無気力転生者で暇つぶし   作:プラスマイナス裏表

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第78話 それぞれの価値

「……と、まぁ、ええタイミングやな。今日、聖王教会本部、カリムのとこに報告に行くんよ。クロノ君も来るから、なのはちゃんと一緒について来てくれんかな。そこで全部話そう。今後についても」

「うん」

「うん? 私もか?」

 はやての提案に迷わず答えるフェイトと関係ないよな? というリインフォース。

「何言うてん、リインの情報が一番いるんや、絶対来てもらうで」

「うー……全身ガタガタだから今日は寝たかったんだが……」

「私の言ういっこを無視したからや。今度から拡大解釈はナシやで」

「それはすまない……怒りとな、悲しみがな……」

「ホント言うと休ましたいんは山々なんやけど、事が直接的になってきたからな。あんなん見せられてのんびりしとるわけにもいかんのよ」

「わかっている。くそ……シオンはよくこんなのを使うよな」

 度々能力の負荷でダウンしているリインフォースに対しシオンは辛い辛いと言いつつも人前でその負荷が顔を出したのは何でもない模擬戦の後だけ。それ以外は嫌な顔をするだけで能力自体は使っていた。

「シオンか……オリジナルやから、とかじゃないん?」

「確かにそれもあるかもしれない。だが存在容量としては私の方が大きいはずなんだ。闇の書の時も結局最後まで魔法込みの私と張り合った。私が負荷の大きい能力を選び過ぎているだけなのか?」

「どーやろな。ウタネちゃんに使った時はわけわからん理論で負荷が少ないから、とか言ってたしそうなんやない?」

「……まぁ、能力に関して知識の無い私たちで考えても仕方がない。わかった、いつ出発する? 私も同行する」

「んー、なのはちゃんが戻ってるならすぐでもええんやけど……どうやろ」

「連絡してみるね」

 フェイトがモニターを開いてなのはへ通信する。

『う"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!』

『こ、こら、泣かないで! ね?』

「「「……」」」

 モニターの先にはなりふり構わず泣きじゃくる金髪の子ども。先日保護した事件に関連のある重要人物で、聖王教会の検査を終えてなのはが連れてきてのことだった。

「えっと……何の騒ぎ?」

『うぅ……フェイトちゃん、助けて〜』

「……取り敢えず行こか」

「……主を呼んでおきます」

 

 ♢♢♢

 

「あ、部隊長……」

「んー、なんやおもろい展開になってんな?」

 なのはの部屋は阿鼻叫喚、一人の子どもに大人五人が立ち往生をくらう光景。

 急に呼ばれて来たけどなんとも。

「主。私とはやて、なのはとフェイトは聖王教会へ行かねばなりません」

「うん……」

「お願いします」

「しますじゃないよ⁉︎私にも出来ないことはあるからね⁉︎」

「ほら、アレです。なのはから引き離すだけでいいので」

「割と鬼畜かな? 泣いてる子どもと二人っきりにさせる気?」

「しかし主がどうにかせねば事は遅れるばかりです」

「む〜……フォワード……も無理っぽいんだよね」

「「「すみません……」」」

 息を揃えて謝られても。

「はぁ……」

 右手で首を五回つついて目を閉じ、軽く倒す。

 こんなことならソラ呼んどけばよかった。タントウするから! ってトレーニングルームに篭って三時間以上経ってから放ってるけど。タントウって何? 何してんだアイツ。

「よう、オレはシオン。お前、名前なんてんだ?」

 近づいて、かがんで目線を合わせてから聞く。できるだけ、威圧的にならないよう。

「……っ、ヴ、ヴィヴィオ……」

 なのはにしがみ付いてるヴィヴィオが怯えながら答える。

「そうか。なぁヴィヴィオ、なのはは今から大事な仕事があるんだ、お前がくっついてるとそれが遅れて、後からもっと離れなきゃならなくなる。それは嫌だろ?」

「……」

「今離れとけばちょっとの間で済むんだ。けどここでゴネると何日も会えなくなるかもしれない。そうなるとなのはも悲しむ。二人ともが嫌な思いをすることになるぞ?」

「……ん……」

「な? 今日はちょっとだけ、オレと遊ぼうな。食べたいものとかあるか? 絵本でもいいぞ。そのウサギもかわいいもんな。人形ごっこ遊びとかするか?」

「ん……」

 ヴィヴィオがなのはから手を離す。

「よし、いい子だ」

「ありがとね、ヴィヴィオ。ちょっとお出かけしてくるだけだから」

「うん……」

 落ちてたウサギのぬいぐるみを渡し、完全に引き離す。

 今にも泣きそうだが、まぁなんとかなるだろ。

「なにする? 一緒におやつ作ってみるか?」

「うん」

「そうか。何食いたい? 大抵作れるぞ」

「え……ん」

 念話で行っていいぞと伝える。半日くらいなら持つはずだ。

『ありがと。またお礼する』

 なのはがそう言って一同全員が出て行った。せめて一人は残れよおい。マジか。

「決まらないか。ならモンブランとか作ってみるか?」

「うん!」

「じゃあ冷蔵庫から牛乳取ってくれ。他にも食べたいのあったら出していいぞ。なのはのだから遠慮すんな」

「うん!」

 やれやれ……子守なんて何年ぶりだ? もしかしてはじめてか? ん? オレってこの世界来て何年目だ? 

 

 ♢♢♢

 

「ごめんね、お騒がせして」

「いやー、ええもん見せて貰ったよー」

「にしても、ウタネって……」

「なんなんやろねー、一般常識とか社会倫理観以外弱点無いんか? あの子」

「まさかのシオンだしね。意外と子ども好きなのかな?」

「ウタネちゃんができへんからやと思うで? 二人で完全とか言うてたし」

「でも似合わないというか、イメージと違うよね」

「やなぁ、シオンは突き飛ばして黙らせるタイプや思てたわ。けどやっぱり、モンブラン選ぶ辺りウタネちゃんやな」

「「モンブラン?」」

 まさかのウタネの判別法に首を傾げるなのフェイ。

「二人とも知らへんの? ウタネちゃんのモンブランは斜向かいに店出せば翠屋潰せそうなくらい美味しいで?」

「「うそ⁉︎」」

「私と守護騎士が証人や。リインは食べたことある?」

「いや、家で時たま食べているのを見たことはあるが……材料を聞いて食べる気が失せた」

 なんでも経験済み、森羅万象の理に耐性のあるリインフォースが苦い顔をする。

「材料? そういや作り方知らんとか言ってたな。結局分からずや」

「えぇ……」

 菓子職人どころか料理人として致命的な情報になのはが引く。

「うん、なんでもあのモンブラン、栗なんて一切使ってないらしい」

「ゔぇえ⁉︎じゃあなんで⁉︎完璧に栗やったで⁉︎」

「しかもその多くは鳥、豚、魚介類を中心に野菜をふんだんに使用しているらしい」

「えっと……リインフォース? モンブラン、だよね?」

「ああ。喫茶店の人間には信じられないかもしれないが、あのモンブランは肉と野菜が八割だ」

 しかも作り方は本人も覚えておらず、映像記録も全て砂嵐になり一切を知ることができない。

「……なるほど、どうりで栄養状態に変化があるわけや……」

 はやては入院時、妙に肌の張りが良くなったり体調が安定した時期があったのを思い出した。それは確か、ウタネからモンブランをご馳走してもらった次の日からだったような……

「まぁはやての言う通り見た目も味も全く問題ない。普通のモンブランだ。シオンはどうも好物だとは知っていてもその調理法は知らないようだしな」

「流石の効率厨シオンでもそれは止めるやろ……」

「でもウタネに会うために管理局敵にするくらいだし……やりかねないのが怖いね」

「あぁ……そうだ、誰もが幸福であってほしい願いなど、空想のお伽話だ」

「え?」

「ん、どうしたフェイト。急に」

「どうしたも急もリインやで? なんやお伽話って」

「うん? なんの話だ?」

「なのはちゃんも聞いたよな?」

「うん。誰もが幸福であってほしい願いなど、空想のお伽話だ……って」

「……? すまない、口をついて出たようだ。なんだ? お伽話……?」

「大丈夫か? カリムの前で変なこと言わんでな?」

「ああ。大丈夫だ」

 

 ♢♢♢

 

「さて……実際のところどうだった。面白い情報は得られたかな?」

「すみません。レリックをみすみす逃すことになるとは……」

「あーあー、そんな事はどうでもいいんだ、今のところはね。レリックを奪えなかった理由の方が興味がある。やはりウタネかな?」

「いえ。ウタネとは体格が大きく異なります。全身をこのような装甲で覆っていたため確認は取れませんでしたが……私のライドインパルスを捉える速さを持ち、セインのISと同等の能力を保有した上で、圧倒的な火力を持っていました」

「ふむ……興味深い、が! おそらくそれは夜天の管制人格だろう。魔法でない能力なら、彼に聞いてみるのも良い。まともな情報など出てこないだろうがね! マテリアルの方は……まぁ放っておきたまえ。アタリならいずれはこの玉座に戻ることになる。あとはそうだ、ああ、いや。その青い装甲に追われて逃げ帰ったのなら情報は探れないな。優しいルーテシアに聞いてみるとしよう」

「すみません」

「いいとも。どんな目的の協力だろうが、先に動いてしまえば私の勝ちだ。彼は自分の能力を君たちに学習させた。私はまだ解析しきっていないが、我が娘たちは全て対応可能だ。不安は無い。その青い装甲も対策をフィードバックしておいてくれたまえ」

「はい。すぐにでも」

「ふふふふふ……楽しみだ、とても! プロジェクトFは終わらんよ! 管理局も彼も! 我が娘たちには決して勝てない!」

「……IS'(プライム)への切り替えは」

「ああ。もういつでも可能だとも。それほど脅威だったのかな? この青い装甲は」

「……はい。ライドインパルスは完全に見切られていたように思えます」

「祭りの日は近い。大きな花火が上がるといいなぁ!」




使用能力書くの忘れてました。スタンドと宝具だけとは言ってないはず。
・ラディカルグッドスピード
スクライド、ストレイト・クーガーから。情熱思想理念より助手席に女性の方が言えない。
・ロボライダー、バイオライダー
仮面ライダーBLACKRXから。追い詰められると新たな能力を発現する系。このカードは君には使えない。ライダーはフォーゼまでしか見てないのでそれ以降は多分出さない。
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