「きゅっ!吸血鬼⁉︎十字架!」
「こらスバル!失礼でしょ!」
「……向こうに気を使ってるヒマは無いぞ、オレもそこそこ本気で行くぞ」
「うわっとぉ⁉︎」
戦闘中に地球産人外の簡単な……個人に踏み込まずだいたい伝わるようなプロフィールを紹介した。
キョウヤはウタネと打ち合ってるし、すずかはアインスの出したライダー達と一人で対等……というより圧倒している。ミユキもはやての援護アリとはいえソラとやり合ってる。スバルやギンガ、戦闘機人を知っているとは言え……いや、知っているからこそ生身であれだけやれるのが驚愕なのだろう。いや、オレも相当なレベルで驚いてるが。すずかは闇の書の時見たが……高町家は……なんだ?あれほどのレベルだったか?
「……それに、アイツに十字架は意味ねぇしな……っと」
「「リボルバーシュート!」」
「甘い」
ティアナの牽制から前後の攻撃。牽制は避けて姉妹の攻撃はアイアスで防ぐ。
「バスタァァァァァァ!」
動きが止まったところになのはのディバインバスター。
コンビネーションってこういうんだろうな……オレ達にはできん。
「だが無駄だ。直死はあらゆる存在を殺す。砲撃だろうと変わらない」
鎌を振りバスターそのものを殺す。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ファーストブリットォ!」
鎌を振り抜いた隙にギンガが背後から飛びかかってくるが、空いた左手の自慢の拳で相殺する。
「先の先まで読め。もしくは何も考えるな。でなければオレには勝てん」
「でも考えないと勝てませんが!」
「ヴィーナスに勝ちてーんだろ。ちったぁ自分で考えろガラクタ」
「なっ⁉︎言ってはいけないことを言いましたねこの人外!」
「黙れ!テメーら六課前線メンバーの殆どが人外じゃねぇか!オレの中身は純正の人間だぞ!」
「簡単に予備の体で復活した人がいまさら何を言いますか!私の予備も作ってくださいお願いします!」
「ふざけんな!お前らは1回死ねば終わりなんだよ!替えが効かねーの!オレは何度死んでも次があんだよ!」
「えっ……私の替えが効かないだなんて……」
「……?」
「ギン姉!何話してるの⁉︎」
「ハッ……⁉︎流石ヴィーナス!話術にも長けているとは!」
「……わからんが、お前が勝手にハメられただけだ」
「勝手にハメ……⁉︎そんな人だとは思いませんでした!」
「……スバル、お前の姉どーかしてんぞ」
「知りませんよ!シオンが何かしたんじゃないですか⁉︎」
「するかバカ。お前らみたいな型落ちにキョーミねぇよ」
「カタ……⁉︎ウガー!」
「お前もかよ!」
タイプゼロはもうダメだ。
いや、元々ほとんどがダメな気がする。
「シオン!私もいるんだよ!」
「わってるよ」
なのはのシューター、実に32発を全て斬り落とす。
これが牽制なんだから意味わかんねぇな。並の魔導師なら切り札だぞ。
「行くよティアナ!」
「はい!なのはさん!」
「シオンが未来を予知しても……対応できない速度なら!」
「それを実現するだけの手数を用意できれば!私となのはさんにはそれができる!当たれば勝ち!」
「バスタァァァァァァァァァァァァァァ!」
「シュ────────ト!」
バスターとシューターの範囲攻撃。
密度も範囲も幼少なのフェイのブラストカラミティより上だ。刀ならともかく、ウタネの鎌じゃあ圧倒的に手数が足りない。地上だから上下にも動けない。
……だが。
『ライダーターイム!仮面ライダーゲイツ!』
……やりたかないが、2つデバイスを装着したベルトを出現させ、両手で引くようにして回転させる。
「当たっても効かなきゃ意味無いな」
『リ!バ!イ!ブ!剛烈!』
砲撃は全てオレンジを基調とする装甲に阻まれた。オレ自身には何一つダメージは無い。
その時にベルトがうるさ過ぎる変身音を鳴らし、顔面に文字が飛んでくる。割とコレ速いしデカいしで怖えぞ。顔背けそうになった。
ゲイツリバイブ。アインスがグランドならマジェスティでも良かったが……絵面……
『剛烈!』
「えっ⁉︎それって⁉︎」
「シオンは装甲無しなんじゃ⁉︎」
「ま、たまにはな。アインスがアレだし、そして──」
なのはたちが怯んだ隙に左の縦長デバイスを回転させると、その上下が入れ替わり、別の力を発現する。
『スピードタイム!リバイリバイリバイ!リバイリバイリバイ!』
他人の数倍を一瞬で超え、メイドインヘブンに近い加速度を持ってして空中のなのはへ跳ぶ。
「──たとえオレより速くても、オレは更にその先を行く」
『リバ!イ!ブ!疾風!疾風!』
「うそ……」
範囲攻撃の全てを剛烈で受け切り、疾風でなのはの背後に周り首にスピードクローを添える。
「ま、そんなもんだ」
デバイスを2つとも外し、そのままなのはから離れる。
「でもよくやった方だ。アレで逃げられる魔導師はそうそういねぇよ」
「でもシオンに勝てなきゃ意味ないの」
「無理だってんだろ」
「今日こそは勝つから!ファイア!」
「まーがんばれ」
即座に切り替え、シューターを乱発するなのはからさらに離れてまた混戦状態に戻る。
やれやれ……
♢♢♢
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!ふん!」
「くっ……ウソだろう⁉︎生身で……自我が無いとはいえ歴戦のライダーだぞ⁉︎」
リインフォース・アインスは驚愕と共に深く絶望していた。
目の前の、すずかと言う紫髪の女性の強さ。なのはやはやてと同級生だという彼女の見せる攻撃はまさに破壊の一言。
グランドジオウの能力で呼び出された歴戦の強者たちだが、その攻撃は難なく防がれ、反撃の1つで見事に消滅する。何十トンの単位を基準とさえするライダーの攻撃が、必殺を銘打って放たれる拳も蹴りも剣も銃もがただ1人の人間に届かない。
「使うか……ハッ!」
「……」
シオンのように素性が分かっている戦力ではなく、まさに想定外の規格外であったため、本来なら使わない……タイムジャッカーの時間停止能力をすずかに対して使用するアインス。
自らが加速するならともかく、他人の自由を奪う能力はあまり使わないアインスであったが、それだけ動揺させる迫力がすずかにはあった、ということだろう。世界やキングクリムゾンを使わなかったのは、他のVNAが同様に動けるからだ。
「はぁっ!」
「っ⁉︎」
「時間停止も、効かないですよ。私、何でもできるので!」
「ウッソだろう⁉︎」
「行きます!」
「できれば来るな⁉︎」
アインスの余裕はここで完全に無くなった。
すずかはアインスにとって絶対必勝であるはずの能力を何でもないように振り切ったのだ。特に対策をするわけでもなく、単純に。
「〜〜〜〜!『メラメラ』神火・不知火!」
「薄れたとはいえ真祖の血統!なのはちゃんたちにカッコ悪いところは見せられませんから!」
迫るすずかに跳び退きながら両腕を振るったアインス。その炎を片手でかき消すすずか。
グランドジオウから火柱が放たれる光景は様にはなっていたが、夜天の書に戻って以降滅多には使わなかった2つ同時使用。
しかしそれが幸いし、アインスはすずかの力の源流を知る事ができた。
「真祖……?なるほど、それなら!」
グランドジオウを解除し、通常の騎士甲冑を纏ったアインスの眼が狂気を帯びる。
同種の真祖、いや、すずかの薄まった末端の血統ではない、限りなく純正に近い力。全てを切り裂く爪、金色の魔眼がアインスに宿る。
「はぁっ!」
「っ⁉︎これは……!」
「同じ真祖だ、純度の高い私の方が有利だぞ?」
「……!」
真祖、吸血鬼としての能力を除けばアインスがすずかに劣る要素は何一つ無い。
更に真祖の純度も高いとなれば形勢は逆転。圧倒的なスペックの差が明らかになる。
♢♢♢
「あははははははははは!流石タカマチの人間だ!もうヒトじゃないね!」
「何がですか!私はまだ人です!」
「今の私とやりあえてる時点でもう手遅れだよ!」
「いやー、正直私もどーかと思うで…… 美由希さん」
「なんで⁉︎」
60%とはいえ、ビルを片手間に破壊できるほどの筋力にまでなったソラとはやての援護で誤魔化しつつも対等に打ち合っている美由希は人間の域にあるかどうか微妙、と言う点は否定できない。
「楽しくなってきたぁ!ナンバーズともやりあえ……いや、無理かな!」
「なんか失礼です⁉︎」
「あの子たちは普通じゃないからね!」
「あなたも普通じゃないよ⁉︎ソラちゃんだったかな⁉︎」
「あーっはははははは!楽しいなぁ、楽しいでしょお⁉︎」
「ソラちゃんも楽しそやなぁ……事件ときは静かやったのに」
「だってアレだよ!なんだかんだ私も仕事は好きじゃないし!」
「ソレはみんなそやで……いや、六課はどうかわからんけどな?」
美由希の真剣とはやての殺傷設定を力づくで相殺し、2人の手数に追いついているソラに美由希は驚きを、はやては呆れを見せる。
「そもそも海鳴の人は何⁉︎戦闘民族なのかな⁉︎」
「違います!ただ剣術をしてるだけだから!」
「剣術だけで魔法とやりあえるのはどーかと思うけどね!」
「そーかもね!あなたも大概……ッ!強過ぎるよ!」
「っと……!」
強く踏み込んだ美由希の刀に押されソラが退く。
60%、しかも美由希しか対象にしていないというのにスバルと同等程度の力を持つ美由希に、ソラも驚いていた。
「……やっぱり何かあるでしょ、タカマチ家」
「さっきからなんのことですか。普通の一般家庭だよ」
「いやー、しかしいくら達人としても生身でスバルと同じはどーなのかな。あれかな、知名度補正?んなわけないか」
「まぁ、今日勝てば皆さんを門弟として迎えられるらしいので。全力でぇ!」
「うわっとぉ⁉︎何⁉︎みんな来るの速かった理由ソレ⁉︎私達5人とか世界がいくつあっても足りないよ⁉︎」
「えーいうるさーい!気ままに自由にいつでも練習相手になれー!」
「やだー!なのはに頼めばいいじゃん!私は世界救わなきゃいけないの!」
「うおっしょーい!」
「……!やっぱりおかしいって!ギャグ入ってる!このタカマチ!」
目を怪しく煌めかせ邪悪な笑みと死刑宣告を上げた美由希はソラの拳に刀が通り始めるほどのパワーを持ち始めていた。
なによりも絶対の武器とする自身の拳が傷を負い始めたことでソラが悲鳴を上げる。というよりシオンにクレームに近い問いを投げつける。が、当然シオンも戦闘中、返事など返ってくるはずもなく、かと言って生身の人間相手に80%へ上げるわけにもいかず、模擬戦の前提故に抑止力の能力も使えず、割とピンチなソラだった。
「うおぉ!えっちゃん助けて!」
*高町家とすずかはギャグです。真祖とは多分違うと思いますけど神秘的にまぁ真祖の末裔にしてやれ、って感じです。高町家は多分人間じゃない。
*えっちゃんもこの作品には多分出ません。