……シオン。何を考えてるの?
「ふぅ〜……」
なんで、私なの?
ウタネに対する抑止力に私が選ばれるなら分かる。ウタネを抑えられるのは私……と、ウタネの能力のオリジナル2人……内一人が、ゴドーワード・メイデイ。アレは私でもダメだ……詩音か、シオンじゃなきゃ……勝てない。けどシオンは違う。シオンに対する抑止力なら他でいいはずだ。この管理局、機動六課にならそうできる人材なんて選ぶほどいる。私たちでならウタネだ。
次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティ。違法研究者。指名手配。そんな輩ごときに私が喚ばれる? なんであのロリコンは私を?
ここでも詩音が目を覚ます? そんなバカな。この世界に詩音が出れば抑止力なんて意味は無い。神秘のしの字も無いこの世界に四象以上に根源に近い存在なんてあるワケ無いし……ウタネとシオンの能力に加えてノーモーションノーリスクの上自身の概念だけで発動する現実改変なんて正直もう誰が勝てる? ってカンジだし……
なんにせよ、シオンがウタネに敵対するような事をしてる事、それそのものが不自然過ぎる。この世界で何か思うところがあった? それもなくは無い。
「ふぅっ……」
10%……
……明らかにおかしい。
この世界で私が潰してた犯罪組織くらいのコトなら私がほぼ自覚することなく終わってる。世界が私の能力だけを使うから。その場面場面を正確に記憶していない。そういう事があったなぁ、くらいの感覚。でもそうじゃない。今はこうしてしっかりと、VNAの私が存在してる。カルデアみたいな、人類史に影響するほどの異常が起ころうとしてる。ってコトだと思う。
……けど、そもそもそれがおかしい。
なのはちゃん達の予想……個人の体を得て力もあるから気分で敵対。
それがまず、シオンを知らない。シオンはウタネを守るため……もっと正確に言えば、ウタネが自分を守るため作り出した人格。つまり、それと自衛以外の機能は殆ど無い。単独戦闘に特化してるのもウタネに仲間がいたことなんて無かったから。ウタネの孤独と恐怖を消していくためのもの。私が世界を守る能力しか持たないように、シオンはウタネを守ることしかできない。だから、気分なんかでウタネを敵にすることなんか絶対にない。
「ふうー……!」
20%……
じゃあ他の可能性だ。シオンが敵なのに出てこないでいるのは、あのエッチスーツの子達がいるからだ。えっち……でもなんかケルト寄りかな。
サーヴァント……えっちゃん……ゲーティア。
状況が状況だ。焦らずとも急がないといけない。
これだけ巨大な組織だ。敵は未知数。なら、どこにスパイが居るとも限らない。
……レフ教授。私たちは、所長は、貴方を信頼してたんだよ。短い付き合いだったけど、ぐだも私もドクターも。
スパイは事が起きるまで正体を見せない。全部終わった後でさえ見せないかもしれない。けど、管理局は権力争いなんかもあるらしいから可能性は十分にある。けど今はそれを探す時間も能力も無い。
管理局には……この世界にはなんの思い入れも無いけれど。ついでにウタネが勝手にVNAに引き込んだのには半ば納得してないけど。ウタネがそうしていいと思えるくらい信頼し合える関係を持てたのは喜ばしいことだ。だから護ろう。カルデアに起きた事は、もう繰り返さない。
で、戦略分析だけど……エッチスーツがいるから出てこない。それはそれでいいんだけど、シオンの性格的には敵対するならまず自分から出てくるはず。なら何故か。一つはやっぱり時間経過で変わっちゃったから。後は……何かしら拘束されてるか、洗脳でもされたか。ぶっちゃけありえないけど可能性の一つには入れとこう。
「はっ……!」
30%……
とは言ってもこの世界はこの世界の物語……私が介入するのは、私たちによってできた歪みを正すためだけにしよう。
そのためにも、私自身の力も鍛えなきゃ……
その後なんやかんや考えながらしてて、80%ほどまで解放してからウタネが酷くブサイクな顔で止めに来た。人がいなかったらいいって言ってたのに……
♢♢♢
「ふぁーわぁ……」
「やぁ、おはよう」
「んー、おはよう……? 今何時?」
何故かリインフォースが私の枕元に座ってる。
「さぁ。時計すら置いてないので。早朝訓練が終わったところです」
「ふーん……」
「昨日のソラの熱気に負けたようです。部屋の前で倒れてましたよ」
あー……帰れなかったのか……
「そのソラは?」
「普通に訓練に参加して、今おそらく朝食かと」
「じゃ、合流しよ」
「大丈夫ですか? 治療は聞いてからにしようと思いまだ何も施していませんが」
「大丈夫。熱中症ってわけでもなさそうだし」
「そうですか。では行きましょう」
「また口調戻してるよね」
「まぁ……すみません。やはりその、主すら対等に置く、というのは段々と辛くなりまして」
「ふーん……まぁいいよ。好きにすれば」
「では今はこれでお願いします」
主も八神さんでいいって言ったのに……タメ口の方が無理言ってたのかな……一応言いたいことは言ってるから放っておこうか。
にしてもソラのあの筋肉……ちょっと分けてくんないかな……3%分くらい。あ、0→3%の3%ね。97→100%の3%だとボディビル優勝しちゃう。絶対あのパーセントって適当だよ。もしくはあの……なに? 指数関数的? っていうの? エックス二乗しちゃう感じの上昇率だよ。
「あ、ウタネさん! おはようございます!」
「うん、おはよう。ごめんね、寝てて」
「あ、いえ……いいんですが……」
スバルに軽く引かれる。ドン引きかな。
「あ、そうだ、ティアが部隊長と本局に行くらしいんですけど、部隊長がウタネさん見かけたら声をかけておいてくれ、と」
「ふーん……? 本局?」
「え、はい。要件は聞いてませんけど……」
本局……本局かぁ……
「なんだっけそれ」
「……本局は本局です。日本で言うと東京? でしょうか? それだと地上本部に……? まぁ、そんな感じのところです」
「ふーん……」
東京ってどこだっけ……本局よりは馴染みありそうだけど……まぁいいや、知ってる風で行こう。
「じゃあ何? ついて来いって事?」
「多分、そんな感じだと思います」
「スバル、騙されるな。この反応は本局すら心当たりが無いぞ」
「えぇ⁉︎」
「リインフォース……やめよう?」
「ふふ、何をしてもいい、と言ったのはそっちだぞ。ヴィーナス隊長どの」
先の敬語などいずこやら。
完全にこちらの尻尾を捕まえてしたり顔の狩人気分。
対処は簡単。主は私。つまり手元に夜天の書を持つことなど造作も無いわけで。
「スバル……この魔導書、壊してくれないかな」
「おーい! ストップ! スバル! 絶対やめろ! もれなく私が死ぬ!」
「それで死なないって言ったの誰よ。たしか……キングストーン? だっけ?」
「……? そ、それだ!」
「は?」
無い記憶を思い起こしていると、リインフォースが突然納得する。
そして人目も気にならないほど早口でまくし立てるように話し出す。
「私に変な言動があったのは聞いているな? その原因だ! キングストーンは本来、ある一人以外は使用できないものだ。それこそ、演出を装って使用を防ぐほどの!」
「うん、分かったから落ち着こうか。ちゃんと理論立てて話そう」
「うん。私が使ったロボライダー、バイオライダーはそれぞれ同じライダーを基準とする。BLACK RXだ。このRXはBLACKを元にしており、その体内にキングストーンを内包する。このキングストーンは太陽と月の二つがあり、二つが揃うことで全宇宙の掌握すら可能とする力を得る事ができるらしい。それが本来の持ち主でない私が使ったことでおそらく拒絶反応が出ているんだ!」
「……なんでそんな情報を?」
「能力を辿ると知ることができるんだが、シオンはできないようだった。私はヒントがあればそれを辿って能力を引き出せるが、シオンは知らないものは使えないようだ。それも原因を探らなければならないことだが」
「……違う?」
ナニソレ。
「うん、はやて達とはもう共有してるんだが、シオンと私の『能力』はどう見ても同じでは無い。だがそれよりキングストーンだ!」
「ちょっとまって、ちょっと待って。まって。闇の書は、蒐集した魔法を使うんだよね? で? シオンの『能力』と、シオンから引き出した私の『戦闘術』も使える……だよね?」
「それが違う。確かに魔法はその通りだ。全く同じ同一のもの。だが戦闘術。これも違う。シオンはお前と同じと解釈したようだが、実際にはただのイップスだった。客観的に見れば、シオンがお前になった時に使う物と同じ。実感としてそうだった」
イップスだった?
ただの?
「まって、私のはイップスじゃないの? 何? 貴女とシオンは……ソラは、何を知ってる⁉︎」
ソラも……何か、知ってる風だったし……
「……ここでは話しづらい。話しすぎだ。取り敢えずお前ははやてとティアナと本局へ行け。おそらくクロノと話があるんだろう」
「誤魔化さないで」
「お前たちも私に話してない事があるだろう。仲良しこよしの組織でないことくらい分かる」
「……わかったよ。また人目につかないとこで話そう」
「スバルはこの会話を話すな。まぁ、話してもいいが言及されてもこちらからは一切何も言わない」
「え、はい! もちろんです!」
私たちのことは……何話したかすら分かんないけど。多分ほぼ話してないんじゃない……? わかんない。
それはそれとしてクロノか……もう会う必要も無いと思うけどなぁ……
「あ、そういえばソラは?」
「えっと……確かライトニングと現場調査だったかと」
「じゃあもういないか……早いね」
「スピードと技術が売りなライトニングはソラさんのパワーに興味ありまくりですから! もちろん私も!」
「うん……ああなったら終わりだけどね……」
「? 何がですか?」
「あーいや、気にしないで」
「? はぁ……」
♢♢♢
「……で? 何の様だ?」
「あのなぁウタネ。僕は君に用があるんだ。シオンじゃ変に躱すだろう」
「逃げられるとマズイ話ならハナから受けん。それに、久しぶりのオレだぞ? 話す事はないのか? あぁ、ティアナ、ミスショットの罰を思い付いた。コイツの頭撃ち抜いてやれ」
何かと思えば下らない。
騙そうとしていることはバレバレだ。
「えっ⁉︎」
「おいおい……仮にも提督だぞ。今僕が死ねば機動六課も無くなるぞ」
「だから何だ。オレのすることに、管理局が必要なのか?」
「お前自身の努力も無に帰すぞ」
「どうだっていい。今までの努力なんてどうせ覚えちゃいない。お前ら管理局にオレたちの誰一人として止める力は無い」
「だー! ええねんそんなことは! うるさいなぁ! 死ねッ!」
「ぐ……っ!」
「ウタネちゃんのシオンは右頬を殴り飛ばせばウタネちゃんに戻るんやんなぁ……⁉︎」
首が折れる程の力で無理矢理にルーティン……切り替えがされる。首斬り離した時に能力使ってなかったら死んでた。ただ首を軽く傾ける程度でいいのに……ソラに聞いた?
八神さん、やっぱ腕力どうかしてる。
「ひっどいなぁ……」
「酷いのはそっちや。面倒やからって逃げて済むもんやないんやから」
「む……」
「一応真面目な話やからな」
「じゃあティアナも座って」
「え⁉︎いえ! 私は」
「いいから。あなたが立ってると私がエラそうにしてるみたいでしょ。それにクロノはあなた達にあんま強く出れないだろうしー」
「そーだよ。ボクの隣でいいかな? ケーキ、どうする?」
「貰っときなよ。美味しいよ」
「は、はい……失礼します……いただきます……」
「うん」
「ごほん……まぁ、試験の事は本当にすまない……この前渡したので足りないなら他を考える」
「い、いえ! こちらこそすみませんでした! えと……階級は大丈夫でした?」
「ああ。聞いてないか? 僕は謹慎だけで済んだよ。リインフォースは……普段の行いから見ればまだ甘いな。まぁここはロッサのケーキで許してくれ」
「と、とんでもないです! こちらこそすみませんでした!」
このメンツに気を使う必要は一切無いと思う。緑の人は多分初見さんなんだけど緩そうだしいいでしょ。
「それはそうとウタネ、君は抵抗ないのか?」
「うん?」
「シオンになると普通に男口調だし言動も荒いし……その、変なことを言うが。脚を開いたりボディタッチなど気楽にするだろう? ウタネの時はそうじゃない。別にエイミィもコミュニケーションは軽快だから女性として不自然と言うわけではないが、ウタネとシオンで差が大きい」
「うーん……」
「そやでウタネちゃん、流石にそれは気にした方がええんちゃう? 昔シオンが言ってた痴女化やしエリオもおるし」
「私より私の周りが痴女ばっかだから影響されてるのかもね。シオンの時はシオンだ……って言わなかった? シオンは男の子だよ。脚も開くし上半身裸で歩く」
「えっ……」
「けどそれはあくまで元。ウタネが社会で生きていくのに最低限不都合な動作は矯正したし、本人も分かって治したりしてる。ここでは分かってる人がほとんどだからそこまで隠してないんだろうけど、初見さんばっかりだと意外と私に近かったりするよ」
「あ、ならええやん。でも結局、恥ずかしくないん?」
「別に。八神さんだって自分の部屋で誰もいない上気が抜けてたら開くことくらいあるでしょ」
「そ、それはそうやけど……人前やで?」
「んー……あ、屋外排泄は死ぬほど恥ずかしいけど、自宅トイレだと何とも思わない……みたいな?」
「なんでよりによってその喩え出したんや……? 分かりやすいけど」
「その発言は、恥ずかしくないのかな」
「別に? 下ネタっても生物としての機能の一つなんだしさ。それ隠しての上っ面だけの方が嫌いだし」
「その辺も変わらんなぁ……視点がクレバー過ぎへん? なにげシオンより冷静やろ」
「そう?」
「なんかこう……人としての感情? 常識? すら外から見てる気がすんねんな……」
「ん……まぁ……私は普通の人みたいな思春期は過ごしてないからね……あなた達みたいにファッション教育は受けてないし恋愛宗教にも入ってないし喜怒哀楽もそう学んでないからね……そうなるのかも」
「ファッションは個人の好みやし恋愛だって別に好き思たらそれでええんちゃうん?」
「違うよ。ファッションは友人や情報媒体を通して『これが良い』ってのを学んで改善していくものだし、恋愛だってイエ制度が崩壊する頃くらいまで日本には存在しなかった概念だ。ロマンティックラブイデオロギーとか言ったりする。恋愛が良いもの、こういったオシャレが良いもの、こういう価値観が良いもの、こういう料理が美味しいもの、こういう環境が、こういう顔が、こういう体型が、こういう趣味が、こういう習慣が、アタリマエはこうだ、なんて色々と形作られ洗脳するミームが形成されてる。それはそれで一つだ。アタリマエの中でアタリマエに過ごすのは、幸福だからね。正しくはな」
「わかった! ごめん!」
「……ん……ごめん、やっぱりこういうのがたまに……」
八神さんに止められる。
個人的に久しぶりの暴走だと思う。シオンでいる時間が長かったのもあると思うけど、そうそう爆発することも無くなってきた。
さて……落ち着いたけど、なんの話だったかさっぱり忘れた。
クロノ、八神さん、ティアナ、謎の緑……うん。
「さて……帰ろっか」
「ちょお待ちや」
帰してくれなかった。
その後はティアナのちゃんとした紹介などして、念話でクロノと八神さんが念話しながら他の話をしてたりしてた。
さぁ、私は話しても時間のことなんてサッパリだしどうしたものかな。
♢♢♢
「はやては身内に恵まれてるな……」
「ああ。ティアナちゃんも良い子だった」
『……それは良かったな』
「⁉︎」
はやてが帰還した後、ふう、と満足げに呟いていると不意に声がかかる。
管制室の入り口にその気配が分かる。クロノは振り向くこともなく、デスクのコーヒーを口にする。
「……シオンか」
「な、なーんだ、さっきの子か……ビックリした」
「違う。ホンモノのシオンだ。さっきの何も考えてないのとは違う」
「じゃあ……!」
『待て。別に争いに来たんじゃない』
「だそうだ。何もするな」
「しかし……!」
連絡しようとするロッサや他の局員をクロノが止める。
『お前ら管理局にオレたちの一人とて止める力は無い』
「まぁ、それはそうだが。じゃあ何の用だ? ……お前、その目は……」
振り向いたクロノが見たシオンの目は、右目は糸のようなもので縫い付けられており、左目には普通とは違う奇妙な模様が浮かんでいた。
『ああ、右目はわざと閉じてる。オレがいた頃は姉さんも視力が全く無いわけではなかったからな。ま、それはいい。事件の進行具合を聞こうと思ってな』
「なに……? 事件を起こしている側じゃないのか?」
『一応はな。だが事の殆どは把握していない。目の為にかなりの時間引き篭もっていたしレリックなどというオモチャにも興味無いからな』
「クロノ、ここで彼を捕まえれば……」
「だからそれは無理だ。彼の選ぶ能力一つで、即座に管理局システムは崩壊する……」
シオンの能力をこの場で唯一知るが故の無抵抗。同類たるウタネ達がいない今、下手に刺激することが最も下策である事をクロノは知っている。
「事件はそうだな、まだ探り合いだ。次に大きく動けば、というところだな。にしても、お前が何も知らないとはな」
『そうか。オレはオレの目的だけに動いている。今は捕まってやれん』
「一応、キミレベルの戦力は三人いる。僕らに何かあれば彼女らが動くだろうことは言っとくよ」
『三人? まさか……いや、ソラか?』
「ああ。やっぱり知り合いか」
『それは想定外だ。まぁお前らをどうこうする気も無い。ただ現状の確認だったからな』
「それだけで帰るつもりか?」
『……はぁ、固いねぇ』
「こちらに探りに来たんだ、土産くらい置いていくのがマナーじゃないか?」
『ったく……んー、そうだな。人が動くのは尊敬と愛情、人を動かすのは侮蔑と嫌悪、最も嫌うものは暇と無知……か?』
「なんだそれは?」
『さぁ? 知らんがオレ達が心に刻むべき事柄だ。オレ達の中には愛情と嫌悪に振り切った奴もいる』
「つまり何が言いたい。僕にできるのは何だ」
『オレ達が全員揃うのは想定外だってことだ。お前はリインフォースの監視でもしておけ』
「彼女を?」
『オレの今の左目を記憶しろ。この目を使い始めたらどんな状況でも姉さんかはやてに止めさせろ』
「なんだその目? どういうものだ?」
『人は、真実を知った時に変化する生物だ。それを言うと姉さんが危ないから言わない。だからこれも見せるだけで使わない。ヒントはオレ達を知ってれば想像できるだろ。リインフォースはオレ達の中でも未熟だからな。じゃあな』
「……お前たちの目的だけはなんとしても阻止するからな」
『目的?』
「全生命の根絶。最終的に行き着くのはそこだろう」
『……? なんの話だ?』
「リインフォースの言うところだ。お前たちVNAの結果はそこにあると」
『ああ、オレ達の話か。そうなるのはウタネとソラだけだ。まぁ、手段によってはオレたちもなるかも、というレベルだ。だからこの目を見せた』
「なら、違うというのか?」
『ああ。結果はどうあれ、目的はある。その目的こそ、オレたちが共通する条件だからな』
「なんだと……? リインフォースは知らないと言っていた。自覚が無いと」
『アイツはまだ日が浅い。そして説明するヤツもいない。理解が無いのも仕方ないことだ。闇の書でリーゼ達に辿り着けたんだ、軽いヒントで大丈夫だろ。お前らの考えた結果とやらの先だ。結果について答えが出てるのはウタネとソラだ。お前らの常識的にはソラの方がイメージしやすいかもな。リインフォースも既に口にした事がある。そもそも、自分勝手でガキ思考の集団だ。大人なお前らじゃ分からんかも知れんがな』
そのまま消えるシオンに、クロノは何も言葉を投げることをしなかった。