだろうけどな、一本2000もするワインは十分高価なんだよ!500でいい」

「かんぱーい」

 

 いつもの万能ポケット、黄金のバビロンから出てきた市販数百円のペットボトルの赤ワイン。

 2本を開封、ガツンと乾杯して洗い物を無くすためそのままラッパ飲み。

 

「おつまみは?あらへんの?」

「なんで?」

「いや、そっちだけ貰おか思て」

「無い。酒だけの方が飲めるだろ」

「アル中やんけ」

「ちげーよ、仕事中は弱いので済ませてたろ」

「仕事中に飲むんがアカンのや!」

「あんなダルい仕事飲まずにやれるか!非正規だぞ!」

「それは自分が正規いやや言うからやん」

「嫌に決まってんだろ」

「じゃなくて!はよやろーや!」

「やってんだろ、二次会」

「ウタネちゃんも飲んでないでなんか言ったってよ」

「……私、何するかすら聞いてないんだけども……?」

「折角リミッター外れたんやで?やることは一つやろ」

「……飲み会?」

「ボケか?……アインス」

「また月読か?しなくてもこれで分かるだろう」

「……はー?」

 

 アインスが夜天の書を、シグナムとヴィータ、なのはもそれぞれデバイスを。

 

「分かりたくないね?フォワードもぽかーんしてるよ?」

「ウタネちゃん!機動六課、最後の思い出作り!最後の模擬戦!」

「えっ、え?そういう話だったんですか?スバル達も聞いてない感じですけど!」

「そーゆーサプライズだよ。ほら、さっさと準備しろ。オレとマジでやれんのも最後だぞ?」

 

 シオンがワインをギンガに投げ、それをギンガが一口。

 それをソラがエゲツない目力で凝視する。

 

「あー!そのワイン私にもちょーだい⁉︎」

「シオン。それなら容赦しませんから。今までの恨み、ここで晴らします!」

「やれるもんならな」

「チームは機動六課とヴィーナス!史上最悪の悪魔たちにトドメを刺そう!」

「……悪魔はテメェだ」

「何かな?」

「なんでもねぇ」

 

「「「セット・アップ!」」」

「「ユニゾン!ツヴァイ!」アギト!」

「私もこっちだぁ!シオン覚悟ぉ!」

 

 それぞれが戦闘態勢。はやてがツヴァイ、シグナムがアギト。

 3バカ、守護騎士、ギンガ、フォワード。ついでにアリシア。しめて13人と2人。

 

「はぁ……仕方ない。私のはマジだからね」

「さぁ、珍しくやる気出すか」

「ワインんんんんんんん!」

「……5倍の人数差でさえハンデにならないのは、なんというか、すまない」

「穢土転生のアリシアがいるのよ?それでフェアよ」

 

 こちらは私とシオン、ソラ、アインス、プレシア。

 穢土転生とは言えど死なないだけ。それを殺せるシオンとアインスに行動を封じることができる私。脅威では無い。

 

「言っとくけど!模擬戦やからな!殺さんといてや!」

「ふぅ……さぁ!喧嘩だ喧嘩!とことんやるぞぉ!」

「「「おぉー!!!」」」

 




vividの方よりは進歩してると思いたいですがまだまだ未熟という実感が増したstrikers編でした。読んで下さりありがとうございました。
気が向けば模擬戦を詳しく書き込みたいなぁと思いますが気が向けばなので書かないかもです。
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